[深雪荘日記]
●[連載第206回]
「我らの世代を看取る我らの世代の墓碑銘」
「描く日々」
佐藤ブライアン勝彦●作品&文章
●赤ワインで8時間煮込んだスペアリブのパスタ。
●自家製ティラミス。
最近は、体調も良く、以前の様に朝の5時まで絵を描く日々が戻ってきた。
2月にグループ展があり、一つ目は『sho+1 ギャラリー』で「Before Spring」展。
(2026年2月3日から28日まで)
そして二つ目が、2月中旬から東京『大丸』で。
しかし、あと1ヶ月しかないのに、まだ一枚も完成してない。
なぜなら、絵と、ドローイングは、頭を切り替えないと描けないので、なかなか難しい。
そんな感じで、今年の終わりも絵を描いて終わりそうです。
来年もよろしくお願いします!
みなさん良いお年をお迎え下さい。
●今週の表紙代わりのNMIXXのベイ(左)とソリュンの自撮り写真。ベイは先日誕生日で、ソリュンと同じ21歳となった。
●『ハリウッド・リポーター』(米エンタメ誌)が、NMIXXのシングル「Blue Valentine」を、2025年のベストK-Popソングに選出した。
●「ブルー・ヴァレンタイン」MV
●「疑問の余地はありませんでした 。「Blue Valentine」 は間違いなく、2025年のベストK-Popソングでした。
● NMIXXは多様で折衷的なディスコグラフィーを築いてきましたが、「Blue Valentine"」はシンセとギターの完璧なスイートスポットを見つけ、唯一無二のトラックを生み出しています。
●驚くことなく、この曲は6人組ガールズグループに長らく待ち望まれた国内での成功の瞬間をもたらし、韓国でチャートを席巻しました。
●K-PopでNMIXXのように一貫してエキサイティングでジャンルを曲げるような音楽をリリースしているグループは他にいません。彼らはこのジャンルの真の光の道標です」
●「SPINNIN'ON IT」MV
12月27日(土)鬼子母神は晴れ。
正午起床。
昨日は毎月恒例の『BURST公開会議』ライブで、その後、その場で忘年会が開かれたのだが、参加せず、すぐに帰った。
で、早めに寝たのだが、寒くて眠れない。
しょうがなく暖房をつけて、朝方にようやく眠れた。
[朝食兼昼食]
●鶏肉うどん(卵、生ワカメ、ネギ)
●みかん
●板チョコ半分
●ミルクティー
先週21日の日曜日、今年の1月にやったバンド朗読のCD発売記念演奏が、阿佐ヶ谷のライブ・バーで開かれた。
ピスケン(曽根 賢/朗読)、ケロッピー前田(ディジュリドゥなど)、TSOUSIE(朗読)、イヌイジュン(ドラム)、釣崎清隆(ベース)、Hyozo(キーボード)。撮影は石田昌隆。
●ツージーは、私の処女詩集から3篇朗読するパフォーマンスを見せてくれた。
どうにか無事に終え、そっこう帰宅した。
翌日、前田くんからメールがあった。
なんと、昨夜、客に「戸川純」がいたという。
その名前を見た瞬間、
「あっ? あのひとがそうか!」
と声が出た。
彼女は乾さんが連れてきて、リハの段階から我らを観ていた。
が、からだが相当悪いようで長椅子に半分寝ていたのだ。
しかし、その時点で、彼女が戸川純だなんて、私たちには認識できなかった。
それだけ見た目が、よく呑み屋で見る「アル中で脳委縮が進んだ(あまりに私はそういう人を見すぎた)、もしくは薬毒でからだの悪い太ったオバサン」に映ったのだ。
(彼女には悪いが、顔がひどくむくみ、話し声や所作も脳委縮や薬毒のそれだった)
愕然とした。
まさか、あの天才パフォーマー戸川純の前で、スターリンのドラマー乾純をバックに詩を朗読する日が来るとは。
どちらも、私にとっては80年代のカルチャー・アイドルである。
特に戸川純は、これまでよく公に発言してきた通り、
「戸川純特集をしなかったことだけが、バースト編集長としての心残り」
なんであるからにして。
話しがしたかったが、しようがない、やはり縁がなかったのだ。
夕方、大野さんが電話をよこした。
昨夜ライブに来てくれ、その際、あまっている毛布をくれると言ってくれたのだが、さっそくこれから運んでくるという。
