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リハビリの為のタイピングブログ

■2023年に公開(または再上映)して劇場鑑賞(または配信鑑賞)した作品

計126本 (うち短編5本/リバイバル上映14本)

※(短)…短編作品 / (R)…リバイバル上映

 

(12月) 12本
・PERFERCT DAYS - 4.0 
(伏見ミリオン座)

・ファースト カウ - 3.7 (伏見ミリオン座)

・TALK TO ME トーク トゥ ミー - 3.6 (イオンシネマワンダー)

・ほかげ - 3.5 (シネマスコーレ)

・ナポレオン - 3.9 (109シネマズ名古屋)

・市子 - 3.5 (伏見ミリオン座)

・(R)ブラック レイン - 3.6 (ミッドランドシネマ名古屋空港)

・(R)ゴーストワールド - 3.8 (伏見ミリオン座)

・VORTEX ヴォルテックス - 3.6 (伏見ミリオン座)

・(R)夢二 - 3.7 (伏見ミリオン座)

・エクソシスト 信じる者 - 3.7 (ミッドランドシネマ名古屋空港)
・鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 - (ミッドランドシネマ名古屋空港)

 

(11月) 8本
・(R)陽炎座 - 3.8 
(伏見ミリオン座)

・(短)パン種とタマゴ姫 - (三鷹の森ジブリ美術館/映像展示室 土星座)

・首 - 4.0 (中川コロナワールド)

・(R)ツィゴイネルワイゼン - 3.9 (伏見ミリオン座)

・(短)めいとこねこバス - (ジブリパーク/ヲリオン座)

・SISU/シス 不死身の男 - (伏見ミリオン座)

・ゴジラ-1.0 - 3.9 (イオンシネマワンダー)

・(R)暗殺の森 - (ミッドランドシネマ名古屋空港)

 

(10月) 9本
・愛にイナズマ - 4.2 
(イオンシネマワンダー)

・(R)台風クラブ 4Kレストア - (センチュリーシネマ)

・キラーズ オブ ザ フラワームーン - 3.8 (イオンシネマ岡崎)

・アンダーカレント - 3.7 (センチュリーシネマ)

・月 - 3.8 (伏見ミリオン座)

・春画先生 - 3.7 (中川コロナワールド)

・コカイン ベア - 3.8 (伏見ミリオン座)

・白鍵と黒鍵の間に - 2.4 (伏見ミリオン座)

・ヒッチコックの映画術 - 2.0 (伏見ミリオン座)

 

(9月) 10

・ミュータント タートルズ ミュータント パニック! - 3.6 (中川コロナワールド)

・PIGGY ピギー - 3.7 (センチュリーシネマ)

・アステロイド シティ - 3.7 (伏見ミリオン座)

・(R) パーフェクトブルー - 4.0 (センチュリーシネマ)

・戦慄怪奇ワールド コワすぎ! - 3.5 (イオンシネマワンダー)

・福田村事件 - 3.7 (ミッドランドシネマ名古屋空港)

・(短) 星をかった日 - (三鷹の森ジブリ美術館/映像展示室 土星座)

・(R) ポエトリー アグネスの詩 - 3.9 (ミッドランドスクエアシネマ2)

・(R) グリーン フィッシュ - 3.8 (ミッドランドスクエアシネマ2)

・(R) ペパーミント キャンディー - 3.8 (ミッドランドスクエアシネマ2)

 

(8月) 14本

・ファルコン レイク - 3.9 (センチュリーシネマ)

・(短) 毛虫のボロ - (ジブリパーク/オリヲン座)

・イ チャンドン アイロニーの芸術 - 3.7 (ミッドランドスクエアシネマ2)

・クエンティン タランティーノ 映画に愛された男 - 3.3 (伏見ミリオン座)

・クライムズ オブ ザ フューチャー - 3.4 (ミッドランドスクエアシネマ2)

・オオカミの家 - (センチュリーシネマ)

・(短) 骨 - (センチュリーシネマ)

・(R) エドワード ヤンの恋愛時代 4K レストア版 - 3.7 (センチュリーシネマ)

・ミンナのウタ - 3.5 (イオンシネマワンダー)

・バービー - 3.9 (イオンシネマワンダー)

・(R) ニンフォマニアックvol.1 完全版 -  (シネマスコーレ)

・セフレの品格(プライド) 決意 - 3.6 (ミッドランドシネマ名古屋空港)

・マイ エレメント - 3.8 (中川コロナワールド)

・(R) イディオッツ - 3.6 (シネマスコーレ)

 

(7月) 10本

・イノセンツ - 3.1 (ミッドランドシネマ名古屋空港)

・セフレの品格(プライド) 初恋 - 3.6 (ミッドランドシネマ名古屋空港)

・ヴァチカンのエクソシスト - 3.6 (小牧コロナワールド)

・CLOSE - 3.7 (ミッドランドシネマ名古屋空港)

・君たちはどう生きるか - 3.4 (イオンシネマ名古屋茶屋/ミッドランドシネマ名古屋空港)

・小説家の映画 - 4.1 (伏見ミリオン座)

・Pearl パール - 4.0 (センチュリーシネマ)

・マルセル 靴をはいた小さな貝 - 3.5 (伏見ミリオン座)

・ウーマン トーキング 私たちの選択 - 3.7 (伏見ミリオン座)

・青いカフタンの仕立て屋 - 3.5 (伏見ミリオン座)

 

(6月) 11本

・リバー、流れないでよ - 3.9 (ミッドランドスクエアシネマ)

・同じ下着を着るふたりの女 - 4.0 (シネマスコーレ)

・アシスタント - 3.0 (センチュリーシネマ)

・(R) アラビアのロレンス/完全版 - 3.7 (ミッドランドスクエアシネマ名古屋空港)

・ザ フラッシュ - 4.1 (イオンシネマワンダー) (109シネマズ名古屋)

・スパイダーマン:アクロス ザ スパイダーバース - 3.8 (イオンシネマワンダー)

・M3GEN/ミーガン - 2.3 (イオンシネマワンダー)

・テリファー 終わらない惨劇 - 3.7 (ミッドランドスクエアシネマ名古屋空港)

・パリタクシー - 3.4 (伏見ミリオン座)

・aftersun / アフターサン - 3.9 (伏見ミリオン座)

・怪物 - 3.7 (中川コロナワールド)

 

(5月) 5本
・TAR / ター - 3.8 
(伏見ミリオン座)

・最後まで行く - 3.6 (109シネマズ名古屋)

・ガーディアンズ オブ ギャラクシー:VOLUME 3 - 3.9 (ユナイテッドシネマ岡崎)

・ザ スーパーマリオブラザーズ ムービー - 3.2 (ミッドランドスクエアシネマ2/3D)

・レッド ロケット - 4.2 (ミッドランドスクエアシネマ2)

 

(4月) 6

・せかいのおきく - 3.6 (ミッドランドスクエアシネマ2)

・ハロウィン THE END - 3.3 (イオンシネマ岡崎)

・ノック 週末の訪問者 - 3.6 (ミッドランドスクエアシネマ2)

・ザ ホエール - 3.8 (伏見ミリオン座)

・トリとロキタ - 4.0 (伏見ミリオン座)

・ダークグラス - 3.6 (伏見ミリオン座)

 

(3月) 7

・ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー - 3.7 (ミッドランドスクエアシネマ)

・The Son / 息子 - 3.6 (伏見ミリオン座)

・シン 仮面ライダー - 3.8 (ミッドランドスクエアシネマ)

・エブリシング エブリウェア オール アット ワンス - 3.7 (ミッドランドスクエアシネマ2/DolbyCinema)

・いつかの君にもわかること - 3.5 (伏見ミリオン座)

・Winny - 3.6 (TOHOシネマズ新宿)

・フェイブルマンズ - 4.4 (新宿ピカデリー)

 

(2月) 7本

・エンパイア オブ ライト - 3.3 (伏見ミリオン座)

・逆転のトライアングル - 3.8 (伏見ミリオン座)

・ベネデッタ - 4.0 (ミッドランドスクエアシネマ)

・別れる決心 - 3.7 (ユナイテッドシネマ岡崎)

・イニシェリン島の精霊 - 4.0 (伏見ミリオン座)

・すべてうまくいきますように - 4.2 (伏見ミリオン座)

・FALL/フォール - 3.6 (ミッドランドスクエアシネマ2)

 

(1月) 9本

・そして僕は途方に暮れる - 3.5 (センチュリーシネマ)

・あつい胸さわぎ - 3.4 (伏見ミリオン座)

・ピンク クラウド - 2.5 (センチュリーシネマ)

