「おまえの人生は眠ってるばかりなのか?」 | 曽根賢(Pissken)のBurst&Ballsコラム

曽根賢(Pissken)のBurst&Ballsコラム

元『BURST』、『BURST HIGH』編集長の曽根賢(Pissken)のコラム

 

[七曲り荘日記]

 

巻頭連載[第107回]
「我らの時代の墓碑銘を描く画家――その淫蕩する光線」

 

「犬のダンくん」
佐藤ブライアン勝彦●作品&文

 

 

途中経過の2枚、元ネタはファミスタとジャングルハント。

ファミスタの絵で、右、中央あたりに乱入してる人はチーチ・アンド・チャンをモチーフにした。

昔、エンジェルス対マリナーズ戦、イチローを見に行った時に、こんな感じの乱入者がいた。

確か二塁にスライディングして行き捕まってた。球場は大爆笑。

 

 

 

 

 

最近、犬(黒と白のチワプー)を飼い始めました。

耳が大きくペットショップでは、ダンボくんと呼ばれてたそうです。

名前はそこからとってダン。

 

最近どうも自分と似てる気がするんだよなー。

耳が大きくて乾燥肌。

寝ぼけて床におしっこ。

しまいに強迫っぽくて、尻尾を追って100回位回ってた。

 

俺も寝ぼけが酷く、3回ほど部屋の壁にやった事がある(笑)。

「何か足元あったかいなあ〜」

意識がはっきりしてきて、なんじゃこりゃ? ここ壁じゃん!ってパターン。

 

人間が凄く好きな様で、散歩していても遊歩道を遠くから人が歩いてくると、ちょこんとお座りして通り過ぎるまでじっーと見てる。

その姿を見た人に「可愛いねー」と言われるが、ひとつ大きな問題がある。

 

男子はスルーだけど、女子には年齢を問わず、見過ごしてから猛ダッシュで後を追いかけて行く。

俺まで引っ張られちゃうと、まるで犬をつれて女性を追いかけまわす変な親父、ほんとやめて欲しい(笑)。

さすがに最近はリードをグッと引っ張って押さえてるけど、そのせいか腰にきちゃってコルセット巻いてます。

 

で、今朝の散歩中に、可愛いおばあちゃんから声をかけられました。

「あら〜可愛いね。うちもゴールデンレトリバー飼ってて18歳まで生きたんだけどね……犬見ると思い出しちゃってね〜」

話を聞くと、震災前までは野蒜海岸のすぐ目の前に住んでいて、津波で家を流されてしまったそうだ。

地震の直後、家族皆で慌てて避難。

 

「犬、置いてきちゃったんだけど、家族が逃げてるから大丈夫だよと言われて安心してたんだけど、10日後に家を見に行ったら、家は流されて何にも無いのに、犬は敷地のところで、うつ伏せになって、亡くなってたのよ」

辛すぎる……。

その話を朝から聞いて泣いちゃいました。

 

 

●ダンくん。可愛いねえ。

 

 

 

 

12月9日(土)鬼子母神は晴れ。

 

今週は、病院とスーパーへ往復した以外、ずっと部屋にいた。

で、何をしていたのか?

Youtubeを見ていたか、あとはこんこんと眠っていた。

止めていた薬をまた飲み始めたら、睡魔の寝技にたやすくからめとられたのだ。

やはり、こりゃダメだ、止めよう。

オピオイド鎮痛薬は、根気よく少なくしていこう。

 

[朝食兼昼食]

●エビ天(2本)うどん(ワカメ、卵、ネギ)

●リンゴ半分

 

 

XTwitter)に流れているガザ地区の映像で、泣いた子どもたち、死んだ子どもたちの姿を見るたび、

「困ったなあ」

と、言葉が漏れる。

呑気な阿呆だ。

しかし、無力な私にできることは、呑気な阿呆であることを、自他共に晒すくらいしかない。

 

(ただし、最初のハマスの奇襲攻撃の犠牲者には、輪姦され銃殺され胴体を切断され焼かれた女たちが多数発見されている)

 

7月7日に亡くなったPANTAは、あくまでパレスチナ側で、ダチのカメラマン釣崎清隆、シギー吉田もパレスチナの土を踏み取材してきた。

「ジョンの『イマジン』は大嫌いだ」

と、生前のPANTAは公言してきた。

寝ぼけたことぬかすなってことだ。

 

いつだったか、PANTAと話しているうち、たまたま「イマジン」の話になり、あらためて「なぜ?」と訊いてみた。

すると、

「いや、本当は好きだよ、でもさ」

以下を簡単に要約すると、

「パレスチナ人の前でそんな絵空事を歌えないだろ」

ってことだった。

 

