曽根賢(Pissken)のBurst&Ballsコラム

曽根賢(Pissken)のBurst&Ballsコラム

元『BURST』、『BURST HIGH』編集長の曽根賢(Pissken)のコラム


[深雪荘日記]

 

●[連載第199回]

 

「我らの世代を看取る我らの世代の墓碑銘」

 

「」

 

佐藤ブライアン勝彦●作品&文章

 

 

届き次第、

アップします。

 

 

●表紙代わりのジウ(20)の写真。デビュー時は16歳。まさに花が咲いたヴィジュアルとして、SNSでバズっている。

 

●まさに大ヒット中のシングル「ブルー・ヴァレンタイン」。現在も韓国チャート4つで1位をとる「オール・キル」状態がつづいている。これぞ最新型のガール・ポップスだ。

 

 

 

 

10月29日(水)鬼子母神は曇り。

 

午後6時30分、いつもより30分遅れて深雪荘を出る。

「とんでもなく寒い」

今夜は毎月恒例の『BURST公開会議』だ。

目指すは阿佐ヶ谷タバサ。

 

体調は最悪。

おとつい昨日の気温が25度前後、今日の最高気温は16度。

「いまは10度くらいか?」

心底から「ストレッチャーで運ばれたい」と思った。

 

部屋を出るギリギリまで、片眼のラッパーことダースレイダー氏のYouTubeトークを聴いていた。

あまりの体調の悪さに、どうしても足が玄関まで進まなかった。

万年布団にあぐらをかき、苦痛に顔をしかめたままだ。

 

けど、彼はえらいな。

私よりひどい体調のはずなのに、愚痴らしき言葉は一つも発せず、気候変動に対しての意識改革を、こちらの理と情へと訴えかけてくる。

「オレも、せめて行かなきゃ」

そこで、ようやくのろのろと立ち上がった。

 

 

[今週の曽根のお勧め作品/スピルバーグ監督『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』2002年]

 

●現在YouTubeで無料視聴中。

 

●ディカプリオ演じる10代の天才詐欺師と、トム・ハンクス演じるFBI捜査官とのコミカルな鬼ごっこ。しかし実は、実在する人物とその事件をモデルとした作品だ。

 

●ディカプリオの父をクリストファー・ウォーケン、義父をマーティン・シーン、トム・ハンクスも含め、3大いい親父そろいぶみの「父と息子」の愛情映画でもある。

 

●主人公が少しめそめそぎみだが、そこはディカプリオゆえに明るさは担保されているし、出てくる女子たちが皆可愛い「60年代金髪おバカ」で、サービスもいっぱい。

 

●なにより、役者の顔ぶれはもちろん、監督がスピルバーグなのだから面白くないわけがない。ちなみに私はディカプリオが好きなのだが、ディカプリオ映画としては五指に入ると思う。

 

 

 

 

今日のお題は「BURST2003~2004年について」だった。

つまり、私からユージへ編集長が渡り、廃刊するまでの2年間についてである。

具合の悪さと、あの「悪夢の2年間」が重なって、最初から「しょっぱい話」になり、前田くんから叱られる。

ダースレイダーさんとは大違いだ。

 

どうにかトークの時間が終わり、〆の朗読までこぎつけた。

ここんところずっと寝たきりみたいなもんだったため、新作詩が間に合わず、前に書いたものを少し手直しし、前田くんの吹くディジュリドゥをバックに朗読した。

これが、ほぼ完成稿になるだろう。

 

 

 

[火舌詩集Ⅱ「BALLS」用作品 20251029]

 

 

「血より濃い涙が流れている」

 

 

巷に雨が降るように

今夜も男たちの胸には

血より濃い涙が降っている

 

それは悲しみの涙でも、悦びの涙でもない

太古の民の血脈が途絶え、田へ引く水脈が涸れても

今夜も男たちの胸には

血より濃い涙が流れている

 

それはかの女の流す涙

遠い街の片隅で

両の足首まで血を流しながら

 

 

ディエゴの手が窓の夜露をぬぐうと

シャッターの下りた酒場の裏扉がノックされる

「黒ビールを大きいので」

J型の長いカウンターにぽつぽつと座る

保険証のない男たちはむっつりと

ジャムを煮る音を聴きながら

臭い酢漬けの豚足を齧っている

 

ここは運命からの隠れ場所

神の代わりに賽は振られ

匙を投げた男たちが息を吹き返す

女子どものいない男だけの世界は

喫煙やマッシュルームの雲さえ許される

未来から孤立した世界

 

戦前も戦中も戦後もいつだって

男たちの魂を救ったのは

カフェインとニコチンとアルコール

決して晴天や処方箋や男娼だけじゃない

三種の神器と胡桃二つ分の暴力を握りしめながら

今夜も男たちはむっつりと、ジャムを煮る音を聴いている

 

後悔とは薄暗がりに佇む毛皮の死霊だ

壁に吊るされたコートが仕事探しに出かけても

毛皮の死霊はパイントグラスの黒ビールを舐めつづける

厄介ごとを棚上げにしたまま、夜明け前には死んでゆく男たち

その胸には今夜も、血より濃い涙が流れている

 

 

血は水よりも濃いけれど

純潔を誇る病んだ血族の毛細血管は、ゴンドワナ大陸の隅々まで伸び

十二歳の少年兵士の静脈をクリスタルのメスで傷つける

アジアの片隅で末端価格の男たちは、十二歳の少女を殴りつづけ

ペットボトルの水でこぶしの血を洗う

百年前の詩人がせせら笑う

「現在の我々の文明が、最も老年のものであることを認めなければいけない。         

百年後の我々の文明は、百年分老いているのだ」

 

 

ロンドンが退屈に燃えた五十年後

冷たい雨の降る新宿は、今夜も退屈に鍋で煮られている

時代の頭数の男たちは、小便横町で肉豆腐をつつき

皇族の婿養子へ贈るビキニ・キルの7インチに七味をこぼす

時代にプライドなどないように

今夜も男たちの胸には

血より濃い涙が流れている

 

それはかの女の流す涙

遠い街の片隅で

丸い腹を裂かれながら

 

暮らしのために男たちが自分を売った夜

道端で独りの女が死んだ

まだ舌足らずのまま

たるんだ電線が風に鳴り、あなたの耳に女の言葉を伝える

 

だから男よ、針の眼をせいぜい見開き

お前ひとり分の愛を今日の仕事に尽くせ

不当な人肉抵当裁判に屈せず

血より濃い1ポンドの肉を夕餉に捧げよ

 

ひとりの女の月の実りのために

ずぶ濡れの家路が濁流にのまれるまえに

血より濃い涙に満たされ、溶けあい

カンブリア紀のスープとなる日まで

今夜も、男たちの胸には

血より濃い涙が流れている                                

 

 

 

 

 

読み上げてすぐ、記念写真を撮られ、客で来てくれた瀧坪くんカップルを残し、帰る。

40分後、深雪荘へ着く。

昨夜の残りの納豆汁に、ネギと卵とごはんをいれ、熱いおじやをスプーンですする。

今日、初めての食事である。

 

 

おやすみなさい。

亡き永沢光雄は晩年、抗がん剤に顔をむくませながらも、ギネスにはまり、一緒に呑めば、私と一緒に漫才(※)をしたりと、決して苦しさを見せなかった。

 

(※)下咽頭癌で声帯を切除したため声は無く、私のボケに、ホワイトボードでつっこむという新機軸漫才であった。

 

それでも、一度だけ、薬の苦痛について訊いたところ、

「毎日が地獄だよ」

と、おどけたが、半分本当だったろう。

オレも、せめて人前では笑わなきゃな。

それが大人のたしなみだもの。

 