・SHE SAID / シーセッド その名を暴け - 3.8 (伏見ミリオン座)

・モリコーネ 映画が恋した音楽家 - 2.3 (伏見ミリオン座)

・非常宣言 - 3.8 (ミッドランドスクエアシネマ2)

・ケイコ 目を澄ませて - 4.0 (センチュリーシネマ)

・恋のいばら - 3.5 (センチュリーシネマ)

・かがみの孤城 - 3.8 (中川コロナワールド)

 

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◆総鑑賞数  (劇場での鑑賞数)

12月  長編17本 短編0本 (12本)

11月  長編17本 短編2本 (8本)

10月  長編17本 短編1本 (9本)

  9月  長編16本 短編1本 (10本)

  8月  長編16本 短編2本 (14本)

  7月  長編13本 短編0本 (10本)

  6月  長編18本 短編3本 (11本)

  5月  長編13本 短編0本 (5本)

  4月  長編12本 短編2本 (6本)

  3月  長編13本 短編0本 (7本)

  2月  長編11本 短編0本 (7本)

  1月  長編15本 短編0本 (9本)

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計   長編178本 短編11本 (106本)

 

◆劇場別鑑賞数

伏見ミリオン座 - 33

センチュリーシネマ - 14

名古屋シネマスコーレ - 3

ミッドランドスクエアシネマ - 5

ミッドランドスクエアシネマ2 - 11

ミッドランドスクエアシネマ名古屋空港 - 11

中川コロナシネマワールド - 6

小牧コロナシネマワールド - 1

109シネマズ名古屋 - 3

イオンシネマワンダー - 9

イオンシネマ名古屋茶屋 - 1

イオンシネマ岡崎 - 1

MOVIX三好 - 

ユナイテッドシネマ岡崎 - 2

TOHOシネマズ赤池 - 

 

◆劇場で複数回観た作品

・鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

・首

・君たちはどう生きるか (3回)

・ザ フラッシュ

・TAR / ター

 

◆自宅にて、配信/Blu-rayなどで観た作品 旧作含 (34本)

・アフター サン

・レッド ロケット

・フェイブルマンズ

・Pearl パール

・FALL / フォール

・風の谷のナウシカ

・アウトレイジ 最終章

・ホーホケキョ となりの山田くん

・あの、夏の日~とんでろじいちゃん~

・風立ちぬ

・モガディッシュ 脱出までの14日間

・騙し絵の牙

・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー vol.3

・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー vol.2

・崖の上のポニョ

・もののけ姫

・龍三と七人の子分たち

・アウトレイジ ビヨンド

・アウトレイジ

・ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー

・そして父になる

・万引き家族

・ニューシネマパラダイス

・復讐者に憐れみを

・リコリスピザ

・TITAN チタン

・キッズ リターン

・シャドウ イン クラウド

・みんな~やってるか!

・3-4x10月

・その男、凶暴につき

・ソナチネ

・わたしは最悪。

・さかなのこ

 

 

☆鑑賞本数記録

2023年 189本 (劇場:106本) (+旧作34本=223)

2022年 171本 (劇場:97本)

2021年 317本 (劇場:108本)

2020年 304本 (劇場:33本)

■2023年11月に観た映画

19本(劇場、配信、レンタル、見直した作品を含む)(うち短編2本)

 

・陽炎座 4Kデジタル完全修復版 - 3.8 (2023.11.28/伏見ミリオン座)

監督:鈴木清順。脚本:田中陽造。原作:泉鏡花。1981年。『鈴木清順 生誕100周年記念【浪漫三部作】4Kデジタル完全修復版』にて鑑賞。先日の「ツィゴイネルワイゼン」に続き、鑑賞。主演は、松田優作。大楠道代が「ツィゴイネルワイゼン」よりもだいぶきれいに撮られていた。作りあがりが段々と難解になっていくのかな(この浪漫三部作は)という感じで、若干の置いてきぼりを食らった。が、とにかく、終盤からクライマックスにかけてのテンションと雰囲気が尋常ではなく、すごいものを観たなという気持ちがある。大人のたしなみよ。

 

・模倣犯 - 3.6 (2023.11.27/Blu-ray)

監督 脚本:森田芳光。原作:宮部みゆき。2002年。森田芳光マラソンはいつから停まってしまったのだろうと調べたら「黒い家」が2022年9月に観ており、約1年振りという事が分かった。まあその間いろいろ見たが久しぶり過ぎる。久しぶりに見た森田作品は、それこそ先日の鈴木清順ではないが"あぁ、めちゃくちゃな映画を撮る人だったな"と思わず笑ってしまうほど。まあめちゃくちゃですね。この作品は非常に評判が悪く、それも確かにその通りな感じではあった。原作が宮部みゆきという事で(監督指名は宮部氏からの逆オファーらしい!)、その兼ね合いもあるのか、なかなか映像化には苦戦したのかなという事が伺える内容でもあった。それでも、中盤以降の、仲居くん、藤井隆、津田寛治が揃ったあたりの雰囲気はかなり良かったかと。問題のクライマックスも個人的には全然嫌いじゃない。さて、森田芳光マラソン再開します。続きが楽しみだ。

 

・スマイル (原題:Smile) - 3.8 (2023.11.27/WOWOW)
監督 脚本:パーカー・フィン。2022年。SNSか何かで結構評判が良くて鑑賞。序盤、結構面白い。中盤、つまんなくなってきたな。終盤、あー、まあこういう感じで終わるのね。本当の終盤、え、そういう展開なのwで、最後の最後で楽しい着地にしてくれたので、わりと万事オッケー感がある。わりと面白かった。

 

・パン種とタマゴ姫 - (2023.11.25/三鷹の森ジブリ美術館)

監督 脚本:宮崎駿。2010年。例のハリーポッターツアーがあったので、東京へ訪れていた。せっかくなので三鷹の美術館の方へも足を運び、短編作品を鑑賞。これはかなり大人向けの作品で、途中で子どもが泣きださないか心配だった(よその子は結構泣いていた)。人骨で出来たパン種を鎌に押し込むシーンは明らかに火葬を連想させるし、けっこうぶっ飛んだ話だった。

 

・首 - (2023.11.23/中川コロナワールド)

監督 脚本:北野武。2023年。公開初日、翌日と、2日連続で見に行ってきた。初回の感想は、正直中盤あたり、かなりうーんな感じで(これはやはり北野映画におけるコントシーンのダレが原因かと)微妙だなあと思っていたが、2回目観たら諸々が納得でき、非常に面白く感じられた。コントが停滞するのは北野映画ではいつもの事で、やはり少しタイトにして欲しかった。男性性愛描写や人種表現(これいつまでやるの?)は取って付けた様で腑に落ちない。が全体的には概ね満足。特にラストシーンは見事で、それこそこちらのクビをバッサリいかれたかの様な切れ味で、終わった事に一瞬気付かない観客の顔はまさに転がる首同様だったのではないか。日に日に結構良かったんじゃないか度が増している一作。

 

・ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版 - 3.9 (2023.11.21/伏見ミリオン座)

監督:鈴木清順。脚本:田中陽造。1980年。『鈴木清順 生誕100周年記念【浪漫三部作】4Kデジタル完全修復版』にて鑑賞。お恥ずかしながら鈴木清順作品は初鑑賞。聞いてはいたが、こちらの想像以上に、いや遥か上で変な映画だったので、面喰らった。きちんと見ていれば全然、話の筋自体は別に読み解いていけるがどうしてそういう描写になるのと笑ってしまう様なシーンの連発で、マジで卒倒。大林宣彦なんて目じゃないなと思った。幽霊譚好きとしてもグッと来た。続く2作も楽しみだ。

 

・残穢 住んではいけない部屋 - 3.4 (2023.11.19/U-NEXT)

監督:中村義洋。原作:小野不由美。2006年。ジャガモンド斉藤氏がYouTubeでホラーおすすめ作品として挙げていたこちら。正直、あんまりだった。というか、コレジャナイ感が強かった。映画にコレジャナイをいうのは反則だと思っているが、コレジャナイ。

 

・ハリー ポッターと死の秘宝 PART2 (原題:Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2) - 3.4 (2023.11.18/WOWOW)

監督:デヴィッド・イェーツ。脚本:スティーヴ・クローヴス。原作:J・K・ローリング。2011年。寝た。シリーズラストとあって、一応この監督脚本コンビの中ではきちんとしていた様に思う。し、これだけ少し短いのが良かった。やっぱりどう考えても冗長すぎるし、全シリーズもっとブラッシュアップしたらスターウォーズ級の何かになれていたのでは?と思う。

 