PANTAは、パレスチナ解放人民戦線メンバーであり、1969年ハイジャックを成功させたライラ・ハリドの歌「ライラのバラード」をつくり歌ってきたのだし。

(作詞はあの重信房子、シギー吉田の写真とともにYoutubeで聴くことができる)

 

●ハイジャッカー・ライラの来日時に彼女のTシャツをつくったのも、PANTAたち。つまりダチの田原やシギーらだ。そのTシャツ欲しかったなあ、今やレア中のレアだよ。

 

 

また、以下は明らかに「反イスラエル(=アメリカ)」を歌った、PANTAの「7月のムスターファ」の歌詞だ。

ムスターファとは、サダム・フセインの孫である14歳の戦士の名前である。

(やはりYoutubeで聴くことができる)

 

 

記録してくれ 
彼はムスターファ
まだ14才の7月のモスル
ヘリからミサイル 向かいの家からはグレネード

記録してくれ 
彼はムスターファ
まだ14才の7月のモスル
200人の第101空挺部隊の銃口に包囲され

撃ちまくれ 撃ちまくれ 撃ちまくれ
Woo ムスターファ

叔父の死骸から銃を取り
頭のつぶれたボディガードの弾丸を奪い
血の海に横たわる父を楯に
いま誇りだけが彼を支える
彼も母の子
誰も母の子

記憶してくれ 
彼はムスターファ
まだ14才の7月のモスル
屋根も飛んだ階段に立ち 弾丸尽きた銃を構え

撃ちまくれ 撃ちまくれ 撃ちまくれ
Woo ムスターファ

USAの星に狙いを定め
手応えの消えた引き金を引き続ける
数千発の弾丸の嵐が
彼を壁に押しつけて倒さない
彼も母の子
誰も母の子

記録してくれ 
彼はムスターファ
まだ14才の7月のモスル
たったひとりで一時間 アメリカと闘った

勝ち誇れ 勝ち誇れ 勝ち誇れ
Woo ムスターファ ムスターファ
Woo ムスターファ ムスターファ

 

 

PANTAは「銃をとれ」「撃ちまくれ」と歌うひとだった。

パレスチナで「裸にされた街」や「さようなら世界婦人よ」(Youtubeで聴くことができる)を歌った男だもの。

そのPANTAを十代の私はヒーローと崇め、それはPANTAが死ぬまで変わらず、いまも変わっていない。

 

 

 

●上は、新曲(1月15日発売のカムバックの先行曲)「Soñar (Breaker)」のYouTubeのサムネ。下はそのMVの撮影中に自撮りしたソリュン。昨日9日に、日本のベルーナ・ドームで開催された「Music Bank Global Festival」にて、Soñar (Breaker)」が初パフォーマンスされた。

 

 

ウクライナ戦争が始まる2日前にデビューしたNMIXXは、全ての多様性を認める「MIXXTOPIA」を目指す旅を続けている。

そんな世界観、コンセプト、ストーリー、メッセージを表明しているわけだ。

つまり「MIXXTOPIA」とは「イマジン」が夢見る世界と同じだってことだ。

 

私は「イマジン」を、昔から、

「かったるい歌だなあ」

と思い、PANTAほど積極的にではないが、消極的に好きじゃなかった。

ちんけな寝言に聞こえないでもないからだ。

「イマジン」をカバーする人たちの大半には、覚悟が感じられなくて薄ら寒さをおぼえてきた。

(忌野清志郎の訳詞は見事だったけれど)

 

ジョンが生きていたら、はたして現在のウクライナ人やパレスチナ人の前で「イマジン」を歌えるだろうか?

もう、うるさいヨーコは「恍惚の人」となっているのだし。

Power To The People」は歌えても、「イマジン」は歌えないのではなかろうか。

あえて、ジョンなら歌う?

 

NMIXXは、やはり変なアイドルで、今ごろ「ラブ&ピース」を歌う、遅れてきた少女たちである。

惚れたはれたの恋バナを歌わず、ソフィスティケートした「反戦」を掲げるアイドル。

そう、彼女たち自身が反戦の象徴なのだ。

 

休戦中の韓国から世界へ訴える反戦アイドル。

(その本質を大半のファンさえ気づいていないが)

アプローチが完全にロックなんだよな。

ゆえに、KPOPアイドルとして異端に見られ、ゆえにファンダムはクレージーに強固となる。

 

アプローチがロックでパンクなNMIXXだが、しかし、同時に、日本発の「かわいい」アイドル文化を継承し体現しているところが痛快なのだ。

誰でも彼でも「アーティスト」を名乗り、恥はないのか?

