電光石火なボスYに曳かれ、次の「終の棲家」候補へ(NMIXX夏のカムバック曲予測) | 曽根賢(Pissken)のBurst&Ballsコラム

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元『BURST』、『BURST HIGH』編集長の曽根賢(Pissken)のコラム

 

[七曲り荘日記]

 

巻頭連載[第129回]
「我らの時代の墓碑銘を描く画家――その淫蕩する光線」

 

「締め切り」
佐藤ブライアン勝彦●作品&文

 

※これは画像が倒れて横になってます。直せずすみません。

 

 

 

 

 

 

ギャラリーへ絵を送り、ひと段落。

平日お店のディナーを休みにして集中して描いたら、円形脱毛も治ってきた。

て、どんな体質?

 

最初は余白を生かして描いてたけど、だんだんとこんな感じになってきたところで締め切りに。

最後は余白が、ほとんどなくなってきた。

 

 

[今週のブライアンのお勧めビール/エール『裏通りのドンダバダ』よなよなの里]

近所のウェルシアで買ってよく飲んでる。最初は、ただルチャリビレっぽいデザインが面白いなと思って買ったんだけど、味もなかなか。

絵を描き終わった時に飲むのが最高に気分がいい。

 

 

 

 

5月9日(木)鬼子母神は晴れ。

 

昼過ぎ、ボスYからメールがあった。

いい部屋が見つかったと、間取り図(&映像)等の物件概要が貼られてあった。

すでに不動産屋へ電話し、私の状態状況条件を伝えてあるという。

で、さっそく担当者は、それを大家さんへ伝え、OKを貰ったというではないか。

(やはり生活保護受給者59歳のハードルは高い)

 

相変わらず、いざとなったら電光石火な我がボスYである。

すぐに鬼子母神で待ち合わせ、そのアパートを見に歩いた。

まだ女性が住んでいて、退去は今月末になるため、内見や入居は来月6月半ば以降になるそうで、ひとまず外観だけでも見にいこうとなったのだ。

 

場所は鶴巻通りを200メートルほど歩き、左に坂道をのぼった高台にある。

そこらへんは住宅密集地で、古い土地なので、豪邸こそあるが高いビルはなく、路地が張り巡らされた、私のようなカフカ的方向音痴には、ボルヘス的迷宮に思える区域である。

 

アパートは木造モルタルの2階建て(築53年)で、5部屋づつあり、空く予定の部屋は1階であった。

住宅密集地なため、日当たりは期待できないだろう。

が、20.2平米(6畳間、3畳のキッチン、便所と風呂が別々)で、この家賃(5万3千円――この金額まで生活保護が出してくれる)は、そうそう見つからない物件だ。

七曲り荘から歩いて7分といったところか。

昼間のその辺りは、ひっそりかんとしていた。

 

 

[雑司ヶ谷旧宣教師館]

 

その後、近くの「雑司ヶ谷旧宣教師館」へ寄って見学した。

明治時代に宣教師J.M.マッケーレブが建てた洋館は、清潔に管理され、なんと入館は無料だ。

私はこんな館があることを知らなかったが、ボスYは散歩がてらたまに寄るのだという。

 

2階には雑司ヶ谷ゆかりの文士コーナーがあり、色々な文士の展示が組まれるのだという。

現在は秋田雨雀(劇作家/童話作家/詩人)の生原稿や、ハガキ等が陳列されたあった。

庭もよく手入れされ、ベンチもトイレもあり、カフェなんていくより、ちょいとデートで寄るのに絶好な場所だろう。

 

平日なら、めったに客はいなさそうだし、何より静かで品のある場所だ。

その時代の、質素なアメリカ郊外住宅を模しているためだろうか。

もし、アパートが決まれば、ここで独りを過ごす時間が増えるかもしれない。

 

 

それから鬼子母神参道通りにある喫茶店(煙草が吸える)で、ボスYはアイスコーヒー、私はアイス・チョコレート・フロートを飲む。

インスリンを打って、ドーナッツをひとつ口にしただけだったので、歩いているうちに低血糖症状をおこしていたからだ。

(私の場合、それはまず手の震え、眼のかすみから始まる)

 

不動産屋から、いい物件なので(すぐに決まってしまうだろうから)内見する前に、登録だけでもしたほうがいいと聞かされたという。

内見せずとも、映像で確認済みでもある。

私に是非はない。

ボスYが見つけたのだから「あそこに決めたよ」といった。

 

 

で、不動産屋へ電話し、さっそく高田馬場の不動産屋へタクシーで向かった。

ボスYの金で。

担当者は腰の低い、丁寧な口調の青年で(私の書いた弟の住所を見て)東北大震災のときは半年間もボランティアで働いたという。

彼は「大家さんも、とても感じのいい人です」と太鼓判を押してくれた。

 

これで保証会社の審査が通れば、私のケースワーカーとのやりとりになるという。

私とボスYは、最後まで腰の低い彼に、何度も頭を下げ、不動産屋を後にした。

そのまま、帰りは歩いて鬼子母神へ。

久しぶりにボスYと駄弁りながら。

 

