捉え後の世界(捉え暦):4ヵ月18日

原始体操開始から:5ヵ月6日

検証理論:北京原人理論(重心力トレーニング)

 

現段階の重心移動に関しての理解をメモする。

 

一般に、体重移動と重心移動は次のように区別されているように思う。

 

体重移動:筋肉を使って移動。

重心移動:重心を移動して移動。

 

そして、これの具体的な内容として次のことが言われている。

 

体重移動:

・地面を蹴る

・地面を踏みしめる

・筋肉に頼る

・踏ん張る

・上半身が先に動かないで脚で移動する

 

重心移動

・地面を蹴らない

・地面を踏みしめない

・筋肉に頼らない

・踏ん張らない

・上半身を傾けて重心を動かして、勝手に足が出るのに任せる

 

ここで少し基本的ことに戻りたい。そもそも、次のようなことをどうすればよいかの議論だったはず。

 

「身体をどのようにすれば効率よく移動できるか。つまり、身体の重み(体重)をどういう操作をすれば最低限の筋肉・最小限の力で、最大限移動できるか」

 

体重移動という言葉が良くない思う。だって、体重を移動する操作なはずだから。この表現が少なくとも自分は混乱を招く要因だった。

 

では、身体を効率よく移動するにはどうしたらよいのか?

 

端的に言えば、やはり重心ファーストで、身体を移動することであろう。そう、重心移動である。

 

何故、こんな単純なことに、いっこうに結論が出ず、上記に列挙したようないまいち腑に落ちない説明になってしまっているのか。

 

理由はいくつか考えられる。

①本人はちゃんと重心移動というものができているが、それが言語化を上手くできていない。確かに、感覚を言語化するのは難しい。だから達人たちは、「腰をね、そう、そんな感じで、さっと動くわけですよ」となってしまう。

 

②残念ながら、本人は重心移動というものが実感・体感・具現化できていないため、本や専門家という言われる人のブログやHPを見て、受け売りで説明している。もしくは、できていないから受け売りにならざるを得ない。なんとか、自分のオリジナリティーを出そうとし過ぎて、とんでもないことを言い始める人もいる。軸足から軸足への移動は重心移動ではないとか、軸足に体重をかけないとか・・・・。無重力で浮いているってこと?(笑)体重と重力を無視してはいけないような・・・)。

 

根本的な問題は、おそらく、

 

「そもそも人間の身体のどこに重心があるのかが分かっていない。解剖学上、分かっていても、自分がそれを実感・操作できない。だから、他の人の説明を読んでも腑に落ちないし、よくわからないで主観や「専門家が言っているから正しいということ」だけが先行し、どんどん実態とかけ離れていく」

 

重心はどこにあるのか?

 

「重心は骨盤内の股関節の上で、ボールような形で存在している」

 

重心移動はどうするのか?

 

「この重心ボールを前後左右360度動かすことで、その重みにつられて身体が移動する。だから筋肉の使用は最小限になる。しかし、重みにつられる・連動する身体の回路を構築しなければならない。」

 

重心を感じて操作するにはどうしたらよいか?

 

「これには時間がかかる。何故なら、重心を骨盤内に感じれる身体(股関節で捉えていることを実感できる身体)を作らなければならないから。それでも方法ある。まず、重心ゼロポジションを「誰でもできる股関節の捉えの姿勢」で明確にし、それを身体に覚えさせる。同時に、胴体の深層筋を活性化させて、上半身の力み・癒着を取り除く。そうすると、重心が骨盤内にあることを嫌でも感じるようになる。骨盤に重みを感じれないなら、まだまだ重心の位置を感覚的に把握することはできない。」

 

簡単にまとめると、残念ながら、そもそも重心の位置(とくに重心ゼロポジション)を実感・操作できていないと思われる状態で、重心移動の説明を試みているので、当然、説明は納得いくもにはならないのである。

 

重心移動で、蹴らないのは、蹴らないのではなくて、蹴る必要がないから。歩く時、重心ボールを左右の股関節に移動すれば、骨盤(身体)の重みと地面から押される力を最小限の力・筋力で最大限に利用できるようになるので、その力を利用して重心ボールをしかるべき方向へ移動すれば、その重心ボールにつられて簡単に身体は移動する。