・耳をすませば - 3.6 (2023.11.17/Blu-ray)

監督:近藤喜文。脚本:宮崎駿。原作:柊あおい。1995年。かなり記憶が薄まっているが感想を記録しておく。ジブリの中でも宮崎、高畑以外の監督の作品は、数少なく、中でもおそらく人気があるだろうこの作品。期待して観たが、途中までは結構面白かった記憶があるが、中盤以降ダレたような気もするし、後で見返したら面白かったような気もする。が、一つ言えるのは、人物描写や作劇上に都合が良い部分が多すぎてノイズになっている事は間違いなかった(気がする)(気かい)。

 

・めいとこねこバス - (2023.11.17/ジブリパーク・ヲリオン座)

監督 脚本:宮崎駿。2002年。ジブリパーク内にて子供と共に鑑賞。2歳半と0歳半。これ、大丈夫かなと思いながら見たが、少し前からトトロの映像を見せたり人形を与えたりして洗脳を始めていたので、全く持って問題なく、上の子は母親の膝の上でじっと画面を見つめ、時折"あ!"とか"トトロ!"とか言いながらしっかりと見ていた。下の子も音楽の音量には若干ビクっとしていたが耳をふさいでやりながら最後まで泣く事なく見てくれた。自分が子供の頃にビデオで何度も観た「トトロ」をこうして時を超え、自分の子供が、しかもまだ会話もままならないましてや"お話"なんてものは絶対に理解できない年齢の子供でもじっと見て、彼なりに理解をし、<トトロ>を認識しているという事に非常に感動をした。老若男女いることもそうだし、圧倒的な外国人の客の多さもそう、こんなにも全方位に、もはや<全人間>の心に響くキャラクターを生み出す宮崎駿は凄すぎるなと。感動した。話の内容がどうとかいうよりもこの環境もそうだし、宮崎駿がスピンオフを短編とは言え作っていたことにも感動があった。と、同時に「君たちはどう~」の企画書にもあった「トトロ2」なるものは作らない方が良いなとも思った。この作品は、映画館や配信、ソフト販売も無く、三鷹のジブリ美術館か、ジブリパークでしかも月替わりのたまにしか見る事が出来ない。この立ち位置もちょうどいいなあと思う。

 

・SISU/シス 不死身の男 (原題:Sisu) - (2023.11.15/伏見ミリオン座)

監督 脚本:ヤルマリ・ヘランダー。2022年。日本公開2023年。寝てしまった。

 

・ハリー ポッターと死の秘宝 PART1 (原題:Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 1) - 3.4 (2023.11.12/Blu-ray)

監督:デヴィッド・イェーツ。脚本:スティーヴ・クローヴス。原作:J・K・ローリング。2010年。今月末にハリーポッタースタジオ?に行くのでハリーポッターを総ざらいしてみよう企画もいよいよラストの2作へ。死の秘宝、前・後編。前作でハリー達が全てを掛けた最終決戦()に向かうチューニングをまるっと1作かけてしっかりと行ったので、準備はバッチリ(そういう問題?)。ですが、これがまあ鈍い、遅い、だるい、とこれまでのハリポタシリーズの悪い所を煮詰めた様な内容で、マジで寝た。というか、やはり見ていても途中からひどくどうでも良くなってきてしまう。所々ロストしながらも、まあ話の全体の筋は何となく把握しているのでまあ良いか、と見逃した部分を見返す事もしなかった。さすがに30分ほどがっつり寝た部分は見返した。

 

・THE JUON/呪怨 (原題:THE GRUDGE) - 3.5 (2023.11.12/U-NEXT)

監督:清水崇。脚本:スティーヴン・サスコ。2005年。呪怨を観て観ようシリーズ、日本編が終わったのでハリウッド編。これにて完結か?監督は変わらず清水監督が手掛ける。まあ怖かったには怖かったが、日本版を見ているので、同じ描写の連発であくまで<お試し版>的な感じ。勿論、日本版呪怨を見ていないアメリカの観客に向けられたものなので、これでいいのだろうけども(実際にヒットしたそうですし)。個人的に一番好きな劇場版2作目の首吊りプラーンが入っていたは良いが、本当に入れただけになっていてそこは残念だった。日本版の時にも気になっていた"(画面上で)お化け浮いている問題"がありましたが、ハリウッド版になったことで<舞台は日本住宅、主演が外国人、飛び出してくるのは白塗りの子供>と、気になるレイヤーが3層になってしまい、割と更に嘘くささが増してしまってより気になった。

 

・ゴジラ -1.0 - 3.9 (2023.11.10/イオンシネマワンダー)

監督 脚本:山崎貴。2023年。悪名高き山崎貴作品かつ、ゴジラという事で観る気は無かったが、結構賛否両論と、最終的にアトロクでも課題作品になった事もあり、初めて山崎貴作品を見てみるかと重い腰を上げて鑑賞。結論から言えば、結構面白かった。し、ゴジラってかなり面白いのかもという感想になった。今作で言えば、基本的には普通に面白く観た。ドラマ部分でモヤる箇所はやはり何箇所かあるがそれ以上にどうしても戦争に対しての登場人物達の立ち振る舞いが、この規模の映画でこんな中途半端で良いのかなと疑問に感じた。そこだけは非常にノイズだった。海のシーンとか凄かった。

 

・舟を編む - 3.7 (2023.11.5/BSNHK)

監督:石井裕也。脚本:渡辺謙作。原作:三浦しをん。2013年。石井裕也熱が加熱しているので、ずっと気になっていたこちらを鑑賞。脚本は、「はい、泳げません」の渡辺謙作。ベストセラー小説の映画化作品だ。ポスタービジュアルだけを観るとかなり食指が動かない作品。石井裕也にとっての一応の代表作らしいのでどんなもんかいなと。舞台は1995年。95年だと見た瞬間に阪神大震災が舞台になるのかと思ったが最後まで特にそこには何も触れず、95年付近に作られた作品ならまだしも、2013年の映画だし、一体なんの設定だったんだろうと思う(原作でそうなっているのだろうし、もしかしたら原作内では阪神大震災が起こるのかも知れないが)。映像的には、ザラっとしたフィルムの質感で、一見して感じたのは「女ざかり」(大林宣彦)みたいだなという事。ネットで検索してみたが同じような事を書いている人はいなかった。まさか辞書を作る話だとは思わなかったし、非常に地味な作品ではあるが、面白く観た。あまりにも何も起きないのでツマらないと感じる人も多いかも知れないが、個人的には結構好きだった。ここがどうとかそういう事は特にコメントない。

 

・ハリー ポッターと謎のプリンス (原題:Harry Potter and the Half-Blood Prince) - 3.3 (2023.11.4/Blu-ray)

監督:デヴィッド・イェーツ。脚本:スティーヴ・クローヴス。原作:J・K・ローリング。2008年。寝た。中盤以降1.5時間しっかりと寝た。仕方がない。長すぎる。シリーズ平均で多分2時間半くらいなんじゃないかなと思う。長い。長いだろ(それでも話自体はなんとなく追えてしまう)。何がツマらないって画面がツマらないんだと思う。デヴィッド・イェーツXスティーヴ・クローヴスという憎きコンビはこれで最後まで行くらしいのできついなあと思う。特に今作は、ラストの対決に向けて、それぞれが旅立つ理由だったり、「~死の秘宝」に向かっていくウォーミングアップ的な位置にあるので単純につまらない。話が無い。何も起きない。長い。ツマらない。

 

・呪怨2 - 3.7 (2023.11.4/U-NEXT)

監督 脚本:清水崇。2003年。呪怨を観て観ようシリーズ、日本版は一応これで一旦。劇場版2作目。オムニバス的にいくつものエピソードがテンポ良く単発的にバンバン並んでいるシステムに変わりはない。ビデオ版から4作並べて見てみると、この作品はこの4つを貫通する事で浮かび上がる呪い性の様なものがしっかりとサーガしており、観るのであればしっかり全て観た方が良いのは間違いない。ビデオ版2作目を覗いて面白かった様に思う。ちゃんと怖いしね。今作で言うと、前作の1の方が圧倒的に面白いのは間違いないが、今作は新山千春のエピソードがとにかく怖く、面白かった。小さなエピソードの中で"ああ、これそうだったんだ!"と繋がっていくのが面白いし、その怖がらせ自体がもう怖い。これだけでも見る価値あり。

 

・母性 - 3.6 (2023.11.3/WOWOW)

