ようやく男性ホルモンを射てた男性更年期障害者のセレナーデ | 曽根賢(Pissken)のBurst&Ballsコラム

曽根賢(Pissken)のBurst&Ballsコラム

元『BURST』、『BURST HIGH』編集長の曽根賢(Pissken)のコラム

 

[七曲り荘日記]

 

巻頭連載[第120回]
「我らの時代の墓碑銘を描く画家――その淫蕩する光線」

 

「東大合格おめでとう」
佐藤ブライアン勝彦●作品&文

 

●これは店のトイレの写真にマーカーで落書き。

「私は木でした。今はあなたのお尻をふきます」

 

 

 

曽根さん、

その後、体調どうですか?

ホルモン注射うつことできました?

 

 

今日、いとこの娘が東大に受かったと聞いて、凄い嬉しかった! おめでとう!!

高二の時、先生から東大行きなさいといわれ、見学に行ってきたとは聞いてたけど、まさかほんとに受かるとはなあ。

将棋にハマって、女流棋士になれば良かったのに、なんて思ったりもするんだけど(笑)。

 

今週、確定申告の締め切りなので書類を探してたら、記憶からすっかり消えてた絵が、本と本の間から出てきた。

これ、昔、動物の保護団体から頼まれて描いたイラスト。

えっ?俺って、こんなのも描けるんだっけと驚いた(笑)

 

 

 

[今週のブライアンお勧めの絵本/堀内誠一『ちのはなし』福音館書店]

 

 

子供のころ読んで、体の中に赤血球ってドーナツみたいなのがあるのか! と衝撃を受けた。

あと、このダヴィンチみたいな絵。もうホラーでしょ。

 

 

 

 

3月8日(金)鬼子母神は晴れ。

 

午前10時、歩いて50秒の病院へ。

愛子先生へ、2週間以上も男性ホルモンを射てなくて、からだも気持ちもジャーマン・ブルーであることを愚痴る。

「松本がひとりで射ちすぎなんですよ」

「え、そうなの?」

なんて、下々の・下世話な・話題にも付きあってくれる愛子先生なのであった。

 

 

昼過ぎ、弟マサキへメールを送る。

「先日電話に気づかずすまん、で、この度、七曲り荘を出て、新しい部屋へ移らねばならなくなった、部屋の当たりがついた際、身元引受人になってちょうだいね、うんぬん」

 

すぐに電話がある。

午前中までの仕事を終え、会社のOB会のため、車で鳴子温泉まで向かってる途中であった。

やはりマサキへも、2週間以上も男性ホルモンを射てなくて、からだも気持ちもジャーマン・ブルーであることを愚痴る。

「松本がひとりで射ちすぎなんだよ」

「え、そうなの?」

そんな素直で優しい弟が、もう勤続27年だと聞き驚愕する。

「あの、ちっちゃくて可愛いオレの弟が?」

今日のOB会では最年少(52歳)で、大半のメンツが死んだ親父の同僚たちだという。

親父の話をしなよと、電話を終えた。

 

 

そのあと勢いでクリニックへ電話をかける。

すると、2本だけ入ったので、今日これますか? と言うではないか。

もちろんお願いし、夕方5時半に、今や希少なドラッグとなったテストステロンを、ようやく射ってもらったのであった。

 

 

すぐには食欲が戻らず、ファミマの焼き芋と、常備している茹で卵をクスリ代わりに2個、むりやり腹に入れた。

同時に他の錠剤や粉薬を飲んでいたので、たちまち眠った。

とても深い眠りであった。

 

 

 

3月9日(土)鬼子母神は晴れ。

 

午前1時に目覚め、6時に2度寝すると、次に目覚めたら午後1時半であった。

この深い深い睡眠も、テストステロン注射のおかげか。

しかし、まだからだは重い。

いや、眠りすぎだからか?

