箱根・日帰りハイキング(明星ヶ岳~明神ヶ岳~仙石原、帰途) | 単独行者の山行録

単独行者の山行録

歩いた山々の記憶を詳らかに。
山行中心の備忘録。

明星ヶ岳から先も明るい稜線歩きが続く。
日当たりの良い場所には引き続き種々の花が咲いていて、予想していなかっただけに気分上々。
私は植物には疎く、10月も下旬になれば殆どの花はシーズンを終えるものと考えていたので、これだけの種類が未だ咲き誇っているのを見てとても感動的だった。
マツムシソウ。名前だけは知っていたが、実物を見るのは初めて。
アザミの仲間。どこの山でもよく見るが、群生となると尚更美しい。
リュウノウギク?
リンドウの群生
色々な花のコラボ

想定外な事は花の多様性だけではなかった。
明神ヶ岳に目を向けると良い具合に紅葉が始まっているではないか。
紅葉はまだ早いと思って全く期待していなかっただけに、こちらも嬉しい誤算。
今回の山行はついでのトレーニング程度にしか思っていなかったが、予想以上に楽しい。(笑)
既に元は取れたなw
ただ、一つだけ残念なことに雲が拡がって来てしまった。
明神ヶ岳との鞍部前のピークまで来ると、明神ヶ岳の大きな山体が目前にドーンと聳え、宮城野への分岐を過ぎて中腹まで登ると大涌谷や歩いて来た稜線が一望出来る。
明神ヶ岳中腹より望む箱根山中央火口丘
明神ヶ岳の紅葉。稜線沿いに外輪山の火打石岳、金時山、丸岳、長尾山まで見え、その奥に僅かに愛鷹山が確認出来る。
登山道で見つけた巨大ミミズ。30㎝以上ある大物だ。
赤い実をつけた潅木
明神ヶ岳山頂直下より望む小田原市街近郊と相模湾

12:01、今回の最高峰明神ヶ岳(1,169m)到達。
この日も後から数人やって来た。
人が多いのが難点だが、明神ヶ岳はいつ来ても、どのコースから登っても良い山だとつくずく思う。
明神ヶ岳山頂標識と大涌谷擁する箱根山中央火口丘
金時山へ続く稜線。晴れていればこのように綺麗な富士山が望める。

山頂にて50分程大休止。
中途半端に僅かに残っていたプリムスのガス缶を全開にして湯を沸かし、温かい紅茶とオニオンスープを啜る。
日も翳って俄に寒くなってきたので、とても身体に沁みる。
山頂で寒い寒い言っている人たちを尻目に飲む温かい飲み物は格別だなw
今回でガス缶を使いきるつもりだったのに、これが中々しぶとい。
予想以上に長持ちするようで、湯を沸かし終えた後も暖をとるつもりでつけっぱにしていたけど、結局使いきることは無かった。
休憩を終え、矢倉沢峠を経由して仙石原を目指す。
明神ヶ岳のガレ場
紅葉に色付いた明神ヶ岳を振り返る
開放的な稜線歩き。この区間は何度通っても最高です。
明神ヶ岳東側も結構色付いている。
丹沢方面の眺望。大山と三ノ塔辺りは見えるが、他は殆どガスの中。

火打石岳は北側を巻いていく。
いつも不思議に思っていたのだけど、何故この先の無名ピークは巻かずに愚直に登るのに、名がある火打石山は巻くようにコース設定されているのだろう?
↓の案内板を見る限り、学術的に重要な場所だからだろうか。
登山道途中にある火打石岳標識