若いころは「最後に笑えればいい」なんてうそぶいたもんだが、そんな余裕はもはやない。

あなたの前では笑顔でいたい。

KPOPアイドルを見習って。

あなたも笑顔を忘れずに。

よい夢を。

 

 

 

[NMIXXつれづれ草]

●裏表紙代わりのソリュン(21)。この髪型はソリュンの希望で、初のスタイルだが、めちゃくちゃ可愛い。今回の「ブルー・ヴァレンタイン」もソリュンにピッタリの曲で、初のチャート1位独走に「ザ・アイドル」の自信が笑顔に磨きをかけている。

 

NMIXX「 ADORE U」Track Video

●フルアルバム『ブルー・ヴァレンタイン』より、「ADORE U」のスペシャルMV。彼女たち自身で撮った映像のコラージュ。曲はシューゲイザー系のギターをバックに軽やかに、かつ力強く歌い上げるパワーポップ。

 

 

 

●初のフルアルバム『Blue Valentine』が[ビルボード200]に177位で初チャートインした。タイトル曲「Blue Valentine」も現在、国内チャート4つを1位のまま2週間無双中である。これは今年でいえば、BLACKPINKの「JAMP」と並ぶ記録である。

 

●先日とうとうキュジンが白状したように、彼女たちの現在目標はグラミーとコーチェラだ。ゆえに今回のビルボード177位は、最初の足掛かりとして上出来である。

 

●なにせ、国内チャート1位を獲るまで3年8カ月もかけたチームだ。しかし、来月から初のコンサート海外ツアー(※)が始まる。くどいが、まさに「機は熟した」のである。

 

●NMIXX専門のプロデュース・チームSQU4D(スクワッド)は、トップから40名ほどのスタッフがほぼ女性である。彼女たちの愛情ある丁寧なプロデュース力こそ、KPOP業界で「新しい」のだ。いや、たぶん世界中のポップス史を見渡しても、それは「新しい」と思う。

 

●彼女たち40人は、NMIXX6人の歌唱力、パフォーマンス、ヴィジュアルが世界レベルになるまで、じっくり待ったのだから。

 

●それにしても、今回の本国チャート1位独走で、一気に世界が開けたのは間違いない。とうとう、ようやく、NMIXXはブレイクスルーを果たしたのだ。これから5曲連続で1位を獲ることだろう。。

 

 

NMIXX「Reality Hurts」Track Video

●「ADORE U」に引きつづき、本日(11/3)YouTubeにアップされたアルバムのい収録曲。ダフトパンク系のクラブ・ミュージックだが、MVはもっと彼女たちのヴィジュアルを全開にしたものとなっている。

 

●しかしまあLAで、タイトル曲のMVばかりじゃなく、これまで撮っていたとは驚きだ。タイトル曲とは別の、衣装とメイクとロケ現場なのだから、ほんとNMIXXもSQU4Dも働きものだし、金の使い方が素晴らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[深雪荘日記]

 

●[連載第198回]

 

「我らの世代を看取る我らの世代の墓碑銘」

 

「復活」

佐藤ブライアン勝彦●作品&文章

 

●こんな選挙ポスターあったら、世の中変わるかもよって話から描いてみました。バックのオレンジは特に意味なし。時間があれば、メロリンキューをバッグに描き、俺の絵っぽくしたかった。

 

 

 

 

 

食欲も普通に戻り、体重も1キロ増えた。 

いや〜、過労は怖いな。

危うく死ぬところだったよ。

幸い、血液検査で異常がなかったので入院にならず、自宅療養で済んだ。

 

みんなも気をつけてね!!

 

疲れてるなあとは思ったけど、仕事に追われてるうちに突然38度をこえる熱。

食欲もなく、その間、点滴を5本打った。

体と心が戻るまで1ヶ月かかったわ。

途中、もう大丈夫かなと、パソコンの画面見ると眩暈がするし。

とにかく疲れたら寝なきゃダメだと痛感。

 

みなさん、ブログを休んでもしまい、ご心配をおかけしました。

 

先日、茂一さんの番組で選曲しました。

お昼の12時からとの事で、ランチタイムやドライブにぴったりの、おだかやかな曲を選んだ。

しかし、繋いでいると自分が眠くなる。 

ん?これはドライブには向かないなと、後ろを振り返るとダン(犬)も寝てた(笑)。

 

是非、寝る前に聴いてみて!!

 

https://www.mixcloud.com/moichikuwahara/pirateradio-佐藤ブラウン勝彦-昼選-1025土曜日正午-729/

 

 

 

 

 

 

まさに機は熟した。

NMIXX最新シングル「ブルー・ヴァレンタイン」大ヒット!

韓国音楽チャートで初の1位を獲得(現在も)!

今週音楽番組5冠のグランドスラム達成!

デビュー3年8カ月目の

ブレイクスルー!

 

NMIXX「Blue Valentine”」M/V

 

 

 

 

10月24日(金)鬼子母神は曇り、ときどき雨。

 

午後3時、池袋のクリニックで3週間ぶりに男性ホルモン(テストステロン)注射を受ける。

ここ1週間、雨が多かったせいもあるが、男性ホルモンが著しく低下して(※)、肉体的にも精神的にも辛かった。

からだがとんでもなく重く、意欲がかすみのごとく薄れ、異常発汗が増え、長く眠れない。

こればっかしはマットレス効果も効かないのであった。

 

(※)注射を受けてから18日前後、季節の変わり目は14日前後に、決まって梯子を外された感覚があり、ガクッとフィジカル&メンタルが低下する。実際、血液検査をすると、80代女子ほどにまでテストステロン数値が落ちている。

               

注射を受けてもすぐには効かない。

だいたい3日後あたりから、からだの重みと気持ちが軽く感じ始め、自律神経失調症が治まってくる。

 

部屋に戻ると、さっそく蕎麦を茹で、たぐる。

つけ汁には煮鶏の刻みと、茹で卵も入れた。

しかし、さすがに冷たい蕎麦は、春までおあずけか。

 

一睡もしてないので、食べると、たちまち眠れた。

何度か書いたが、50歳前後の男で、鬱で悩み始めたら、精神科よりもまず、泌尿器科で男性更年期検査をしてみたらいいと思う。

 

ま、注射の止め時が問題だが。

 

 

[今週の曽根のお勧め作品/神川近代文学館『没後70年 坂口安吾展 あち奈らこちら命がけ』11月30日まで開催中]


●この林忠彦の有名な写真(1947年撮影)は、2年間掃除をしたことのない安吾の自宅書斎(?)を撮ったもの。

 

●この部屋を見るなり、林は「ここだ! ここだ!」と叫んだといわれる。のちに妻となった三千代が掃除をすると、ゴミの中に、封の切られていない現金書留が何十通も見つかったそうな。

 

●『BURST』の4号目に、安吾の傑作評論「不良少年とキリスト」を全文掲載する際、この写真を見開きに使った。夢がかなった。「編集者冥利につきる」とあの頃も今も思う。

 

●写真を貸し出す会社から、使用料10万円と吹っ掛けられたが、もちろん値切って5万円にしてもらった。半分に値切るのが暗黙の了解だからだ(たぶん今も)。

 

●なんと、現在開催中の「安吾展」では、この部屋が「再現」されており、記念撮影ができるという。

●アホか。

 

●けど、本心はそこで、KPOPアイドル・ハートサインを指でつくり、写真をここに載せたいとも思う、今日この頃なのです。

 

 

 

 

 

10月25日(土)鬼子母神は雨。

 

●以下、今週の[NMIXXつれづれ草]を兼ねる。

 