監督:廣木隆一。脚本:堀泉杏。原作:湊かなえ。2022年。前から観たいとは思っていたがなかなかタイミングが無かったのだがようやく観る事が出来た。廣木監督作品だという事で、「ノイズ」と「月の満ち欠け」を観たあとなので観る気になったが、それが無かったらもっと見るタイミングは遠かった様に思う。いつもそうなのだが、基本的には面白く観ている。が、やはりお話の着地をどうもっていくかの考え方(センス?)が根本的に違う様で、着地でいつも台無しにする廣木作品なのは、今作も変わらなかった。結構好きなんですけどね。

 

・暗殺の森 (原題:IL CONFORMISTA) - (2023.11.1/ミッドランドシネマ名古屋空港)

監督 脚本:ベルナルド・ベルトルッチ。1970年。「午前10時の映画祭」にて鑑賞。中盤までは観れていた様な気もするが、おそらく1時間を持たずして夢の中へ。ちょっとわからなかった。1日にも関わらず定価の1500円で観た後に、寝てしまった部分をU-NEXTで確認するという、最高に無駄な事をしてしまった。見直してもよく分からなかった。映画館は高級仮眠室だ。

■2023年10月に観た映画

17本(劇場、配信、レンタル、見直した作品を含む)(うち短編1本)

 

・ハリー ポッターと不死鳥の騎士団 (原題:Harry Potter and the Order of the Phoenix) - 3.7 (2023.10.28/Blu-ray)

監督:デヴィッド・イェーツ。脚本:マイケル・ゴールデンバーグ。原作:J・K・ローリング。2007年。東京で開催しているハリーポッターの諸々に家族と参加するため、その予習にシリーズ全8作品マラソン開催中。5作目。ここから再び監督が代わり、最終作まではデヴィッド・イェーツでいくらしい。あきらかにカットのテンポ感や、作劇のタッチが変わった事が見て取れる。まるでテレビドラマシリーズかの様に軽く、サクサクと進んでいく。軽妙だ。が、長いに変わりはないのだが。これくらいの温度感ならば最後まで寝ることなくきちんと見られた。

 

・愛にイナズマ - 4.2 (2023.10.27/イオンシネマワンダー)

監督 脚本:石井裕也。2023年。2週連続で石井裕也新作が観られる喜び。今回もツッコミ所は満載だが、個人的に大きな落涙ポイントが2箇所。感覚的な表現になってしまうが、近作の中でもより感情に近く感じる内容だった。石井作品には理屈とかがどうでも良くなる感覚がある。

 

・台風クラブ 4Kレストア版 - (2023.10.25/センチュリーシネマ)

監督:相米慎二。脚本:加藤裕司。1985年。(とは言っても2K上映なのですがそれでも)思ったよりもクリアになった画面に夜の景色がしっかりと見えた。長回しを長回しに感じさせない力は、演出なのか、映っている人間の力なのか。とにかく、理解が追いつかない感動を生む瞬間が多い不思議な映画。

 

・天空の城ラピュタ - 3.8 (2023.10.22/Blu-ray)

監督 脚本 原作:宮崎駿。1986年。「君たちはどう生きるか」鑑賞後突如ジブリブームにより各種見直しキャンペーン中。先日メルカリにて購入した今作ディスクが再生できずで見られなかったため、違うもので再チャレンジ。ようやく2023年に初めて見た人になった。非常に面白かった。途中までは。ラピュタ島に上って、ロボット兵が出てきた辺りから突然もっさりし出してなかなかにツラいものがあった。話が入ってこない(夜に観ていて眠かったせいもあるか分からないが...見直したい)。クライマックスの「パルス!」からの崩壊という結末自体も何だか投げやりなものに感じたし、尻すぼみな印象を受けた。「~ナウシカ」も同じ印象。鑑賞後に岡田斗司夫の動画を観ていたら「"バルス"は二人の心中で、ナウシカでも同じことをしてしまっている」という発言を聴き、これが同じ様な印象を与えていたのかなと思った。とにかく、序盤から中盤(やはり特にフラップターでシータを救出に行くシーンなんて最高すぎた)までは凄すぎてむちゃくちゃ面白かった。

 

・キラーズ オブ ザ フラワームーン (原題:Killers of the Flower Moon) - 3.7 (2023.10.21/イオンシネマ岡崎)

監督 脚本:マーティン・スコセッシ。脚本:エリック・ロス。原作:デイビット・グラン。2023年。スコセッシの新作を映画館で観るのは初体験。意外と観ている様で観ていないスコセッシ作品。前作「アイリッシュマン」がイマイチハマり切らずという感じであったのですが、今作も同じような印象。やっぱ長すぎる様な気はする。それでもまあ3時間半ある様には感じないのですが、まとまらないというか、アガるポイントが分散しちゃうのがもったいないよなあという印象。アガりきるポイントも少なく、話自体も地味で痛快感も無く、薄味だった。これはきっと何度も観る事で味わいが色濃くなっていくのだろうが、この長尺を何度も観る気にはなれず。スコセッシxディカプリオのコンビは大好き。

 

・アンダーカレント - 3.7 (2023.10.19/センチュリーシネマ)

監督 脚本:今泉力哉。脚本:澤井香織。原作:豊田徹也。2023年。人気漫画が原作(知らんけど)。予告編や、ポスタービジュアルなどから見ても正直あまり面白そうじゃない印象だったので今泉力哉でなければスルーしていたであろう今作、劇場鑑賞。まあ、面白くもなくつまらなくもなく、と言った感じだろうか。ただ、退屈ではあった。しかしながらきちんと最後までそれなりに楽しく観られたのは、基本的には今泉監督の総合的な力量や、俳優陣の演技によるものであると思う。特に主演の真木よう子と井浦新、江口のり子、リリーフランキーと、メインキャストの演技が素晴らしかった。瑛太はなんでいつもこんなクズの役ばかりやっているのだろうか。回想シーンでザラついた暗いトーンになる所とかは興ざめ。タバコ屋のおっさんなど、一部キャラクターの人物造形に違和感はあったが、漫画原作だから仕方がないかと思う。

 

・月 - 3.8 (2023.10.17/伏見ミリオン座)

監督 脚本:石井裕也。原作:辺見庸。2023年。今年イチ言葉にするのが難しい映画をみた。2016年に実際に起こった相模原障害者施設殺傷事件を元にした小説『月』の実写映画化だ。監督は、石井裕也。近作で言えば『茜色に焼かれる』でコロナ禍の日本を舞台に真摯な姿勢をみせた。今回の映画に関しては、観ている最中から小首をかしげる場面が度々登場した。それは、これまでの石井裕也作品らしいともいえる映像のギミックや登場人物達のクセ感だったりするのだが、それがこの作品には少々ミスマッチな様に感じられたからだ。過去作によるそういった部分は、彼のチャームとして捉えていたが今作におけるそれらは観客を信頼し(きっ)ていない姿勢にも見えた。これは石井監督にとっては大変不本意な結果だろうと思う。会場は満席だったが、本編中盤から終盤にかけて実に3名の観客が途中退席し、戻っては来なかった。勿論、題材のヘビーさ(ここでは敢えて表面的な言葉を使う-これがこの作品における観客への姿勢ともリンクする様な気がする-)故の事でもあるし、純粋に映画がつまらなかったからであろう。端的に言ってこの映画は面白くないのだ。いや、勿論私自身は非常に面白く鑑賞したが、実際にはと少々難しい映画になっていたと思う。客席見渡す限り、所謂映画ファン以外の観客が押し寄せていたのは明らかで、彼らにとっては爽快な理解につながる表現が少なかった様に感じる。登場人物達の対話や画面に映される実際の障碍入所者の映像は、観客に向かって言っている様にしか捉えられないのだ(クライマックスで殺人犯であるさとちゃんから明らかに画面に向かってこちらに問題提起される場面もある)。ここで退出したあの高齢男性は居心地が悪かったのだろう。この男性の気持ちの様なものが観終わってからも観客の気持ちにへばりつく様な作品だった。何が良くて何が悪くて分からない、自分の中にある両面を実感させられる作品だと思う。これが狙いでもあるだろうし、観客のリアクションの難しさを引き連れてしまっている様な気もする。"たくさんの人に見てもらう"劇映画である以上、根本的なテーマ以外に引っ付いていく部分がよく分からなさを誘発もしている。何かが解決したり救済されたりする感動的なシーンも、さとちゃんが大暴れするハラハラのサスペンスシーンもここには用意されていない。そういう映画だ。監督が原作を書いた辺見 庸の大ファンということで少しセリフに頼り過ぎてしまったかなという印象は確かにある(ここに突っ込むレビューも散見された)。ただ、気概や姿勢は信頼に値するものである。更に新作「愛にイナズマ」の公開を来週に控えている石井監督。売れっ子もいいところだ。

