曽根賢(Pissken)のBurst&Ballsコラム

曽根賢(Pissken)のBurst&Ballsコラム

元『BURST』、『BURST HIGH』編集長の曽根賢(Pissken)のコラム

[深雪荘日記]

 

●[連載第229回]

「我らの世代を看取る我らの世代の墓碑銘」

 

「」         

佐藤ブライアン勝彦●作品&文章

 

 

届き次第、

アップします。

 

 

 

 

 

●今週の表紙代わりのNMIXXソリュン(左/22)とジウ(21)。確か去年の写真だが、Xに回ってきて、あらためて2人の美少女っぷりが表紙にふさわしいと思い採用。

 

■NMIXX)'Crecendo' 'Heavy Serenade' | KBS 260531

●両曲とも、このライブ・ステージが初パフォーマンス。女子大の学祭らしいが、このあと3曲目に大ヒット曲「ブルー・ヴァレンタイン」で〆た。初めて舞台に下ろし、へウォンはさすがに「緊張した」と漏らしたが、そんな初々しいパフォーマンスこそ愛おしい。

 

 

 

 

 

6月12日(金)鬼子母神は晴れ、のち、雷雨。

 

もし私が、アート&エンタメ表現(つくること)に興味がなかったら?

つまり、小説や絵や音楽や芝居や映画等の表現に興味がなかったら?

当然、自分で商売をするだろう。

DNAに「鶏口となるも牛後となるなかれ」と刻まれているからだ。

 

プロスポーツ選手、政治家、宗教家、弁護士etc.

そんな個人商売もある。

 

最初(小学生)の夢はプロ野球選手だった。

小学生から中学生のころ、私の「建設的意見」と「根回し」のうまさから、政治家に向いていると、同級生たちや教師から、ちょくちょく言われた。

 

中学生のころ、私は「催眠術」が得意で、もしかしたら「洗脳」にも長けていたかもしれない。

子どもっぽい正義感から、小学生のころは、弁護士や刑事にも憧れた。

(ほら、『太陽にほえろ』のマカロニ世代だから、あんな死に様こそカッコイイと摺りこまれたのだ)

 

しかし、それらの興味も、16歳の思春期に突入するまでだ。

具体的にいえば、15歳の初恋と失恋、そして、吉行淳之介の作品を知り、文学と「自意識」に目覚めるまでだ。

あとは滅茶苦茶なスプラッター・ホラー。

 

 

午前6時半、目覚める。

いそいでPCを開き、昨日書きあげた連載詩の「助詞」を直す。

(〆切りは15日月曜日の昼まで)

夢の醒め際、間違いに気づいたのだ。

 

数秒で直し、クスリを飲むと、また布団へ倒れこんだ。

先週からつづき、気圧の変化に過敏なからだは、変調をピカピカ奏でながら、万年布団に寝たきりのままである。

 

しかし、二度寝の前に、便所へ立つ。

古今亭志ん生の晩年は、酒だけ呑んで生きており、なぜ大便がでるのか不思議がったという。

が、便の大半は水分と、腸内細菌&腸壁細胞の死骸だから、酒だけでも立派なものが出来上がる。

 

今日も快便である。

神経障害&自律神経失調症と、快便が両立するほうが不思議に思える。

便秘が睡眠の質に悪い影響をあたえるのは間違いないが、快便であっても、私の睡眠はズタボロだ。

 

用を足すと、やはり、何か食べなきゃまずいという気になった。

昨日は1食しか口に入らなかった。

さすがに腹がへっている。

 

 

[朝食]

●バナナ1本

●トースト1枚(ピーナッツバター)

●ミルクティー

 

 

これだけ具合が悪いと、YouTubeやNETFLIXで映画を観る気にはならない。

しようがないんで、YouTubeで「米60年代女性ヴォーカル選集」をかけながら、布団の中でもんもんとする。

 

で、ときどき起き上がっては、シギーと計画しているAI映画(スプラッター・ホラー)のシナリオを書き進める。

布団の中でもんもんと妄想しながら、場面の細部までヴィジュアル化し、忘れないうちにコツコツ文章化しているのだ。

 

 

「ある暴政者の墓碑銘」 W.H.オーデン

 

それぁ、或る種の完全なら、あいつだって求めたのさ

それにあいつの発明した詩なんぞも、とっても解りやすくって

人間の馬鹿さかげんなら、手の甲のように知ってたし

陸軍と海軍には、ひどく関心をもっていた

あいつが笑うと、しかめっつらしい元老たちもどっと笑ったし

あいつが泣き出すと、小さい子供らが往来で死んだ。

 

 

(深瀬基寛訳を、新かな新漢字に直し、読点を一カ所入れ、行尻の読点を削った)

 

 

[今週の曽根のお勧め作品/Kane PixelsThe Backrooms』 YouTube

●なにを今さらであろうYouTube作品だが、まったく知らなかった。が、A24が映画化し、現在全米で大ヒットをかましている。そんでようやく61歳の耳に届いたわけだ。もしかしたら、あなたも観たことがないんではないかと、老婆心からここに紹介する。

 

●これは『バック・ルーム』の最初のショート・フィルムで、4年前にYouTubeにアップされた。そのとき監督はなんと若干16歳。で、現在20歳という若さで映画を監督し、A24史上最大のヒットを記録している天才である。名はケイン・ピクセル。

 

●いやあ、観て、びっくりしたなあ、もう。こんな怖い悪夢、どうやって映像化したんだろう。まさか実際につくったわけはないから、CGなんだろうが、ビデオテープの画質だと、悪夢度が増すな。部屋や廊下のデザインが素晴らしい。さすがのデヴィッド・リンチもうなったんじゃなかろうか。

 

●私の妄想のひとつに、私がオーナーである巨大なホテルの廊下を、よく、オーナー室をさがしてうろつくクセがある。あまりにホテルが巨大で、何階のどこに部屋があるのか自分でも知らないのだ。その廊下にはけっこう人がおり、注射を刺したまま倒れこんでいるやからさえいるし、客室の中でパーティーが開かれていたりする。

 

●だから、淋しくも怖くもない。しかし、このバックルームは『シャイニング』のホテル並みに怖い。紹介した作品につづき、エピソードがいくつあるのか知らないが、まとめたものもYouTubeにはあるので、2005年生まれの才能に眼を見開いてみたらいい。

 

 

 

 

 

午後1時半、風が巻く音が聞こえはじめた。

「雷雨か……」

神経障害の全身刺痛がひどいので、痛み止めの「禁断」のオピオイドを、1錠のところ2錠のむ。

 

 

[昼食]

●冷たいとろろうどん(稲庭うどん2束)

●つけ汁(ミョウガ、ネギ、ショウガ、とろろ、胡麻油、ラー油)

●海苔(途中につけ汁へもむ)

●茹で卵

●煎茶

●珈琲ゼリー(30%引き)

 

 

プロ野球選手の夢は、全国の同い年の野球部少年同様、13歳で破れた。

政治家と宗教家は、生涯の「しかとう対象」となった。

弁護士と刑事には痛い目にあった。

 

商売は、高校3年間の炉端焼きのバイトで、社長の超人的仕事量をじかに見て、私にはとうてい無理であることを悟った。

(社長は数年で6、7店舗まで広げた)

 

それでも、商売しか、いや「サクセス」にしか興味がなかったとしたら?

スーパーの表で焼き鳥の屋台をかまえたか、NYへ飛び、寿司屋や鉄板焼き屋でまず修業しただろう。

 

商売を大きくすることしか考えず、搾取する快楽に溺れ、トランプタワー以上のホテルをおっ建て、福音派を扇動し、日本人初の米大統領候補になっただろう。

で、20歳のクルックスという小僧に、AR15型ライフルでこんどこそ頭を撃ちぬかれていたはずだ。

 

「よかった、よかった、そんな死に様をさらさないで」

万年布団の中でもんもんと妄想しながら、スプラッター・ホラーのシナリオを書き進める。

オピオイドをもう1錠。

 

 

[夕食]

●ゴーヤチャンプルー(ゴーヤ、豚肉、豆腐、生きくらげ、卵)

●カブとキュウリの浅漬け

●梅干し

●ホウレン草のおひたし(生姜、削り節)

●昨夜つくったあさりの味噌汁(生なめこ、ネギ)

●ごはん

●煎茶

●板チョコ少量

 

 

結局つくらなかったが、チャンプルー用の豆腐は、昨夜中に水切りしていた。

やはり、水切りは大切だ、旨い。

ここ1カ月、ホウレン草と小松菜のおひたしの旨さに開眼し、ほぼ毎日、食卓にあげている。

安いし。

あさりの味噌汁は、もう、自分でも「またかあ」と思いながらもやめられない。

(馴染みのスーパーが、安い大パックを売り出しはじめたこともある)

 

それにしても、これだけ具合が悪いのに、なぜ、今日にかぎって食欲があるんだ?

もんもんと妄想し過ぎか?