●25日、これまで1位を獲れなかった音楽番組でトップとなり、デビュー3年8カ月目にして、初めて人前で涙を見せてしまったリーダーのへウォン(22)。眼が赤いのはそのせいだ。

 

●この番組はソリュンが1年と10カ月間MCを務めていたのだが、チャート成績重視のため、これまでファンダムの力ではどうしようもなかった。今回ソリュンも当然泣いた。

 

●今週音楽番組全てで五冠のグランドスラム達成。各番組のトロフィーを持っている。五冠は初のことだし、JYPのガールズ・グループでもTWICE以来5年4カ月ぶりの快挙だ。

 

[SHAKE FREE] NMIXX 「 Blue Valentine 」KBS WORLD TV 251017

●MVで着ていたお揃いのレトロなブルーのドレスでのテレビ・パフォーマンス。これが今回いちばん可愛いライブだったので、ぜひ、楽しんでほしい。

 

 

 

 

 

先週月曜日にNMIXXのシングル&アルバム『ブルー・ヴァレンタイン』が発表発売され、ファンダム「NSWER(エンサー)」は、祭り状態がつづいている。

なにせ、シングル「ブルー・ヴァレンタイン」が、発売3日目あたりから韓国チャートを急上昇し、たちまち1位となって、現在もトップを維持したままなのだから。

 

13日午後6時、YouTubeにアップされた直後から、全世界のKPOPアイドル専門ユーチューバーが、曲のリアクション動画をアップし始め、ピーク時は1日50件ほどにもなった。

それをいちいち観るのは、ファンにとって、祭りの屋台をはしごするような楽しさである。

 

特に、NMIXXを初期から贔屓し、NSWERを公言するユーチューバーの番組は2度観したりもする。

その中でも、お気に入りの可愛い女子ユーチューバーたちがいるのだが、その半分がレズビアンかバイセクシャルだ。

 

彼女たちの反応が可愛くて、知らず知らず、にんまり笑顔となっている。

今回のA面B面の2曲とも、MVが「ユリ」に振り切っているので、彼女たちの発狂したリアクションがいじらしい。

 

MVの内容は、どちらも「LOVE&HATE」をテーマに、メンバー間でカップルを組み、なかなかきわどいカラミがある。

(今年メンバー全員が成人したため「GO!」したと思われる)

 

彼女たちの百合っぷりは、私の眼には、なぜか微笑ましい。

まず安心がある。

キモいのは重々承知しているが、やはりアジアン型ガールズ・グループを愛する男としては、他の男の姿はMV上であっても嫌なのだ。

あとは、やはりきれいだし可愛い。

 

エロ本編集長時代の5年間で、ざっと150現場くらいの撮影を組んできた。

しかし、その中に「レズ撮影」は1本もない。

女子が2人の場合も、あくまで3P4P、乱交撮影であった。

なにせ、男優である私(&相棒)の「ハメ撮り」がメインであったからだ。

 

しかし、レズのページを編むことさえ1度もなかった。

私自身が、まったくレズにエロを感じなかったからだ。

それは今も変わらない。

 

しかし各エロ本編集部には、必ず1人や2人のレズ好きがいる。

死体写真家の釣埼清隆もそうで、彼がAV監督だった頃の作品は、皆レズものだった。

 

彼らはそろって言う。

「女ひとりより、2人のほうが得じゃん」

エロの足し算。

そろって、子供っぽい。

 

 

日本人リアクターの場合、アイドルに性的イメージを見るのは御法度なので、皆スルーするが、海外の女子リアクターは、いちいち反応するので、観ていておもしろい。

レズビアンは全身で喜ぶが、宗教的に保守的な女子たちは、身をちぢめて気まずそう顔をする。

中には「このメンバーたちは、全員成人してるの?」と、とがめるものも何人かいた。

 

あと、アメリカの黒人女子が、レズ描写ではなく、男の視線からのエロ描写を指摘していたのが印象に残った。

元エロ本編集長は、もちろん最初から気づいていた。

MVには、レズだけじゃなく、男に向けての「エロ目配り」があることを。

 

たいがい暗喩だが、B面曲の「SPINNIN’ ON IT」のMVのサムネは露骨だった。

水色の粘液状のものを、額や頬から垂らしているソリュンの顔のアップだ。

 

MVが始まって、それが水色のケーキのクリームだと知れるのだが、エロ本編集長は一見して、

「ほほう、なかなかやりよるなあSQU4D(スクワッド)よ」

と漏らしたもんだ。

 

「ブルー・ヴァレンタイン」のMVにも、宇宙空間で、葉巻型の宇宙船が、大きな母船の「穴」へ突き進むシーンもあった。

MVの監督は男だから、そっちからのアイデアであろう。

 

プロデュース・チームのSQU4Dは、NMIXX専門の部署で、ざっと50人ほどいるスタッフはほぼ女子だし、トップも女子だ。

しかし、デビュー時から「セックス&ドラッグ&ヴァイオレンス&デス」のイメージを欠かさなかったのはえらい。

 

NMIXXは、脚こそ見せるが、胸の谷間は決して見せない。

本人たちが、とんでもなく色気がなかったこともあるが、SQU4D側は、セクシーなイメージを徹底的に隠くした。

 

そもそもKPOPアイドルに、露骨な「セックス&ドラッグ&ヴァイオレンス&デス」は御法度である。

けれど、それでもSQU4Dは、それを臆さず、初期から作品に潜ませてきた。

くどいが、なぜならそれらは若者カルチャーに絶対的に必要な四大元素なのだから。

SQU4D女子たちよ、天晴である。

 

 

[夕食]

●火曜日につくったクリームシチューの最後の残りを、温める際にホウレン草を足して、ごはんにかけたもの。

(豚粗挽き、人参、玉ねぎ、ジャガイモ、しめじ、コーン)

●三角チーズ2かけ

●ミルクティー

●ピーナッツチョコ3粒

 

 

おやすみなさい。

先日、金木製の香りをふと鼻にしたが、長雨で消えてしまったな。

寒いね。

お互い、あったかい暮らしに埋没したいもんだ。

つまり、あったかい部屋で、あったかい恰好をし、あったかい飲み物を口にする暮らし。

ま、布団に寝たきりの私は、あったかい飲み物さえあればいい。

それと煙草ね。

あなたは?

よい夢を。

 

 

 

[10/29 朗読&トークライブ]

 

10/29(水)OPEN 19:30 START 20:00
#BURST 公開会議 @TABASA_asagaya

#BURST #バックナンバー 2003-2004


オリジナルメンバーによる完成解説!
会場にて貴重なバックナンバー閲覧可!
#ピスケン #釣崎清隆 #TSOUSIE #ケロッピー前田  ¥1500+D 予約 →

 

 

 

[処女詩集販売中]

『火舌(かぜつ)詩集 Ⅰ ハードボイルド・ムーン』

著者:曽根 賢(PISSKEN)

ドローイング:佐藤ブライアン勝彦

 

判型A5/平綴じ/96ページ

部数:300部

税込み価格1320円

 

さて、販売方法だが、以下の2つの書店で、通信販売、また店頭発売します。

2書店のサイトを検索してもらって注文してください。

ネット注文できない私のようなひとは、誰かに頼んで注文しましょう。

 

※詩集には私のサインが入っています。

 

「タコシェ」

http://tacoche.comであれば要注意(ボーダーライン)、8.5pg/ml以(シングル小説もセカンド&サードも注文できます)

 

「模索舎」

http://www.mosakusha.com/

 

「阿佐ヶ谷ネオ書房」

※書店販売のみ

 

