なりふり構ってられなくなってきたらとんずらでもしよう。
おいおい。
どこでそんな事覚えてきた。
お前は昔、あんなに真っ白だったじゃないか。

そう言ったあんたも真っ黒だった。

汚れてんなと常々思うが人が違えばそれさえ綺麗に見える。
なんて不思議な生物なんだ。目と頭が腐る寸前なんだろうか。
自分の存在ほど曖昧なものなどないと思っていたがそれは勘違いだったらしい。

確かに存在している。

ただ立ち位置がひどく不安定でいつ消えるのかはわからない。
それが曖昧だ。
宇宙でたった一人。
そんな誰の代わりもいない。
あなたを失う怖さなど計り知れない。
新しい門出だ。
毎日が、
その一歩が。

私にとって、命を懸けた一呼吸だ。

誰かに「他愛も無い」と笑われてしまっても、
深く、息をして歩いていく。

それだけは見失う事などないように。
ただ黙って祈るだけなら誰だって出来る。こんな俺でも出来る。だからこの日だけは60秒だけ黙る事にした。
価値観や思想が違う人間がいるのは当たり前だ。けれどそれを批判すんのは違うだろう?お門違いにも程があるだろう?

間違ってるなんてどの口が言うんだ。
それはあんたの感覚で私のじゃない。
押し付けないでくれ。
「私にとって」心底くだらないそんな腐りきった憐れみさえ抱けない戯言を。
怖くないと言えば嘘になる。
進めた足が地面に着く事なく、宙をかくかもしれない。
伸ばした手が掴むのは誰かの頭蓋かもしれない。

だけど。
爪が剥がれても、
目が潰されても、
命がなくなっても、

怖いと言いながら前を向きたい。
人を冷たいと言っていた。
熱くても文句を言うくせに冷たくても文句を言うのかと笑う。常温の体温が一番心地いい。
けれどそれはかなしいと誰かが泣いた。
人は変わる。
悪くも良くも。
みんな混ざって灰色に見える。汚れたようなその色に、少し安心して頭まで浸かった。
息がしづらくなるのにも慣れた。生温い感覚にも慣れた。
ただ、
「変わらないで」と叫ぶ誰かに言い訳が見つからない。
なんだか泣きたくなるその声に耳を塞いで息を殺した。