頭を撃ちぬかれてるしな。

 

寝たきりの私でさえこうだ。

さぞやあいつらは、24時間ずっと腹をへらしていることだろう。

餓鬼だ。

 

 

おやすみなさい。

ああ、今日も詩集用の詩の直しができなかったな。

スプラッター・ホラーのシナリオは、こんな状態でも書くくせに。

今日で3場面目を書き終えた。

映像が数秒ストップし、ここでようやくタイトルがバーンと出て、音楽がかかる。

(『パルプフィクション』調ね)

全然怖くない。

目指すは、派手でカッコいいスプラッター・ホラー。

ホント、能天気だ。

でも、齢をとったら泣いちゃいけない。

よい夢を。

 

 

 

[曽根の掌編収録アンソロジー文庫発売中]

■曽根の掌編「牛乳屋のおんちゃん」も収録されているアンソロジー文庫本『フッハッ!な純文 鴎外から棒一まで』河出文庫/1,210円

■鴎外、芥川、太宰、安吾、織田作之助、町田康、他全21編

 

 

 

[NMIXXつれづれ草]

●ブラジルの雑誌で表紙&独占インタビュー掲載。ブラジル人ドラァグクイーン、パブロとの、2曲のコラボゆえの仕事である。ブラジルにもオレのような編集長がいるのだった。

 

●英国在韓大使館と共催する「夢見る少女に不可能はない」キャンペーンの公式広報大使に任命されたNMIXX。 

「多くの逆境の中でも、絶えずMIXTOPIAに向かって進み続ける6人のNMIXXのように、誰もが自分だけの夢を抱くことができます。そしてその夢に向かって一歩ずつ進む過程の中で、私たちは成長します」

 

■NMIXX 1ST WORLD TOUR EPISODE 1: ZERO FRONTIER IN BANGKOK

●欧米ツアーを終え、アジアツアー最初のコンサートはバンコク(6月13日)。だが、途中、ソリュンが脚(腰?)を痛め、そのあとは椅子に座って歌った。

 

●が、ときおり立ち上がって、歩いたり、軽く踊ったりと、観ていて思わず「お前は大谷(翔平)か!」と、突っ込む始末。ま、そこがアジアン・アイドルなのだが、次のコンサートまで2週間ほど空いているから、ソリュン自身の判断を信じよう。

 

●バック・バンドは変わりないが、なんと欧米ツアーではいなかったバック・ダンサーが登場。一泊だし、飛行機代も欧米へ行くより安いからだろう。なんて、金のことばかり考えてしまう61歳であった。

 

 

 

[処女詩集販売中]

『火舌(かぜつ)詩集 Ⅰ ハードボイルド・ムーン』

著者:曽根 賢(PISSKEN)

ドローイング:佐藤ブライアン勝彦

 

判型A5/平綴じ/96ページ

部数:300部

税込み価格1320円

 

さて、販売方法だが、以下の2つの書店で、通信販売、また店頭発売します。

2書店のサイトを検索してもらって注文してください。

ネット注文できない私のようなひとは、誰かに頼んで注文しましょう。

 

※詩集には私のサインが入っています。

 

「タコシェ」

http://tacoche.comであれば要注意(ボーダーライン)、8.5pg/ml以(シングル小説もセカンド&サードも注文できます)

 

「模索舎」

http://www.mosakusha.com/

 

「阿佐ヶ谷ネオ書房」

※書店販売のみ

 

尚、くどいようだが、この処女詩集は、あくまで『火舌詩集』のⅠであって、今後あと2冊を発行します。

3冊合わせて『火舌詩集』となるので、ぜひコンプリートしましょう。

※「火舌」とは中国語で、火事の際、窓から吹き出し、壁を舐める炎をいう。

 

[サード&セカンド・シングル通販中]

●A面「PISS(INTO)MY HEROES」
●B面「七曲荘二〇三号室」

 

●セカンドシングルのジャケット。被写体は細菌学者の志賀潔。撮影は土門拳。

 (ファーストは売り切れ)

●1,600円(発送代込み)

 

●アドレス:pissken420@gmail.com

――以上へいったん、欲しい旨のメールをください。

(ファーストは売り切れ)
 

『キャンプ日和』(河出書房新社)

キャンプ小説&エッセイのアンソロジー。トリに曽根 賢の短編「二つの心臓を持つ川の縁で」が掲載されています。

 

『点線面』5号(ポンプラボ)

曽根 賢の特集と、論評風の新作エッセイが載ってます。詳しいことはネットで検索してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[深雪荘日記]

 

●[連載第228回]

「我らの世代を看取る我らの世代の墓碑銘」

 

「快挙」         

佐藤ブライアン勝彦●作品&文章

 

●うちに集まるスズメに子供が産まれました。子供に餌を与える親スズメ。もう何代目だろう?

 

●先日公園で。

 

 

 

 

最近急に寒くなったりで、先々週より風邪をひいてしまい、そこから副鼻腔炎になり寝込んでしまった。

今も咳き込む時がある。

何か免疫力アップの方法はないものか……。

 

昨晩、犬の散歩をしてベンチに座っていると着信があった。

ギャラリーのオーナーからだった。

待ちにまった、ある審査が通ったという連絡だった。

 

思わずガッツポーズを決めた。

オーナーも「快挙!!!」と喜んでくれた。

結果は、まだか、まだかと、気持ちが落ち着かなかったし、もう嬉しくて、うちの犬にキスをしたわ。

 

そして今日、スタッフの大学生Nさんに話すと、

良かったですねー!!おめでとうバームクーヘン買ってきます」。

(俺の甘いもの好きを知ってる)

 

今度、バームクーヘン食べながら絵を描こうかな。

 

 

 

 

 

 

●今週の表紙代わりのNMIXXリーダー、へウォン(23)。私は昔からショートヘアの女が好きだ。で、特にショートヘアの「知的」な女にやられてきた。後悔はない。

 

●韓国の雑誌グラビアにて。被写体6人の撮影はとんでもなく難しい。しかしさすがアイドル、誰も眼をつぶらない。ソリュンなど涙をこぼすまで眼を開きっぱなしだ。

 

■NMIXX “LOUD” (Official Audio)

●この曲はリリーが全て作詞した最初の曲で、世界中の同性愛者を感動させた。

●以下は、YouTubeの海外ファンのコメント(翻訳機能を使用)。

 

「この曲は、2025年5月21日のファンコールで、両親が自分のセクシュアリティを受け入れてくれないと話したバイセクシュアルのファン(NSWER)への、リリーの返答からインスピレーションを得たように感じます。

リリーはこう言いました。

「好きな人を差別する人は最悪です……あなたはもっと良い扱いを受けるべきです。好きな人を愛するのは自由で、どうすることもできません。だから、最終的には自分自身に自信を持って、違うことを言う人の言うことは無視してください……そして、私はあなたを愛しています」

 

 

 

 

 

 

6月4日(木)鬼子母神は晴れ(前日は台風6号によって豪雨)。

 

午前11時、病院へ到着。

常のごとく、5分間、愛子先生に愚痴を聞いてもらう。

常のごとく、その可愛らしさに、ドキドキしちゃう(来月62歳)。

たぶん、愛子先生も50に近くなっているだろう。

 

クスリを待つあいだ、洋食屋へ歩き、バジル・ソース(ピストゥー)と黒オリーブ&アンチョビ・ソース(タップナード)の小瓶を買う。

ひと瓶780円するが、半年はもつし、ほん少しで、けっこうゴージャスな味わいになるので長宝している。

 

クスリをもらい、部屋へ帰る。

歩きながら、口の中でつぶやく。

「おれって、ホント、風景に興味がないやつだなあ」

ゆえに散歩を楽しんだことがない。

 

眼と耳は、危険に注意しているが、意識は「意識の沼」を覗きこんでいるばかり。

「いや、嘘だろ」

あ、そう、女が歩いていれば、たちまち視線も「意識の視線」も女へ向かう(来月の24日には62歳)。

ほら、元エロ本編集長(5年間)だからさ。

 

とはいえ、昼間の雑司ヶ谷1丁目を、女は歩いていない。

女どころか、男も猫も、アルマジロさえ歩いていない。

ゆえに意識は、意識の沼からブクリと泡立ってくる意識を眺めるだけだ。

 

先日の「BURST公開会議」のお題は「パンク(ミュージック)とは何か?」だった。

直感的に私はこう思った。

 

芸能(エンタメ)の円と、芸術(アート)の円が、重なっている。

2つの円の中心点に、片っぽの円周の1点が重なっている。

2つの円の重なった部分の、どっかにパンク・ミュージックがある。

(質の高低はこのさい置いといて)

ビートルズ同様。

ボブ・ディラン同様。

吉田拓郎同様。

 

「ただし、パンク・ミュージックと、パンクは違うしなあ」

ひとつ目の円がアートだとは確信がある。

もうひとつの円は?

第一感は、広義の意味での「政治」だ。

もしくは、それを「孤独」と言い換えてもいいかもしれない。

 

が、そもそも「円が2つ」ということが間違いかもしれない。

わからない。

意識の沼から、また別のガスが湧く。

 

齢をくえばくうほど、クレバーさが失われ、視野が狭くなり、頑固になっていくという。

が、それは半分当たっており、半分間違っている(?)ともいえる。

 

視野が狭くなるのは、トライ&エラーの経験の深さからだろう。

「いや、そっちはもう、ダメだってことは十分経験してるからさ」

この「十分」がくせものだ。

もしかしたら、もっとやりようがあったかもしれない。

 

自分の経験を信じすぎると「視野が狭い」と呼ばれるのだ。

しかし、ま、だいたい当たっているし、小僧の言葉など聞いちゃいられないものな。

(私はなぜか昔から年下に興味がなかったし、そもそも男に興味がない)

 

頑固になるのも、やはり経験を信じるからだろう。

ま、それはいい。

が、なぜか、頑固になると同時に、考えが先鋭化するのが問題だ。

特に、思想やモラルや世界観がだ。

 

極端は悪だ――いや、見苦しい。

だからこそ、

「私は私を信じない」

ようにしているのだ。

けれど「表現」は「断言」し「先鋭化」するのを許している。

それこそがアートの醍醐味なのだから。

 

クレバーさを失うことについては、その通りだし、しようがないことだろ?