 

・ギブリーズ episode 2 - (2023.10.15/DVD)

監督 脚本:百瀬義行。2002年。「猫の恩返し」と同時公開された。全6編からなる短編集。この先の「かぐや姫~」に連なっていく様な映像技法を試すための様な作品群に、ジブリの実験場を観た。

 

・ハリー ポッターと炎のゴブレット (原題:Harry Potter and the Goblet of Fire) - 3.2 (2023.10.15/Blu-ray)

監督:マイク・ニューウェル。脚本:スティーヴ・クローヴス。原作:J・K・ローリング。2005年。東京で開催しているハリーポッターの諸々に家族と参加するため、その予習にシリーズ全8作品マラソン開催中。4作目。折り返しだ。寝た。中盤以降1.5時間しっかりと寝た。仕方がない。長すぎる。シリーズ平均で多分2時間半くらいなんじゃないかなと思う。長い。長いだろ(一応、翌日の昼にちゃんと残りは観た)。やはり無駄なシーンというか、エピソードが多すぎる様に感じる。無駄な話は無いらしいが、にしても下手過ぎる気がする。最初から主人公に都合が良く甘々なこのシリーズだが、全てが設定(や展開)のための設定で、どれもこれもが表面的な造形になっているからどうでもよくなってしまうのだという事。あと、今作に関していえば、炎のゴブレット大会が全ての見せ場ってどうなの?と。最後の方に、せっかくの大会でイギリスくんだりまで来てくれた海外の生徒たちが普通に帰って行くが、結局これも終わった地点から振り返って見てみれば、ハリーのトラブルを魅せる為だけにこの大会に集められて、大会が始まったら始まったで、それら全員そっちのけで話が進んで(しかもその話もよく分かんないまま全部自動的に決着していく)、可哀想だよなと思った。キャラクターを道具としか描いていない。シリーズ中、ズバ抜けてつまらなかった。

 

・呪怨 ビデオシリーズ1&2 (U-NEXT)
監督 脚本:清水崇。1999年、2000年。

・呪怨 - 3.8 (2023.10.14/U-NEXT)

監督 脚本:清水崇。2003年。呪怨シリーズに挑戦企画。ビデオシリーズから順に見た方が良いという事できちんと順番に鑑賞。U-NEXT様様である。ビデオ版の方から言えば、1はそれなりに怖かった(怖かったというか、気持ち悪かった)し、2は惰性の様に感じた(最後の増殖とかはさすがにやり過ぎだと思う)が、思ったよりはこれは楽しめそうだなと思いながら劇場版を観た。これ、結論から言えば、かなり面白かったように思う。もちろん、トシオくんや加耶子などのキャラクター達は、コメディ的に消費されつくしてしまった感があり、どうしても登場すると"怖い"よりも"フフッ"と笑えてしまうのだが、これ、それら白塗りのキャラクターたちの造形がそうでないもの(仮に自分の目の前に実際に人ならざる者として現れる場合、白塗りではなくマジの顔面蒼白だったり、本物の血でべったりだったりするわけで)だとしたら、めちゃめちゃ怖いな、全部、と思った。怖いシチュエーションをショートコントを連発する様に構成されている物語には、連続して見せられるお化け屋敷感も感じた。画面上の怖さだったり、不気味さみたいなものは非常に良いと思う。が、お話し的な部分で言えば、クライマックス、物語として内容をと思い、色々それっぽい過去とのリンクだったり、実は...的な驚かし仕掛けもみられたが、まあ本当に話はどうでもよく進んでいるので特段そこには何の感動もなく、これが「リング」に成れなかった所以だよなあと思った。話に深さが無い所が良いところだろう!と。ただ、これもそこを完全に捨て、恥ずかしげもなく荒唐無稽だけで推し進めるとそれはそれで白けてしまうよなあと思う。少しばかりのこういう謙虚さが良い。

 

・春画先生 - 3.9 (2023.10.13/中川コロナワールド)

監督 脚本 原作:塩田明彦。2023年。塩田監督と言えば、『映画術 その演出はなぜ心をつかむのか』という名著があるという事で名前は知っていた(中古市場で探している為未読...)が作品を観たのは初。映画が始まった瞬間から終わりまで、明らかに映画的で雄弁なショット達。俳優の表情や動きを掴む画面はどういった演出がなされているかを明瞭且つ端的に語る。久しぶりに画面が楽しい映画を観る事が出来たなあという印象。カラーグレーティングも非常に今っぽい感じで、ハードル低くしつつバッチリとポップな仕上がりに。良かった。春画の知識も無ければ、特段興味があるわけでもない(無関心な訳ではないですよ)が、全くもって問題なし。<春画>をテーマに描く変態性愛倒錯メロドラマと言った感じか。作劇のツッコミどころや、裸体を写すにあたってのちょっとした気になる部分などはあれども、個人的には微々たるマイナスポイント。しかし1つ言いたい事としては、劇伴の扱いだ。今作における劇伴の存在感が若干ポイントを下げた様に思う。無関心過ぎるのだ。無音過ぎる。作品のタッチや画面の敷居の低さから言っても、もう少し音楽で雰囲気を作ってもいいはずだ。普段であれば"劇伴が邪魔"とか"音楽が合っていない"とか、減量してほしい方向性での感想が浮かぶのだが、今作に関してはもっと音楽を有効活用すれば物語自体のバカさ加減をよりユーモラスに残す事が出来たのではないかと、少し残念に感じた。所謂ベロベロバァ(Ⓒ宇多丸)をして欲しい訳ではないので、ここは結構難しいバランスだとは思う。監督の過去作を観た事が無いのでその辺りのテンションを知らないのでもしかしたら的外れなコメントかもしれない。が、単作で観た観客としての感想はこうだ。過去作も観てみようと思う。

 

・コカイン ベア (原題:Cocaine Bear) - 3.8 (2023.10.10/伏見ミリオン座)

監督:エリザベス・バンクス。脚本:ジミー・ウォーデン。2023年。こちらも予告で何度か見て<クマがコカインてw>というテンションなのは知っていたし、何なら出オチ系であまりかなあと思っていたが公開が近づき、情報を観ると、フィル・ロードと クリス・ミラーのコンビという事で一気に楽しみに。この人らがコカイン話やったら絶対に面白いでしょ、と息巻いて鑑賞。序盤と終盤手前は若干スローテンポに感じたが、基本的にはゴキゲンでオモシロ映画だった。人がざっくざっくと死んでいき、クマちゃん大暴れ。太ったババアが引き摺られ死にしたシーンは思わず声が出てしまった。クライマックスも、滝つぼ?を舞台に子供たちと親たちとの葛藤&バトル(ここの心の機微を本当に力入れてクライマックスにしても良かったのにと感じた)がオマケでついてきて満足度アップ。あそこで画的などっしり感も出てちゃんとしたなあという感じ。真面目に作られたバカ映画で最高だった。

 

・白鍵と黒鍵の間に - 2.4 (2023.10.10/伏見ミリオン座)

監督 脚本:冨永昌敬。脚本:高橋知由。2023年。主演が池松壮亮であることもあり、観るつもりでいた。調べると監督はあの忌まわしき「あの頃。」で脚本を書いた冨永昌敬。ついでに彼のフィルモグラフィを観ると、まあまあベテランの割にはなかなか香ばしい内容で不安が押し寄せる。しかし、予告編を観る限りでは今回はなかなか良さそうかなと感じたので、劇場鑑賞。アバンタイトルまではギリ良かったが、最初から微妙な空気は流れ、開始早々15分ほどでもう話がどうでもよくなるような演出と、稚拙な脚本。この人は本当に話をどうでもよくさせるのが上手い。才能でしかない。細かい設定は全然知らずに見たので、池松壮亮が2人現れた時には(しかもそれが過去の自分!)ギョッとした。が、これはなかなか面白いというか自分好みのプロットではないか?と思ったのも束の間、やはりこちらをイライラさせる天才、冨永昌敬。冷める演出、ショットの連続で完全にどうでもよくなった。つまらなかった。マジで。これ誰が喜ぶん?と本当に思う。もう映画撮らないでほしい。脚本もやめて。

 

・紅の豚 (洋題:PORCO ROSSO) - 3.9 (2023.10.8/Blu-ray)