 

外側から見ると、蹴っていないように見えるし、踏ん張っていないようにも見える。重心が動くから重心が外れているようにも見える。重心は骨盤内から決して外れない。だからそれに伴って腰がついてくる。それに伴って、足がスッと力感無く、そこまで足を上げずに最小限の力で、まるですり足のように出る。重心が腰から飛び出してしまうと、腰が抜けて、いわゆる腑抜けになってしまう。

 

外側から見えている姿は、内部で重心ボール操作した結果、いわゆる見えない動きの結果なのだと思う。

 

まず取り組むべきは、身体内部の重心の位置の体感・把握と、それに連動して動く身体づくりから。

 

よく、重心移動には胴体力の「丸める・反る」「伸ばす・縮める」「捻る」が必要だと書いている場合がある。これはおそらく胴体力関連の本にそのようなことが書いてあるのと、「専門家がそういうので大切だ」と勉強して、書いているのだと思う。

 

胴体力で言われている3つの動きは、重心ボールと連動して起こる動きだということが欠けているように思う。

 

確かに、胴体力の本には、「反る」は骨盤の前傾して、腰から連動して背骨を反るとある。しかし、これは決して、「反り返る」ことではない。つまり腰を反らすことではない。なぜなら、そうしたら腰が壊れるから。専門家と言われている方もこのことは分かっているはずなのに、何故か腰を反らせる、怪我を助長するやり方を自ら体操して動画で載せていることがある。少なくとも自分には、これは怪我する動画だと感じる。

 

「反る」の基本は、鳩尾の深層筋と腸腰筋がまず伸びること。伸ばすべきは胸椎であり腰椎ではない。

 

では何故、説明では腰からとあるのか?

 

これは、重心が腰に落ちて、重心ボールを操作ができて初めて、腰からとなる(こう考えると、胴体力の3つの動きはやっぱり難しい)。重心ボールを前方向に転がすと、当然腰は前傾し始める。しかし、重心が骨盤からこぼれるほど重心ボールを前に転がさない。ギリギリのところで腹圧で重心をとどめ、その力を腰椎・胸椎・頸椎へ連動して送る。

 

先ずは、鳩尾を中心として、「丸める・反る」「伸ばす・縮める」できるようになること。腸腰筋を活性化させる。

 

次に、重心ボールができ、骨盤内でコロコロ転がせるようになったら、腰を中心に「丸める・反る」「伸ばす・縮める」できるようにする。

 

理想は胸・腰どっちでもできるようになることであろう。

 

まとめると、

「重心ボールが前後に転がる」=「丸める・反る」の動きが生まれる

「重心ボールが左右の股関節の上に転がる」=「伸ばす・縮める」の動きが生まれる

 

わざわざ、動きが生まれる、と書いたのは、重心ボールの動きに合わせて自動的にその動きになるから。そのためには、上半身を含め、深層筋を活性化し、十分癒着を取り除かないと、連動しては動かない。

 

では、「捻り」は?

 

重心ボールを捻る方向に回すことである。

 

そもそも、捻る際は、例えば右の場合は、まず右の股関節の上に重心ボールを乗せる。そこから、回す。

 

右の股関節の上に重心ボールを乗せた時点で、重心の重みで、骨盤は下がり、右の脇は勝手に伸びる。重みで骨盤が下がり固定されるので、重心ボールを股関節上で回転させても、骨盤は動かない。捻りの時に骨盤を動かさないのではなく、正確にできると骨盤の重みで動かない。捉えの正確さが問われるのはこれだからだと思うし、「捻れるようになるためには、「丸める・反る」「伸ばす・縮める」をしっかりやるように」と言われるのもこれ理由だと思われる。

 

また、伊藤昇氏が自身の著書で、「股関節の捉え」が無いと、体操の意味はないと繰り返し言っているが、これもうなずける。重心とそれに伴う動きの連動がそうでないと形成されていかない・いき難いからだと思う。

 

現段階の重心移動に関する理解である。

 

嘘か本当か、身体内部を整理した結果の報告でした。

 

始まりはいつも北京原人から。