尚、くどいようだが、この処女詩集は、あくまで『火舌詩集』のⅠであって、今後あと2冊を発行します。

3冊合わせて『火舌詩集』となるので、ぜひコンプリートしましょう。

※「火舌」とは中国語で、火事の際、窓から吹き出し、壁を舐める炎をいう。

 

[サード&セカンド・シングル通販中]

●A面「PISS(INTO)MY HEROES」
●B面「七曲荘二〇三号室」

 

●セカンドシングルのジャケット。被写体は細菌学者の志賀潔。撮影は土門拳。

 (ファーストは売り切れ)

●1,600円(発送代込み)

 

●アドレス:pissken420@gmail.com

――以上へいったん、欲しい旨のメールをください。

(ファーストは売り切れ)
 

『キャンプ日和』(河出書房新社)

キャンプ小説&エッセイのアンソロジー。トリに曽根 賢の短編「二つの心臓を持つ川の縁で」が掲載されています。

 

『点線面』5号(ポンプラボ)

曽根 賢の特集と、論評風の新作エッセイが載ってます。詳しいことはネットで検索してください。

 

 

                                                                                                                                             

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[深雪荘日記]

 

●[連載第197回]

 

「我らの世代を看取る我らの世代の墓碑銘」

 

「」

佐藤ブライアン勝彦●作品&文章

 

 

入院点滴中のため、

しばらく休載。

 

 

 

 

 

●先日韓国で、乳癌についてもっと知ってもらおうキャンペーンが開かれ、KPOPのトップグループが総出演したのだが、NMIXXからはリーダーのへウォン(左/22歳)とソリュン(21)が参加した。その食事パーティーでの1枚。これぞ本気のソリュン。食い意地がはっている彼女は、喰いものがあると、こうして嗅ぐくせがある。この日もバーバリーで決めているのに、この本気の顔だ。

●20日午後11時、韓国メロン・チャートで、「ゴールデン」を抜き、なんとNMIXXが1位に躍り出た。これはデビュー3年8カ月目の快挙である。エモい!

 

 

 

 

 

 

10月14日(火)鬼子母神は曇り。

 

昼に目覚める。

ここんとこまた、眠るのが早朝になってしまった。

気をつけないと、すぐにそうなる。

それは、思春期が爆発した、高校1年生の今時分からずっとだ。

 

あの頃は、寝ないで学校へ行き、着くなり弁当を食べ、そのまま机で眠った。

目覚めると、夕日で真っ赤に染まった教室に、ひとりきり。

あの寒々しさと、不思議な達成感。

45年後も、そう変わらないのが、微笑ましい。

                                                                                  

常のように食欲はないので、以下のものを小鳥のように少しづつ、2時間近くかけて食べる。

川端康成の食事がそうだったらしい。

駅弁のごはんを6分割して、時間を開け、6回に分けて食べていた。

 

彼は若い時からひどく痩せていたが、いたって頑健で、某作家が、

「川端が虚弱そうに見えるって? 奴はムカデだよ」

と、喝破したそうな。

 

 

[朝食兼昼食]

●バナナ

●小さなミカン

●バタートースト1枚

●茹で卵(塩、一味、胡椒)

●三角チーズ3かけ

●常温のカフェオレ&ミルクティー

●キットカット3小袋

 

 

日曜日にメールで送った、感想(アドバイス)の礼がX嬢からあった。

普段、ひとの原稿についての感想やアドバイスは、よっぽどの友人にしかしない。

なぜなら、私は編集長歴20年の老害だからだ。

しかし、そのことを知らないX嬢が、気軽に(たぶん)短い原稿(※)をメールしてきたのだ。

(※)あるロリコン漫画のレビューで、すでに発表済み。

 

X嬢とは知り合ったばかり。

しかし、その原稿を読めば、志の高さがわかる。

「しようがない」

以下は、X嬢へ送った感想(アドバイス)だ。

ちなみに、私は加減を知らない。

 

 

 

X嬢様

 

以下は、現役『BURST』編集長が、連載をあなたに頼み、その1回目の原稿が上がってきたときに、電話で、書き直しのすりあわせをする際の言葉です。

 

(たいがい1時間、ときに1行ごと突っ込みます。しかし、それは連載1回目のときだけ。なぜかは煩雑なのでいつか)

 

あなたの本意と違う解釈、読解力を疑う物言い、そこはまず、気持ちを抑えて聞いてください。

いちばん最初の読者の感想だと思ってほしい。

 

曽根 賢

 

 

1)こういう作品を、アート的に評価するのではなく、倫理的に肯定しようとする野心(?)は認めます。

 

2)が、ひとつひとつが難しい問題を孕んでいる言葉やテーゼを、アクロバティックに飛びながら、結論の「贖罪」へと辿りつくので、読みながらつまづく箇所が多すぎ、結果、説得力(理解)が得られません。結論ありきのつじつま合わせにさえ感じます。

 

(子供の頃にいたずらされて「壊れた」女を数人知っていますが、この原稿の論理を、彼女たちが納得するとは思えません)

 

3)文章の形式が、散文というより、詩に近く、それを突き詰めれば「哲学」になりますが、今のままでは「ひとりよがり」と読まれてもしようがありません。評論としてはロマンチックすぎます。

 

4)立脚点になってる「獣は生物的に清く、人間は悪であり獣以下だ」は、この「鬼畜漫画」を肯定するには、今や古臭く、もろすぎる。書き手も読み手も、たやすく足を踏み外します。

 

5)いちばんの問題はそこで、言葉を発する土台(コア)にあなたのボディが見えません。

 

6)この作品を肯定することによって、自分の嗜好を肯定しようとする下心だけが透けてみえます――これは私の邪推か。

 

7)どんな嗜好であれ罪があろうはずもないので、まずそこをさらけ出し、吉行淳之介いうところの「あなたの生理」を足場にして、論を立てる「クセ」をつけたほうがいいと思います。

身を隠して放つ言葉に真の力はないし、それは卑怯な原稿となります。当時私は、書き手に対し、それだけは許しませんでした。

 

8)最初に「わたしは、この描写がたまらなく好きだし興奮する、なぜなら~だからだ」と切り出すべきです。

 

9)そもそも、この文章量に盛り込みすぎです。たぶん、語りえないことを語ろうとするあまりの血のたぎりでしょう。

 

10)書きたいことと同時に「形式」を考えるようにしてください。              

 

11)なにより、男が表現する「エロ」に、それほどの意味はありません。元エロ本編集長(5年間)の意見です。

24時間それしか考えていない養豚農家の長男の性欲を観念的に語れば、それはナンセンス・ギャグです。

(実在した読者)

男の性欲を深読みするより、自分の性欲や嗜好を腑分けするべきです。

 

 

きつい物言いに聞こえるでしょうが、まっとうな編集者なら、これくらいは突っ込みます。

ま、これぞ著者と編集者のプレイです。

 

先日のメールにも書きましたが、28歳の私の原稿とよく似ています。お互い根がロマンチックなのでしょう。

ただし、あなたのほうがよっぽど才能があるし、思考の角度も鋭い。あとは時間をかけて教養と経験と女性性を整理統合すればいいと思います。

 

あなたが30年代の澁澤やバタイユを目指すもよし、エロスの哲学を打ち立てるもよし、それと並行して詩人となるのもいい。あなたなら研究者と表現者の両立が可能です。

ゆっくりと考え、ゆっくりと進んでください。

 

 

 

[今週の曽根のお勧め作品/ケイリ―・ロス監督『オーシャンズ8』2018年]

 

●『オーシャンズ11~13』シリーズのスピンオフ作品で、ジョージ・クルーニー演じるダニ―の妹デビー(サンドラ・ブロック)がリーダーとなって、8人の女たちで宝石強奪を企てるコミカル・サスペンス。

