誰かを理解するなんて一生かけても無理だろう。

人の心の内が完璧にわかるなんて非科学的。

きっと僕たちは「多分ああだ」「こう思ってるに違いない」

そんな風にしか人を理解できない。

それでも

理解は出来なくても信じる事は出来るだろう。

「こうなんだ」と言われたら、それを信じてみる。

時にそれは嘘で、裏切られたり、踏みにじられたりする時もあるだろう。

けれど信じたいと思った気持ちに嘘は無いなら、また人を信じられるはずだ。
岐路を見つけた時、僕らは躊躇するだろう。

それが大きな、後戻りが許されないものならなおさらに。

だって知らない。

その先が崖なのか、自分が求めているものがあるのか。

落胆や一喜一憂の繰り返しになるだろう。

けれど、この道に自分の足跡をつける事を望もう。

足踏みは許しても、立ち止まる事などないように。

一歩を踏み出す。
本当に大切なものなんてどこを探したって見つからない。

自分の目の前から消えそうになった時、

ふと現れて、強烈な残像を残して消えていく。

ごめんね、ごめん。

気付かなかった。

こんなにも簡単に無くなるものだなんて、これっぽっちも気付かなかったの。

ねえ、当たり前だなんてもう言わない。

胸を張ってあなたが大切だと言えるから。


今度こそ、あなたを抱き締めさせて欲しい。

今度こそ、あなたの笑った声で私も笑ってみせる。
どうしたってどうにもならないなら。

誰かにそれを託すしかないじゃないか。

自分の非力さを他人のせいになんてしない。

自分が出来ない事を何かのせいになんてしない。

言い訳なら山程あるけれど、全部飲み込んで決して出しはしない。

だから


何も出来ないこんな弱い俺を許してくれ。
幸せになんかなれない。

幸せになんかできない。

でもただ傍にいるよ。

君が自分から手を離すまで。

君が幸せを見つけるまで。

ちゃんと僕は呼吸をするよ。

だからどうか幸せになって。
「あなたの考えている事がひとつもわからない」

そんな台詞を一体何度浴びただろう。

逆にわかってしまったらどうだろうか。

私はぞっとする、多分恐怖で体が強張る。

だって、自分を殺そうとする人間が隣にいるなんて。

なんてあなた、可哀想なの。

こんなにも私に憎まれてるなんて。

「あなたの考えている事がひとつもわからない」

わからなくていいの。

わかっちゃ駄目。

その息の根を私が止めるまで。

純粋無垢で鈍感な馬鹿のままでいて。

無知は罪だなんて生温い事なんて私は言わないわ。

知らぬが仏。

言わぬが花。

「私もあなたの考えている事なんてひとつもわからない」


たまに思う事がある。

誰かにクズと呼ばれてる人間も呼吸はしてるんだと。

その吐いた息を、私は吸っているんだと。

呼吸する事に嫌悪感を覚えて、

過呼吸になって、

死ぬ程苦しくなった。

早く楽になれたらと何遍思ったろう。

それでも私は、自分で自分を生かそうとする。

楽になって。まだ生きれるよ。と、

一生懸命、自分はその理由を掻き集めて命を繋ぐ。

死にたくない、死にたくない。

そして過呼吸。

死にたい。死にたい。

また過呼吸。

息を吸って、吐く。

そんな簡単な事も出来やしない私をあんたは笑ってくれる?

切った手首を見て顔を引き攣らせる?

どっちでもいいよ。

どうだっていいよ。

本当にもう、どうでもいい。

私はまだ生きてる。
くだらない感情を愛と呼んだ。

そんな素晴らしい勘違いするのを人間と呼んだ。

そんな私も一部なのに。

吐き気がして全力でそれを否定したいのはなぜなんだろう。

誰かこの頬、引っ叩いて目を覚まさせてくれよ。
きっと悪い夢だ。

きっとそうだ。

ずっと醒めない夢を見てるんだな。

なあ、

「そうだな」って笑ってくれ。

そんな黒い額縁の中じゃなくて、

ちゃんと、目の前で。

俺の目の前にいてくれ。