比良・花と景色を楽しむ充実の比良山地テン泊縦走(1日目:近江高島駅〜岳山〜岩阿沙利山) | 単独行者の山行録

単独行者の山行録

歩いた山々の記憶を詳らかに。
山行中心の備忘録。

4月12日〜4月14日にかけての3連休。
せっかくの遠方の山に出掛けられる貴重な機会を逃す訳にはいきますまい。
実家の問題で自由に使える資金が限られていたので、ここは貧乏旅と銘打ち往復共に格安の夜行バスと在来線を駆使した山行としよう。
今回の行き先は初進出となる滋賀県の比良山地。
私の持っている山と高原地図は2016年版で、山行計画を建ててから8年越しでの実行だ。
まず、関西は遠いので足を伸ばせる機会が限られるのと、もう一つ、これが重要なのだが、ヒル生息地故に時季を選ぶので、余計にタイミングが難しいのだ。
今回は既に暖かいシーズンに突入していたため、ヒルの密度が高い(自分調べ)西側や南比良を外して一泊二日の行程で計画を立てた。

覚悟はしていたけど、4列シートの夜行バスでの早朝乗り入れはしんどいものだった。
ほぼ定刻通りの6時過ぎに京都駅に到着しバスから降り立つと、窮屈な空間から解放された身体がフラフラするような感覚に襲われた。
電車に乗って山に行く前に先ず重要なのが朝食だ。
今回は久し振りのテン泊装備、シャリバテを防ぐためにも、山行計画を完遂するためにも、しっかりと栄養を摂るのは重要なファクターだ。
ところが京都駅構内でこの時間から開店しているのはマクドナルドのみ。
しかも、インバウンド効果も相俟って混雑している有り様だ。
わざわざ日本に来てまでマクドナルドで食うなよ···と心の声を抑えつつ、背に腹は代えられないため渋々順番を待つ。
そして何とか大きなザックが邪魔にならない席をゲットし漸くジャンクフードの朝食にありついたのだった。
···それにしても何なんですかね?混雑しているのにコーヒー一杯の注文で本を読んだりスマホを弄りながら涼しい顔で長時間入り浸る客って。
関東でも珍しくないけど、客単価も低いくせに図々しくも長時間入り浸る迷惑客は積極的に排除してほしいものだ。

初めて訪れる湖西エリアの風景を楽しみながら湖西線に乗車すること約40分、起点となる近江高島駅に到着した。
市の名前を冠しながらも想像よりずっと何も無い駅だ。
駅から歩くこと20分、音羽バス停の分岐路に目指す登山口の長谷寺の看板を発見。
満開の桜と長谷寺入口の鳥居。
その手前を左に入って登山道へと入っていく。
始めのうちは治山工事の車が通行できる道幅の未舗装の林道。
ところが登山を始めて数分も経たないうちに可憐なイワカガミを発見。
集落から程近いのに群落があちこちに。
魅せてくれるねぇ~。
ミツバツツジは咲き始めといったところ。
ショウジョウバカマは少々遅い感じか。
足元には他にもよく見掛ける春の花が多数。
出だしからこんなに豪華で本当に大丈夫か?
丁目石を追いながら
大きな防砂ダム
賽の河原
どうやら一帯は仏教信仰の関わりが強いエリアのようだ。
その地名が示す通り、付近は風化した花崗岩が堆積する岩と白砂の地形。
石灯籠も何処となくあの世らしさを感じさせる。
振り返れば琵琶湖とその対岸に伊吹山地と鈴鹿山地。
中央付近の均等のとれた三角形は伊吹山。
剥き出しの岩肌が特徴的な白坂
ここまで日陰が一切なく暑さで既にバテそうなので、あちらの方が楽しそうだけど樹林コースに避難。
でもこっちはこっちで足元は繁茂するシダと水が流れ伝う溝のような道で歩きづらい。
これまでの足元をシダが埋め尽くすワイルドな道から一転、苔むした石段や石仏が点在する参道のような道へ。
山でよく見かける無理矢理命名した感が否めない大岩
空き地に残る謎の遺構。
これまでの手掛かりから寺の跡と推測。
更に登っていくと岩場の展望地があり、付近の山並みや琵琶湖越しに伊吹山地や鈴鹿の山々を一望。

谷を挟んだ向かい側にはこの先の鳥越峰で合流する見張山の尾根。

今回は岳山経由のコースを選んだけれど、欲張って一つでも多くのピークを踏もうとしたのが運の尽き。

アップダウンが多く、久し振りのテン泊装備も相俟って、途中で完全にバテました···。

琵琶湖と伊吹山地や鈴鹿山脈の遠景
9:30岳山(565m)到達。
近江高島駅から1時間40分。
あれ?低山なのに思ったよりキツいぞ···?
山頂の観音像
岳山山頂から少し進んだ岩場からは北側の景色が一望。
福井県と接する野坂山地
眼下には長閑な田園風景が広がる
野坂山地から伊吹山地北部にかけての遠景と琵琶湖北端
アップダウンをやり過ごして10:18鳥越峰(702m)。
稜線上でもスミレを始めとした華奢な春の花々を時々見つけることができる。
ショウジョウバカマ
バイカオウレン
幾度もアップダウンを繰り返し、11:08岩阿沙利山(686m)到達。