 

●ツッコミどころはこの際置いといて、魅力的な女たちが活躍する痛快作で、私の好きな女優たち(特にケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボナム)が、演技を競う様を観てるだけでワクワクしっぱなしだ。

 

●アン・ハサウェイとヘレナ・ボナムが、天然ボケ女を演じるだけでA級作。アン・ハサウェイはゲロまで吐いてくれる。チラッと出る黒人天才工学少女のちっこさがたまらない。白眉はやはりラストの2段騙し討ちか。

 

●NMIXXが好きなように、どうやら今の私は、女たちが手を組みあって事に当たる姿に心奪われるようだ。いつかそんな脚本を書いてみたいな。

 

 

 

 

 

10月16日(木)鬼子母神は曇り、夜半から雨。

 

今日も昼に目覚める。

今日も8時間、一度も目覚めず熟睡した。

恐るべしマットレスの威力、こわい、こわいぞ。

どれだけ、私のからだは単純なのだ。

 

 

[朝食兼昼食]

●蕎麦

●つけ汁(ミョウガ、ネギ、煮鶏、海苔、ワサビ)

●茹で卵

●煎茶

●キッドカット3袋

 

 

担当Tから、連載詩のOKメールがあった。

おとついの深夜送ったのだが、昨日は連絡がなかった。

つまり、気に入っていない。

だが、OKだった。

「次も、のんびりした詩をお願いします」

 

ここんとこ「のんびりした詩」が、担当編集者からの命令だ。

しばらく、反戦詩、反体制詩がつづいていたからだ。

しかし、いきおいが止まらず、その後もつづいてしまった。

 

今回は、どうにか「のんびり」しそうだった。

が、それでも、

「カフェインもニコチンも血まみれのドラッグに変わりはないが」

なんて1行が並んでしまったけれど。

 

 

[夕食]

●サンマ塩焼き

●大根おろし

●鶏の手羽元と大根と人参の煮物(一昨日つくったもの)

●梅干し&ナスの糠漬け

●あさりの味噌汁(ネギ/昨夜の残り)

●ごはん

●煎茶

●キットカット3袋

 

 

キットカット3袋ってとこがムショくさいな。

それしても、塩分過多なメニューだ。

旨い。

 

 

おやすみなさい。

X嬢に書いたようなことを、編集長時代は毎度繰り返していた。

それが仕事だと思っていたし、言い過ぎもしようがないと腹を決めていた。

担当Tの場合、返しまでの時間の長さが、無言の批評であるが。

(もう10数年の仲だからね)

と、いうことで、私に原稿を見てほしいと言ってこないでね。

疲れるから。

胸が痛むし。

編集長時代がフラッシュバックするから。

泥酔。

昏睡。

ダサい日々。

せめて、お互い、

よい夢を。

 

 

 

[NMIXXつれづれ草]

今回のカムバック期間のテレビ衣装。これがKPOPアイドル最前線軍服である。

 

 

 NMIXX「SPINNIN' ON IT」、「Blue Valentine」 | KBS 251017

●上の衣装ではないが、2曲つづけてのテレビ・ライブである。

 

 

 

●毎度、カムバック(新曲発売)前後2カ月間は、ファンにとってお祭りになるのがKPOPアイドル界隈だ。ましてや今回は、デビュー3年8カ月目にしてのフルアルバム発表である。そりゃ、オタクはもう気合が入りまくっていたのである。

 

●そしたらばなんと、最早ファンさえ眼をそらしていた韓国メロン・チャートを、シングル「ブルー・ヴァレンタイン」が急上昇したではないか。祭りが盛り上がるどころか、あたふたしはじめたのである。メンバーも含めて。

 

●シングル3曲目の「Love Me Like This」で一瞬(確か1時間)4位になったことはあったが、それから2年半、10位内どころか、100位にも入ることはなかったのだから。デビュー時に「NMIXXはアメリカでBLACKPINK以上に成功する」と「予告」した私でさえ、そのチャート順位には半信半疑であった。

 

●「チャートよりアートを目指す」とリリーが言い(つい先日)、他のメンバーも本気で同意したが、20位内に入り始めたあたりから、ファンと一緒になってはしゃぎ始めた。そりゃそうだ、チャート・ゲームに勝ち残ることこそポップ・シンガーの醍醐味なのだから。

(私だって自分の編んだエロ本が売れたときは嬉しかったもんだ)

 

●先行曲の「SPINNIN‘ ON IT」も100位内に入っているし、発売1週間のアルバム売上が前作を抜いて60万枚を超えたし、中国YouTubeチャートでもバズってるという情報も聞こえてくる。

 

●なにより、KPOP界隈で信用度の高いKPOP評価ランキングで、2025年度アルバム1位が『ブルー・ヴァレンタイン』、2位が前作(3月)のミニ・アルバム『Fe 304 FORWARD』と、現在ランキングされている。私は他のKPOPグループの曲をほとんど聴いたことがないので秤ることができないが、ま、当然だとも思う。

 

●シングル「ブルー・ヴァレンタイン」は当然トリッキーなビート・チェンジがあったが、何よりトリッキーなことは、メロコアばりの速いエイト・ビートで、レトロなくらいメロディアスな「サビ」を歌わせたことだ。NMIXX流エモ・パンクである。また、百合イメージ全開が、海外のレズビアン・リアクターを発狂させたあたりも天晴だ。

 

 

 

[処女詩集販売中]

『火舌(かぜつ)詩集 Ⅰ ハードボイルド・ムーン』

著者:曽根 賢(PISSKEN)

ドローイング:佐藤ブライアン勝彦

 

判型A5/平綴じ/96ページ

部数:300部

税込み価格1320円

 

さて、販売方法だが、以下の2つの書店で、通信販売、また店頭発売します。

2書店のサイトを検索してもらって注文してください。

ネット注文できない私のようなひとは、誰かに頼んで注文しましょう。

 

※詩集には私のサインが入っています。

 

「タコシェ」

http://tacoche.comであれば要注意(ボーダーライン)、8.5pg/ml以(シングル小説もセカンド&サードも注文できます)

 

「模索舎」

http://www.mosakusha.com/

 

「阿佐ヶ谷ネオ書房」

※書店販売のみ

 

尚、くどいようだが、この処女詩集は、あくまで『火舌詩集』のⅠであって、今後あと2冊を発行します。

3冊合わせて『火舌詩集』となるので、ぜひコンプリートしましょう。

※「火舌」とは中国語で、火事の際、窓から吹き出し、壁を舐める炎をいう。

 

[サード&セカンド・シングル通販中]

●A面「PISS(INTO)MY HEROES」
●B面「七曲荘二〇三号室」

 

●セカンドシングルのジャケット。被写体は細菌学者の志賀潔。撮影は土門拳。

 (ファーストは売り切れ)

●1,600円(発送代込み)

 

●アドレス:pissken420@gmail.com

――以上へいったん、欲しい旨のメールをください。

(ファーストは売り切れ)
 

『キャンプ日和』(河出書房新社)

キャンプ小説&エッセイのアンソロジー。トリに曽根 賢の短編「二つの心臓を持つ川の縁で」が掲載されています。



『点線面』5号(ポンプラボ)

曽根 賢の特集と、論評風の新作エッセイが載ってます。詳しいことはネットで検索してください。

 

 

                                                                                                                                             

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[深雪荘日記]

 

●[連載第196回]

 

「我らの世代を看取る我らの世代の墓碑銘」

 

「」

佐藤ブライアン勝彦●作品&文章

 

入院点滴中のため、

しばらく休載。

 

 

 

●表紙代わりのNMIXX初フルアルバム『ブルー・ヴァレンタイン』のイメージ・フォト。中央のジウの初ショートカットが可愛い(ショートカット好きなため/曽根)。右はリリー(22)、左が「メーテル」ソリュン(21)。

 

 

今さっきYouTubeにアップされた

シングル曲だ。爆音で聴け!