脳の老化をふせぐ手立てはないのだから。

(もちろん老化を進化だと言い張る気持ちもわかるが)

 

といっても、クレバーさを失っていることを悟られないようにすることはできる。

何事も口を閉ざすのだ。

ま、ここ(ブログ)では勘弁してほしい。

 

 

[朝食兼昼食]

●バターとタップナードでズッキーニを半分炒め、つくりおきのボロネーゼ・ソースと混ぜる

●パスタの代わりにニョッキを茹でて、ボロネーゼをかけ、最後にバジルソースをまわす

●冷たいレモンティー(レモンは半分使う)

●板チョコ少量

 

 

おとつい寸胴鍋に7分目のボロネーゼをつくった。

おとつい昨日と、ショートパスタと混ぜて食べたが、今日はバジルソースで味変した。

(1食分を小鍋で温める際、ホウレン草やオクラを足した)

旨い。

ま、どんぶりをスプーンですくっている背中は侘しいけれど。

 

昨日、台風6号が東京にも上陸して、昼過ぎまで豪雨だった。

で、もちろん、からだは気圧の変化に反応して、現在まで不調はつづいている。

が、食べて「旨い」と感じるまで復調してきたか。

じゃあ、このままクスリを飲んで、眠ってしまおう。

 

午前1時半、消灯。

 

 

[今週の曽根のお勧め作品/小林正樹監督『切腹』1962年]

■6月18日までYouTubeで無料公開中

 

 

●日本映画の傑作として、あまりに有名な作品なだけに、勝手に知った気になって、そのドラマの発端となった「事」の凄惨さがあまりに痛々しく、これまで進んで観る気になれなかった。いやあ、やっぱり観なきゃダメだよなあ、日本映画の傑作なんだから。

 

●撮影(富島義勇)、美術(戸田重昌・大角純平)、音楽(武満徹)の素晴らしさ、なにより橋本忍のシナリオの完成度と、役者たちの圧倒的な存在感に脱帽した。これは、シェークスピア悲劇に匹敵する舞台劇であり、語り芸の「講談」の傑作である。

(回想シーンを2幕にまとめれば3幕物の舞台として成立する)

 

●重厚かつ外連味たっぷりの様式美映像。それを成立させるには、結局のところ、役者たちの「力づく」なのだ。特に映画表現独特の「アップ」における「顔芸」の凄さよ。なにせ、仲代達矢と三國連太郎と丹波哲郎の三つ巴合戦なのだ、凄みが鋭く重さが10トンはかるくある。

(私の一番好きな役者である佐藤慶も、数秒だが見事な顔芸を見せてくれる)

 

●仲代と丹波の決闘シーンは、リアリティーよりも「見えを切る」に重きを置き、スピード感に欠け、ちょいと笑っちゃったほどだが、仲代達矢のインタビューを確かめたら、なんと「本身(真剣)」だったと聞き驚いた。

 

●悲惨な話だし、最後もすかっとしたハッピーエンドじゃないが、これはこれで、やはりすかっとしたハッピーエンドであるともいえるので、週末にでも、グラス片手にじっくり腰を据えて、映像美と役者の顔芸を堪能してみたらいい。

 

 

 

 

 

6月6日(土)鬼子母神は晴れ。

 

午前9時。

微熱あり。

風邪じゃないところが厄介だ。

ゆうべ、復調したとか書いたばかりのにな。

 

万年床でぐったりしながら、天井を眺める。

日中も点けっぱなしの蛍光灯(※)の光は、煙草のヤニで優しい。

※現在の部屋は日がささない「朝日の当たらぬこの部屋で」だ。

 

19歳のときも、沖縄は那覇の部屋で、こうして蛍光灯を眺めていたことを思い出す。

次いで、

20歳のときも、東京は白山の部屋で、こうして蛍光灯を眺めていたことを思い出す。

次いで、

28歳のときも、東京は南長崎の部屋で、こうして蛍光灯を眺めていたことを思い出す。

次いで、

39歳のときも――。

やめよう、キリがない。

 

※以下は、もうここに数十回は書いたが、勘弁してちょうだい。

(大丈夫、ちゃんと自覚してるよ)

齢をとると、酔ってもいないのに、自然と話が繰り返される。

 

私の父方母方の曾祖父2人は、どちらも家族を置いて失踪した。

父方の曽祖父は、嵐の晩に闇へ向かって駆けだし、そのまま帰って来なかった。

で、家系図からさえ外されている。

「なにもそこまで」

と、家系図から外した伯父の前で、高校2年生の私は言いだせなかった。

消えただけじゃないんだろう。

 

母方の曽祖父は、北海道へ特高として赴任し、そのまま現地で家族をつくり、なぜか30年後にひとり、手ぶらで実家へ帰ってきた。

尾羽打ち枯らして、とは彼のことだ。

 

その後、土間の隅の椅子で、日がな一日、キセルをふかしながら、無言のまま死んだ。

その姿を、幼いオフクロは憶えていた。

「いちども、しゃべった声を聞いたことがなかったよ」

もはやホラーだ。

 

この2人の曾祖父直系の私は、彼らが眺めていた天井を憶えている。

しかし、もうその記憶も私でおしまいだ。

せいせいするだろう。

彼らも。

 

微熱のせいで、3つの天井の灯りが重なったまま回りだし、そのうち自然とまぶたが落ちる。

幻覚とは楽しいものだが、私の場合、なぜか眠気を誘う。

クスリを飲む。

 

 

おやすみなさい。

男には常に狂気がついてまわる。

それが仕事に生きるときもあれば、暮らしをぶっ壊すときもある。

ま、しようがない、終わったことだ。

あなただって悔いはないだろう?

 

だが、自分のことは信じない。

齢をとりつづけ、クレバーさを失うことは世の常だ。

が、せめて、人前では口をつぐもう。

家族仲良く、夫婦仲良く。

「だから男よ、お前ひとり分の愛を今日の仕事に尽くせ」

よい夢を。

 

 

 

[曽根の掌編収録アンソロジー文庫発売中]

■曽根の掌編「牛乳屋のおんちゃん」も収録されているアンソロジー文庫本『フッハッ!な純文 鴎外から棒一まで』河出文庫/1,210円

■鴎外、芥川、太宰、安吾、織田作之助、町田康、他全21編

 

 

 

[NMIXXつれづれ草]

●20歳になったマンネ(最年少)がアンバサダーとなっているブランドが新宿ルミネで来週イベントをするそうな。この写真のキュジンの表情はなんとも優しく妖しい。

 

●自他共に認める「偽マンネ」のジウ(21)は、相変わらずの偽マンネっぷりだ。が、ファンがいうところの「宵越しの金は持たない」女ゆえ、メンバー&スタッフへメシを奢りまくる人生である。

 

 

 

■NMIXX – Heavy Serenade FullCam | MBC260523

●先日、TikTokのコメントに「NMIXXの男ファンはマジだから」とあった。そもそもNMIXXは、男女ファンの比率が、圧倒的に男に偏っているという話からだった。他のガールズ・グループの男女比率は、やや女に偏っているのが普通らしい。

 

●確かに、このファンが撮ったテレビ・ライブを観ると、その「掛け声」や歓声は、まさに野郎どもの「咆哮」であり、女性ファンの声は見事にかき消されている。某女性KPOPリアクターが笑っちゃうのもうなづける「オス」っぷりである。

 

●この日の彼女たちの衣装は素晴らしい。確かにオスを咆哮させる「色気」がある。以下に、この日にテレビ局前で開催された「ファン・ミーティング」の映像を紹介しておく。そっちの方がその色気がよくわかるから。

(ここからのソリュンとベイのキリトリがTikTokでめちゃくちゃバズっているのもうなづける)

 

■260523 엔믹스 설윤focus 미니팬미팅 FULL VER 직캠 (NMIXX SULLYOON fancam)

 

 

 

 

[処女詩集販売中]

『火舌(かぜつ)詩集 Ⅰ ハードボイルド・ムーン』

著者:曽根 賢(PISSKEN)

ドローイング:佐藤ブライアン勝彦

 

判型A5/平綴じ/96ページ

部数:300部

税込み価格1320円

 

さて、販売方法だが、以下の2つの書店で、通信販売、また店頭発売します。

2書店のサイトを検索してもらって注文してください。

ネット注文できない私のようなひとは、誰かに頼んで注文しましょう。

 

※詩集には私のサインが入っています。

 

「タコシェ」

http://tacoche.comであれば要注意(ボーダーライン)、8.5pg/ml以(シングル小説もセカンド&サードも注文できます)

 

「模索舎」

http://www.mosakusha.com/

 

「阿佐ヶ谷ネオ書房」

※書店販売のみ

 

尚、くどいようだが、この処女詩集は、あくまで『火舌詩集』のⅠであって、今後あと2冊を発行します。

3冊合わせて『火舌詩集』となるので、ぜひコンプリートしましょう。

※「火舌」とは中国語で、火事の際、窓から吹き出し、壁を舐める炎をいう。

 

[サード&セカンド・シングル通販中]