火打石岳北側の巻き道にある沢はいつもは渇れているのだけど、今日はふんだんに水が流れていた。
やはり長く続いた悪天の影響だろうか。
巻き道を過ぎると再びハコネザサの回廊。
ハコネザサの回廊。2月に通った時の大変な思い出が甦りますw
ハコネザサの回廊の途中に1ヶ所だけある展望を得られる場所。
中央火口丘や仙石原は街並み、三国山が見える。
矢倉沢峠手前の最後のピークからは金時山の山容が大きい。
金時山も結構良い具合に色付いている。
14:08、矢倉沢峠に到達。
金時山もついでに登ろうと思ったけど、疲れたので止めた。
どーせ混んでるし、今日は富士山は見えないからね。
それに矢倉沢峠から仙石原に下りるルートは幼少の頃以来だから久々に通りたかったんだよね。
矢倉沢峠に近付くにつれて賑やかなはしゃぎ声が聞こえてくる。
うぐいす茶屋の前に児童と引率の先生が大勢居たので、行列になる前に速やかに仙石原へ下っていく。
ふぅ、難を逃れたぜ・・・と思ったら前にも児童の行列が。
そして後方にも児童達がやって来た。挟み撃ちだ!
まあ大した距離では無いのでゆっくり行こう。
距離を詰めると感じが悪いし道を空けようとして怪我でもしたら可哀想なので、(私は本当に人格者ですね。)↓くらいの距離を保ちながら進んだ。
前後を行く小学生くらいの列

あまり気を遣わせないように歩いていたのだけど、最後尾辺りの子が気付いて全体に声を掛けて道を譲ってくれたので、有難く先に行かせて頂いた。
14:21、金時登山口に到着。

ここからはかつて幼少期を過ごした地を今一度偲びながらすすきの原へ向かう。
観光案内所がある仙石原のT字路を右手桃源台方面へ行くと、右側にあったかつて在籍していた保育園は駐車場になっていて、左側の商店の並びは懐かしいかな、当時からあった洋服店がいまだ営業していた。
残念なから、ドラクエのバトエンを買いまくった文房具店はシャッターを下ろしていた。
20年前に比べて観光客もコンビニもお洒落な外観のお店も増え、雰囲気もがらりと変わってしまったけど、随所にある名残は当時の様子を想起するには十分だった。
すすきの原の入口まで来ると、観光客で溢れかえっている。
平日だからもう少し空いてると想定していたけど、流石は随一の観光地。予想が甘かった。
すすきの原から望む金時山(中央)

遊歩道とはいっても、殆ど登山道のような足下の悪さ。
人一人分の歩くところがあるのだけど、皆そこを通っていてすれ違ったり抜いたりするのは困難。
素直に足場の悪い道を通ったが、幸い登山靴だったので問題なし。
足場の悪い道に難渋していた一般観光客たちに山屋の威厳を見せつけてやりましたよw(周りからしてみれば浮いていたに違いない)
遊歩道は観光客でいっぱい!
遊歩道最奥から来た道を振り返る
夕日で輝く黄金の穂を期待していたのだけど、残念。雲が晴れることはなかった。

直線に通る遊歩道の最後はまさかの行き止まり。
途中まで来たことはあったけど、行き止まりだとは思わなかった。
すすきの原の遊歩道の終点

来た道を戻り、最寄りの箱根高原BSへ。
既に乗車率100%超だったが、仙石BS迄に大量に降りて何とか座席確保。
その後再び首都圏のラッシュ並みの乗車率となった。
平日で本数はかなり多いのにこの混みよう、箱根恐るべし。
いつも通り箱根湯本で漸く快適な乗車率になり、終点の小田原駅へ。
駅近くの度々行く地魚が食べられるお店にお邪魔。
行きの浮いたバス代はしっかりと地元に還元させて頂きました^^
ちょっとだけ超過してしまったが・・・まあ気にしない。(笑)
地魚の漬け丼。肝心のあら汁を撮り忘れた。

空腹を満たし、東海道線で帰途に就いた。

風祭駅8:07→塔ノ峰登山口9:00→塔ノ峰9:36→明星ヶ岳10:52→明神ヶ岳12:01(大休止)→矢倉沢峠14:08→金時登山口14:21→すすきの原14:55→仙石高原BS15:20

久しぶりの箱根は予想外にも花や紅葉が綺麗で大満足。
ただ、風祭から塔ノ峰は殆ど舗装路だし、個人的には地味な感じ。
素直に箱根湯本と阿弥陀寺を経由するコースの方が良いだろう。
すすきの原は予想以上の人混みだったが、見頃で良かった。
秋を存分に満喫できた旅路でした。