先日YouTubeを見ていたら、鉛筆を代用半田鏝にするという投稿がありました。その元ネタは海外との事でしたが、それこそ私の駆け出し時代にもCQ誌の読者アイデアで紹介されたことがありますから、発祥は海外なのかも知れませんが、半世紀以上も前から知られていた方法なのは確かです。私が読んだのは、鉛筆の芯を抵抗体にして12ボルトのバッテリに繋げば移動先でも有用、という内容でした。
ただ両者で違っていたのは、YouTube版は芯の先に金属棒まで括りつけたハンダ鏝らしき物の実証が目的なのに対し、CQ誌版は芯そのものを対象に押し当てるところで、その部分はハンダが融ける程の高温になる、という非常用目的だったところです。「移動運用にバッテリや鉛筆を忘れる人はあまりいないと思いますが・・」みたいな一言もついていたと思います。
ハンダについて同じ頃もう一つ見たのは、同軸ケーブルの編線にフラックスを塗ってハンダを吸い取る、というノウハウです。つまり今で言う「はんだ吸い取り線」そのものですね。ただ、フラックスと言えば薬局で松脂とアルコールを購入して自作できる、というアマチュア向けの教えもあったような時代ですし、現代的な「吸い取り線」を商品として見た記憶はないのですが、私が知らなかっただけで既に市販品もあったのではないでしょうか。
ところで、「ハンダ吸い取り機」にもダイヤフラムポンプを内蔵した電動工具があります。単にハンダの吸い取り機能という事ならば、上記の吸い取り線も手動のポンプも市販品が一応あるわけです。その上で2万円かそれ以上、という電動ポンプの価格はアマチュアには踏み切りにくい微妙な線でしょうし、私もそうでした。しかしいざ購入してみれば「なぜもっと早く買わなかったのだ」、と過去の自分を責めたくなる体験があったことを記しておきます。