ニュージーランドの楽しみ -88ページ目
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持つべきものは楽しい隣人

今の家に引っ越して一番良かったのは、素敵な隣人が付いてきたこと。
私達は隣人達には本当に恵まれて、左右も前も付き合いやすくて良い人たちばかりなのですが、特に仲良くなったのが上品なドイツ人夫妻の奥様マリア。

ドイツ人というと寡黙て勤勉で、ヨーロッパの中では日本人と一番共通点を感じる人々、というイメージが強いけれど、マリアに関しては「寡黙」というのはあてはまらない。なにしろ人なつこくて陽気でおしゃべりな人なのです。

年に一度ニュージーランドに遊びにくる私の母と姉ともあっという間になじみ、今年もやってきた二人とファーマーズマーケットで再会した時には、hug、hug、「お久しぶりねえ!また会えてすごおお~く嬉しいわ!」と「!」マークの嵐になっていた。
割に冷静なうちの母は、にこにこと微笑みながら、「百年ぶりに会ったみたいねえ・・・」と感想を述べたりする。

そういえば去年、やはりこの女四人(うちの三人+マリア)でファーマーズマーケットに行った時には、お下げ風のボンボンが付いたニット帽を売っているお店を見つけて「可愛いっ!」と大騒ぎになり、これが良いとかあれが良いとかさんざん比べた後に、「ねえ、私達みんなでこれかぶって写真を撮りましょうよ!」ということになりました。もちろんそう言ったのはマリアです。寛容なお店の女性がにこやかに許可してくれたので、三人でボンボンニット帽をかぶって(ちなみにこれは真夏のこと)同じポーズで写真におさまりました。(誰が写真を撮ってくれたのかな?もしかしたらそこに居合わせた可哀想なマリアのご主人かもしれない)

この時、私の母は、「わたくしはちょっと・・・」と日本語でつぶやきつつするするとあとずさりして(いつもは海外では娘達から絶対離れないくせに)マーケットの雑踏の中に姿を消しました。

それに気づいていないのかと思ったマリアは後で、「お母様が”こんなバカなこと付き合ってられないわ”っていう感じでいなくなっちゃったのもおかしかったわよね~。」と、あっけらかんと笑っていました。

こんな人と出会えてほんとに良かった。どちらかというと引きこもり系で交遊範囲の狭い私にはとても貴重なお友達なのです。

近所のビーチで潮干狩り

お天気がよくて暖かい夏の一日、友達と一緒に、家から車で五分のビーチにピピという貝を拾いに行ってきました。



広い砂浜で、この写真では人が居ないように見えますが、実際にはサーモンを釣りに来ている人々が画像の左の方に沢山います。
でも水はとってもきれい。



裸足の足で砂の下をちょっと探るだけで、ざくざくとピピが出てきます。




一日塩抜きして、ボンゴレになったりリゾットになったりシーフードサラダになったり。家の近くにこんな夏の楽しみがあるのを知らなかったなんて!

豊かな生活

いつもお世話になっている、近所のアメリカ人ご夫婦のおうちに美味しいパンの作り方を習いに行ってきました。

以前からここのご主人の焼くパンがあまりに美味しいので「教えて教えて!」と言っていたところ、電話があり「明日パン焼くけど来る? 朝8時から夕方くらいまでかかるから一日のつもりで来てね。」というお誘いがかかったので、勇んで出かけてきました。

作業は彼の言葉通り、朝から夕方4時ごろまでかかりました。丁寧に手を入れて住んでいることが分かる彼らのお家の可愛いキッチンで、道具の選び方から始まって粉の種類、混ぜ方、こね方、発酵のさせ方などを一つ一つ実演付きで習っては、自分の家に持って帰る分を同じように作っていきます。 
このご主人は元大学の先生なので、教え方がそれはそれは丁寧で分かりやすい。彼の専門の「統計学」は、完全文系の私には無縁だけど、それでも「こんな先生に習ったら良いだろうなあ。」と思うくらい。

3回発酵させるので、そのたびにボールに濡れ布巾をかけて日当たりの良いキッチンの床に置いたらパン作りはいったん休憩です。その休憩時間がまた充実で、午前中はまだ涼しいのでお庭のプラムの木から鈴なりのプラムを収穫する時間、2回目はちょうどランチの時間だったので、お庭から取ってきた新鮮野菜を使ったツナサラダでお昼御飯、3回目は昔のパン作りのレシピを集めた本を見せていただいて、読んででいるうちに半分ウトウト。。。という完璧な夏の一日でした。

またその合間にも「ウチの鶏を見に来る?」と言われてついて行ったら、「じゃあ僕はランチの野菜を取って来るから、中で見ててね。座る用のペンチもあるから。」と言われて、「あれれ」と思っている間になぜか外から見物するのではなく小さいトリ小屋の中に入れられて外からしっかり金網を閉められておろおろしたり、「そうそう、僕が堆肥作り用に飼ってるミミズの写真を知り合いに送るって約束したんだ。僕がミミズを持ってるから写真撮ってくれる?」(逆じゃなくて良かった!)と言われて仰天したり、いろいろと盛りだくさんなのです。

優しいご夫婦の家に一日入り浸っていろんなことを教えてもらい、真っ赤に熟れたプラムと美味しいパン生地を(焼くのは自分の家でしたので)持ち帰り、本当に充実の一日でした。今日の結論は、自分でいろんなものを手作りする丁寧な暮らしは本当に素敵、でも私はミミズも野菜に付くイモ虫も触れないし、鶏達はとってもフレンドリーだったけど、彼らの落し物で白くなってるベンチに腰も下ろせないし、こうしてお友達の処で良いとこ取りをさせてもらうのが相応なのかも。 ということでした。パンもプラムも美味しかった!
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