 

 

[夕食]

●マグロ丼(酢飯、大葉、海苔)

●アサリの味噌汁(油揚げ、三つ葉)

●たくあん

●ごはん

●みかん

●ほうじ茶(岩手の醤油屋主人城戸さんよりの頂き物)

 

 

1070円もするトロのブツが半額だったため、常のごとく、反射的に籠へ入れた。

よっぽど、ねぎま汁にしてみようかと思ったが、むかし某寿司屋でサービスされたねぎま汁の思い出があったので、それを台無しにするのは馬鹿らしく、素直に酢飯をつくったのであった。

 

(それに、あのねぎま汁のトロは、ブツではなく、柵を整えるさいに切り落とされた、べろべろとした薄く細長いものだった。それが口触りを良くしたと思われる。もちろん寿司屋だからモノも違うだろうし。

尚、ねぎま汁にはトロを使うのであって、それ以外の部位を使うのは単なるマグロ汁、マグロのアラ汁である。なぜなら江戸時代から戦前まで、トロは棄てる部位であったからだ。つまり魚のホルモン煮込みで、ネギはもちろん臭みけしだ)

 

 

ブツを3切れに薄くし、10分ほど醤油に漬けて、トロのヅケ丼にした。

馴染みのスーパーの鮮魚係は、明らかにマグロの解凍に間違いがあり、せっかくのマグロがいつも台無し状態なのだが、今回のトロはヅケにしたので、どうにか満足することができた。

ま、そもそも元は千円以上もするトロなのだから、解凍技術が下手くそでも、どうにかね。

ちなみに、酢飯は砂糖をつかわず、酢を振っただけ。

 

結局、久しぶりのアサリ汁がいちばん旨かった。

 

食後しばらくしてガムを噛んだら、またまたまた差し歯が抜けた。

(ちゃんとした差し歯? は、半年しないと保険がきかないらしく、応急処置の差し歯となっているため)

 

 

[今週の曽根がお勧めする作品/阿武誠二『昭和UFO』リットーミュージック刊]

●ギターウルフのセイジさんのファースト・エッセイ集。島根の子ども時代から、上京して原宿のテント村で働き、ギターウルフを結成するまでを、昭和の叙情性たっぷりの筆致で描いた青春譚。

で、そのジャケット写真の撮影場所に選ばれたのが、何を隠そう、我が七曲り荘202号室である。

ブックデザイナーが、私の友人の王様、カメラマンがやはり友人の三島タカユキ(どちらもギターウルフのオフィシャル)であったから、この部屋がディレクションされたのである。

 

神楽坂の相馬屋製の原稿用紙とモンブランの万年筆は私のもの。

発売当時のブログでも紹介したが、もうすぐ七曲り荘そのものが消滅するので、ここに2016年春の202号室を紹介し、記念碑としたい。

この撮影を最後に、いちども顔を合わせることなく、三島っちは50歳で逝ってしまったことも含め。

 

 

 

 

――某寿司屋とは、むかしむかし女と下石神井の庭付きの平屋で暮らしていたころ、女が「ど根性ガエルの梅さんのモデルになった寿司屋あるよ」と聞きつけてきた、石神井池のそばにある小体な寿司屋のことだ。

(その噂は、けっきょく別の寿司屋のことであったが)

 

絶賛ヒモ暮らしではあったが、後輩の雑誌で無駄話原稿を連載していたので、毎月最低5万円が手元に入ってきた。

他にも、ちょぼちょぼと原稿を書いてもいたし、家賃8万円には足らないが、毎月「1日だけ」ヒモがゆるんだのであった。

(が、しかし、そのうち3万円は別れた前妻に振り込んでいたので、女はそうとう機嫌が悪かった)

 

あらゆる料理のうちで「寿司」が1番好きな私は、食べに行く予定日の1カ月前から、最初に何を頼むか、その後の流れはどうするか、毎日寝る前に30分はシミュレーションを繰り返し、その日にのぞんだのである。

 

店内は清潔で、席に着いただけで、いい店だとわかった。

60代の主人と30代の息子が、飛びこみの我々を迎えた。

初めての店は客も緊張するが、店側も緊張するものだ。

(その日の口明けの客でもあったし。つまり客は我々のみ)

 

当然カウンターのいちばんはじに座り、チェーンスモーカーの私は、煙草をかなり我慢した。

(まだ、その頃は、寿司屋といえど禁煙の店は少なかったのだ)

お互いの緊張はすぐにとけた。

常のごとく、たちまち大将も息子も、私の女にめろめろになったのである。

私は笑みこそ浮かべてはいるが、2合徳利を並べるだけで、あくまで無口を通した。

 