監督 脚本:宮崎駿。1992年。「君たちはどう生きるか」鑑賞後突如ジブリブームにより各種見直しキャンペーン中。本当はようやく重い腰を上げて「~ラピュタ」を見始めたのだが再生をするとBlu-rayに傷が入っているのか途中で飛んだり止まったりで断念。時間の短さもあり未見だった本作へチャレンジ。豚が主人公ってのもねえと思っていたが、これが非常に面白かった。豚のくせにかっこつけてるのも可愛く感じてくるし、基本的なポルコ(豚の意ですって)の人間性が良く、(かっこつきの)"かっこいい"。ラストの人間同士の殴り合いに向かっていく展開や、有名な飛行機の墓場の天の川の描写なども豊かに感じた。フィオもキップが良すぎる感じはあるが、かわいらしく良かった。短いし、軽いし、それでいてどっしりしてるし、これは良く出来ているなあと感心した。アクション描写が弱い(少ない)かなと思う所もあるが、全然満足度は高い。

 

・ハリー ポッターとアズカバンの囚人 (原題:Harry Potter and the Prisoner of Azkaban) - 3.8 (2023.10.7/Blu-ray)
監督:アルフォンソ・キュアロン。脚本:スティーヴ・クローヴス。原作:J・K・ローリング。2004年。東京で開催しているハリーポッターの諸々に家族と参加するため、その予習にシリーズ全7作品マラソン開催中。寝なかった。3作目にしてようやく寝ずに完走する事ができた。これまでの作品にあった、とっ散らかっているイメージは無く、非常に整理されて<すっきり>とした感触だった。もちろん、ツッコミどころやこれは要らないだろという様なシーンもあるが、かなり良かった印象。特に、クライマックスのハリーポッターとハーマイオニーが過去に戻り、事態を把握しようとする件はスリリングでもあり、映画にある映画らしさともリンクし、非常に良かった。冒頭が列車から始まるのも映画らしくて良いのかも。見始めたら途中から明らかに感触が違う事に気付き、クレジットを確認すると案の定監督が変わっており、自分の審美も間違ってないなと思った。調べたら「ローマ」や「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロンで納得。クライマックスにシシ神出てきた。

 

・ヒッチコックの映画術 (原題:My Name Is Alfred Hitchcock) - 2.0 (2023.10.3/伏見ミリオン座)
監督:マーク・カズンズ。2022年。日本公開2023年。「ヒッチコックの映画術」と言う名著は存在しているが、そのままのタイトルで映画にするとは。予告を観た感じも良さそうだったのだが何とも残念な内容。全体は5章?(6かも)に章立てされて構成されたが、特に最初の1.2章が全くなんの話をしているのかが分からないという。脚本自体も抽象的でぼんやりした内容だし、<ヒッチコックが話している>という体で映画が進むのだが、この吹替の声がねっちょりしていて感じが悪いし、途中ブレスのタイミングで鼻腔?あたりをフガフガ鳴らすのがマジで気持ち悪い。この設定自体いらなかったと思うし、もっとドライに分かり易くパキっと説明してもらった方が全然良かった。本当に何も入ってこない。ラストの30分ほどがようやく多少話がクリアになってきて理解が出来たが、とにかく120分という長尺の大半がフガフガ抽象的な話をしていて全然面白くなかった。

・ハリー ポッターと秘密の部屋 (原題:HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS) - 3.5 (2023.10.1/Blu-ray)
監督:クリス・コロンバス。脚本:スティーヴ・クローヴス。原作:J・K・ローリング。2002年。東京で開催しているハリーポッターの諸々に家族と参加するため、その予習にシリーズ全7作品マラソン開催中。寝た。中盤1.8時間しっかりと寝た。仕方がない。長すぎる。シリーズ平均で多分2時間半くらいなんじゃないかなと思う。長い。長いだろ(一応、翌日の夜にちゃんと残りは観た)。やはり無駄なシーンというか、エピソードが多すぎる様に感じる。無駄な話は無いらしいが、にしても下手過ぎる気がする。テンポは悪いとは思わないが、とっ散らかっているイメージ。とりあえず次は3か。

 

 

■2023年9月に観た映画

17本(劇場、配信、レンタル、見直した作品を含む)(うち短編1本)

 

・ミュータント タートルズ ミュータント パニック! (原題:Teenage Mutant Ninja Turtles: Mutant Mayhem) - 3.6 (2023.9.26/中川コロナワールド)

監督:ジェフ・ロウ。脚本:ブレンダン・オブライエン。2023年。「ミッチェル家とマシンの反乱」で脚本を務めたジェフ・ロウの初監督作品。劇場で予告を観た時点で、画の面白さにピンと来て、調べてみると「ミッチェル家~」の脚本家だという事で大決定。もちろん面白かったは面白かったのですが、やはり映画は監督のもので、マイケル・リアンダ監督作品だった「ミッチェル家~」と、脚本家だったジェフ・ロウが作った今作とでは意味合いが違うよなあと。これは結構もう何度も体験しているのですが...(学べよ!)今回もまあそんな感じでした。映像は楽しかったけど、「スパイダーマン スパイダーバース」を観てしまっている僕らにはそこまで刺激的には映らず。話はあくまで子供向けという様な感じで、イマイチのれず。

 

・PIGGY ピギー (原題:Cerdita/Piggy) - 3.7 (2023.9.25/センチュリーシネマ)
監督 脚本:カルロタ・ペレダ。2022年。ポスタービジュアルを観た時点で即見る事を決めていた今作。予告も観てから鑑賞。フィルマークスではやたらと低い点(3.1)が付いているが、そこまででもない様に思う。確かに、画面の安っぽさ、とにかく脚本(セリフ回しか?翻訳か?)がへたくそなのは間違いないと思うし、役者の存在感のしょぼさが低評価に拍車をかけているように思う。そして決定的なのは、これ一体何が言いたいのかイマイチ分からない点。ラストに爽快感が無い。プロット自体の面白さである程度の内容は担保されているので最後まで観ることは全然出来たが、非常に勿体ない作品だなあと感じる。全然嫌じゃなかったけど。主人公サラの人間味を感じる為の作品なのは間違いないのだが、観た後に感想が残らないのがいけない点でしょうか。突き抜けそうで抜きぬけない感じがモヤモヤはする。

 

・ハリー ポッターと賢者の石 (原題:HARRY POTTER AND THE SORCERER'S STONE) - 3.6 (2023.9.23/Blu-ray)

監督:クリス・コロンバス。脚本:スティーヴ・クローヴス。原作:J・K・ローリング。2001年。東京で開催しているハリーポッターの諸々に家族と参加するため、その予習に初鑑賞。どうやらシリーズ全7作品マラソンするらしい。寝た。終盤1時間しっかりと寝た。仕方がない。長すぎる。シリーズ平均で多分2時間半くらいなんじゃないかなと思う。長い。長いだろ(一応、翌日の昼間にちゃんと残りは観た)。ハリーポッターってもっと冒険ファンタジーのイメージがあったのだが、この1作目を観る限りではスポーツと学園モノという感じで非常に狭い世界だった。ここから世界が広がっていくのだろうが、とりあえず初作を観た感想はこれだけ。話も真っすぐで分かり易く、子供は楽しいのかもなあと思う。が、長いだろう、集中できるのか?(まだ言ってる) 一つ思ったのは、主人公に甘い。全てが勝手にやってきて勝手に解決して、賢者の石もいつの間にかポケットに入っている。すごい。

 

・アステロイド シティ (原題:Asteroid City) - 3.7 (2023.9.22/伏見ミリオン座)

監督 脚本:ウェス・アンダーソン。2023年。前作「フレンチディスパッチ~」が正直微妙(というか寝た)だったので、どうかなとも思いつつ、というかそもそもウェス・アンダーソンの映画にイマイチハマり切れていないのは実感としてあった。本格的に映画ファンになった2020年頃、ラジオ評論の影響でその存在を知り、作品の価値を理解してきた部分があるため、当時は自分なりの評価・態度が取れていなかったように今は思う。勿論、好きな監督だし、好きな作品も多くある。が、判断基準が変わった様に思う。冷静に見られているという事かも知れない。とにかく、ウェス映画については現時点ではそこまでフェイバリットにならないかなというのが考えである。先日「グランドブダペストホテル」を改めて鑑賞し、過去のユリイカを読み、思ったのは、お話し自体にはそれほど熱意の無い監督なんだなという事。何よりも画面とそれに連動する運動が大事である、という事。これは私自身の考えと近い部分ではあるが、微妙に異なる。ウェスはひたすらに静止画なのだ。もちろん動いているショットも多数あるが、やはり印象的なのはその一目で感じられるフレームを伴うショット。これに尽きると思う。私は、ショットは物語が産むものだと思うし、そこには生を感じられるもので在って欲しいと考えている部分もあるので、やはりそれまでの評価になってしまうのかも知れない。さあ、そして今作「アステロイド・シティ」はどうだったかと言うと、"前作よりは全然好き"というのが答えだ。これってかなりコメディですよね?という感じにも関わらず観客は一切クスりともせず、非常に静かな劇場だった。ウェス作品は、こちらが全乗っかりしないと正直どうしようもならないと思うので、これはキツい。世界に引きずり込めないのは作家の責任だ。