●A面「PISS(INTO)MY HEROES」
●B面「七曲荘二〇三号室」

 

●セカンドシングルのジャケット。被写体は細菌学者の志賀潔。撮影は土門拳。

 (ファーストは売り切れ)

●1,600円(発送代込み)

 

●アドレス:pissken420@gmail.com

――以上へいったん、欲しい旨のメールをください。

(ファーストは売り切れ)
 

『キャンプ日和』(河出書房新社)

キャンプ小説&エッセイのアンソロジー。トリに曽根 賢の短編「二つの心臓を持つ川の縁で」が掲載されています。

 

『点線面』5号(ポンプラボ)

曽根 賢の特集と、論評風の新作エッセイが載ってます。詳しいことはネットで検索してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[深雪荘日記]

 

●[連載第227回]

「我らの世代を看取る我らの世代の墓碑銘」

 

「」         

佐藤ブライアン勝彦●作品&文章

 

届き次第、

アップします。

 

 

 

2026年の『フォーブス』誌の「30 Under 30 Asia: Entertainment & Sports」にNMIXXが選出された。選ばれたの次の4グループ(1~3はKPOPグループ)。

● 1. i-dle 2. NMIXX 3. CORTIS 4. No Na (インドネシアのガールグループ)。

 

 

■260524 NMIXX - Heavy Serenade SBS INKIGAYO

●映像(照明)がいまいちなのだが、ソリュンがショート・ボブ(ウイッグ)になったのは初なので、貴重だと思い紹介する。また、このときの衣装も、このスカート丈に騙されるが、実は深いスリットがはいっており、実はこの4年間でいちばん倒錯性が高い、つまり「エロい」ので貴重である。とうとう彼女たちも色気が出てきたのだ。

 

 

 

 

5月31日(日)鬼子母神は晴れ。

 

はっと、目覚めて、時計を見たら、5時だった。

窓の外は明るい。

朝方4時に寝たはずだから、まさか1時間しか眠っていないのだろうか?

 

いや、いや、いや。

さすがに今の季節、5時でこれだけ明るいはずはない。

やはり、午後5時なのだろう。

 

ケイタイを見ると、大家さんからメールが入っていた。

「よかった」

眠る前に、暗い中、家賃をポストへ投函しておいて。

 

しだいに、窓の外の明かりがオレンジ色に変わっていった。

しかし、まだ頭は眠ったままだ。

「疲れた」

さすがにこれから、スーパーの往復は無理だろう。

 

 

今週の曽根のお勧め作品縄文タトゥー作品集 『JOMON TRIBE』(大島托 x ケロッピー前田)2026年

■ページ数:192ページ/サイズ:185×240mm/バイリンガル(日本語、英語)/定価:4800円+税

 

●左がケロッピー前田、右が彫師の大島托さん。

 

 

●上のワンダフルな表紙を見ただけで、わかった。こりゃ、やばい写真集だって。世界写真史レベルで上等な、深く杭を打った作品集だと。それをオレと同い年の友人がやり遂げたってことに驚嘆し、感激し、同時に「オレもやるぜ」と思わせてくれたのだった。

 

●もちろん大島さんも凄い彫師だ。前田くんと共に、オリジナルの「古代日本刺青」を創りだしたのだから。古代でありながら21世紀の「最先端刺青」ってとこが素晴らしい。そのオリジナルの文様を全身に彫った男女が、現時点で、これだけ集まったことは、世界刺青史的にも奇跡だろう。

 

●私は昔から「刺青=セクシー」だと言いつづけてきたが、この縄文刺青を見ると、まず、人類史に現れ消えていった「血族」の亡霊たちを思わせ、荘厳な気持ちに襲われた。次いで、やはりセクシーだとうなづいた。特に尻の大きな女性にそれを感じた。ほら、そもそも「たっぷり」した女が好きだからさ。

 

●それにしても、61歳にして、これだけ大きな仕事を成し遂げた前田くんには頭が下がるし、友人としてひどく嬉しい。もうひとりの友人写真家である釣埼清隆ともども、写真史&アート史に残る日本人として永遠に記憶されるだろう。ま、日本人に理解されるのは世界よりだいぶ遅れるだろうが、そんなことは知ったこっちゃない。あなたは理解するだろうから。

 

 

 

 

 

さて、今週、ブログを少しも書いていない。

ずっと、詩の推敲をしていたからだ。

昨夜の、渋谷「フライング・ブックス」で開かれた、新[バースト公開会議]で朗読するための詩である。

 

なんで、よっぽど疲れていたのだろう。

13時間、熟睡したなんて、まるで高校生である。

そもそも土曜日の渋谷を往復しただけで、寿命が2年縮んでいたし。

そもそも道玄坂1丁目を渋谷1丁目と間違い、反対側へ行って戻ったし。

 

●左からオレ、ゲストの「パンク教授」こと倉敷芸術科学大学准教授の川上幸之介さん、退院明けのツージー、釣埼清隆、ケロッピー前田。

 

 

ということで、以下に昨夜朗読した詩を載せて、今回のブログは終わりとしよう。

この詩は、たしか「途中稿」を以前も載せたはずだ。

が、これが(ほぼ)完成稿と思ってほしい。

 

これをコピーして、昨夜は客に手渡した。

が、長いので、朗読は途中、かなりはしょった。

尚、次回詩集のタイトルを「BALLS」から「Metasequoia」(メタセコイア)に変更することを決めた。

 

※最初「HIGH HORSE」という題でアップしたが、なぜか今ごろになって気が変わり、タイトルを変えた(6月2日午前1時50分)。

 

 

[火舌詩集Ⅱ「Metasequoia」用作品]

 

 

「マルゴットの日記」

 

      一

 

空っぽな老人が、バルコニーの駄馬の上から、うわずった優性思想を、空っぽな男たちへ吹きこむ。

風の舞う穀倉地帯の兄弟は、姉の結婚式場に土塁を積み、蜂蜜酒のボトルを使い、銃眼をこしらえる。

足の悪い後家は、大麦と小麦の種に尿をかけ、妊娠を知り、性別を知り、苦い選択を強いられる。

あなたは今夜、激しいまじりあいの果ての、まどろみを待ちながら、窓辺で雨音を聴いている。

 

一九四五年の極寒の二月、ベルゼン「休養」収容所のメニューは、結核、赤痢、チフス、餓死のアラカルトだった。

敬虔なマルゴットは、乳首にクリップを挟まれたまま、それでも神に感謝しつづけた、が、初潮を待ち望む妹は、失禁しながら、二枚しかない、下着の後始末を呪っていた。

姉妹を看取った、女教師は笑みを浮かべ、

「あなたがもし、当時のベルゼンに居たとして、指を四本切り落とせば、自由にしてやると言われたら、当然従ったでしょう、賭けてもいい」

と、シオニストの、女性インタビューアーを牽制した。

 

二か月後に、イギリス軍がベルゼンを解放したけれど、チフスの投網は広大で、その後も一万五千人が、日向まで十数メートルの、最期の旅に生涯をささげた。

しかし、マルゴットと妹は、英語さえ耳にすることなく、すでにひと月前、凍った死体の谷へ投げ棄てられていた。

華奢な骨は、砕けたポテトチップスのように、同胞とロシア兵の骨とまじりあい、ブルドーザーが掘り起こしたときには、フランケンシュタインの花嫁として、姉妹は荒地をさまよっていた。

                           

誰もが未来に対し孤独であるけれど、曜日が変わるように、女神もまた顔色を変え、それをうかがう男たちは、たちまちつまずき、坂道をころげ落ちてゆく。

空っぽな老人の落馬を願う前に、あなたは小便の柄杓を振るべきだ、奴らの墓穴から麦の代わりに、頓馬な草が生えるまで、あなたは市民からサボタージュし、小便の投網を打つべきだ、われとわが身を群衆から隔離するためにも。

 

外は雨が降っている。牛の目玉のような真っ黒い夜が、あなたを照らし出す。

怒りを伏せ、そっと馬上を振りかえれ。

国家とは、支配者集団の存在理由でしかなく、国民とは支配者集団の、バケツの雨音でしかない。

馬上の、カード遊びの尻馬に乗らないよう、血管に残留する、奴隷制の亡霊を火炙りに処せ、あなたのバターがマーガリンとすり替えられぬよう、馬上の空っぽな老人の糸引く言葉を食卓へ乗せるな。

 

妹の日記は、全世界の図書館に入ったが、マルゴットの日記は、未だ発見されていない。

しかし、一九六二年、台湾で地下出版された、彼女の日記の冒頭には、こう記されてあった。

「運命の秩序を狂わせるのは、あなたの足音、あなたの口笛、あなたの歯ぎしり――あなたの骨の軋みを、せいぜいあなどるなかれ」

これがでっちあげの贋作なのか、密告者も含め、みな白色テロに舌を抜かれ消えていった。

 

       二

 

発言権のない男たちが書きこむ、ねたみそねみのたわごとは、疫病を運ぶ、蚤と虱の行列だ、数万匹となれば虎さえ殺す。

ベルゼンのマルゴットと妹も、最期はフェノール注射じゃなく、尻までそげた身にたかる、蚤と虱のせいで死んだのだ。

シドが「ベルゼンのパーティーへ行こうぜ」と煽ったのは三十年後で、7インチは運転手をブラックジャックで植物状態にした、列車強盗がヴォーカルをとった。

同時期、ハリウッドでは、強制収容所を舞台とした、ハードコア・ポルノが量産されていた。

 