女は正真正銘の「親父殺しアイドル」であり、その容姿と愛想良さは、どんな店へ入っても、店の大将はもちろん、馴染み客のオッサン連中を、たった5分後には有頂天にさせてしまう魔力があった。

隣りに私が座っているというのに、次々とオッサン連中が、席を立って女へ貢ぎ物をするのである。

そのさい私は、いつも鷹揚な、しかしあくまで尊大な態度で無言を貫いたものだ。

 

東京っ子のパチンコ編集者である、男好きのするからだをした女は、ある種の女以外、誰もに好かれる自慢の女であった。

(ある種の女とは、もちろん、私の他の女たちである)

 

私は40代前半、まだまだ大酒吞みであった。

その日、女とふたりで2升以上を空け、そのあと私は、かるく5人前の寿司を平らげた。

女も3人前はぺろり。

(吞んでいる間にも、いろいろつまんでもいた)

 

「じゃ、そろそろ、おいくらですか?」

「2万円です」

「えっ? それだけでいいんですか?」

「いやあ、吞みっぷりも、食べっぷりも良かったからねえ、どうか、また来てくださいねえ」

うううむ、まさに栄光であるなあ。

 

それから、2度行ったが、毎度どれだけ呑んでも食べても、きっかり2万円であった。

呑んでる途中で、酒の肴に汁物を頼んだ時、息子がちょっと待ってねと、わざわざ2人分つくってくれたのが、先のねぎま汁。

確か2度目に行ったさいのサービス品であり、絶品のねぎま汁であった。

 

4度目に行ったら、なんと店が黒い柱を残し、燃え尽きていた。

前夜、となりの店からの延焼であった。

店が再建するころに、私たちは、田園調布の女の実家へ転がり込んだのである。

まあ、あれだけ呑んでも、店へ迷惑をかけなかったから、お互い思い出は景気がいい。

5度目には必ず、金を持たないで暖簾をくぐったであろうから。

 

ちなみに、だいぶ昔にも書いたが、私が寿司屋へ行く前に悩むのは、最初の寿司2種2貫である。

紅白にするのが、私のセオリーで、まず、白を烏賊にするか、白身にするかで迷う。

(店を判断するには烏賊が1番)

で、赤のマグロを、中とろにするか、大トロにするかでいつも迷うのであった。

尚、酒の肴として、最初に鉄火巻きを頼むのも鉄則である。

 

 

NMIXXつれづれ草]

●ソリュンがMCをしている音楽番組に大先輩のTWICEが出演したときの、サナとの2ショット。韓国の3大音楽事務所の他2つの会社のオーディションに合格したソリュンが、なぜ現在のJYPを選んだのかといえば、そもそもTWICEに憧れ歌手を目指したため。推しは日本人メンバーのサナであった。ソリュンの思いはサナにも届いており、今回初めてソリュンと会い、めちゃくちゃ可愛がるのであった。ソリュンは成功したオタクとして、全身で恥ずかしがっている様子。反日反韓なんて醜い妄念は、美しい2人をけがすことはできないのである。

 

 

●前回に書いたが、現在のKPOP第4世代グループの女性ファンは、露骨なセックスを感じさせるダンスや衣装、歌詞を極端に嫌悪する。ましてや(GGには)ドラッグやヴァイオレンスは論外であるようだ。

ちょうど現在、日本でも大人気のル・セラフィム(日本人メンバーのサクラとカズハがいる)は、今回のカムバック曲のダンスと衣装が、未成年メンバーのウンチェ(17歳)には不謹慎であると、プチ炎上している次第。

(それでも新曲「EASY」は、当然のごとく音楽番組で1位を取りまくっているし、とうとうビルボードHOT100にもチャートインした)

 

しかし、そもそもあらゆるダンスはセックスへのいざないであり代用である。アジア圏以外の世界の若者音楽は、セックス&ドラッグ&ヴァイオレンスが主流なのであって、世界へ打って出ようとしているKPOPは、そこらへんでお子ちゃまでありすぎる。

が、しかしまた、そこが「可愛い文化」のキモであるからにして、それを棄てるのはKPOPの独自性の自殺でもある、と前回書いた(ような)。

 

現在のNMIXXには、露骨なセックス&ドラッグ&ヴァイオレンス表現など微塵もないような印象を、ほとんどのファンが持っているようだ。

が、そうだろうか?