 

・パーフェクトブルー - 4.0 (2023.9.20/センチュリーシネマ)

監督:今敏。脚本:村井さだゆき。1998年。4Kレストア版にて期間限定上映。今更ながら今敏を初鑑賞。最近は宮崎作品のおかげでアニメにも多少の免疫が付いてきたので、いけるかなと。最初こそ、画面の汚さ(そもそも限界地方では2K上映なのです)を残念に思ったり、アニメーションの動かなさに物足りなく感じたが、これこそ90's日本のサブカルチャーが纏っていた、暗さ、不穏さ、などなど画面から迸っており、非常に好みだった。内面世界というか、話がグルグルし出すあたりのクラクラ感は凄く、リンチと言えば陳腐だが、非常に真っ当な表現になっているよなあと感じた。鑑賞後に色々調べたら、ダーレン・アロノフスキーや、クリストファーノーランへの影響も色濃くある様で、偉大さを知る。結末も、きちんと見ていれば非常に納得もいくものになっており、作劇のうまさも垣間見られた。オタクのキモさがリアルで良かった。

 

・回路 - 3.6 (20239.16/U-NEXT)

監督 脚本:黒沢清。2000年。先日の「叫」に続き黒沢清作品を鑑賞。週末の昼寝タイムにはJホラーを観ようと思っている。これ、たしかに怖い。が、話がよく分からなさ過ぎた。怖いといってもそれも最初の方だけで、怖さは持続しない。不気味さは最後まで漂っている。ツッコミどころもまあ多いとは思うが、これはこういうもんだろうとも思う。ひたすらに不気味。まだ早かったのか、咀嚼しきれなかった。黒沢清作品は少しずつ見ていっているが正直、まだ分からない事の方が多い。

 

・おもひでぽろぽろ (洋題:ONLY YESTERDAY) - 4.0 (2023.9.15/Blu-ray)

監督 脚本:高畑勲。原作:岡本螢。刀根夕子。1991年。「君たちはどう生きるか」鑑賞後突如ジブリブームにより各種見直しキャンペーン中。高畑勲展が非常に良かったので、駿とは違う部分でやはり非常に気になる存在。今作は、初めて鑑賞。27歳の自分が、10歳の自分とその思い出を振り返りながら進行していく(書いてて思い出したけど、ある意味「アフター・サン」と同じ形式じゃないか!)。基本的にこういう構造にめっぽう弱いので、かなり楽しんで観た。しかしながら、この主人公、タエ子という人間がやはりちょっと微妙に人とのコミュニケーションがうまくない人なせいか、ずっとぼんやりと会話がかみ合っていない様に感じて若干の不気味さを感じた。「こちらあみ子」のあみ子の様でもある。全体的にはかなり満足度高く観た。特に、エンドロールはずるい。ズル過ぎる。

 

・戦慄怪奇ワールド コワすぎ! - 3.5 (2023.9.14/イオンシネマワンダー)
監督 脚本:白石晃士。2023年。白石監督の代表作シリーズの最終作?。ついに劇場版!という事で、多くのファンはかなり満足しているっぽいのですが、どうしてもファンムービーの域は越えられていないかなと思う。いや、正確に言えば、きちんと作られているし、しっかり笑える所もあるし、アイデアも痛快だし、気持ちがいいしと、良い所はいっぱいあるのですが、やはりどうしても門外漢からすると、置いてきぼりっぽい空気を感じる瞬間が多かった。ファン以外の人が見るのであれば、あまりにも荒唐無稽過ぎるので、かなり忖度が必要ではないのかなと思った。ちゃんと作られているだけにガラスのドアの外から指くわえて観ている様な状態になってしまった。何ともいえないジレンマの様に感じる。白石監督の作品は、「恋するケダモノ」だけ見たことがあって、それは結構面白かったので、次は、続きものではないものを観るか、むしろコワすぎ!シリーズを見てみるか、かなと思っている。

 

・福田村事件 - 3.7 (2023.9.12/ミッドランドシネマ名古屋空港)

監督:森達也。脚本:佐伯俊道。井上淳一。荒井晴彦。2023年。話題沸騰、満席続出の今作。楽しみにしてみましたが、冒頭からもうすでに画面が弱い。とうか、ひたすらずっと画面が弱い。キマっているショットが無い。挙句の果てにクライマックスのまさにその<事件>のシーンがお遊戯会以下。なんだその事件は、と。そんなんじゃ人は殺せないし、狂気が無い。リアリティが無い。不勉強で森監督は存じ上げなかったが、巨匠ドキュメンタリー監督が劇映画初挑戦という事が全てか、という感じ。おそらくショットや物語の紡ぎ方やリアリティのある描写には興味が無いのだなと思う。そりゃ、ドキュメンタリー作品はただ撮ってるだけでリアリティあるもんな、と1人で納得しながら帰路についた。

 

・ホーホケキョ となりの山田くん (洋題:MY NEIGHBORS THE YAMADAS) - 3.8 (2023.9.3/Blu-ray)
■再見した作品ですが、レビュー書いておきます。

監督 脚本:高畑勲。原作:いしいひさいち。1999年。2020.10.5に鑑賞して以来。初見時の感想としては、全体的に面白く観たが特にオープニングとエンディングに感動した。というような感じか。基本的にはそこまで感想は大変わりはしていないのですが、1か所、今回の鑑賞で大きく響いた部分がありました。終盤、父・たかしが結婚式のスピーチをするエピソードで「諦める事が大切だ、許す事で人生のつらい事を乗り越えていける」という様な事を話す長台詞があり、ここが非常に良かった。30代半ばで何を言っているのだと思われるかも知れませんが、本質を言っている気がした。し、ほぼ100%同意。この作品のレビューなどを観ていると、同じく終盤、教師(cv:矢野顕子)が習字で「適当」と書くエピソードがあり、そこが大きなテーマだとフィーチャーされることが多い様な気がするのですが(それも勿論合っています)、個人的にはそこよりもそのスピーチの部分にも十分なメッセージがあるなと感じた。(のでこの再見レビューを書いています)

 

・星をかった日 - 未採点 (2023.9.9/三鷹の森ジブリ美術館)

監督 脚本:宮崎駿。2006年。三鷹の森ジブリ美術館に初来訪した。ちょうどこの月は先日観た「ハウルの動く城」のスピンオフ作品である今作が上映されていた。正直、「ハウル~」との物語的な繋がりはよく分からなかったがこの作品はとにかく発想、アイデアの勝利というか、主人公であるノナが星をもらって植木鉢で育てたら小さい地球になるというただそれだけの話。なのに、こんなにもワクワクし、何かが漲る様な表現になるのがすごいなあと感心するしかなかった。

 

・ジャッリカットゥ 牛の怒り (原題:Jallikattu) - 3.9 (2023.9.9/U-NEXT)

監督:リジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ。脚本:R・ジャヤクマール。S・ハリーシュ。2019年。日本公開2021年。ずっと気になっていたが放置していたこちら、新幹線の移動時間で暇だったので観た。とにかくひたすらにテンションが高い。話はマジで中身無い。たった1頭の牛が逃げ出しただけでこんなにも大量の人間が慌てふためくものなのか。みんなやる気満々で向かっていくのに牛が来た途端に逃げ出すのが不思議かつ面白かった。常にパーカッシブな劇伴が鳴りまくり、リズミックな編集と音演出が観ていて気持ちがいい。オープニングとかは特に良かった。あとは、沢山の人間が画面を埋めるモブシーンは素晴らしかった。結構楽しく観た。

 

・ポエトリー アグネスの詩 4K レストア  (原題:시) - 3.8 (2023.9.7/ミッドランドスクエアシネマ2)
監督 脚本:イ・チャンドン。2010年。日本公開2012年。イ・チャンドンレトロスペクティブ2023にて鑑賞。4Kレストア版。イ・チャンドンを全作見てみようキャンペーンもいよいよラスト。これにて完結。全部見ました。主人公が詩を書こうとすることで、現実に対峙していく非常に苦しい映画であった。長回しもダレず良いショットが並んでいた。が、約2時間20分はさすがに長すぎるかなという印象を受ける。いらないシーンもあるような気がしてその辺りが冗長に感じてしまった。孫を警察に差し出すシーンは、「さがす」でオマージュされていることにも気づいた。
結局のところ、イ・チャンドン作品は面白いは面白いが個人的にすごくフェイバリットな監督になるかと言われればそうでもないなというのが全作見た感想。