アムステルダムでの潜伏期、マルゴットはある夜、日記にこう書いた。

「馬上の空っぽを管理する行列へ、国家予算から靴ひもとメタンフェタミンが支給された。

広場の群衆へ、エリーザベト・ニーチェのピンナップと、対抗馬の人相書がばらまかれたのを、窓から見たと、妹から聞かされた。

わたしには、2サイズ小さい下着しかないというのに、馬上の空っぽな老人にたかるサンチョたちは、みな毛皮をまとい、あろうことか『持つ者には与え、持たない者からは奪え』と、交換ユダヤ人を値踏みしている。

 

神に発情し夜伽する女たちが、神をケツ持ちにした男たちの暴力を許す、寛容や慰めや、日記を書くことさえ許さずに――吐き気、吐き気、吐き気の行列に気が遠くなる。

思いおこせ、わたしはわたしの奴隷であってはならない。

蚤と虱の行列に並ぶなかれ、死と詩(ポエジー)の主人はわたしなのだ」                       

マルゴットの日記はここで、永遠に中断された。

 

       三

                                                

空っぽな老人と空っぽな男たちに、抒情詩の忍び込む余地はない。

互いに互いの空しさを占領した、畜生道にポエジーは転がっていない。

クリミアの塹壕に、天使の避妊具が落ちていないように、クレムリンの脱毛サロンに、魔女の縫い針は落ちていない。

 

貧しいものを解き放つのは肉体の労苦だけだ、ほんの少しのもので少年は幸せになれる、けれど、どれだけあっても空っぽな老人は満足できない、とっくに気が狂っているゆえに。

かくして人類は惨めである。

 

馬上の空っぽな蟻地獄が風を巻き、沈黙のマントに吹きこんでは、地獄めぐりの裏地をめくってみせる。

恨みつらみが組織化され、男たちが自らの空っぽを開放し、共存を望んだものたちを、しらみつぶしにコールタールへ沈める。

フリーダムとリバティーが、釣り合う世界を想像もできず、空っぽな男たちは、イザベル夫人の小箱を、山火事にくべるのだ。

ジャングルに埋もれ、餓死を待つ男たちが、サルの干し肉ではなく、生乾きの煙草の葉を掴んだように。

かくして人類はみじめである。

 

       四

 

クルックスは、AR15型ライフルに、二十年分の雨のしずくを込めた。

その銃弾は、馬上の空っぽな老人の耳たぶを貫通したが、未だベイト・ハナッシの執務室へ届いた知らせはない。

人を呪わば穴二つこそが、テロリストのアリバイであり、発言権のない男たちの道行きであるというのに。

 

今夜、詩人の言葉は空っぽな口から吹きこぼれ、足元の下水溝から、ネズミたちの尻尾を噛む、下水に放たれたアルマジロのように。

外は雨が降っている、牛の目玉のような真っ黒い夜が、あなたを照らし出す。

額を狙って、馬上を振りかえれ。

弱いものいじめを踏み絵とした、理屈も権利も、みな腐った親友の顔なのだ。

 

夜が明けたら、性犯罪者のニュースで髪を整えよう。魂を身に着け、下腹に勇気を差しこんで、あなたは明日の夜も雨に打たれるだろう、悲しむな、それこそが、あなたを満たす存在理由なのだ。         

三粒のライ麦が沈む、腐ったジャガイモの皮のスープに、性欲は洗いながされ、マルゴットと妹は、乙女のまま死んだ。

二〇〇二年、詩人の友人の資産家が、台湾版を翻訳し、限定十部の日記を地下出版した、その序文に、資産家の友人は、マルゴットの詩を捏造した。

 

愛国者は皆、国旗に包まれるべきだ。

愛国者は皆、厳粛に包まれるべきだ。

愛国者は皆、国樹に吊るされるべきだ。

ガソリンを浸した国旗に包まれ、山桜に吊るされ

愛国者は皆、一斉に燃やされるべきだ。

油蝉の死骸のように、威厳の臭気を漂わせながら。

 

今夜、性病のクリスマス・ツリーが、祖国を厳粛に照らす。

空っぽな市民は、国を憂う炎に酔い、馬上の空っぽな老人を万雷の拍手で迎える。

あなたは窓から見える炎にまどろみ、故郷の白い山脈を夢見る。

キリマンジャロの豹がそうだったように、十五歳の妹がそうだったように、わたしの日記のひだが、あなたの指でなぞられるように、ウエディングケーキが夜の雨に打たれ、崩れてゆくように。

 

 

(2026 0529)

 

 

 

 

なぜ、タイトルを変更しようと思ったのか?

「なんとなく」

今回の内容に合っていないような。

「BALLS」だと、イキっているような。

『火舌詩集Ⅲ』のタイトルにしようと考えていた「Metasequoia」(メタセコイア)のほうが、今回の内容にあっているような。

気がしたのだ。

 

それに、今回最後に置く「詩小説」短編に、メタセコイアが登場するし。

 

ま、「Metasequoia」も、かなりイキっている気もするが。

英字の字面はいいよね。

 

こんどこそ来年、自費出版したい。

処女詩集と比べ、厚さも2倍以上、部数は1000部を摺り、アマゾンで買えるようにするつもりだ。

そのためには、30万円は必要だ。

 

なんで、あなたには金を出してもらう。

ひと口1万円から。

見返りは、詩集と、詩集に入っている作品の生原稿1枚(2口なら2枚、3口なら3枚~)。

よろしく。

 

とはいえ、まだ、原稿はまとまっていない。

ゆえに、金を出してもらうのは、来年以降だ。

溜めておく時間はある。

 

今回の表紙は佐藤ブライアン勝彦のカラー作品だ。

中にも描いてもらう。

デザインも変わらず王様こと村藤治(テキサコレザーマンのギター)。

編集も変わらず、りっちゃんこと立花律子(『点千面』編集長)。

 

乞う御期待。

 

 

おやすみなさい。

食欲皆無。

どころか吐き気がする。

なんでこのまま薬を飲んで、また寝よう。

詩は1行ごとに、かなり体重をかけるから、消耗する。

今回の詩集の作品はみな、長いし。

 

今回、ケロッピー前田が、写真集『JOUMON TRIBE』を上梓した。

同い年として、友人として感激した。

同い年として、友人としてオレも頑張らねば。

なんで、いまは休もう。

よい夢を。

 

 

 

[曽根の掌編収録アンソロジー文庫発売中]

■曽根の掌編「牛乳屋のおんちゃん」も収録されているアンソロジー文庫本『フッハッ!な純文 鴎外から棒一まで』河出文庫/1,210円

■鴎外、芥川、太宰、安吾、織田作之助、町田康、他全21編

 

 

 

[NMIXXつれづれ草]

●Billieの実質的リーダーのムン・スア(Moon Sua/26歳)は、へウォンのKPOP界唯一の友人である。ムン・スアのほうも、常に、この年下の友人を大切に思っているのをストレートに表し、両ファンの表情をゆるますのであった。

 

●数年前、へウォンがインスタでムン・スアを友人として紹介した1週間後、ムン・スアの兄であるムンビンが自殺した。彼もまたKPOPグループASTROのメンバーだった。そのショックから、ムン・スアは休養にはいった。

 

●それでも彼女は、半年ほど経って復帰し、現在まで元気に頑張っている。その半年の間に、2人の間に何があったのか。それは語られていない。が、インスタの写真で、2人が遊びに出かけたり、コンサートへ一緒に行っていたことが知らている。

 

●復帰後から今にいたるまで、ちょくちょく映像や写真に現れるムン・スアだが、そのへウォンに対する信頼と愛情の深さっぷりは尋常じゃなく、よほど精神的に助けられたのだろうと勝手に想像してしまう。

 

●NMIXXと違い、中小事務所のBillieは、今回5年をかけて初フルアルバムを発表した。よくNMIXXと並び称される実力派アイドルであり、日本人メンバーも2人(ツキとハルナ)いる7人組グループだ。以下にテレビ・ライブを紹介する。

(ツキの魅力と実力は、KPOP界でもまれにみる逸材だ)

 

■WORK - Billlie /Music Bank] | KBS 260522 

●地獄を見たムン・スアも26歳となり、女っぷりが上がった。しかし、へウォンと一緒にいるときは、健気な女子となり、見ているこっちは年甲斐もなく、胸を熱くさせるのであった。

それにしても、へウォンという女は、すこぶる因果な女であり、とんでもなくエモい女なのであった。
(ひとりハンドマイクを握っているのがムン・スア)

 

 

 

[処女詩集販売中]

『火舌(かぜつ)詩集 Ⅰ ハードボイルド・ムーン』

著者:曽根 賢(PISSKEN)

ドローイング:佐藤ブライアン勝彦

 

判型A5/平綴じ/96ページ

部数:300部

税込み価格1320円

 

さて、販売方法だが、以下の2つの書店で、通信販売、また店頭発売します。

2書店のサイトを検索してもらって注文してください。

ネット注文できない私のようなひとは、誰かに頼んで注文しましょう。

 

※詩集には私のサインが入っています。

 

「タコシェ」

http://tacoche.comであれば要注意(ボーダーライン)、8.5pg/ml以(シングル小説もセカンド&サードも注文できます)

 

「模索舎」

http://www.mosakusha.com/

 

「阿佐ヶ谷ネオ書房」

※書店販売のみ

 

