ついに最終日がやってきた。
もう今日を逃したら、石を持ち帰ることは出来ない。
だが私の意地が手ぶらを許さない。
絶対に、パリの石 を持って帰るのだ。
パリでは
同時期に開催されたボルドーの大道芸フェスティバルを視察し終わり
一足先にパリ入りをしていたH氏と合流。
合計3人のパーティーになった私達は
それぞれお目当てのお店に行った後
特に行く宛てもなく、揃ってパリの街並みをブラブラし始めた。
何しろ、帰国フライトが今夜23時過ぎ。
19時にホテルを出発する乗合タクシーで空港に向かえば
チェックインに十分間に合う。
このブラブラ時間が私には重要なのだ。
とにかく、何がなんでも今日中に石を拾い上げなければ!
しかし、午後になっても
しかし、午後になっても
夕方になっても一向にお目当てのものは入手できなかった。
どこを歩いても、アスファルトと石畳しかない。
どこを歩いても、アスファルトと石畳しかない。
たまに路傍に石が落ちていても
そこはパリ市民の愛犬の公衆トイレと化しているデンジャラスゾーン。
これではタレガの二の舞である。
こうなったら
「石畳でも剥がして持って帰ったろうかぃ!」
と、まで意気込んでくる。
トレビアンな石でなくてもいい。
とにかく石を拾って帰りたい。
ここまでくると、まるで石依存症だ。
そうこう焦っている内にも時間は無常に流れていく。
すると、同行者の2人が私に
すると、同行者の2人が私に
「最後に行きたいところはないか?」 と尋ねてきた。
あと1時間ほどでホテルに戻らねばならないのだ。
思わず 「石が拾える場所」 と言いかけて、慌てて言葉を飲み込んだ。
もう石以外、何も思い浮かばない。
そんな様子を見かねてか、N氏が口を切った。
「じゃぁ、Kさんが紹介してくれたところに行きましょうか?」
日本を発つ前にK氏から
パリ市街で、あの“ゴルチェ”がパンで作った衣装の展示会をしているので
その斬新な発想を是非見に行くといい、というお勧めがあったのだ。
パンで作った衣装は、脱いだ後に食べられるのだろうか?
フランスだからパン生地はやはりフランスパンかクロワッサンか?
などと、他愛のないことを想像しているうちに、教えられた住所へ到着。
だが、会場の扉は固く閉ざされている。
何故?
このメンバーで唯一フランス語が解読できるN氏が、入口の看板を見て言った。
「・・・休みだってよ。」
疲れた足に鞭打ってここまで来たのに、クローズとは・・・。
ホテル帰還まで時間も残り僅か。
もう、どこにも行く宛てがない。
そして、石を探しにいく時間もない。
私の任務は、もはやここまでかっ?!