NMIXX(엔믹스) “Blue Valentine” M/V

 

 

 

 

10月7日(火)鬼子母神は曇り。

 

びっくりしたなあ、もう。

一度も目覚めず、8時間も熟睡しちゃったよ。

まるで17歳じゃないか。

なぜ?

それは明白だ。

 

昨日、わが深雪荘102号室に「マットレス」が届けられたのだ。

送り主は大野さん。

土曜日に部屋へ初めて遊びにきた。

さっそく私は、

「大野さんの家に、バスタオルとシーツで余ってるもんがあったら、貰えないかなあ」

そう、おねだりをしたのだ。

 

ついでにそのとき、

「いつかマットレスを買うつもりなんだ」

と、大いなる夢を語った。

「フローリングの上に敷いた布団じゃ、さすがにからだが辛くてさ」

とも、さりげなく同情を買う言葉もつけそえて。

で、いきなり「新品のマットレス」が送られてきたのである。

まったく、たかりに弱い大野さんだ。

 

上京して40年、ずっと畳の部屋で寝ていたので、マットレスの上に布団を重ねることはなかった。

(いや、実家でもそうだったから、今回人生初か)

寝てみると、柔らかいというより、ほどよくからだをホールドしてくれる。

尻と腰の痛みがやわらぐ。

 

いやあ、8時間熟睡とは、効果てきめんだね。

ロング・スリーパーには、最高の贈り物だ。

(2時間ごとに目覚めながらも、結局二度寝三度寝四度寝で、今でも8時間から12時間は眠る私であるから)

 

「いい友人とはモノをくれる友人のことだ」

と兼好法師はほざいたが、彼にも大野さんのような友人がいたんだろう。

 

さて、気づけば夏は終わっていて、すっかり秋だな。

春も眠いが秋も長寝の季節だ。

9月は辛かったな。

 

 

 

「カードのいかさま師が皇帝になり果てた九月に」

 

七年と十カ月の、シベリア抑留を生き延びた爺さんは 

レモンを絞ったサーモンを肴に、一升酒をやるたび

「戦争がおこったら塩を買い溜めろ」と、孫たちに訓戒を垂れた

「艦が魚雷でやられたら横泳ぎだぞ、渦に呑まれるからな」とも

 

兵隊にとられたわけでもないのに若死にした友よ

「残酷な世界で残酷になれるのは正気じゃない」

仏前の訓戒にレモンを絞り、杯中の蛇影ごとウォッカを呑み干そう

愛国者の群れから遠く離れて

亡霊よ、謀殺の季節に落ちあおう

 

 

(初出『ホットミルク』コアマガジン)

 

 

 

[今週の曽根のお勧め作品/YouTube[Fake music]AIカバー曲

 

●ユーチューバーのみの氏も番組で紹介していたが、現在のAIカバーの最高レベルを何曲もたたき出している謎の人物(グループ?)。

 

●みの氏は、とてもこれが全てAIがアレンジし、音をつくり、ヴォーカルを生み出しているとは思えない、人力+AIじゃないのか? と疑っていた。

 

●以下に私の選ぶ「2025年現在最高の名AIカバー」3曲を紹介する。

(ザ・スミスもあったが割愛)

 

 

Welcome To The Jungle (FUNK/SOUL)

●これを最初に聴いてぶっ飛んだ、これがAI製作カバーだと? 聴きゃわかる。アレンジとその音色が凄すぎる。ガンズの面々も、さすがにシャッポをAIに脱ぎかけない出来だ。

 

●ジャングルがジャンゴに聴こえるんで、タランティーノの『ジャンゴ』のオープニングに使われていたら、ヒットしたんじゃないか? シャナナナナナのとことフェイクが最高。

 

 

Paint It, Black (Soul/Jazz)

●この女性ヴォーカルがAIだったら、世の大半のヴォーカリストたちはどうすんのよ。

 

●アレンジも完璧。もともとストーンズのオリジナルのアレンジは「どうなの?」と思っていたので、こりゃ、オリジナルを超えたと言い切ってしまおう。

 

 

Lithium (Soul/Funk)

●亡きカート・コバーンも聴いたら笑っちゃったんじゃなかろうか。とにかくヴォーカル・アレンジがいい。メインも、コーラスも、フェイクも最高。

 

●暗鬱狂暴な元曲を、狂暴さは残しつつハッピーなグルーヴの高みへと昇華させている名カバーだ。

 

 

 

 

熟睡したので、気分がさっぱりとし、洗濯をすることにした。

洗濯機を回しながら、豚肉を切り、キャベツを千切る。

 

 

[朝食兼昼食]

●目玉焼き2枚のせ焼きそば(豚肉、キャベツ)

●紅ショウガ

●煎茶

●みかん2こ

 

 

午後になって、珍しいひとからメールがあった。

河出書房新社の編集者Nさんだ。

なんと、次に出すアンソロジー本(文庫本)に、私の絶版短篇集『BURST DAYS』の一篇を、再録させてくれとのことだった。

 

「御贔屓ありがとうございます」

「笑える文学」を集めたもので、そこに「牛乳屋のおんちゃんの話」という、掌編を再録してくれるそうだ。

 

Nさんは以前にも、『キャンプ日和』というアンソロジーに、やはり『BURST DAYS』から一遍を選んでくれたことがあった。

(このブログの一番下にジャケットがある)

現役文学編集者で、Nさんだけが私を作家と認めてくれるのだ。

素直にうれしい。

 

「おんちゃん」とは、おじさんのことをいう宮城県の方言だが、土佐でも同じように言うそうな。

(Nさんは土佐出身)

 

牛乳屋のおんちゃんも、さすがに死んじゃったな。

アル中にしては長生きしたほうだが。

ま、人間離れした顔と体つきをしてた男だった。

(おんちゃんの好きだった八代亜紀も亡くなったな)

 

おんちゃんにまた「餞別」をもらった気がする。

 

 

[夕食]

●赤魚の西京焼き

●うま煮(里芋、人参、筍、コンニャク/総菜屋)

●ひじき煮(総菜屋)

●明太子

●焼き海苔

●梅干し&カブの糠漬け

●昨夜の残りのしじみの味噌汁(ネギ)

●ごはん

●煎茶          

 

 

シジミをよく水に浸けて泥を吐かせたので、えぐみがなく味噌汁が旨い。

裸電球がぶら下がった台所で、白くふわふわの舌を見下ろし、

「かわいいな」

と声がもれた。

秋である。

 

 

おやすみなさい。

たまには、いいことが重なる日もある。

当然、あなたにもある。

秋の夜長。

おたがいよく眠ることだ。

その日まで。

よい夢を。

 

 

 

[NMIXXつれづれ草]

●タイトル曲「Blue Valentine」の予告映像(YouTube)と、ちょいだしサウンドを聴いた限り、リズム・テンポの速い遅いがキモの曲らしい。

 

 

●さあ、NMIXX初のフルアルバム『Blue Valentine』発売発表が24時間を切った。明日(13日)の午後6時にYouTube世界同時公開となる。

 

●今回はCDの他にLP(限定)も出るんで、さすがに買おうと思ったが、先行予約でとっくに売り切れ。X情報によるとHMVなら残ってるらしく、新宿まで出ようかと悩んでいる。

 

●以下は今回のカムバック用のインタビューだ。

 

Q.NMIXXを代表する修飾語「六角形(オールラウンダー)ガール・グループ」以外に、今回のカムバック活動を通じて得たい反応があるでしょうか?