30分後、大野さんが車でやってきた。
(深雪荘の隣りがパーキングなのだ)
肩にのせて運んできたそれは、上等の、ダブル・ベッド用の、毛足の長い、グレーの毛布だった。
2カ月前に、やはり大野さんは、新品のマットレスを贈ってくれていた。
で、次いで中古といえど、新品同様の毛布を用意してくれたのである。
「いい友人とは、ものをくれる友人だ」
とは、兼好法師の「血の叫び」だったことが知れる。
2時間ほど駄弁って、大野さんは帰っていった。
その後、近くのミニスーパー「まいばすけっと」へ、煙草と牛乳を買いにいった。
その際、つい魔がさして、ビールのロング缶3本を籠に入れてしまった。
なんとなく、むしゃくしゃしていたのだ。
(たぶん、戸川純の前で朗読したという事実が、ボディブローとなっていたのだ)
「ま、半年ぶりだ、これくらい大丈夫だろ」
大丈夫じゃなかった。
●評論家の後藤護さんをゲストに、初の「ゴス特集」のトークライブとなった。釣さんが酔ってグダグダとなり楽しかった。
●大野さんと久しぶりにピスケン流ファック・サインを。
けっこう『BURST』が、日本のゴス・カルチャーに関わっていたことが知れ新鮮だった。まあ、死体写真家と身体改造家の「ゴス極右とゴス極左」に挟まれていたのだから当然か。
トークライブ後、いつものように、前田くんと詩の朗読をした。
今年最後の朗読、「歳の瀬」用の、短い新作詩を読んだ。
(ふと、おとつい書いた)
あなたへ語る、今年最後の詩である。
「歳の瀬に死にゆく男へ」
あなたはふところに、露店で買ったキャンディー・ストライプの蛇をしのばせ、
師走の風に巻かれながら、寄る辺のない夜の街をさまよう。
自由なんて、失うものを無くすだけなのに、なぜあなたは12月の弾倉へ、
悔恨の銃弾を一発こめているのだ。
過去を終わらせても、過去は終わらせてはくれないというのに。
ここに大いなる問いを孕んで、生まれた女がいる。
アルミのスプーンを咥え、生まれてきた男がいる。
空爆で暗殺された、二十四歳の女性写真家がいる。
年を越せず、粥と笑みをこぼしながら、死にゆく男がここにいる。
有閑階級の消費と、労働者階級の生産、その単純な路線図を指でなぞり、
略奪文化の進化と、奴隷文化の退化、その単純な時刻表に耳を澄ます男たち。
年越しも、あなたの決心は、花火を眺める橋の上の野営テントに籠るのか。
師走の風が、あなたの沈黙の黒いコートに吹きこみ、派手な裏地をめくってみせ、
キャンディー・ストライプの蛇を寒風に晒す。
炎はたった一つの火種から、始まるというではないか。
歳の瀬に死にゆく男へ聞かせてやれよ、
一匹の蛇の棲家のために、天は数々の奇跡の堆積を作ったと。
ならば、あなたは天を仰ぎ、辛抱強く、矛盾の切り株でとぐろを巻け。
そろそろサッシ窓を蹴破って、朝日の車輪が襲ってくるだろう。
身を捨ててこそ、浮かぶ歳の瀬もあれ、とうそぶく声がする。
知的な人物を知るなら、あなたは十分に知的なのだ。
氷雨が雪に変わる深夜、コートの下で音を立てず脱皮しよう。
楽しめない夜、沈む朝、素っ裸で歩む日々よ。
キャンディー・ストライプの蛇を握りしめ、無言劇の舞台から飛び降り、
死にゆく男に抱かれよう。
あなたの声こそが、詩人たちを呼び覚ますのだ。
あなたの足音こそが、死にゆく男を受け入れさせるのだ。
馬上の空っぽな老人どもには空っぽな死を。
[今週の曽根のお勧め作品/正月に観るべき、これぞ現代アメリカの戦争映画3本]
1)クリストファー・ノーラン監督『オッペンハイマー』(2023年)
2)アレックス・ガーランド監督『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024年)
3)キャスリン・ビグロー監督『ハウス・オブ・ダイナマイト』(2025年)
●1は、結果的に広島長崎へ落とされた原爆開発を指揮し、その後「原爆の父」とも呼ばれたロバート・オッペンハイマーの苦悩を描く。
●2は、内戦が勃発した近未来のアメリカを舞台に、NYからホワイトハウスへと向かう4人のジャーナリストを描く。
