海と山、時々きもの

海と山、時々きもの

ダイビング記録+きもの試行錯誤の覚書。…だったはずなのに最近は山歩きの記録簿と化しつつある。
23年秋から山のない国に滞在中のため山歩き頻度は低下中。

3月のモンテペルディド山行、だんだん(心の)傷も癒えてきたので、山行記録を開始。
 
このモンテペルディドを目指す旅、山行自体も色々あったけど、とりあえず登山口にたどり着くまでが既に超ハードモードだった。
 
【難関1】:あると思っていたトルラへのバスがなかった
 
ツアー概要では、1日目にガイドさんとトルラ(Torla)という街で集合し、そこから登山口であるオルデサ(Ordesa)渓谷入り口まで30分程、ガイドさんの車で行くことになっていた。なので、私は前日までにトルラ入りする必要がある。
 
申し込みの時にトルラへの行き方を聞いたところ、マドリッドからサビニャニゴ(Sabinanigo)まで電車かバスでアクセスし、そこからトルラまでバスが出ているということで、乗り換えルートも貰ったので安心していた。
 
が、実際に出発が近づいてきてサビニャニゴからトルラへのバスを予約しようとバス会社の予約システムにアクセスしたところ、幾ら試しても「そんなバスはありません」的な表示が出てくる。
 
何か自分のやり方が間違っているのだろうか、とガイドさんに「バスがなさそうなんだけど。。。」とメッセージを送ったところ、「ほんとだ、ないみたいだね」と返ってきてちょっと青ざめた。
 
結局、サビニャニゴまでたどり着けばそこまでガイドさんが迎えに来てくれることになって一安心した。
サビニャニゴートルラ間の送迎の追加料金は30ユーロで良いとのこと。これは結構良心的だと思った。
 
【難関2】トルラでの宿が1室しか取れなかった
 
ガイドさんには「サビニャニゴまで迎えに行くけどその代わりその晩トルラで泊まれるように宿を取って欲しい」と言われた。
で、色々探したんだけど、トルラの中心地にあるホテルがなかなか見つからない。
自分は中心地にあるRefugio Lucien Brietoという名前からして山小屋みたいな所の3人部屋(専用バスルーム付き)に泊まろうと思ってたんだけど、近くに空いてるホテルがなかったので結局ガイドさんに了承を取った上で、そこに泊まってもらうことにした。
料金は2人分私持ちだけど、1人1泊50ユーロもしない激安価格なのでこの点は特に負担ではない。
 
ここはBooking.comの写真を見る限り、ほんと山小屋が街に降りてきたような、「寝袋やタオルも持参してください」という注意書きがあるようなホテルというか宿泊所だったけど、まぁ山小屋で雑魚寝するのと変わんないんだから別にいいかな、と思っていた。
 
この時は。
 
【難関3】あると思っていたSabinanigoまでの電車がなかった
 
正確にいうと、途中からバスによる代行輸送になってた。
 
renfeのウェブサイトでルートを検索してマドリッドからサビニャニゴ行のチケットを予約しようとしたところ、「ん?」となった。
中段の!マークと一緒にある「trip with incident」の文字。

 
で、「see notice details」をクリックすると出てきたのがこれ↓。
 

 
肝心のdetailsがスペイン語やないかい。
 
と思ったけど、英語のウェブサイトにいたはずがいつの間にか現地語にすり替わっているのはヨーロッパあるあるなので、粛々と説明書きをDeepL翻訳に貼りつけた。
どうやら、
 
「インフラ工事によりHuesca-Canfranc間はバス代行になります」
 
と言っている模様。ほうほう。
 
じゃ、目的地のSabinanigoはどこなのかな、と見たところルート図がこれ。

 
見事バス代行ルートの中に嵌っている。
 
…まじか。
 
Huescaの駅ってどんくらい大きいんだろう。
Googlemapで見たところそんなに大きくはないようだけど。
降りてスムーズにバスを見つけて乗り継ぐことができるんだろうか。
迷ってる間にバスが出発してしまったら当日中にどうやってSabinanigoにたどり着けばいいんだろう。
そしてもしうまくバスに乗れたとして、Sabinanigoのバス停って鉄道駅とどれくらい離れてるんだろう。無事にガイドさんに会えるのだろうか。
 