尚、くどいようだが、この処女詩集は、あくまで『火舌詩集』のⅠであって、今後あと2冊を発行します。

3冊合わせて『火舌詩集』となるので、ぜひコンプリートしましょう。

※「火舌」とは中国語で、火事の際、窓から吹き出し、壁を舐める炎をいう。

 

[サード&セカンド・シングル通販中]

●A面「PISS(INTO)MY HEROES」
●B面「七曲荘二〇三号室」

 

●セカンドシングルのジャケット。被写体は細菌学者の志賀潔。撮影は土門拳。

 (ファーストは売り切れ)

●1,600円(発送代込み)

 

●アドレス:pissken420@gmail.com

――以上へいったん、欲しい旨のメールをください。

(ファーストは売り切れ)
 

『キャンプ日和』(河出書房新社)

キャンプ小説&エッセイのアンソロジー。トリに曽根 賢の短編「二つの心臓を持つ川の縁で」が掲載されています。

 

『点線面』5号(ポンプラボ)

曽根 賢の特集と、論評風の新作エッセイが載ってます。詳しいことはネットで検索してください。

 

 

             

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[深雪荘日記]

 

●[連載第226回]

「我らの世代を看取る我らの世代の墓碑銘」

 

「テキーラと芝生」         

佐藤ブライアン勝彦●作品&文章

 

●最近はアメリカが公開したUFO映像ばかり見てます。

 

 

 

 

 

先週は、将棋教室の飲み会でした。

自分は3年ほど通えていないのですが、サプライズでハッピーバースデーを歌ってもらい、ケーキまでご馳走になりました。

ちょっと照れくさかったけど、嬉しかった。

 

そして、テキーラを飲み過ぎてしまい、頭から前のめりに芝生(※)へ倒れました。

去年芝生を貼ったのが大正解!

前の砂利だったら大怪我だった。

(※)かっちゃんのイタリアンレストランの芝生。

 

次の日、展示の依頼がありオッケーしました。

「そうなると、年末に四つ展示があるな」

来月から、少しづつ描いていかないとマズイのでは? と急に冷静に……。

 

今月はお店が忙しかったしと、自分に言い訳をしつつ、6月からやるぞと気合いをいれてます!

 

 

 

 

 

●今週の表紙代わりのNMIXXジウ(21)。実際にNMIXXが雑誌カバーとなった際の1枚。ソリュンよりも「ザ・アイドル」化の進んだヴィジュアル爆走中なのであった。

 

■NMIXX - Heavy Serenade  EP.929 | Mnet 260521 

●現在テレビプロモーションも2週目に入り、音楽番組で(新曲では初の)1位となった21日のライブ・パフォーマンス。世界中を回り、新曲のチャートも好調なだけに、堂々たる歌とダンス、なによりアイドルに磨きのかかった表情をお楽しみあれ。

 

 

 

 

BURST公開会議

 バックナンバーズ PUNK特集

「俺たちのパンクを語り尽くせ!」

2026/5/30(土) 20:00~ 22:00

イベント受付開始時間 2026/5/30(土) 19:30~

 

「今週土曜日、ぜひ遊びに来てちょうだい!」(曽根)

 

 

 

5月19日(火)鬼子母神は晴れ。

 

午後2時過ぎ、電話が入る。

Oからだった。

5年ぶりか?

これから遊びにゆくという。

カーナビ用の住所を言った途端、電話が切れた。

相変わらず、せっかちというか、荒っぽい男だ。

 

30分後、また電話が鳴る。

案の定、番地を聞き間違えて、離れた場所に駐車したようだ。

えらく怒ってる。

バカだ。

部屋を出て探しにいくと、坂の途中の日陰に座りこみ、タオルで汗をふいている。

 

ミニスーパーの「まいばすけっと」に寄ったようで、ぎっしり詰まったビニール袋2つが、足元にあった。

ひとつの袋には、ウイスキーが1本、氷、炭酸大ボトル2本、ビール6本パック、ハイボール缶が数本。

呑む気まんまんではないか。

 

もうひとつのビニール袋には、つまみの乾きもの、菓子、カップ焼きそばやカップ麺がわんさか詰まっていた。

怒り狂うOの代わりに、重い袋を両手に下げて、深雪荘へ坂をのぼった。

 

 

「暑い! クーラーつけて!」

Oはテーブルに座らず、壁に背をつけ、さっそくハイボール缶をあけて一気呑みする。

私はOへ座布団を3枚投げた。

 

さて、先々週から体調が崩れ、ずっと寝たきりだったわけだが、Oが呑もうと来たんだからしようがない。

私も缶ビールをあけ、チビチビ呑み始めた。

ただし、私は万年布団に寝そべりながらである。

週が明け、ようやく体調はもとに戻りつつあった。

 

高田馬場の馴染みの蕎麦屋で、盛りをたぐっているうちに、そうだ「ケンちゃんのとこへいこう」と思いついたんだそうな。

 

Oを待っているあいだ、私も思いついたことがあった。

「あ、そうか、やった、Oから金をもらえばいいじゃん」

 

そう、ここ1週間、寝たきりの暮らしをつづけながら、うっすらと思い悩んでいたことがあった。

どう考えても、今月はあと1万円が足りない。

煙草代を取ると、最後の7日間が、食費0円となるのだ。

(とっくに米も切らした)

 

「しようがない、この際、担当Tか、近くに住む砂丘くんか、大野さんかボスYに助けてもらおう」

そう決めたのだが、やはり、それを頼むのは気が引ける。

 

以前も、担当Tに食事を恵んでもらったことがあったが、あのときは2日間だった。

7日間では、もはや犬猫の世話じゃないか。

彼らも面倒でしようがないだろう。

(金をもらうんじゃなく、あくまで「食事」を恵んでもらうといったところがミソなのだ)

 

「ま、ギリギリになれば、いやがおうでも、誰かに助けをもとめるだろう」

と、いうわけで、ぼんやり不安を感じながら、ずっと寝たきり状態だったのだ。

(ま、不安といっても1日に数十秒だが)

 

それが、あっちからやって来たのである。

5年ぶりに。

カモネギだ。

 

さっそくOへ言った。

「ということなんで、1万円ちょうだい」

「あ? 現金なんて持ってねえよ」

 

金についての会話はこれだけ。

あとはもう交わさない。

阿吽の呼吸である。

 

 

[初めて読むあなたにOを簡単に紹介しておこう]

私が19歳、Oが18歳のときからの友人で、そのときOは京都の老舗ヤクザA小鉄会を1年で抜けて上京したばかり。

身長186センチ。

 

その後、Oは建築士となり、結婚し、現在は建築事務所社長。

成城に一軒家を持ち、他にマンションの部屋を多数所有。

ゆえに、Oから金を貰うのは当然だ。

ちなみにOは、同僚が殺された「井之頭公園バラバラ殺人事件」の第一容疑者だった。

 

 

1時間後、350mlの缶ビールを1本呑みきったあたりで、ようやく元気が出てきた。

そのあたりで、Oがウーバーでピザを頼んだ。

40分後、ピザとステーキとニョッキのチーズ・クリーム煮と、ポテトの山盛りが届いた。

 

切り分けられた牛肉を一口噛むと、

「ありゃ、こりゃ高価な肉だ」

と知れた。

よく見れば、ハーフ&ハーフのピザもチェーン店のそれとは違う。

 

訊けば、けっこうちゃんとしたイタリアンレストランへ頼んだという。

なるほど。

さすが、油はすべて高価なオリーブオイルしか使わない、と豪語するOだ。

私の友人は「食」にうるさい奴ばかり。

 

ピザは薄生地で、マルゲリータとチーズもの。

ピザにしろニョッキにしろ、チーズが旨い。

Oは手をつけないので、私が半分喰った。

 

ここずっと食欲は皆無だった。

が、ビールのおかげもあったろう。

いや、やはり旨いものなら喰えるのだ。

(残りはラップして明日の朝食兼昼食へ回す)

 

3本目の缶ビールを開けた。

 

 

[今週の曽根のお勧め作品/ザ・ローリング・ストーンズ「In The Stars」MV]

●7月10日発売される、ローリング・ストーンズの新譜『Foreign Tongues』からのシングル「In The Stars」のMV映像。

 

●なんと、御年82歳のミックとキース、そして78歳のロニーが、AIによる「ディープ・フェイク」によって、70年代のヴィジュアルでパフォーマンスしているのだ。ただし、はっきり顔を見せるのはミックだけで、キースやロニーの顔はチラ見せである。

 

●が、ミックはともかく、キースの顔ははっきりと似ていない。というか、AIまるだしなのだ。そもそも、キースのあのヘアスタイルはなんだ? あんなカッコ悪い髪型をしているキースを、わたしゃ見たことがない。髪質が違う。

 

●映像の色調や実際の人物までAI映像に見え、その曲や音さえAIに思えてくるあたり、さすがストーンズ、これこそR&Rを「極めた」バンドの姿なのかもしれない。キースのオープンGのリフなんて(映像あり)AIそのものじゃないか。

 

●ま、以下に72年のキースの姿をアップしておく。観ればわかる、さすがのAIも、全盛期のキースのヴィジュアルを(オリジナルで)生み出すことはできない。音もそうだ。ただし、それは現在のAIの限界であって、数年後はわからない。ま、われらの世代あたりまでが死ねば、あとは微妙な違いを指摘するものもいなくなるだろう。ジャニスやモリソンが蘇る姿を観られなくて、つくづくザンネンである。