●3は、謎の国から1発の大陸間弾道ミサイルがアメリカへ飛んでき、その発見から着弾までの15分間の当局者対応を、3場面で描く。
●3本とも映画として面白いし、内容はまさに「たった今のアメリカ」を描いた問題作ばかりで、最早ホラーとも感じる場面局面に圧倒された。それぞれ構成スタイルも違い、眼が離せない。
●あえて、この3本を一気観する正月をお勧めしよう。シリアスに緊迫した、スリリングな正月酒も、なかなかおつなもんだよ兄弟。
トランプのバカのせいで、アメリカ国民がバカにされるのを、日本の生活保護受給者である私がバカにするのを、ガザの子どもたちが知る由もないことを、やはり北朝鮮国民は知る由もないし、ましてやトランプが顧みることはない。
笑っているのは、プーチンのバカだけだ。
空っぽな男たちの胸を埋めるのが、空っぽな老人であり、その老人の空っぽを埋めるのが空っぽな男たちである「がらんどうの行ったり来たり」がポピュリズムなわけだが、そんな「風船オジサン」たちも、じきに空に消え去るのみ。
残るのは、首吊りの行列をつくる男たちだけだ。
空を見上げる子どもみたいに、口をぽっかり開いたまま。
とはいえ、空っぽな胸を埋めようとするのは当然だし、バカにすることはできないが、それが空っぽな老人であったり、そもそも政治を信じるバカだからだと、自らを冷笑したまえ。
女やゲイや堕胎を許さないのは教義を信じるバカだし、金持ちを信じるのは楽天主義を信じるバカだし、オカルトやスピリチュアルを信じるのは自分の五感を信じる大バカだからだ。
なんて、ま、以上の独断は還暦なりのサービスで、本当にいいたいのは、皆「ほどほど」に信じろってことだ。
自分を信じるにしろ、他人の主義主張を信じるにしろ、いい大人なら皆「ほどほど」にさ。
なんどでもいうが、弱い者いじめを土台にした主義主張は、すべてまやかしであり、ダサい呪い、おめでたい梅毒だ。
せいぜい鼻がもげないよう、他人の言葉も自分の言葉も鼻で嗤って、新春を迎えてほしい。
私の言葉は、まあ、よろしい。
ということで、以上のように酔っぱらって混乱したまま、ロング缶3本を呑み干していった。
つまみは以下の通り。
●三角チーズ
●サラミ
●エビ天2本・キス天・ナス天・小柱かき揚げを、塩で。
で、〆は、
●たらこ&しらす干し&梅干し&海苔茶漬け
昨日、午後3時、池袋のクリニックをライブ前に往復した。
帰りに、天ぷら屋と、ドーナッツ屋と、和菓子屋へ寄る。
その後、ボスYの事務所へ寄り、ドーナッツの箱とみたらし団子3本を渡す。
21日朗読ライブで客へまいた、朗読詩のプリント作成のお礼である。
(ドーナッツは息子へ、みたらし団子は奥さんへ)
深雪荘に戻り、隣の大家さんのポストへ、家賃と一緒に「栗羊羹」ひと棹を落とす。
で、その後、阿佐ヶ谷のタバサへ向かったのであった。
つまみの天ぷらは、うどん・蕎麦用に買ったものを、一気に喰ってしまったわけだ。
おやすみなさい。
実は以上を、今日29日(月)に書いている。
今年も休まず、毎週日曜日にブログをアップしてきたのだが、最後になって〆切りをオーバーしてしまった。
それもロング缶3本のせいだ。
翌28日(つまり昨日日曜日)、吐き気が止まらず、一日中、めちゃくちゃに具合が悪かった。
とても、ブログを書ける状態ではなかったので、早めに諦め、本格的に寝込むことにしたのであった。
ま、今日もまだひどい。
ゆえに、いつも以上に無茶苦茶な文章の乱れには眼をつぶってほしい。
(吐き気を意識いないよう焦って書いているのだ)
さっき、シギーがメールをくれ、自分も昨夜むしゃくしゃしてビールを呑み、部屋で転んで大変だったという。
お互い、「独居」還暦男なのであるからにして(実は61歳だから還暦超え)、来年はより気をつけて暮らしていかねば。
とはいえ、独居老人は、どうしても「むしゃくしゃ」しがちなのではあるが。
今年も、私の愚痴を根気よく聞いてくれたあなたに感謝する。
懲りずに、ぜひ来年も、たまにはここを覗いてほしい。
歳の瀬に、新年に、死にゆく男のためにも、健康な頭で生きてちょうだい。
厚いマットレスと上等の幅広な毛布に、サンドイッチされた寝床は温かい。
(これまでの毛布をシーツ代わりに敷いて)
