数値分析力向上講座 1時間目 その8 | みんなの【分かる】と【分かり合える】のお手伝い!KIマネジメントコンサルタント町さんのブログ

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KIマネジメントを理解すれば、嫌いな数字が共通言語に変わり、辛い作業が未来への取り組みに変わります!

それでは8問目。
この問題も案外正解率が42%と、案外低かったですね~まったり
と言っても、普段皆さんが接していない概念の問題だったからだと、理由は把握できています。

問題は、
【売上高 286万円、売上原価 30万円、社員数 5人の時の、労働生産性を求めなさい】
というものでした。

恐らく皆さんが普段見ている“生産性”とは、“一人あたりの売上高”の事ですね。
それが美容業界ではだいたい55万円前後。
その生産性の話をすると、決まって質問をいただけるのが『技術生産性ですか?総生産性ですか?』というものです。

先ほどの55万円前後というのは、総生産性の事ですね。
しかし、売上高を基準にした生産性には弱点があります。
それは、『店販比率が高いお店と低いお店では、最初から残る利益が異なる』という事です。

問題の中にあった【売上原価】とは【使った材料代】の事で、当然店販比率が上がってくれば売上原価も増えます。

そして、労働生産性の算式は【売上総損益(粗利益)÷社員数】で計算されますから、
この問題では、
売上高286万円-売上原価30万円=売上総損益256万円
それを社員数の5人で割るので、51.2万円となって、“小数点第一位を四捨五入”するので、労働生産性は51万円となります。

中には、売上高286万円÷社員数5人=57.2万円と考えて、労働生産性を57万円としておられる方もありましたが、それは総生産性です。


ちなみに労働生産性が分かる事で、一番シンプルに人件費を考える事ができる様になります笑・
労働生産性に労働分配率を掛けると、一人あたりの総人件費が算出されます。

労働分配率は社会保険に加入していない場合で55%前後、加入していれば60%前後が上限と考えられるので、仮に先ほどの51万円の労働生産性であれば、そこに55%を掛けると28万円の総人件費となります。

そこから社会保険や福利厚生費などを控除すると、社員さんの額面給与が計算されるわけです。
それは総人件費の概ね85%程度になるので、28万円×85%=23.8万円。
つまりその12倍の285.6万円が年収と考える事が出来るわけですね笑・

ですから、美容師さん同士で話をされる場合は総生産性でも問題ないのですが、経営の観点から人件費まで考える際には、労働生産性の概念が重要になるのですパンダ