 

■The Rolling Stones - Happy (From "Ladies & Gentlemen")

●このヘロイン時期のキースの歯はボロボロ。齢もかなり老けて見える。また、キースにしては髪型もメッシュもファッションもダサい。が、この「ハッピー」の演奏は素晴らしい。速い。悪い。病気。タフ。それがキースのカッコ良さだ。

 

 

 

 

 

 

午後5時、突然、池袋に用があるからついて来いという。

またまたOがウーバーでタクシーを呼び、池袋駅の東武デパートへと向かう。

Oの年上の友人のアーティストが、グループ展(※)を開いているという。

私のかっこうはまんま寝巻だった。

 

(※)第21回池袋モンパルナス回遊展『江戸川乱歩オマージュ絵画展/幻影城Ⅱ』

 

20分ほど見て回ったあと、歩いてメトロポリタン・ホテルのバーへ行く。

私の誘いだ。

オリエンタル急行の食堂車を模した店内を、詩にしたこともあり、Oと一緒に呑みたかったのだ。

(処女詩集を褒めてくれた2人のうちの1人がOだ)

 

ブラッディ・メアリーを呑もうかと思ったが、前に友人と呑み、それが友人との最後の盃になってしまったことがあった。

思い直し、マティーニを頼み、Oもそれにならった。

 

 

1杯だけ呑み、ホテル前からタクシーに乗って部屋へ帰る。

で、それからまた、だらだらと駄弁る。

写真でOの家を初めて見た。

Oと奥さんが設計したもんで、めちゃくちゃ凝っている。

 

3階建てで、京都の格子戸とか、吹き抜けの中庭とか、テーブルも椅子も2人の設計だという。

オーディオも凝っており、真空管アンプやら、三段スピーカやら、ジャズのレコードが千枚以上もあるそうな。

 

19歳と18歳のころは、Oの部屋で将棋を指しながら、何を駄弁っていたのやら。

あのころOが聴いていたのは、アナーキーやINUやモーター・ヘッドだったな。

変わらないのはヤクザな性分だけだ。

 

途中、ゼネコンの担当者から電話があり、その会話も口調もヤクザそのものだった。

「何言ってんだよ、ゼネコンの奴らこそヤクザもんなんだよ!」

1年で足抜けしたとはいえ、組にいた経験は、Oにとって貴重な財産だ。

 

 

午後8時、Oは代行を呼び、帰っていった。

で、帰るまえに、財布から1万円札を抜き取ると、はいと寄越した。

感謝をのべながらおしいただく。

 

独り暮らしになって14年、これまでOから貰った金は100万以上だろう。

ときに10万円とか、平気で「感謝をのべながらおしいただいて」きたのだから。

 

「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ、妻のない男は独りカップ麺を食(は)む」

 

おやすみなさい。

明日は大変だろう。

また、寝たきりが始まるやらもしれん。

ま、しようがない。

友あり、ネギしょって来る、また楽しからずや。

マルゲリータ、アート、マティーニ、ゼネコンとのディール。

で、ピン札の1万円。

 

なに、いろいろ知ったこっちゃない。

Oには、次の詩集を手渡せばよい。

それで、ちゃらだ。

Oの奥さんには幸あれかし。

あなたには。

よい夢を。

 

 

 

[曽根の掌編収録アンソロジー文庫発売中]

■曽根の掌編「牛乳屋のおんちゃん」も収録されているアンソロジー文庫本『フッハッ!な純文 鴎外から棒一まで』河出文庫/1,210円

■鴎外、芥川、太宰、安吾、織田作之助、町田康、他全21編

 

 

 

[NMIXXつれづれ草]

●23日、以前ソリュンが1年半以上MCを務めていた音楽番組で、ソリュンが特別MCをしたときの6人。あれだけダサかったヘアメイクもスタイリングもベスト。しかし、今回もまた、MCソリュンの手から1位のトロフィーを受けとることは僅差でかなわなかった。しかし、ファン投票は相変わらず驚異の満点であった。

 

 

■NMIXX- Heavy Serenade [Music Bank] | KBS WORLD TV 260522

●前日の22日は2度目の1位を獲得していた。パフォーマンスも素晴らしい。下は、トロフィーを貰ったあとのアンコールで、ダンベルを持ちながら歌う「アホな」6人。歌の「ヘヴィー」にひっかけた親父ギャグであった。

 

■ 「Heavy Serenade」(NMIXX Encore Facecam) Music Bank 260522

 

 

●自他共に認めるKPOPマスターであるリーダーのへウォンは、今回の「ヘヴィー・セレナーデ」録音映像で、KPOPのキモは「エモ」であると喝破した。

(23歳のへウォンは生まれる前の曲からでも、曲名を言われれば即座に歌うことができるKPOPの申し子だ)

 

●その「エモ」のためには、具体的に、最後のサビ前の「ブリッジ」が大事だという。いったんメロディーも音数もがっくりと落とし、その上でドカンっと大サビが爆発する。それが「エモ」であり、KPOPなのだと。

 

●つまり、リズムの反復、ヒップホップよりも、歌モノこそがKPOPの王道なのだと。あえてアジアン的歌ものの昔へ戻ろう、ただし、音と構成は最先端で――さすが61歳が認める「知性」をもつ我らがリーダーである。

 

●つまり、前回の「ブルー・ヴァレンタイン」も、今回の「ヘヴィー・セレナーデ」も、リーダーの指し示す星を目指した曲なのだ。からにして、あれだけ、ジウが両曲でブリッジを歌えることを喜び、ソリュンもへウォンもリリーも「サビ」を煌めく笑顔で歌うことができたのである。

(以下は録音ビハインド映像)

 

■NMIXX“Heavy Serenade” Recording Behind | Recording MIXX

 

 

 

 

[処女詩集販売中]

『火舌(かぜつ)詩集 Ⅰ ハードボイルド・ムーン』

著者:曽根 賢(PISSKEN)

ドローイング:佐藤ブライアン勝彦

 

判型A5/平綴じ/96ページ

部数:300部

税込み価格1320円

 

さて、販売方法だが、以下の2つの書店で、通信販売、また店頭発売します。

2書店のサイトを検索してもらって注文してください。

ネット注文できない私のようなひとは、誰かに頼んで注文しましょう。

 

※詩集には私のサインが入っています。

 

「タコシェ」

http://tacoche.comであれば要注意(ボーダーライン)、8.5pg/ml以(シングル小説もセカンド&サードも注文できます)

 

「模索舎」

http://www.mosakusha.com/

 

「阿佐ヶ谷ネオ書房」

※書店販売のみ

 

尚、くどいようだが、この処女詩集は、あくまで『火舌詩集』のⅠであって、今後あと2冊を発行します。

3冊合わせて『火舌詩集』となるので、ぜひコンプリートしましょう。

※「火舌」とは中国語で、火事の際、窓から吹き出し、壁を舐める炎をいう。

 

[サード&セカンド・シングル通販中]

●A面「PISS(INTO)MY HEROES」
●B面「七曲荘二〇三号室」

 

●セカンドシングルのジャケット。被写体は細菌学者の志賀潔。撮影は土門拳。

 (ファーストは売り切れ)

●1,600円(発送代込み)

 

●アドレス:pissken420@gmail.com

――以上へいったん、欲しい旨のメールをください。

(ファーストは売り切れ)
 

『キャンプ日和』(河出書房新社)

キャンプ小説&エッセイのアンソロジー。トリに曽根 賢の短編「二つの心臓を持つ川の縁で」が掲載されています。

 

『点線面』5号(ポンプラボ)

曽根 賢の特集と、論評風の新作エッセイが載ってます。詳しいことはネットで検索してください。

 

 

             

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[鬼子母神日記]

 

●[連載第225回]

「我らの世代を看取る我らの世代の墓碑銘」

 

「」         

佐藤ブライアン勝彦●作品&文章

 

 

届き次第、

アップします。

(月曜日中)

 

 

 

●今週の表紙代わりはもちろんNMIXX。現在、韓国の(毎日ある)音楽番組にて、新曲「Heavy Serenade」と、B面曲「Crecendo」のプロモーション中。

 

●新曲はチャート的に絶好調で、発売7日目の現在(17日PM5時)韓国メロン・チャートで16位、MVの再生数は、なんと3,800万回を超えている。

 

 

■NMIXX(엔믹스) “Heavy Serenade” Performance Video

「Heavy Serenade」のダンスを見せるパフォーマンス・ビデオだが、これはこれでMVとなっている。3年前の「ローラー・コースター」以来の女子高スタイルで、たぶんこれが最後となるだろう。巻頭のジウが眼帯をかけているのは、北米ツアーで結膜炎を患ったため。エヴァな雰囲気がある。

 

 

■NMIXX - Heavy Serenade | Music Core EP946 | KOCOWA+

●16日のプロモーション3日目のテレビ・ライブ。テレビ局側が彼女たちのヴォーカル力と曲構成をよく知っており、後半のソリュンとリリーの高音受け渡しのレベルをわざと上げているあたりプロフェッショナル。それにしても、NMIXXファン(NSWER)の野郎どもの雄たけびは野太いな。いいぞいいぞ。

 

 

BURST公開会議

 バックナンバーズ PUNK特集

「俺たちのパンクを語り尽くせ!」

2026/5/30(土) 20:00~2026/5/30(土) 22:00

イベント受付開始時間 2026/5/30(土) 19:30~

 