ヘウォン:たった一文で答えてみます。

「いったいどこまで成長するのか?!」

 

●さすが我らの絶対的リーダーであるへウォン(21)である。たまんねえな、ほんと。  

 

●すでに、アルバム曲の「アカペラ」ハイライト・メドレーやタイトル曲「Blue Valentine」の予告映像もYouTubeにアップされているが、ひとまず、先行曲(シングルB面)「SPINNIN’ ON IT」のMVとは別のダンス映像を(爆音で)観ておこうね、あなた。

 

NMIXX(엔믹스) “SPINNIN’ ON IT” Performance Video

 

 

 

 

 

[処女詩集販売中]

 

『火舌(かぜつ)詩集 Ⅰ ハードボイルド・ムーン』

著者:曽根 賢(PISSKEN)

ドローイング:佐藤ブライアン勝彦

 

判型A5/平綴じ/96ページ

部数:300部

税込み価格1320円

 

さて、販売方法だが、以下の2つの書店で、通信販売、また店頭発売します。

2書店のサイトを検索してもらって注文してください。

ネット注文できない私のようなひとは、誰かに頼んで注文しましょう。

 

※詩集には私のサインが入っています。

 

「タコシェ」

http://tacoche.comであれば要注意(ボーダーライン)、8.5pg/ml以(シングル小説もセカンド&サードも注文できます)

 

「模索舎」

http://www.mosakusha.com/

 

「阿佐ヶ谷ネオ書房」

※書店販売のみ

 

尚、くどいようだが、この処女詩集は、あくまで『火舌詩集』のⅠであって、今後あと2冊を発行します。

3冊合わせて『火舌詩集』となるので、ぜひコンプリートしましょう。

※「火舌」とは中国語で、火事の際、窓から吹き出し、壁を舐める炎をいう。

 

[サード&セカンド・シングル通販中]

●A面「PISS(INTO)MY HEROES」
●B面「七曲荘二〇三号室」

 

●セカンドシングルのジャケット。被写体は細菌学者の志賀潔。撮影は土門拳。

 (ファーストは売り切れ)

●1,600円(発送代込み)

 

●アドレス:pissken420@gmail.com

――以上へいったん、欲しい旨のメールをください。

(ファーストは売り切れ)
 

『キャンプ日和』(河出書房新社)

キャンプ小説&エッセイのアンソロジー。トリに曽根 賢の短編「二つの心臓を持つ川の縁で」が掲載されています。

 

『点線面』5号(ポンプラボ)

曽根 賢の特集と、論評風の新作エッセイが載ってます。詳しいことはネットで検索してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[深雪荘日記]

 

●[連載第195回]

 

「我らの世代を看取る我らの世代の墓碑銘」

 

「点滴中」

佐藤ブライアン勝彦●作品&文章

 

●写真が倒れていてごめんなさい。未だ直せない(曽根)。

 

 

現在、ベッドで点滴中。

しばらく休載します。

 

●画集出版の編集作業(なぜか著者がやってる)で、10キロ体重を落とし、当然のごとく倒れ入院。

●しかし「終わらない原稿と編集はない」ので、乞う御期待。

 

 

 

 

 

●表紙代わりのNMIXXリリー(22)のカレンダー写真。撮影ジウ(20)。

 

 

 

9月30日(火)鬼子母神は晴れ。

 

昼下がり、弟のマサキから電話がある。

(7つ下の三男、私は長男)

珍しく、前回のブログを読んだらしく、私のからだを気遣った電話であった。

 

ここぞとばかり、私は具合の悪さを愚痴った。

「いやあ、春並みに、めちゃくちゃ苦しいんだよ」

平気で「苦しい」といえる男らしさ、兄らしさ。

これぞ兄弟愛である。

 

弟の働くバス会社の定年は65歳とのこと。

まだ11年先だ。

すでに労組に入れない立場の弟は、まだまだけっこう稼ぐわけだ。

実に頼もしい。

次男のジュンも、自衛隊を除隊したあと、一般会社で働いているし。

これからも私は、たぶん一生「苦しい」と言い続けられるわけだ。

あなたにも。

 

 

弟に散々愚痴れたので、ようやくからだに血が回った。

そこで、スーパーを往復する。

とはいえ、やはりからだの衰えはひどく、

「誰かストレッチャーで運んでくれんかなあ」

と、つぶやきながらの買い物であった。

 

深雪荘に戻るなり、家賃を袋に入れ、隣の大家さんのポストへ。

小一時間後、大家さんからメールがあり、私のポストにレトルトのクラムチャウダーを入れておいたとのこと。

お礼のメールを返すが、外のポストを往復する気力体力がない。

 

 

[夕食]

●親子丼(三つ葉&海苔)

●梅干し&キュウリの糠漬け

●あさりの味噌汁(ネギ)

●煎茶

●シャインマスカット10粒(700円のものが半額だった)

 

 

あさりの味噌汁がすこぶる旨い。

キュウリの糠漬けも生に近く、私好みだ。

KPOPアイドル御用達のシャインマスカットも、半額とはいえ、別に傷んではなく、ワンダフルにスイートだ。

三つ葉のきいた親子丼(岩手地鶏)もゴージャス。

久しぶりに身になる夕食であった。

 

 

[今週の曽根のお勧め作品/The Tom Robinson Band 「Winter of '79 (live demo video)」YouTub]

●70年代半の英国で、移民排斥をうたった白人至上主義者党「ナショナル・フロント(NF)」が結成され、よりにもよって白人ブルースマンであるエリック・クラプトンがNFを支持した。

 

●そのキチガイ沙汰に対し、「ロック・アゲンスト・レイシズム」運動が起こり、勃興したばかりのパンク・ムーブメントとリンクした。

 

●その集会のトリをクラッシュと取りあったのがトム・ロビンソン・バンドであった。

●その音楽はガレージ・ポップであったが、以下の歌詞が運動の象徴となったのである。


 

「79年の冬」

 

ただ座って愚痴をこぼすだけの若者
79年当時、お前たちはそこにいたはずだ
若者は苦しめられてると言うが
あの子たちを見ると俺の心が痛む
スパーズがアーセナルに勝った、凄い試合だった
血は下水に流れていた
都市間列車が走った
それがこの街をバラバラにした
ナン・ハリスが死んで
チャーリー・ジョーンズが自殺した年
私たちが知っていた世界が破裂した
79年の冬

俺は仕事をしたり辞めたりしてて
パイントはまだ10シリングで買えた
新車のボンネビルを高く買わされた
俺は多かれ少なかれ諦めていた
春には社交界が閉鎖され
何人かの共産主義者が逮捕された
徴兵制度が戻ってきた
79年の冬
マルコのカフェが火事になり
ヴァンボ・ボーイズのせいにされ
SASが俺たちの名前を名乗った
79年の冬

俺たち貧乏人が職を失い
地下鉄の運賃が上がり、バスが動かなくなったけど
トップの人間は降りることをせず
政治家は決して辞任しなかった
レゲエのクラブは爆破され
ナショナル・フロントは勢力を増していた
デイブとダゲナム・ロンがやられた
79年の冬
ゲイの男たちが投獄され
有色人種の子供たちが磔にされた
何人かが反撃し、何人かが死んだ
79年の冬

何人かが戦い
そして何人かが死んだ
79年の冬

 

 

 

 

●その後もNFは拡大化していき、とうとう数年前「オレの」モリッシーがNF支持を声明した。

(スミス・イズ・デッド)

 

