丹沢・中津山地日帰り縦断ハイキング(経ヶ岳~半原高取山~愛川ふれあいの村BS) | 単独行者の山行録

単独行者の山行録

歩いた山々の記憶を詳らかに。
山行中心の備忘録。

経ヶ岳は大山や丹沢山、蛭ヶ岳、それに手前の東丹沢の山々が見渡せる絶好の丹沢の展望台。
暫し景色を楽しみながら昼食をしていると、年配のハイカーがやって来た。
挨拶をして山頂を後にしようとした時、目の前でうっかり滑りそうになってしまった。
何とか体勢を保ち尻餅をついたりすることは無かったけど、目前での大失態。
その単独の爺さんは言葉こそ発しないものの、「こいつこの時季にアイゼンとか持ってきてねぇのかよ」と不用意を非難する冷たい目。
不用意に山に特攻して遭難する輩と同一に見られたくないので、軽アイゼンをちゃんと持ってきていることをアピールしながら装着した。
経ヶ岳より望む丹沢主脈東丹沢の山々
山頂から少し歩いた稜線上にある経石。
経ヶ岳からは半原越の峠まで150m程下降。
日が当たる冬枯れした気持ちの良い稜線。
経ヶ岳と半原越の中間にある展望台にて。
伊豆大島や湘南の市街地や鷹取山等の丘陵、右端に大山。
日当たりの悪い凍結したところもアイゼンを装着してから楽々通過。
10:20、林道が通る半原越(488m)到達。
舗装路を挟んで向かいの階段から仏果山方面へ続く登山道へ。
防獣柵沿いに進み、登り返したピークが革籠石山(640m)。
ザコピークのくせに、一丁前な山名が与えられている。
革籠石山からは俄に痩せ尾根が続く。
丹沢・修験道の歴史
西側崖沿いのトラバース

革籠石山から仏果山にかけての稜線は緊張する箇所もあるけど、今回の山行随一の大パノラマ。西は南端から北端にかけての丹沢の山々が、東には都会のコンクリートジャングルが果てまで広がる。
ただ、空気が濁ってきたせいか、数時間前まで見えた筑波山や日光連山は見えなくなってしまった。
丹沢の山々と宮ヶ瀬湖
神奈川県唯一の日本百名山、丹沢山(左端からやや右)~北端の焼山にかけての丹沢北部
丹沢南部と眼下に宮ヶ瀬湖
都市部を俯瞰
途中、ナイフリッジに近いスリリングな箇所も。
調子に乗って楽観視していた私も真剣な顔に。(笑)
正直、手前まで来て結構ビビりました。
立ち止まりたくないけど、この付近が一番景色が良いというジレンマ。(笑)
岩場の登り
仏果山麓の採石場。
知らないところで丹沢の山々に人の飽くなき欲望の魔の手が忍び寄っている。
今回、中津山地を歩いて初めて知った。
歩いてきた稜線を振り返る。
11:35、仏果山(747m)に到達。
可愛らしい雪だるまも。(笑)
仏果山標柱

初めて来たので知らなかったが、展望台があるのでせっかくなので登ってみる。
いよいよ最終目的地、中津山地北端の半原高取山が見えてきた。
宮ヶ瀬湖の向こうに丹沢主脈北端の黍殻山や焼山、更にその奥には大菩薩連嶺の滝子山~黒岳の稜線が見える。
歩いてきた稜線。
都市部の眺望。

展望台からの景色

存分に景色を楽しんだ後は最後の一峰、半原高取山へ。
山頂から少し戻って分岐を下っていく。
丹沢名物の看板。(笑)
真夏でも凍りつくような体験が出来るようです。
稜線上はモミの大木他、天然林が多い。
この時季は良い山です。
12:22、40分弱で半原高取山(706m)に着いた。
先程から丹沢山や蛭ヶ岳辺りに雪雲が沸いてるなぁと思っていたが、気付けばこちらまで迫ってきて丹沢方面は灰色一色。
ここ高取山は小学生の時に野外学習で麓の愛川ふれあいの村に泊まった時に一度訪れたことのある場所。
あの時はここの展望台から見えた山々が何かなんてさっぱり分からなかったし、興味も無かった。
20年程の月日を経た今、こんな山おじさんになるなんてねぇ。
休んでいるうちに風と共に雪が吹き付けてきた。
今日はラッキーだ。午前中は晴天の中絶好の景色を楽しむことができ、後半は降雪の中で情緒的な山行が楽しめる。
一日で両方楽しめるのは得した気分。
宮ヶ瀬ダムに下山する予定だったけど、往時を偲びながら嘗て歩いた道を辿ることにした。
雪が舞う中モノクロの世界を下る。
降雪の中の静かな山行。
感傷に浸りながらの落ち着ける時間。
往時の記憶は訪れた季節が異なることもあり殆ど覚えていなかったが、この番号が振られたリスの看板はよく覚えている。
迷わないようこの看板を順番に辿って山頂を目指したものだ。
愛川ふれあいの村を右手に見ながら舗装路へ。
歩いた山々を振り返ると、先程の雪雲はすっかり消え、晴れ間が覗いていた。
13:30、愛川ふれあいの村BS到達。帰りは往路を戻って帰途に着いた。

気になって楽しみにしていた前半の破線ルートは特段危険な箇所は無く、道も明瞭で拍子抜け。
しかし、経ヶ岳より先は快晴もあって素晴らしい眺望が得られる箇所が多く、とても満足した。
単純な登り降りだけでなく、気が引き締まる痩せ尾根といった箇所があるのも良い。
低山の割りにアップダウンは少なくないので、日帰りとしては最高に楽しめるコースだった。
最後に降雪に見舞われたのも私としては嬉しかった。
この日丁度誕生日だったので、丹沢の山々が祝福してくれたように思えた。
とても充実した山行となった。

上荻野BS7:20→大沢登山口7:46→荻野高取山8:35→華厳山9:01→経ヶ岳9:47→半原越10:20→革籠石山10:54→仏果山11:35→半原高取山12:22→愛川ふれあいの村BS13:30