ガイドさんに「バス代行っぽいので鉄道駅に着かないかも」と送ったところ「大丈夫Sabinanigoはそんなに大きくないから。きっと会えるよ」とヨーロッパあるあるの楽観的な返事が返ってきたけど、不安は尽きない。
当日中にSabinanigoに着かなかったら、翌日にOrdesaに行くのも危うくなりそうだし、ということはつまり翌日ゴリッツ小屋に着くのも無理になり、ひいてはモンテペルディドにも登れなくなる、と。
 
これだけの時間とお金をかけてスペインに行くのにそれはちょっと悲しすぎる。
 
と不安が雪だるまの如く膨れていったんだけど、これはまだ序の口で、この後一番胃がキリキリするような出来事が起こった。
 
前回から随分日が空いてしまった。
スペインの山行記録を書こうと思いつつも、書こうとすると、やっぱり「う、頭が。。。」みたいな状態になる、ということを繰り返して今に至る。
 
そして山以外に自分の生活に何かがあるかというと何にもないので、書くこともなかった。。。という言い訳をしつつ、リハビリがてらの日記。
 
今年は秘書さん曰くありえないくらい雨の多い春(ほぼ冬)だったけど、今週末は久しぶりに天気が良かった。
全く雨の降らない日が2日以上連続したのは数か月ぶりなんじゃなかろうか。
4連休だったのでどこか行こうかと思いつつ、結局どこにも行かずに、代わりに、なかなか行けてなかった買い物に行くことにした。

 
向かったのは、Senteurs d'Ailleursというお店。
ここはなんと言ったらいいのか、ソニプラ高級版、みたいな(ソニプラごめん)、香水やコスメの総合ショップみたいな所。
 
香水とそのほかコスメで店舗の入り口が分かれていて、最初は間違えて香水の方に入ってしまったけど、パリでしか買えないと思っていたメゾンフランシスクルジャンを発見できたのは良かった。アクアウニヴェルサリスがないと生きていけないのでパリまで買い出しに行かなきゃいけないかと思っていたけど、今度からここで調達しよう。
 
で、今日の本目的、コスメ売り場の方に向かってみた。
お目当てはこれ。
Leonor Greylのシャンプー。
 
初めてパリに住んだときに吃驚したのは、日本から持ってきたシャンプーが泡立たず、髪の毛がぎっしぎしになることだった。
色々日本人の人の話を聞いていると、どうやら、日本の軟水と違ってヨーロッパは硬水なのが原因とのこと。
当時の先輩からは、こちらに住んでる間はこちらのシャンプーを使ったほうがいい、と言われて以来そうしていた。
 
今回この街に来て、適当にスーパーで買ったシャンプーとトリートメントを使っていたけど、どうにも髪がかさついている気がしていたので、シャンプーがなくなったこのタイミングでもう少しいいものに切り替えてみようかな、と思った次第。
 
気になっていたシャンプー、上の写真の真ん中のシャンプワンレヴィうんたらと右のレラバン(以下略)を出してもらう。
真ん中のが一応、ここの一番高級なシャンプーだけど、右のレラヴァンもちょっと気になっていた。
事前にネットでリサーチしたときのレラヴァンの説明曰く、
 
「シャンプーよりマイルドで毎日のご使用に」
 
…シャンプーって毎日するもんなんじゃないの?
 
というのはたぶん多くの日本人が抱く疑問なんだけど、どうやらこっちの人は毎日髪の毛を洗わないらしい。
こちらでお世話になっている美容師さん(日本人)曰く、こっちの人で1週間くらい髪の毛を洗わないお客さんとか結構いるそう。でもそうすると頭皮の汚れが結構溜まっているんですよねぇ、と言っていた。
確かにこちらで電車とか乗っていると、失礼ながら、その髪何日洗ってませんか?みたいなべたっとした髪の人を結構見かける。
こっちの人は浴びるように香水振りかけるので匂いは気にならないけど(但し香水で鼻が死ぬ)。
 
日本人からすると一週間髪洗わないとかとても信じがたい。
この際だから現地人のスペシャリストに意見を仰ごう、と思って店員さんに、
 
「毎日洗うんだったらレラヴァンの方がいいんですかね?」(英語)と聞いてみたところ、
 
「髪の毛を毎日なんて洗っちゃだめですよ。dehydorateして髪にとってもよくない」
 
とめちゃめちゃ真顔で力説された。
 
えーやっぱそうなのか。。。どれくらいの頻度で洗うのがいいんだろう。
 
「せめて2日に1回、できれば3日に1回ですね。毎日はだめです」
 
と再び力説。
 
そうなんだ。。。
 
確かにこちらはめちゃめちゃ乾燥してて、この冬なんか足首に乾燥?のせいなのか謎の湿疹ができたりしてたんだけど、でも乾燥とか硬水とかは別として、排気ガスとか煙草の煙とかそのほか諸々に一日晒された髪を洗わずに枕にくっつけるとか個人的にマジで無理。
 
