バルセロナに1泊した翌日の午前
ホテルに荷物を預け、すぐ側の地下鉄駅から目的地へ向かった。
10分程で目的地の駅に到着。
改札口を出て階段を上がると、すぐ目の前に雄大な建物が見えた。
サグラダファミリア教会だ。
1882年に着工して以来
120年以上の時を経た現在も作業が続いているこの教会は
ガウディの手掛けた作品の中でも特に有名である。
その美しい建物に魅了されながらも
その美しい建物に魅了されながらも
私の心は当然 石拾いミッションに向かっていた。
入場ゲートをくぐり、まず最初のフロアを訪れると
入場ゲートをくぐり、まず最初のフロアを訪れると
ヘルメットをかぶったオジさんたちが
礼拝堂の装飾品だと思われるパーツを作っていた。
白く四角い大きなコンクリートの塊を、一定の大きさにカットし
その上から、不揃いに砕いた青いタイルを貼り合わせて、装飾品に仕上げていく。
見学者は皆、忠実に作業を続ける姿や
ガウディ独特の色合いやフォルムを描く装飾品に関心を抱いている。
しかし私は
この作業工程で余った青いタイルに、ひたすら関心を抱いていた。
あのタイルの切れ端を拾いたい。
このタイルは、これから何10年、何100年と
この美しい建物を飾り続ける装飾品の一部である・・・
なんてステキな肩書きじゃないか!
しかし、現場は工事用の柵で覆われているので
見学者は近くまで寄ることは出来ない。
黙々と作業を続けるオジさんたちの足元に転がる切れ端に
かなり後ろ髪を引かれながら、私は渋々その場を後にした。
教会の地下に降りると、小窓越しにガウディの墓碑が見えた。
彼は今もこの地で、静かに、建築作業を見守っている。
そんな厳かな雰囲気に包まれながらも
頭の中は石のことでいっぱいな私。
素晴らしい建物や貴重な資料を、落ち着いて見ることもなく
あわよくば、現場の部品をくすねて帰ろうと企む観光客の姿に
ガウディもさぞかしガッカリしていることだろう。
見学コースを一周した後
見学コースを一周した後
最後に 「せっかく来たのだから」 と
建物の一部にある展望場まで昇ることにした。
有料のエレベーターは、狭い上に込み合っていたので
思い切って階段を使用。
しかし、すぐに後悔した。
続に言うコーン状の細長い塔を昇るのだが
構造上、細長い螺旋階段しか作ることができないので
無料コースを選んだ観光客は
1列に並んで黙々と昇り続けなければならない。
息も絶え絶え、時折やってくる目眩と閉所恐怖と戦いながら
一段一段をひたすら昇り続ける。
ようやくたどり着いた展望場からは
清々しい風と、美しい街並みと
最近出来たばかりの、ロケットそっくりな形をしたバルセロナ水道局の建物が見えた。
そして、すぐ目の前にはこの教会を飾る数々の彫刻が。
シュールなものもあれば、聖書の一説を具像化したようなもの
そして平和の象徴である白いハト。
しかしこの時、私の頭に浮かんだことは
展望場から見える絶景への賛美ではなく
「もう目の前にあるハトでもいい、この彫刻をもぎ取って土産に持って帰りたい!」
だった。
こうして苦労して昇った塔を、帰りも同じく徒歩で降り
軽い目眩を感じながらようやく地上に到着した時には
すでに体力も限界。
もう、石採取する気力すら残っていなかった。
いや、たとえ余力があったとしても石を入手することは不可能だった。
なぜならば、サグラダファミリアの外周や中庭の通路は
アスファルトで舗装されていて小石すら落ちていなかったから・・・。
またしても、ショック!ミッション大失敗。
後で気が付いたのだが、石拾いをするなら海にいけば良かったのだ。
電車で少し移動すれば地中海がある。
まさに、絶好の石拾いポイントじゃないか。
しかし、その日は夕方からフランスに移動する予定だったので
しかし、その日は夕方からフランスに移動する予定だったので
この後のスケジュールもギッシリ詰まっていた。
地中海に出かける時間はない。
まさに後悔先に立たず。
結局、私はその後も各所で “ベリーグッドな石”を入手することができず
結局、私はその後も各所で “ベリーグッドな石”を入手することができず
無念な気持ちを抱きながら、夕方の便でバルセロナの空港を発った。
スペインの石は拾えなかった。
こうなったら国を変えて“花の都 パリの石”を拾うしかない。
明日がラストチャンス。
私の意地にかけて トレビアンな石 をゲットしようじゃありませんか!