 

●スマッシュ・ヒットとした「LOVE ME LIKE THIS」では、ソリュンが自らセンターで「こうもして、ああもして」と度直球で誘いながら、レゲエ・ダンサー並みに腰をグライドさせる。

●コンセプト・フィルムやMVには、ちょくちょく新種のドラッグ、緑色のキャンディー「スイート・オアシス」が語られる。

それを口にすると、世界中で自分が1番になったような自信が満ち溢れるというから、最強のドラッグだ。

が、NMIXXはもちろん「NO DRUG」の姿勢を説く。

 

●そもそもMVのほとんどがサイケデリック・コンセプトであり、ジョンの歌う「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモン」の世界そのものなのであった。

●今回の7曲入りミニアルバム『Fe304:BREAK』の中で、1番人気の「Run For Roses」のダンスでは、夢のためなら闘争も辞さない覚悟を示す、ケンカ・シーンが繰り広げられる。

●そもそもNMIXXの基本コンセプトは、「ミックストピア」という、ジョンの歌う「イマジン」の世界、ラヴ&ピースな「約束の地」へ向かって旅をする6人の少女たちと規定されているのだ。

つまり、完全なヒッピー思想なのである。

 

プロデュース女性チームのSQU4Dは、ちゃんと押さえているのだ、アジア圏以外の欧米、中南米へ向けて、露骨というより率直なセックス&ドラッグ&ヴァイオレンスに対するNMIXXの姿勢を。

NMIXXSQU4Dは、新種のドラッグ登場を予見し、KPOPによる第3回目の「サマー・オブ・ラブ」を狙っていると、私は見る。

現在は球根である彼女たちのセックスも、3年後には自然と花開くであろうから。

(GGはセクシーじゃなきゃ世界で戦えない)

乞うご期待。

 

●エロスに関しては、まだまだ球根の6人。しかし、彼女たちはホンモノだ。ちんけなアーティストぶらず、あくまで「アイドル」であることを職業倫理にすえたNMIXXこそ、私の眼には新しいアーティストの姿に見え、たのもしい。

 

 

 

3月10日(日)鬼子母神は晴れ。

 

テストステロン注射のせいか、眠くてしようがない。

明日は、前田くんと、16日(土)の朗読会のための練習がある。

が、新作詩は諦めた。

去年の渋谷「フライング・ブックス」で発表した、

「都市は青年に武装せよと強要する」

という、次回詩集のキモになる大作を読むことにした。

ぜひ、あなたに聞いてもらいたいもんである。

 

[夕食]

●大ブリのカマの照り焼き(ラップでくるみ炊飯器のごはんの上に乗せ[保温]状態で温めた)

●納豆

●茹で卵

●たくあん

●昨夜の残りのアサリの味噌汁(三つ葉の他に生ワカメも足して)

●ごはん

●みかん

●ほうじ茶

 

カマの照り焼きは、スーパーが経営している大衆割烹店で焼いたもの。

850円が半額になっていたので買っておいた。

大きいので2つに切り、ひとつは明日のために冷蔵庫へ。

 

 

おやすみなさい。

3月6日、隣室の兵庫くんが引っ越した。

近くらしいが、彼は場所を口にしなかったので、訊くのがためらわれ、それっきりとなった。

ま、別れとはこんなものだ。

やはりテストステロン注射のせいだろうか、夢に可愛い女子たちが現れるようになった。

よって眠るのが楽しい。

お互い、よい夢を。

 

 

[3/16 詩朗読ライブ]

316日(土)
OPEN 18:30 START 19:00 END 22:00

1500+ドリンク代
高円寺Oriental Force
https://oriental-force.com

杉並区高円寺南3-48-6
第八日東ビルB1 101


Sound of BURST DAYS
ピスケン ポエトリー

TSOUSIEポエトリー DJ
ケロッピー前田 ディジュリドゥ 打楽器 他
剛田武 リードフルート ノイズドール 他

ピスケンこと曽根賢(伝説の雑誌『BURST』元編集長)が、盟友・ケロッピー前田(身体改造ジャーナリスト)とTSOUSIEBURSTカバーガール)とともに高円寺登場。

ピスケン朗読ライブ、地下音楽家・盤魔殿主宰の剛田武&ケロッピーの即興デュオ、さらにTSOUSIEのパフォーマンスDJ!!