持つべきものは楽しい隣人 | ニュージーランドの楽しみ

持つべきものは楽しい隣人

今の家に引っ越して一番良かったのは、素敵な隣人が付いてきたこと。
私達は隣人達には本当に恵まれて、左右も前も付き合いやすくて良い人たちばかりなのですが、特に仲良くなったのが上品なドイツ人夫妻の奥様マリア。

ドイツ人というと寡黙て勤勉で、ヨーロッパの中では日本人と一番共通点を感じる人々、というイメージが強いけれど、マリアに関しては「寡黙」というのはあてはまらない。なにしろ人なつこくて陽気でおしゃべりな人なのです。

年に一度ニュージーランドに遊びにくる私の母と姉ともあっという間になじみ、今年もやってきた二人とファーマーズマーケットで再会した時には、hug、hug、「お久しぶりねえ!また会えてすごおお~く嬉しいわ!」と「!」マークの嵐になっていた。
割に冷静なうちの母は、にこにこと微笑みながら、「百年ぶりに会ったみたいねえ・・・」と感想を述べたりする。

そういえば去年、やはりこの女四人(うちの三人+マリア)でファーマーズマーケットに行った時には、お下げ風のボンボンが付いたニット帽を売っているお店を見つけて「可愛いっ!」と大騒ぎになり、これが良いとかあれが良いとかさんざん比べた後に、「ねえ、私達みんなでこれかぶって写真を撮りましょうよ!」ということになりました。もちろんそう言ったのはマリアです。寛容なお店の女性がにこやかに許可してくれたので、三人でボンボンニット帽をかぶって(ちなみにこれは真夏のこと)同じポーズで写真におさまりました。(誰が写真を撮ってくれたのかな?もしかしたらそこに居合わせた可哀想なマリアのご主人かもしれない)

この時、私の母は、「わたくしはちょっと・・・」と日本語でつぶやきつつするするとあとずさりして(いつもは海外では娘達から絶対離れないくせに)マーケットの雑踏の中に姿を消しました。

それに気づいていないのかと思ったマリアは後で、「お母様が”こんなバカなこと付き合ってられないわ”っていう感じでいなくなっちゃったのもおかしかったわよね~。」と、あっけらかんと笑っていました。

こんな人と出会えてほんとに良かった。どちらかというと引きこもり系で交遊範囲の狭い私にはとても貴重なお友達なのです。