周波数測定とマーカーと その2 | アマチュア無線の裏側で

アマチュア無線の裏側で

1970から1980年代の忘れがたい記憶から

AMが主流だった時代のVFOの安定度は今思えば悲惨なもので、ウォーム・アップ時にともすれば10とか20kHzも変動します。しかしダイアルの目盛もその程度の粗さ、それさえもアテにならない精度の上に目で補間するという鷹揚さでした。これではさすがにSSBには通用しなくなり、安定度の向上プラス機械式ながらも「1kHz直読」が売りになりましたが、本当に直読するには条件がありました。

 

まずは機械式VFOの直線性で、スパンの両端だけ合っていようが途中では±3kHzくらいズレていても驚きではありません。もちろん個体差という明確な「当たり外れ」もあるのですが、乱暴に言えば外部VFOよりも内蔵用の方が、また高級機の方が精度は髙い傾向がありました(トリオTS-900やコリンズのPTOがまさにそれ)。

なぜその程度の直線性でも「1kHz直読」を標榜できたかというと、一番近い25kHzのマーカー点を基準にすれば、そこから±12.5kHzの範囲くらいは直線性を信じても構わないだろう、という発想からです。ところがマーカー発振器(キャリブレータ)は保証認定対象の10ワット機ではオプションで、これが未装着ではどうにもなりません。初級局はその別売品をまず買いませんから、JJYで「概略だけ」合わせる程度でした。

参照・過去記事「アナログダイヤル合わせとJJY

 

実は昔の落成検査や定期検査にしても、運用中は何Hzの精度まで周波数を直読できなければならない、という要件はなかったのです。ハムバンド内でどこに流れて行こうが自由というものですが、オフバンドは警戒し、マーカーの較正に始まりバンドエッジを確認するテストはありました。当時のマーカーが25kHzに分周していたのは、元々は3575kHzとか14350kHzを確認するためです。

 

以上の話は周波数精度のことはいえ、ドリフトとは別問題です。逆に言えば電源投入から初期変動の収まるのを待ち、しかる後にダイアルは較正するものです。しかも経年変化でドリフト量も大変に大きくなっている可能性もあるのはビンテージ機を扱う上での注意点と言えるでしょう。