 

[昼食兼夕食]

●牛丼(すきやき肉、玉ねぎ、突きこんにゃく、生姜)

●温泉卵を乗せて(自家製)

●たくあん

●ほうじ茶(岩手の城戸醤油屋若旦那よりの頂き物)

●イチゴ5粒

 

1,000円のすきやき肉が半額、イチゴ380円が100円引きだった。

若鶏の骨付きモモ肉1本(岩手県産いわい鶏)1,000円がやはり半額。

モモ肉は明日に。

 

馴染みのスーパーはこの通り、やたらと見切りが早い。

野菜と果物は他のスーパーより100円がた安い。

ここだけの個人店だからだろうか。

転居後も当然ここへ通うことになる。

温泉卵のせ牛丼は、なかなか旨かった。

(小鍋半分はタッパーに入れて冷蔵庫へ)

 

 

実は、不動産屋から追ってメールが来ていた。

保証人を1人ではなく2人にしてくれとのこと。

「やはり、おれじゃあなあ」

なんで、次男のジュンへメールして住所を送ってくれと頼む。

(ジュンも転居していて新住所を控えていなかったのだ)

 

ジュンからの返信が怖かった。

「もしや、こんどこそ棄てられちゃうんじゃないか?」

4年前も、入院代や家賃やらのほとんどをジュンに払ってもらったのだ。

 

杞憂だった。

すぐに住所が送られてきた。

こんな私も、メールを眺めながら、しばし人生を反省するのであった。

 

 

[NMIXXつれづれ草]

●去年の夏のカムバック期のNMIXXー―右からリリー(現在21)、ヘウォン(20)、キュジン(17)、ソリュン(19)、ジウ(18)、ベイ(18)。

 

 

NMIXXのプロデュース・グループSQU4Dのアプローチは、80年代のポストパンク的だ。

その曲は(世界観、ファッション、MVを含め)サイケ、プログレ、ファンク、ソウル、パンク、ヒップホップ、ワールドミュージックなんでもござれをバブルガム的に接着させたものとなっており、ゆえにKPOPアイドルの枠を逸脱している。

 

なにより、ジョン直系の「MIXXPOP」というスタイルの発明。

●ただし、そのヴィジュアルやパーソナリティは、まさに日本発「アイドル」の完成形とさえいえる。

そのギャップが、私のようなオッサンを含め、ファンにはたまらないのだ。

が、曲はまだまだNMIXXとしては完成されていない。

 

●で、夏のカムバック曲を予測しておこう。

80年代ポストパンクのメジャーどころといえば、トーキング・ヘッズとスタイル・カウンシルだろう。バックトラックは彼らのアプローチを、現在のヒップホップのトレンドに寄せる――つまりプリンスだ。

肝心のメロディーは、カイリー・ミノーグが80年代に「ロコモーション」や「I Should Be So Lucky」をヒットさせたように、臆面もなく60年代ガールズPOPをトレースしたものとなるだろう。

 

●いや、そろそろやれよSQU4D

バックトラックはどれだけ玄人好みでもいいが、メロディーだけはバブルガムPOPじゃなきゃ、ガールズ・グループとしてビルボードTOP10を狙えないのは自明の理だろ。

●いや、こんどこそSQU4Dはやるはずだ。これまでが計画通りだったのだ。

オレが約束しよう。

乞うご期待。

 

 

 

5月10日(金)鬼子母神は晴れ。

 

午後、不動産屋から審査が通った旨のメールが来た。

「あとはケースワーカーさんと、わたしのほうでの話になりますから」

ということで、ひとまず私のほうから、生活保護課の担当者へ電話を入れたが、今日は直帰だという。

不動産担当者は月火水が休みをとっているとのことで、この件についての2人の話は木曜日となった。

 

しかし、ここまで来ると、もうあのアパートへの転居は決定のように思える。

(不動産担当者は生活保護受給者の転居の経験を数人経験済み)

とはいえ、まだ引っ越しの準備をする気にはなれない。

まるで実感がないのだ、この七曲り荘を出るのが。

つい先日、ここの13階段を数えながらのぼったような。

 

 

[昼の朝食]

●グレープフルーツ半分

●イチゴ4粒

●バナナ

●食パン1枚

●豆大福

●ミルクティー

 

総務省の「家計調査」によると、過去1年間(20229月~2023年8月)のエンゲル係数が、43年前(1980年)の過去最高域(2900%)に並んだという。

(ただし前年度も同じ数値)

1980年とは、私が高校1年生のときだ。

しかしあのころ、宮城県古川市の喫茶店のコーヒー1杯が300円~350円。

当の喫茶店のバイト代が時給360円という時代でもあった。

 

今や「区民のヒモ」である私がいうのもなんだが、上京し自炊して41年、東京のスーパーが高くなったという実感はない。

なにせイチゴが1パック280円だし。

ま、41年前からずっとこちら、エンゲル係数は80%台だが。

(私の食費は1日ざっと1,000円と決めている)