と悩んだ結果、シャンプワンヴィタとレラヴァン両方買うことにした。
基本レラヴァンで3日置きにヴィタを挟んでみることにする。意味があるのかはわからないけど。。。
 
コンディショナーを買って終わりにしようと思ってたけど、店員さんに薦められて写真の左にあるセラムうんたらも買ってみることにした。
店員さん曰く、紫外線から髪を守ってくれるらしい(日本語のレオノールグレイユのウェブサイトにはそんな効能は書いていなかったけど。。。)
 
短髪だから普段あんまり気にならないけど、硬水+乾燥+最近の目がしょぼしょぼするくらいの強い紫外線でだいぶ髪がやられている気がするので、これで何とかごまかせることを祈りつつ、今日から実験開始してみようと思う。
 
実は2週間前くらいにスペインのモンテ・ペルディドに行って来た(頂上には達せず取りつきまで)。
 
でも今の今まで一言も書く気になれなかったのは、帰ってきて3日後には今度は仕事でスペインに行ったりとちょっと仕事が忙しかった、というのもあるけど、なんか、なんというか、今回の旅はとっても疲れてしまったのが理由。
 
普段の運動不足がたたって肉体的に疲れたというのもあるけど、精神的な疲労度が半端なかった。
後、旅の最後に大変ショックな事があって、それが一番この旅を思い出したくない理由だったかもしれない。
 
でも、結局取りつきから見上げただけに終わったモンテペルディドも、初日に泊まったゴリッツ小屋も大変良かったので、せっかくだから記録を残しておこう、と思い改めた。
というわけでネガティブな事多めになってしまうかもしれないけど、できるだけ正直に残しておこうと思う。
 
今回の目的地はスペインのモンテペルディド(Monte Perdido)。
フランス語ではモンペルデュ(Mont Perdu)。
ピレネー山脈の中の、スペインとフランスの国境にある、ピレネー山脈で3番目に高い山。
 
Montは「山」、Perduは「失われた」という意味なので、直訳すると「失われた山」。
ウィキペディア先生によると、フランス側からはピークが見えないからそういう名前になったそうだけど、ではスペイン語でも「失われた山」なのはどういう理由なんだろう。ワカラン。
 
今回の旅はまたExpore-Shareで見つけた。
例によって「冬」「ヨーロッパ」で検索して出てきた少ない候補のうちの一つで、1月のスロバキアのガイドを申し込むのとほぼ同時に申しこんでいた。
 
コースは二日間。
必要体力レベルは"Fit"というのが何なのかよくわからなかったけど、skill levelはinteremediateとそんなに難しくなさそう。
ガイドに自分の山行経験(最後の雪山経験は23年5月、最後の山行経験は23年8月、9月以降登山をしていない)を伝えてこのコースに適していると思うか、と聞いたところ、「大丈夫と思うよ。体力minimumあれば技術は必要ない」と返ってきたので、一応申し込んだものの、その後詳細なコースタイムを聞いてちょっと後悔した。
 
ガイド曰く、1日目の行動時間は4時間半。ゴリッツ小屋宿泊。
2日目はゴリッツ小屋からモンテペルディド山頂まで北壁から登り、一般ルートから小屋に戻り、小屋からオルデサ渓谷駐車場まで戻る。コースタイム12時間。
 
1日目はまだ問題ないとして2日目の行動時間があまりに長すぎてちょっと不安になった。
 
ちなみに「モンテペルディド北壁」についてどんなルートなのか全く知らなかったので、ちょっと調べてみた。
 
この人の動画がルートや角度などは恐らく一番詳しい気がする。言ってることは全くわからないけど。
 
これはソロで登ったっぽい人の記録。
 
恐らく、結構クライミング的になるところが2か所ある。
最初、30~45度の雪壁を登り、その後雪原をトラバースして、最後に結構な斜度(~60℃)の雪岩ミックスの壁を登ってから稜線を歩いて山頂にたどり着く。
これは一人で行くのは結構勇気がいる気がする。
 
ちなみにこの北壁ルートの料金は750ユーロで、一般ルートからだと350ユーロ。だいぶ違う。
2日目の行程のあまりの長さにちょっとビビったものの、でもせっかくスペインまで行くのだから北壁ルートにしよう、と思って北壁ルートを申し込んだ。
 