ジョンやボウイでもあるまいし。

アイドルの前衛としてのNMIXX、彼女らにこそアート性があると確信する次第である。

 

 

ただし、彼女らも、まだ「イマジン」は歌えない。

MIXXTOPIAへ辿り着けるわけもないように思える。

有史以前からずっと、世界は美しく、血濡れているのだから。

しかし、芸能とはいえ、モンキー・ビジネスとはいえ、彼女たちには、せめて覚悟だけは持ってほしい

いつかガザのステージで、あえてMIXXTOPIAを歌う覚悟を。

 

 

ああ、ジョンは歌うだろうな、やはり。

Power To The People」といっしょに。

矛盾と混沌を恐れない男だったから。

覚悟だらけの男だったしね。

 

 

[夕食]

●シャケとカマス干し焼き(これで200円)

●高菜漬け

●温泉卵(自家製)

●海苔

●昨夜の残りの味噌汁(黒はんぺん、玉ねぎ、生ワカメ)

●ごはん

●柿

●みかん

 

 

ちぎれた手「ランボウ詩集」握りしめ

 

骨箱に詰めこまれゐし怒濤かな

 

霧を来し兵士の霊に答礼す

 

(宋左近編『真鍋呉夫句集』より/芸林書房)

 

 

 

1210日(日)鬼子母神は晴れ。

 

いつも目覚めが不快なので、いったんクスリを飲んで二度寝する。

だから、起きるのが「反省と葛藤」から始まるのだ。

「おまえの人生は眠ってるばかりなのか?」

毎日、けっこう目覚めからシビアだ。

 

[朝食兼昼食]

●リンゴ

●バナナ

●バター・トースト

●ビスケット

●みかん

●ミルクティー

 

 

まるでチンパンジーの食事だな。

先祖返りの食事。

ごちそうさま。

 

 

PANTAは「銃をとれ」なんてアジりながら、ステージでマスをかいた日本で初のロッカーだ。

(2人目は、じゃがたらのアケミかスターリンのミチロウか)

「よく勃ちましたね」

「バカ、勃つわきゃないよ、眠剤でふにゃふにゃだ」

 

おやすみなさい。

この齢になっても、起きてすぐ「反省と葛藤」から始まるとは、まるで高校生ではないか。

あの頃は、目覚めている間も、しょっちゅう「反省と葛藤」してたっけ。

あれから40年以上経ったが、どうにも世界も私も、何にも変わっちゃいない。

ふにゃふにゃだ。

PANTAの「スカンジナビア」を聴きながら。

せめて、よい夢を。

 

 

 

[処女詩集販売中]

『火舌(かぜつ)詩集 Ⅰ ハードボイルド・ムーン』

著者:曽根 賢(PISSKEN

ドローイング:佐藤ブライアン勝彦

 

判型A5/平綴じ/96ページ

部数:300

税込み価格1320

 

さて、販売方法だが、以下の2つの書店で、通信販売、また店頭発売します。

2書店のサイトを検索してもらって注文してください。

ネット注文できない私のようなひとは、誰かに頼んで注文しましょう。

 

詩集には私のサインが入っています。

 

「タコシェ」

http://tacoche.comには、遊離型テストステロン11.8 pg/ml以上あれば要注意(ボーダーライン)8.5pg/ml以下の場合は明らかに(シングル小説もセカンド&サードも注文できます)

 

 

「模索舎」

http://www.mosakusha.com/

 

「阿佐ヶ谷ネオ書房」

書店販売のみ

 

尚、くどいようだが、この処女詩集は、あくまで『火舌詩集』のⅠであって、今後あと2冊を発行します。

3冊合わせて『火舌詩集』となるので、ぜひコンプリートしましょう。

「火舌」とは中国語で、火事の際、窓から吹き出し、壁を舐める炎をいう。

 

[サード&セカンド・シングル通販中]

A面「PISSINTOMY HEROES
B面「七曲荘二〇三号室」

 

セカンドシングルのジャケット。被写体は細菌学者の志賀潔。撮影は土門拳。

 

アドレス:budroll.shelvis.sy3@gmail.com

――以上へ以下のことをメールしてから、お金を振り込んでください。

郵便番号と住所
名前(口座のカタカナ読み振りも)
電話番号
サード、セカンドのどれを希望するか

(ファーストは売り切れ)

●1,600円(発送代込み)
振込先――ゆうちょ銀行

BUDROLL(バドロール)
普通口座:店番908
口座番号:5133817

 

 

『キャンプ日和』(河出書房新社)

キャンプ小説&エッセイのアンソロジー。トリに曽根 賢の短編「二つの心臓を持つ川の縁で」が掲載されています。

 

 

『点線面』5号(ポンプラボ)

曽根 賢の特集と、論評風の新作エッセイが載ってます。詳しいことはネットで検索してください。



P.S.

以下の作品を買ってくれる方、また、仕事をくれる方、メール下さい。
「詩作品」(手書きした原稿用紙――1万円)
宅配便着払い

原稿仕事。

●pissken420@gmail.com