 

もちろん物価は上がっている。

しかし、下層階級はあんがい実感がないのだ。

いや、そこはやはり私が現在、身銭を切っていないからだ。

(毎月、少しは働いているのだが――もちろん申告してその分は生活保護費から差し引かれている)

 

申し訳ない。

気がつけば、私のいちばん嫌いな、麻生太郎と同じようなことを口にしていた。

(一昨年の朗読会で「安倍と麻生を撃て!」と口走ったほどだ。ひとりには届いたようだが)

どうにも、麻生同様、ヒモ体質は骨がらみなようだ。

ま、政治家も詩人も民衆のヒモだからね。

口をつつしもう。

 

[夕方の昼食]

●昨夜の残りの牛丼

●温泉卵

●たくあん

●ほうじ茶

 

 

[今週の曽根のお勧め作品/Youtube番組「社会主義国キューバ政府が世間に絶対に見せたくない闇の実態」Bappa Shota

 

●彼の番組をずっと見てきた私には、これが偏向報道とは思えない。現在のウクライナ戦争やパレスチナ紛争によって世界中の物価が高くなっているわけで、日本も同様なのだが、このキューバの現状を見る限り、やはり日本こそが「成功した社会主義国」だということが理解できる。私のような男がこうして生きて行けることこそ、その証明なのだ。

●ゲバラの死後、カストロ兄弟は「仲間」を顧みない男と成り果てたのか。革命から60数年、未だに民衆は「政府がどうにかしてくれると待っている」そうだが。

 

 

 

夕方、ふと、せめて弟2人に私の掌編が載った文芸誌『スピン』を送ろうと思いつき、池袋のジュンク堂書店へと歩いた。

先月、病院帰りに覗いたら、けっこうな数が平積みになっていたのだ。

が、やはりそこは文芸誌、たぶん1冊も減っていなかった。

『スピン』は300円だから5冊買った。

弟2人以外にも上げることができるように。

 

あ、そういえば、昨日の夕方、不動産屋帰り、今回書いた掌編をボスYから「やんわり」と褒められた。

「曽根さんは、こういう怪談みたいな話がうまいよね」

(彼は今回の作品より別の話を思い出しているようだ)

あなたも、ぜひ読んでみてちょうだい。

怪談っていうより、独り身のオッサンたちのせつない呑み会の話で、10分かからず読めるからさ。

そして、ぜひ編集部へ、私の次作を読みたいとお手紙を送ってもらいたいもんだ。

 

文芸誌『スピン』河出書房新社/300

掌編「雑司ヶ谷鬼子母神『七曲りの路地』奥の

七曲り荘二〇二号室からずっと」曽根 賢(PISSKEN

 

 

 

[夕食]

●若鶏骨付きモモ肉焼き(塩胡椒、オリーブオイル、ニンニク、唐辛子)

――バジルソース&タップナードをつけて(近所の洋食屋の自家製瓶詰)

●付け合わせピーマン

●カブとキュウリの糠漬け

●海苔

●ごはん

●ほうじ茶

 

 

そろそろ暑くなってきたので、味噌汁をつくるのは止めにしている。

(小鍋が冷蔵庫に入らないため)

本来は1,000円する鶏肉なため、けっこう大きく、半分残し明日の朝食へ。

私は根っからの貧乏性のため、食物に関しては、けっこうやり繰り上手なとこがある。

ま、41年ずっとエンゲル係数が80%台だもんね。

 

 

食事をしながら眺めていたYoutube番組(「楽しいとこ取りガルちゃんねる」)で、昭和のトンデモ・タイトル歌謡が紹介されており、危なく噴き出すとこだった。

 

●順弘子「さっそく振込みありがとう」(1984年/Youtube映像あり)

 

●城卓矢「なぐりとばして別れようか」(1967年/Youtube音源あり)

 

●ほりえみつこ「いっしょに小石を拾いませんか」(1976年/オッサンが歌う音源がYoutubeにあり)

――「アニソンの女王」と呼ばれる堀江美都子の別名義シングル曲。

 

聴けば皆、曲も歌唱も普通の歌謡曲だが、タイトルが説明過剰で笑える。

もちろん畑中葉子の名曲「後ろから前から」(1980年)も紹介さていたが、その次のシングルが「もっと動いて」(1981年)だったことを初めて知った。

 

彼女はもともと歌唱力(表現力)がある歌手だからにして、「もっと動いて」もエロ度の高いメッセージを聴かせてくれる。

 

 

おやすみなさい。

あのアパートに決まれば、自分用の便所があるのは12年ぶりか。

掃除する、し甲斐がちょいと減るな。

昔の彼女は成城の億ションに住み「ここが終の棲家になりそうです」と雑誌に答えていたが、私の終の棲家はここ「七曲り荘」じゃなかったようだ。

ま、どこだって雨宿りの場所でしかない。

良い夢を。

 

 

 

[5/19文学フリマ』出店告知]

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5/19 日曜日

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