 

3日目の記録でも少し書いたけど、これまでモンブラン三山縦走ルートの記録を読んだ際は、エギーユデュミディ展望台からのリッジ歩きが一番怖かった、と書いている人が結構いた。

シャモニーから帰ってきて以来三山縦走ルートの記録動画を幾つか見ているけど、動画でも結構怖そうにみえる。

 

ただ、今回自分が行った時は、途中までロープが設置されていた。

下の写真で右端から中央に向かって伸びているのがそれ。

すれ違いしやすくするためなのか、途中で二手に分かれているところもある。

 

ガイドさんには、片手は必ずロープをつかんで降りるように言われた。

 

少なくとも1年前までの複数のモンブラン登山動画ではこの手すりというかロープは登場していないように見える。

(違ってたらすみません)

これが、冬の間だけ設置されているのか、それとも事故防止のために最近になって設置されたものなのかはわからない。

 

結構細いところもあり、すれ違いには苦労する。

帰りに登っている時、上から降りてくるスキーヤーをよけようとして谷側に一歩踏み出したら足もとがちょっと崩れたけど、片手はロープをつかんでいたので特にひやりとはしなかった。

ロープがあるとなしとではだいぶ安心感が違う。

 

このロープが夏もあるのか。。。今年の夏、また来たいと思っているので、あると嬉しいんだけど果たしてどうなんだろう。

 

 

今回、シャモニーガイド協会主催の雪山教室3日間のコースに参加してどうだったか、と問われると、参加して良かった、と思う。

ただ、満足度100点中の100か、と問われると、何というか、一言で表現するのが難しい。

 

 

①言語面でのストレスが大きかった

 

難しい、と感じる一番大きな原因は、やはり言語面でのストレス。

英語コースだと思ってたら英語コースじゃなかった件。

ただ、これに関しては完全に私が悪くて、ガイド協会もガイドBも何にも悪くない。

 

まず、私は今回、「英語によるコース」だと思って参加したけど、1日目に帰ってコース概要をよく読み返してみたら「IFMGA English speaking mountain guiding service」と書いてあった。

要するに「ガイドが英語を喋れます」というだけで、「英語によるコース」とは一言も書いてない。

「英語コース」だと思ってたのは私の勝手な思い込み。

ガイドAもある程度英語は喋れたし、ガイドBはアメリカ人なので当然英語が母語。

なのでコース概要は何にも間違っていない。

 

次にコース説明がフランス語中心だったのは私以外の参加者が全員フランス語が喋れたからなので、ガイドがマジョリティに合わせるのも当然だろう。

あと、「フランス語わかる?」と聞かれて「ほぼ無理」と答えたのも悪かった。「ほぼ」の定義は人によってそれぞれだから。

私は「無理。一言もわからない」と答えておくべきだった。

 

英語による登山用語も触れるのは初めてなので全部理解できたかは怪しいけど、フランス語だと今喋っているのが地名なのか知らない単語なのかすらおぼつかないので、自分がこれからどういうルートを行くのかすらわからない、ガイドの指示すら聞き取れない、というのは激しくストレスだった。

一応頑張って聞き取ろうと神経を集中させるんだけど、そうすることでエネルギーを使うから、途中からは放棄してしまった。

 

でも、これも私が悪い。

私はもっと、「英語でも説明して」と要求すべきだった。

(私一人だけのために英語で説明を繰り返すのは皆の時間を無駄にしてしまう)などとチキンなことを思って黙るのではなく、「フランス語で言ったことを全て英語で復唱して」と最初からいうべきだった。

 

何故なら、私は他の参加者と同じ料金を払って参加しているのだからその権利がある。

あと、もし私が説明がわからないせいで事故ったりすればそれは他の参加者の迷惑にもなるんだから、むしろ英語での完全な説明を要求すべきだった。

 

だからこれは、勝手にチキってそれをせず、勝手にストレスを溜め込んでいた私が悪い。

 

②技術面でのニーズが合わなかった

 

これも別にシャモニーガイド協会もガイドABも全く悪くなく、単なる需給のミスマッチだと思うんだけど、「アイゼンとピッケル経験有」という参加者条件から想定していたよりは個人的な印象としてはちょっと易しかった。

 

スクリューの使い方とかカムの使い方とかは今回初体験だったので新鮮だったけど、1日目のアイスクライミング講習とかは冬に赤岳鉱泉で何度もやったしな、という個人的な感想。