枕元には、リンゴとみかんとバナナと柿を盛った平鉢もある。
来年も御贔屓のほどを。
馬上の空っぽな老人どもには空っぽな死を。
よい年を。
よい夢を。
[NMIXXつれづれ草]
●上の段は15歳前後のメンバー写真(ほぼ中学生)。下段は現在(上は22歳下は19歳)。
●2022年、いわゆる「第4世代」のガールズ・グループが揃い踏みし、その中から、IVE、ルセラフィム、ニュー・ジーンズがロケット・スタートした。が、期待されたNMIXXは、「MIXPOP」という造語をかかげ、トリッキーな曲を連発、チャート的には轟沈したのであった。
●デビュー曲「O.O」のMV
●なにせ、イギリスの大衆紙では「史上最悪のデビュー曲」とけなされ、KPOPアイドル好きからすると、NMIXXは恥ずかしいという気分が醸されていったのであった。
●しかし、私のように、そのクリエイティビティ、歌と踊りのずば抜けた実力、なによりも、とんでもなく色気のない、ちんちくりんなメンバーの、大いなる魅力に頭をわしづかみにされたファンたちは、次第に硬い硬いファンダムを形成していったのであった。
●で、2025年、満を持して彼女たちの音楽は花開いた。シングルが初めて国内チャート1位を獲り(それを1か月保持する大ヒット)、3月のミニアルバム&10月の初のフルアルバムが、世界的に評価され、いちやく世界のユース・カルチャーの旬に参入したのである。
●「ブルー・ヴァレンタイン」パフォーマンスMV
●念願の国内チャート1位を獲ってからの6人は、明らかに顔つきが変わった。次は米ビルボード・チャートのトップを狙う目つきに画竜点睛が入ったのである。
●今年はまさにNMIXXの飛躍の年であったし、ファン冥利につきる1年であった。NMIXXの絶頂期5年間の1年が今年であり、これからの4年で、どれだけ世界のユース・カルチャーを「MIXPOP」で攪拌するのか楽しみでしょうがない。
●今からでも遅くない。あたなも今からNMIXXを眼に耳にしてみよう。YouTubeには、彼女たちのコンテンツがテンコ盛りとなっている。5本も観れば、6人それぞれの性格も知れるだろう。もうそのときは、ヘロイン同様の肉体依存となっているはずだ。ぜひ、あなたとNMIXXを語る日が来ることを熱望する。
[処女詩集販売中]
『火舌(かぜつ)詩集 Ⅰ ハードボイルド・ムーン』
著者:曽根 賢(PISSKEN)
ドローイング:佐藤ブライアン勝彦
判型A5/平綴じ/96ページ
部数:300部
税込み価格1320円
さて、販売方法だが、以下の2つの書店で、通信販売、また店頭発売します。
2書店のサイトを検索してもらって注文してください。
ネット注文できない私のようなひとは、誰かに頼んで注文しましょう。
※詩集には私のサインが入っています。
「タコシェ」
http://tacoche.comであれば要注意(ボーダーライン)、8.5pg/ml以(シングル小説もセカンド&サードも注文できます)
「模索舎」
「阿佐ヶ谷ネオ書房」
※書店販売のみ
尚、くどいようだが、この処女詩集は、あくまで『火舌詩集』のⅠであって、今後あと2冊を発行します。
3冊合わせて『火舌詩集』となるので、ぜひコンプリートしましょう。
※「火舌」とは中国語で、火事の際、窓から吹き出し、壁を舐める炎をいう。
[サード&セカンド・シングル通販中]
●A面「PISS(INTO)MY HEROES」
●B面「七曲荘二〇三号室」
●セカンドシングルのジャケット。被写体は細菌学者の志賀潔。撮影は土門拳。
(ファーストは売り切れ)
●1,600円(発送代込み)
●アドレス:pissken420@gmail.com
――以上へいったん、欲しい旨のメールをください。
(ファーストは売り切れ)
『キャンプ日和』(河出書房新社)
キャンプ小説&エッセイのアンソロジー。トリに曽根 賢の短編「二つの心臓を持つ川の縁で」が掲載されています。
『点線面』5号(ポンプラボ)
曽根 賢の特集と、論評風の新作エッセイが載ってます。詳しいことはネットで検索してください。


































