弓張・湖西アルプスにて早春の花を探す(葦毛湿原〜神石山〜多米峠) | 単独行者の山行録

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歩いた山々の記憶を詳らかに。
山行中心の備忘録。

遠征3日目最終日の3月16日。
この日は予てから興味があった愛知と静岡の県境に連なる湖西アルプスへ、早春の花を目当てに山行を計画。
今回のターゲットは静岡市以西に分布する未だ出会ったことが無いキスミレだ。
シーズンにはやや早いようだが、18きっぷ旅の帰路の途中に立ち寄るには丁度良い。
1週間程度のズレであれば、経験上お目当ての花に出会える可能性は大いにある。
浜松に前泊する予定が蒲郡の宿をとれたのも運が良かった。

山登りとしてはのんびりとした朝だった。
朝食が6時半からだから、6時に起きて食堂が開く時間までゴロゴロして過ごした。
簡単な朝食バイキングを終えて出発の準備が整ったのは7時過ぎだった。
実は前日に青春18きっぷを使い終えていたので、今日は2回目の青春18きっぷを購入するつもりだった。
有効期限まで未だ3週間程あったし、月末にも連休があったから、使い切るだろうと思ったからだ。
しかし、3日目にして電車の長距離移動が苦痛に感じてきた私は新幹線の利用に心が揺らいでいた。
いや、90%はもう18きっぷはやめて新幹線の利用に傾いていたのかも知れない。
結局、18きっぷは購入せずに蒲郡駅から豊橋駅へと移動した。
豊橋駅からバスに乗車して約30分。
起点の岩崎・葦毛湿原バス停に8:15到着。
田畑や人家の向こうには愛知と静岡の県境を成す湖西アルプスこと弓張山地。
バス停から10分少々で葦毛湿原の入口に到着。
今回は石巻山まで縦走するつもりだ。
朝イチの小鳥が囀る気持ち良い森林を歩いていく
葦毛湿原の花々
四季を通して訪ねてみたいが···アレの存在が気掛かり。
そう、浜名湖周辺の山々はアレの生息域で、ここ湖西アルプスもヤツらの生息情報があるのだ。
無論、ヤツらの情報にアンテナを張っている私はそれを知っていた上でこのタイミングに訪れたのだけど。
地元のイメージ低下の為にも敢えて伏せておくとしよう。(最早伏せられてないw)
木道が整備された予想以上に規模が大きい葦毛湿原。
東三河の中心都市にこのような湿原があるのは意外や意外。
時季が早いせいか褐色に枯れたままの水苔
グリーンシーズンは瑞々しい緑に生まれ変わるのだろう。
ちと早すぎたかな···。
目を凝らして探しているものの、花自体が全くない。
諦めて先へ進もうとしたその時···
ショウジョウバカマを発見!
葦毛湿原で見つけた花はこれともう一株のショウジョウバカマ、それに本命のキスミレではなく良く見かける青から紫色のスミレくらいだった。
葦毛湿原から登山道へ入ると薄暗い植林帯。
稜線が近付くと自然林も増え、早咲きのミツバツツジが一株だけ咲いていた。
二川駅へと続く稜線。
この後会話したおばちゃん曰く、お目当てだったキスミレは二川駅方面の稜線上に数株だけ見かけたとのことだった。

3日目の今日もやはりというか大気が霞んで遠望が利かない。
海岸線ははっきりしているものの、海の色が全く判らない。
NHK二川中継所
数あるカタクリは未だ葉っぱ···
と群生を過ぎていくと、最後の最後に早咲きの個体が一株だけ発見!
しかし、これを最後に目ぼしい花は全く見られず、肝心のキスミレは次回に持ち越しに・・・
ご当地のアルプスの名を冠する山域だけあって、随所に展望地があるのは悪くない。
霞む浜名湖が薄っすらと見える。
悪くないけど、その殆どが伐採による人工的なもので、何より稜線上を通る高圧電線が否応なく視界や写真に写り込む。
仕方無いとは言え、ちょっと惜しいな···。
進む方角に果てなく続く弓張山地の稜線。
広義の南アルプスの南端とされるだけあり、その山域は長大。
船形山のコル
自然歩道として整備されており、ハイキングコースは多数。
9:28船形山(276m)
高圧電線との接触を防ぐため?
電線に沿って線状に伐採の跡が残る稜線の風景はあまり良い感じはしないな。

地味すぎる望寺岩。
余程変わっていたり壮大でなければ基本岩石に無関心な私···(笑)
神石山への登りは私が嫌いなタイプの階段の急登。
アルプスだけあって、しっかりとアップダウンさせられる。
9:46一等三角点の神石山(325m)到達。
神石山からの浜名湖の展望
霞んでいるせいでイマイチ···
足元には落ちたヤブツバキの紅が点々と
伐採地より神石山を振り返る
雨やどり岩の巨岩
横殴りの雨には弱い模様。
雨やどり岩の上は好展望。
歩いてきた稜線や
愛知県側の街並みの展望が広がる。
10:30多米峠に到達。