●現在、イギリスはまた「燃えて」いる。移民排斥運動の「騙り」はこの島国へも上陸を果たした。

●パンクス・イズ・デッド? いや、いや、オレたちは、いや、オレサマは死んじゃいない。

 

※80年代の日本では、トムはゲイだと伝えられていたが、結婚し子どももいるのであった。

 

 

 

 

 

日曜日の夕方、担当Tが若い女子を連れて、部屋に遊びに来た。

吉行ゆきの、28歳。

北大の研究員(?)で、古今東西のエロティシズム小説とエロ漫画を専門に研究しているとのこと。

 

また、雑誌やwebマガジンで、専門をいかした原稿を書いている。

担当Tの編集部の新しいYouTube番組に出演するために、札幌から上京したそうな。

写真を見ての通り、美人で可愛く、エロい才媛である。

 

 

この彼女に対し、61歳の生活保護受給者は、はしゃいで18歳の夏の初体験を長々と語った。

 

相手の同級生が吉行淳之介ファンで、部屋の本棚には吉行の文庫本がずらりと並んでいたことを語った。

 

次いで、元エロ本編集者(兼男優)は、いつもの「顔射を断られたら、すかさず口に出せ。胸に出したら負けだ」という教えを語った。

 

いい齢をして、年下の女子の話も聞かず、自分の話ばかりして、帰ったあと久しぶりに反省した。

が、ま、それもしようがないか。

若く美しくエロい才媛が眼の前にいたら、吐き気も痛みも忘れてしまうのだから。

 

 

ところで、彼女に研究テーマのひとつを差し出したかった。

「巨根と巨乳の率は男女で同じなのだろうか? それとも巨根とクリトリス(陰茎の名残り)肥大の率こそ同じなのだろうか?」

 

さすがに残り少ない分別が、それを禁じた。

次回があれば、提案してみよう。

 

ちなみに、この部屋へ女子が入ったのは彼女が最初である。

たぶん、最初で最後になるだろう。

いや、そう、望んでるわけじゃないが。

 

 

 

10月1日(水)鬼子母神は雨、夜は曇り。

 

午前7時、いったん目覚め、痛み止めを飲み、二度寝する。

午前10時、起床。

 

[朝食兼昼食]

●栃木 佐野ラーメン(煮豚、メンマ、茹で卵、オクラ、ネギ)

●シャインマスカット10粒

●ミルクティー

 

 

たぶん、ブログの初期に書いたと思うが、シギー吉田の講演会について行って(※)、その道中に佐野ラーメンをごちそうになったことがある。

 

喜多方ラーメンもそうだが、子どもころから食べなじんだ宮城県古川市のラーメンとそっくりに思えた。

化学調味料と魚介系の出汁。

佐野や喜多方の平麺と違って、古川の麺は中細麺だが。

 

※金のない私に講演会料から「アシスタント代」として分けてくれたのだ。もちろんな~んにもしていない。

 

 

午後6時過ぎ、買い物へ出た。

カレーの食材と蛍光灯を買い、その足で古書店「往来座」へ寄る。

それが今日の目的だった。

 

●石川淳『江戸文學掌記』新潮社版(150円)

●熊野純彦『レヴィナス――移ろいゆくものへの視線』岩波現代文庫(900円)

●池内紀 編訳『カフカ短篇集』岩波文庫(400円)

 

今日も常のごとく負けてくれ、3冊で1,250円だった。

 

 

カフカの短編を読むのは高校生以来で、憶えているのは「変身」と「断食芸人」と「掟の門」だけだ。

それにこの岩波版の初版は87年だから、それ以外の短編を読むのは初めてのはずだ。

 

私は『城』も『審判』も読んだことがない。

ちょっと読んで、そのたび本を閉じた。

(安部公房も性に合わない)

 

が、50歳近くなってボルヘスにはまったように、カフカの「短編」もハマる気がする。

そもそも漱石の「夢十夜」や、宮沢賢治や内田百閒の短編には早くからハマったのだから。

そういや、師匠の吉行淳之介にも『鞄の中身』という、夢モノ短篇集があったな。

 

それにしても、40年ぶりに読む、この文庫の巻頭を飾る「掟の門」は、つくづく残酷だな。

チェーホフの「六号室」と並ぶ、世界「残酷小説」の最高峰だ。

けど、「六号室」は130ページ、こっちは3ページで「お得」だが。

 

 

[夕食]

●カレーライス(豚粗挽き、玉ねぎ、人参、ジャガイモ、エリンギ、ナス、オクラ)

●福神漬け

●シャインマスカット10粒

●冷たいミルクティー

 

 

カレーにはこれでもかとショウガをすりおろした。   

からだの為、味の為、なにより香りの為。

旨い。

 

 

おやすみなさい。

6年ぶりにアル中病棟仲間のSさんから電話があった。

当時、彼は30代前半で、とてもアル中には見えないナイスガイ、ベッドから動けない私の煙草を買ってきてくれたりした。

(しかし彼は途中で、強制退院)

 

Sさん(39)は現在、AA(断酒会)に通い、1年半、一滴も呑んでいないそうな。
彼は退院後も、当時の病棟仲間とひろく連絡を取りあっており、ぼんやりと顔が浮かぶ面々のその後を教えてくれた。

 

ほぼ全滅。

みな、酒で死んだという。

ある男の最期は、オムツをして父親に酒を買わせていたそうな。

まだ40前後だというのに。 

(当時55歳だった私は断トツで最年長だった。アル中は50まで生きられない)

 

いや、体力があるからこそ酒で死ねるのかもしれない。

それにしても、さすが「アル中の東大」というK病院の同窓生たちだな。

そこでも、私はドロップアウト組か。

 

とはいえ、私がシラフを選び、彼らが「自滅」を選んだとは思わない。

ひとは自分の生死を自ら選べない。

捕まっただけだ、死に。

もう彼らは酒で昏睡することができない。

昏睡も睡眠も生者の特権だ。

良い夢を。

 

 

 

[NMIXXつれづれ草]

NMIXX(엔믹스) Blue Valentine Core: “SPINNIN’ ON IT”

●シングル先行曲(いわゆるB面)を、まずヘッドホンかイヤホンをして爆音で聴いてみよう。なぜならサウンドの奥行きがかなり深く、メンバーのコーラスやシャウト、エフェクトの多彩さを味わってほしいからだ。
 

 

 

●最初「SPINNIN’ ON IT」のデモを聴いたメンバーの誰もが、これぞタイトル曲(A面)だと思ったという。また、みな一聴して好きになったとも。そしてファンの多くからも同じ声が上がった。

 

●なるほど、ディストーションをかけた、ワイルドでグルーヴィーなベースと、ロック的な生のドラムが、サウンドを立体的に際立たせ、NMIXXには珍しい「掛け合いのサビ」によって、ライブで演ればこれぞジャンプ・ナンバーになるのは必至だ。

 

●構成も複雑に見えて、耳馴染みのいい王道のポップス構成となっているし、サウンド・メイキングは完全に世界レベルだ。

 

●MVも見事にセクシャル。レズビアン・イメージは女子にも男子にも受けるし、ガールズ・グループの王道ヴィジュアルだ。我らの時代だとロシアのデュオ、t.A.T.uのMVが有名。

 

●しかし、これがタイトル曲だったら、私はかなり不満を表明しただろう。いや、見限った可能性すらある。

 

●なぜなら絶対に、NMIXX初のフルアルバムのタイトル曲は「極端なMIXXPOP」であり、聴くものを驚かせるトリッキーなポップスであらねばならない。

 

●で、そうなるのも、これまたNMIXXストーリーとして必死なのだ。

●13日午後6時の全世界同時YouTube発表を、オレこそが、乞う御期待だ。