 

後、自分にとっては使わない技術もあった。

2人で登る時の確保のためのロープの岩へのかけ方とかは2日目、3日目に色々教えてくれたけど、これは一人で登りたい私にとっては正直興味なかった。

 

もう一つ、少し残念だったのは、1日目のアイスクライミングやアイゼンの使い方の講習の時はさすがに色々足の置き方とか指導されたけど、2日目、3日目のコースの時はそれがなかった。

これはガイドさんの性質にもよるんだろうけど。

 

私は日本の雪山教室はミ〇〇ツ登山教室しか知らないけど、ここはいつ行っても、色々と細かく見てくれて指導してくれる印象がある。

赤岳鉱泉のアイスクライミング講習の時だけじゃなくて、2日目の実践山行の時も、足の置き方、アイゼンの爪の入れ方、少しでも楽な登り方、ピッケルの使い方など細かく声掛けしてくれる。

教え方がスパルタだ、という印象を持つ人もいるようだけど、私は特にそう思ったことはない。

教えてもらう立場なのだから多少厳しく言われようが当たり前だと思っているし、生死にかかわることなのでむしろ厳しく細かく色々教えてもらいたい。

 

今回、例えば2日目は雪が結構崩れやすくてエリックは登るのに難儀していたけど、おそらくミ〇ヤツ登山教室なら雪の蹴りこみ方とか指導してくれたんじゃないかな、と勝手に思ったりしていた。

 

あと、3日目のリッジ歩きが終わった後にガイドBや他の組に、歩き方がstableだった、と褒めてもらえたけど、これはミ〇〇ツで色々教えてもらってたことが活きたのかな、と思うし、ヨーロッパの山だからといって何かそこまで日本と違う特別な技術が必要な訳でもないのかもしれない、とちょっと自信にもなった。

(但し体力はゴミカス)

 

 

③ルートは最高だった

①、②もありつつ、でも今回参加してよかったな、と思うのはやっぱりこれが大きい。

特に2日目と3日目。

エギーユ・デュ・トゥールとコスミックリッジ。

 

どちらも、3000m超まで一気にケーブルカーで上がり、200m弱降りて氷河を歩き200mくらい登るだけ。

(コスミックリッジ自体は100mも登らないと思う。)

 

私は塔ノ岳を登るときですらいつも頭痛がするくらいの頭痛持ちなんだけど、今回何にも薬を服用せずでも頭痛が全くなかったのは、ルートがいずれも短時間ということが大きかったように思う。

2日目最後のエギーユ・ドゥ・ミディ展望台への登りでへろったくらいで、他はそこまでしんどく息が切れるようなところはなかった。

 

どちらも展望は最初から最後まで最高of最高だったし、眺めとルートという意味では「山で最重要視するのは眺め。しんどいのは嫌いだけどたまーに3点支持で登ったりするところが出てくるような、ちょっとわくわくする雪山登山がしたい」という自分のニーズに最高に合致するルートだった。

 

 

④総括

以上、今回色々書いたけど、参加して良かった。

もしシャモニーで冬の雪山教室を考えている人がいたらこれはぜひお薦めしたいと思う。

 

で、人様には薦めながらこんなこと言うのもあれだけど、私は次はこのルート(エギーユドトゥールとコスミックリッジ)を一人で行こうと思う。

 

今回改めて思ったけど、やっぱりロープにつながれて他の人のペースに合わせながら行く登山が自分はほんとに無理だ。

こんなこと思うのは、大変親切だったエリックやガイドBには申し訳ないけど。

 

3日目、帰りのエギーユ・ミディに向けた登りでロープに対するストレスがピークになって「取っていい?」と言った後(当然却下された)、エリックは何度も「幾らゆっくりでもいいから。ゆっくり行こう」と言ってくれたけど、言われれば言われるほど申し訳なくて自分が情けなくてストレスがうなぎ上りだった。

常に他人のペースを気にしながら、他人にかける迷惑を気にしながら登るのはほんとに無理。

 

「一人は推奨しない」と言ってくれたガイドBには申し訳ないけど、今回の教室でどういうルートかわかったし、ルート的にはどちらも一人でも行けると思う(途中の氷河でクレバスに落ちるリスクを除けば)。

 

だから来年か、再来年になるかわからないけど、今度は冬はシャモニーで1週間くらい過ごして雪稜を登ったりして雪遊びしたりしに行こう。

 

また行きます、アルプス。