比良・花と景色を楽しむ充実の比良山地テン泊縦走(2日目:八雲ヶ原〜武奈ヶ岳〜堂満岳) | 単独行者の山行録

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歩いた山々の記憶を詳らかに。
山行中心の備忘録。

昨夜は疲れ切っていたこともあって、日が暮れる前に就寝。
やや肌寒い程度の快適な気温に周りに人がいる安心感からか、ぐっすりと眠ることができた。

4月13日、最終日の山行2日目。
目が醒めたのはアラーム設定より1時間以上早い3時前。
ランプを灯そうとすると、困ったことに電池が切れているようで点かない。
こういう出発前に点検を怠るところが自分の悪いところなんだよなぁ。
仕方無くヘッドライトで活動を始めることに。
薄明の時分に出発する予定だったが、早起きすることができたので、あわよくば山頂からの日の出を見に行こう。
朝食や片付けを急いでこなして、真っ暗闇の中3:54八雲ヶ原を出発。
闇夜の中でも健気に咲くイワウチワ
沢のせせらぎを聴きながら、何度か支沢を越えながら山腹のトラバース道を進んでいく。
最近は体力面でも精神面でも衰えを隠せない私だけど、久し振りのナイトハイクに不思議と恐怖心は全く感じなかった。
寧ろ、沢の音や周囲の樹林の雰囲気がとても良く、ヘッドライトだけが頼りの真っ暗闇の中でも安穏とした気持ちで歩を進めることができた。
暗闇に浮かぶイブルキノコバの標識。
ここから道はトラバースから尾根の急坂へ。
武奈ヶ岳とコヤマノ岳分岐点の鞍部に到達。
とりあえず、武奈ヶ岳をピストンといこう。
分岐から武奈ヶ岳山頂までの区間もそれなりの急登。
そして、いよいよ山頂と標柱が見えてきた。

夜明け前の琵琶湖と昨日通過したヤケオ山と釈迦岳のシルエット

夜空が少し明るみを帯び始めた未明の4:54、武奈ヶ岳(1,214m)到達。
なんとか間に合ったぁ!
南側、遠くの街明かりは京都かな。
どんどん明るくなる東の空。
そして到着して30分少々、待ちに待った夜明けの時。
素晴らしい光景を独り占め。
何と贅沢な一時だろう。
ズームしてみると左手には夜明けの空に浮かぶ伊吹山のシルエット。
前日に通過したヤケオ山と釈迦岳と背後に奥島丘陵や鈴鹿山脈の山並み
東側:釈迦岳やリトル比良の山並みと伊吹山地や鈴鹿山脈の遠景
南東には次に通過するコヤマノ岳と鈴鹿南部や信楽高原の遠景
南側にはこれから縦走する山並みと最奥に蓬莱山
南西は京都北山こと丹波高地。
私にとっては未だ訪れたことが無い山域だ。
北西:丹波高地北部と若丹国境
全く馴染が無いのでどれがどの山とかは全く判らないけど、まだまだ未知の山が無数にあると思うとそれだけでワクワクする。
北側に連なる釣瓶岳と蛇谷ヶ峰。
今回の山行ですっかり比良山地がお気に入りの山域になってしまったので、次は今回縁のなかったあれらの山々を併せて再訪しようかな。
琵琶湖に映る光の線が美しい


贅沢な時間を過ごしている間に漸く標柱の字が読める明るさに。
大展望の武奈ヶ岳山頂を離れるのは惜しいけれど、今日も行程は長いので先を急ごう。
先ずは先程の分岐まで戻ってコヤマノ岳へ。
コヤマノ岳周辺は武奈ヶ岳とは対象に美しい自然林に覆われた静かな印象。
対照的な両者ではあるけれど、これはこれで悪くない。
コヤマノ岳山頂で再び釈迦岳や琵琶湖の展望。
6:33コヤマノ岳(1,181m)到達。
ぐっと下ってシャクシコバノ頭との鞍部の中峠へ。
ここから一度沢沿いに下っていき金糞峠を目指す。
沢の両岸を飛び越えながら行ったり来たり。
こういうアスレチック的な要素の沢道は好きよ。
沢が合流し水量UPすると
渡渉難度もUP
ここは道が荒れていて難しかったけど、こういう自分で考えて道を見い出す要素は冒険的で好き。
そして後半は穏やかな道に。
少し荒れた感じだったのであまり使われていないコースかと思いきや、この辺りから続々とハイカーとすれ違い。
都市部からのアクセスが良いだけあって、やっぱり人気なんだねぇ。
7:34金糞峠に到達。
これまでのところ、コンディションは好調。
時間的にも余裕あるし、堂満岳をピストンしよう。
付近はショウジョウバカマがちらほら咲いている他に、何と言ってもイワウチワの圧巻の群落。
今まで見たことが無いその圧倒的な規模に、何度も足を止めては撮ってしまう。





随所に露出した岩肌が厳めしい堂満岳。
その山容通りの急登に加えて、ガレの縁の通過が待ち受ける、険しい山だった。
剥き出しの風化した花崗岩
この辺りは険しい地形で斜度がえっぐい。
8:13堂満岳(1,057m)到達。