 

 

 

 

 

 

5月15日(金)鬼子母神は快晴。

 

今日は、池袋駅を往復せねばならない。

まだ、寝たきりが続いているというのに。

無論、タクシーなんぞは御法度だ。

 

そもそも、そんな金はない。

しようがない。

ストレッチャーに我が身を乗せ、池袋駅までのだらだら坂をのぼってゆく。

やけくそだ。

 

 

午後1時、池袋駅そばの役所へ行き、ケースワーカーよりアパート更新用の臨時金を受けとる。

その足で、帰り途中の銀行にて、更新料を振り込む。

 

馴染みのスーパーへ寄り食材を買う。

次いでコンビニへ寄り、部屋の保険料を振り込み、その用紙をコピーする。

郵便局へ行き、コピーや更新契約書やらをまとめ、不動産屋へ送った。

 

これで(たぶん)アパート更新の手続きが終わった。

ホッとし、食材の袋を下げて、重い足に無理を言いながら、深雪荘への急坂を上った。

このからだで、よく、池袋を往復できたと、自分を褒めながら。

 

 

[遅い朝食兼昼食]

●アイス・ミルクティー

 

 

いまだ食欲はない。

先週から体調を崩し、食事は1日に1回がつづいている。

アイス・ティーを飲み、煙草を吸い、万年床へ倒れこむ。

からだの痛み、特に尻の痛みがひどいので、早いが今日2度目のクスリを飲む。

 

そこへ、担当Tよりメールが入る。

昨夜遅くに、連載詩を送っていた。

それは、ここ数回試してしる「物語の断片詩」だ。

「陽だまりの食卓」と題した。

 

本来、30代40代男性への「応援歌」を求められているのだが、まったく「応援」になっていない。

今回は「散弾銃で女を撃った男」の、ある食事についての詩なのだ。

 

けれど、担当Tは「OK」してくれた。

ホッとする。

で、眼をつぶった途端、ストンと、枯れ井戸の奈落へ落ちていった。

 

 

[曽根の今週のお勧め作品/Florentenes&The JAM]

●右からヴォーカル、ギター、ベース、ドラム。まったくいけてないルックスだが、ま、音を聴いてみてちょうだい。

 

■Florentenes - Fuel for The Flame

 

■Florentenes - Miss Understands Visualiser

 

●マンチェスターから現れた、なんと15~17歳のバンドである。ヴォーカル&ギターが最年長の17歳で、もともとはアメリカはボストン出身とのこと。なのか、曲にストロークスやホワイト・ストライプスぽさ、またヴォーカル・スタイルにカート・コバーンがすけて見える。つまり天才だ。

 

●最新のライブを観たが、ヴォーカルだけじゃなく、他のメンバーの演奏力もすこぶる高い。おい、これが高校生(どうせ中退だろうが)の音なの? ほんとマンチェスターって凄いな。

(ドラムのルックスとプレイ・スタイルがキース・ムーンそっくり)

 

●ようやく先日、6曲入りミニアルバムを発表したばかりだが、すでに極東の61歳にまで届くんだからホンモノだ。曲の完成度、そのアレンジ力と演奏力の高さ、ブルース・サイケ・ガレージパンク・ドリーミーなパワーポップと、ロックIQはとんでもなく高い。英米の折衷音が聴ける。

 

●が、そのヴィジュアルが、映画に出てくる「ナード(オタク)」のまんまで、ステージも外連味に欠ける。同じ17歳でデビューしたジャムのポール・ウェラーと比べると、ロック的な「切迫感」が感じられないあたりも、ジャムから50年が経った21世紀26年の若者像なのだろう。

(ギターもベースも赤いリッケンバッカーを使っているあたり、当然ジャムがフェイバリットに決まっている)

 

●ま、以下のジャムのライブを観てちょうだい。その後、オシャレ道を突き進むポール17歳が、どれだけむちゃくちゃにリッケンバッカーをかき鳴らし、怒鳴りまくったシャウトを聴かせているか――やはり外連味と切迫感こそが、この手のロックのキモであると、61歳は理解するのだが、こんな物言いは老害に決まっているのであった。いや、マジで。
 

■The Jam Live Electric Circus Manchester 1977 Full 6 Songs In Correct Order Re-Edited

 

 

 

 

 

5月16日(土)鬼子母神は(たぶん)薄曇り。

 

おう、笑っちゃうな。

こりゃ、ひどい。

もう、むちゃくちゃだ。

さすがに昨日の池袋駅往復は、正気の沙汰じゃなかったな。

 

 

おやすみなさい。

とても起きあがれないんで、クスリに頼り、このままずっと眠っていよう。

電話やネットが切れている時期じゃなくてよかった。

先月末の時期にこの状態だったら、さすがに心細くてしようがなかっただろう。

 

いい季節だが、黄金週間が終わり、あなたも気づかず疲れているかもしれない。

こんなときは、金持ちも貧乏人も犬も猫もモグラも、ジッと横になっているしかない。

 

アル中病棟のベッドで寝たきりだった時期に、こんな詩を書いたっけ。

自分自身へ、こんな言葉をかけてやらねば耐えられなかったのだ。

(火舌詩集Ⅰ「HARD BOILED MOON」より)

 

 

「安息日」

 

男よ

ずいぶんと

ひどい目にあっているようじゃないか

 

お前にいま必要なのは

山羊のチーズと砂糖入りのミルク

それと倒れこむ寝床だけ

 

傷ついた虎が

象の背中に丸まって

水辺まで運ばれていくように

 

男よ

眠れ

吠えるのはそのあとだ

 

 

せめて、よい夢を。

 

 

 

[曽根の掌編収録アンソロジー文庫発売中]

■曽根の掌編「牛乳屋のおんちゃん」も収録されているアンソロジー文庫本『フッハッ!な純文 鴎外から棒一まで』河出文庫/1,210円

■鴎外、芥川、太宰、安吾、織田作之助、町田康、他全21編

 

 

 

[NMIXXつれづれ草]

●女子大で新曲を初めて披露したときのNMIXXジウ(21)。愛称「ミス・コリア」も板についてきた。

 

●今回の「ヘヴィー・セレナーデ」とB面「クレッシェンド」を聴くかぎり、NMIXXはあえて「新しいアイドル」ソングに舵を切ったようだ。つまり、反復ビートを棄て、ミキシングも(欧米用の)低音よりも、中音(ヴォーカル)を前に出し、複雑な音作りをしながらもサビはもろ「アジアン・アイドル」メロディーを採用、それも英語じゃなく韓国語で歌うってとこがキモである。だからこそ、私を含めたファンは「こうきたか」とうなったのであった。

 

 

NMIXX - Crescendo (Live At SBS Inkigayo 17/5/2026) 4K 

●テレビ・プロモーション第1週目は「ヘヴィー・セレナーデ」と、B面の「クレッシェンド」の2曲を披露している(ほら、大手事務所だから)。これだけ踊りながら、生のヴォーカルを聴かせるあたりNMIXXの面目躍如っぷりが素晴らしい。特に歌始めのジウには驚かされるだろう。

 

 

■Classical & Jazz Musicians React: NMIXX 'Crescendo'

●アメリカのクラッシック音大生が、KPOPの音を解説批評するというYouTube番組。いつもNMIXXの音に驚いている彼らだが、今回の「クレッシェンド」はクラッシック風なサビもあり、拍数や音デザインにことさら驚いている。

(英語だが、翻訳機能でなんとか理解できる)

 

 

 

[処女詩集販売中]

『火舌(かぜつ)詩集 Ⅰ ハードボイルド・ムーン』

著者:曽根 賢(PISSKEN)

ドローイング:佐藤ブライアン勝彦

 

判型A5/平綴じ/96ページ

部数:300部

税込み価格1320円

 

さて、販売方法だが、以下の2つの書店で、通信販売、また店頭発売します。

2書店のサイトを検索してもらって注文してください。

ネット注文できない私のようなひとは、誰かに頼んで注文しましょう。

 

※詩集には私のサインが入っています。

 

「タコシェ」

http://tacoche.comであれば要注意(ボーダーライン)、8.5pg/ml以(シングル小説もセカンド&サードも注文できます)

 

「模索舎」

http://www.mosakusha.com/

 

「阿佐ヶ谷ネオ書房」

※書店販売のみ

 

尚、くどいようだが、この処女詩集は、あくまで『火舌詩集』のⅠであって、今後あと2冊を発行します。

3冊合わせて『火舌詩集』となるので、ぜひコンプリートしましょう。

※「火舌」とは中国語で、火事の際、窓から吹き出し、壁を舐める炎をいう。

 

[サード&セカンド・シングル通販中]

●A面「PISS(INTO)MY HEROES」
●B面「七曲荘二〇三号室」

 

●セカンドシングルのジャケット。被写体は細菌学者の志賀潔。撮影は土門拳。

 (ファーストは売り切れ)

●1,600円(発送代込み)

 

●アドレス:pissken420@gmail.com

――以上へいったん、欲しい旨のメールをください。

(ファーストは売り切れ)
 

『キャンプ日和』(河出書房新社)

キャンプ小説&エッセイのアンソロジー。トリに曽根 賢の短編「二つの心臓を持つ川の縁で」が掲載されています。

 

『点線面』5号(ポンプラボ)

曽根 賢の特集と、論評風の新作エッセイが載ってます。詳しいことはネットで検索してください。