 

・グリーン フィッシュ 4Kレストア版 (原題:초록 물고기) - 4.0 (2023.9.4/ミッドランドスクエアシネマ2)
監督 脚本:イ・チャンドン。1997年。イ・チャンドンレトロスペクティブ2023にて鑑賞。4Kレストア版。デビュー作であり、ヤクザものという事でどうかな~と思いながら観たが杞憂に終わる。一見すると、まだまだある意味でイチャンドンらしくない作品でもあるのだが、実はイチャンドンらしい味付けや真顔でやってのける外連はしっかりと描写されている。地獄の家族ピクニックからの車でグルグルシーンや、フロントガラスに張り付くクライマックスなど気概の感じられるショットが頻発されている。やはり最初からすごいんだな、と感じた。

 

・ペパーミント キャンディー 4Kレストア版 (原題:박하사탕) - 3.7 (2023.9.4/ミッドランドスクエアシネマ2)

監督 脚本:イ・チャンドン。1999年。イ・チャンドンレトロスペクティブ2023にて鑑賞。4Kレストア版。鑑賞済みだったので観ようか若干迷ったが、前に観たのが2020年11月だったので、感想も変わっているだろうと思ったので観た。が、正直初めて見た時の方が面白かった様に感じた。最初に結末が来て遡っていくメメントスタイルだったが、遡っていく内容にさほどワクワク感が無い。とてつもなく虚しい話ではあるのでそりゃそうだろうよという感じでもあるが、それでも映画的なカタルシスがどこに向かっていくのかがあまりわからなかった。1回目観た時の感想を改めて読んでみたが、その時もあまりピンと来てない様子だった。主演のソル・ギョングは全編通して素晴らしい演技をみせている。特にラスト前の戦争パートでの演技は非常に見どころのある演技だった。レトロスペクティブは先週で終わりかと思いきや今週もあったので、「グリーンフィッシュ」と「ポエトリー」の配信なしの作品は今後観にくそうなので観ておこうと思う。
 

・ハウルの動く城 - 3.9 (2023.9.3/Blu-ray)
監督 脚本:宮崎駿。2004年。「君たちはどう生きるか」鑑賞後突如ジブリブームにより各種見直しキャンペーン中。「千と千尋」と「ポニョ」の間の一作。興行収入的には「もののけ姫」越えで2番目にヒットしたらしい。世間的には不評らしいが、けっこう面白かったように思う。というか、確かに話は別に面白いかと言われればそうではないが、やはり圧倒的に画面が楽しい。豊かだ。テンポもとても速い様に感じて、お話しもきっちりとサクサク進んでいった様な印象を受けた。文句を言うのであれば、声優か。木村拓哉はそりゃ鼻につくし、ヒロインの声がババアて(姿形もババアなのですが...)。それくらいかな。カルシファーの活躍っぷりに驚いたり、星が降ってくる描写にはワクワクした。

 

・叫 - 3.8 (2023.9.3/DVD)

監督 脚本:黒沢清。2006年。これは良いぞという触れ込み且つ配信にも無いので、ゲオの中古セルで見つけて購入、鑑賞。黒沢清映画と言えば、役所広司。赤い服の女が怖い、というフックを最大級に活かした一作。先日観た「ミンナのウタ」と同様、大きな画面で観たら迫りくる幽霊が怖かったのかなあとも思う。ホームシアターの方の環境で鑑賞したので、画面的にはちゃんと映画っぽくなっていたけれど、こんな感じの感想なので、スマホやPCの画面で観たら全然怖くないだろうなあと感じた。ちょっと期待というか、構え過ぎたか。幽霊の無念を晴らしてあげる事で成仏に導こうとする流れは黒沢清版「リング」とでもいう様な感触で悪くなかった。たしか全部で3つ?殺人が起こるのだが、最初の方は、役所広司が実はやっていたのか?という目で見ていたのですが、3つ目が起こった途端に確実に違うと分かるので、前半のサスペンスが面白かったのになとも思った。
 

■2023年8月に観た映画

18本(劇場、配信、レンタル、見直した作品を含む)(うち短編2本)

 

・太陽の王子 ホルスの大冒険 - 3.9 (2023.8.31/U-NEXT)

監督:高畑勲。脚本:深沢一夫。1968年。翌日に高畑勲展へ行く事にしていたので、予習がてら鑑賞。とにかく冒頭のアクションからハイスピード&ハイテンションで切れ味鋭い。おどろおどろしい描写や、アクション描写、トリッキーな演出など、とても55年も前の作品には思えない。当時がどうだったのかは知らないが今でも鑑賞に堪えうるという部分でそう感じる。また、ストーリーも1本道構造で分かり易い。宮崎駿とのスタートを切る今作、高畑勲展ではジブリ前の作品群にも大きな部分が配分されており、しっかりと観ておいて良かったと思う。今、日々鑑賞中だが「未来少年コナン」など、諸々のテレビアニメ時代のものもやはりすごいなあと感じるしかない。高畑勲展では、高畑勲の常にチャレンジを続ける姿勢が非常に魅力的に感じた。興行収入には結びつかないが、そりゃそうだよなと思う。パヤオが居て良かったね、パクさん。

 

・ファルコン レイク (原題:Falcon Lake) - 3.9 (2023.8.28/センチュリーシネマ)
監督 脚本:シャルロット・ル・ボン。原作:バスティアン・ヴィヴェス。2022年。日本公開2023年。<湖にいる幽霊>という原作とは違うキーワードが本編を貫く核となっていく作劇が見事だった。結末は終始漂う気配が遂に辿り着いてしまうという虚しさを含め、個人的には好きだった。水の描写が見事。デビュー作らしいので今後楽しみ。

 

・ガーディアンズ オブ ギャラクシー ホリデー スペシャル (原題:The Guardians of the Galaxy Holiday Special) - 4.0 (2023.8.27/disney+)

監督 脚本:ジェームズ・ガン。2022年。44分。3まで観終わってこの短編がある事を知る。なかなか腰が重かったが、Disney+の解約日が迫っているので鑑賞。マンティスとドラッグスという、ガーディアンズシリーズの中でも群を抜いた社会不適合者の2人がケビンベーコンを執拗に追い掛け回し洗脳、拉致するというイカれたストーリー。44分よりももっと短く感じるほどに面白かった。なんならGotGで一番面白かったかも知れない。

 

・きさらぎ駅 - (日付不明/U-NEXT)

監督:永江二朗。脚本:宮本武史。2022年。ごく一部で評判が良かったので、WOWOWの録画をホームシアターにて鑑賞。を始めたが、あまりのくだらなさにこれはここで観るのは時間がもったいないなと思い、電車での移動時間にU-NEXTで観た。ホラー描写が、んなわけっ!レベルのもので1周して面白かった。まあ、でも。ね。

 

・毛虫のボロ - 3.9 (2023.8.24/ジブリパーク・オリヲン座)

監督 脚本 原作:宮崎駿。2018年。ジブリパーク内「オリヲン座」にて2023年8月度上映。NHKのドキュメンタリーで制作の過程を少し観て、引退宣言(「風立ちぬ」時点)の後の宮崎監督が短編ではあるがCGにチャレンジするなんて面白そうだなと思い、鑑賞。14分ほどの作品で、毛虫が主人公、当然言語での表現も無し、とかなりミニマムな視点で作り上げられた。毛虫のボロがある地点からある地点へと移動するだけの話なのですが、"四角いアレ"が盛り上がりをつくり、宮崎アニメ特有の<大量の>なにかが画面を占拠して物語が進んでいく様など、なかなか圧巻だった。糞尿はいつまで経ってもおもしろいんだなと改めて。エンドロールで、声優がタモリと出た時のどよめきよ。

 

・イ チャンドン アイロニーの芸術 (原題:Lee Chang-dong: The art of irony) - 3.7 (2023.8.25/ミッドランドスクエアシネマ2)

監督:アラン・マザール。2023年。【イ・チャンドン 4Kレトロスペクテイブ2023】に合わせ公開されたフランス人作家ラン・マザールによるイ・チャンドンのドキュメンタリー作品。作品構造としては、イ・チャンドン自らが2023年の現在から自分が芸術を志すに至った幼少期、なんなら家庭環境(生家にまでさかのぼる!)にまで立ち返る。各作品の主演2人ずつが登場し、イチャンドンとの思い出や、作品のエピソードを語りながら、イチャンドン自身の解説も交えて進行する。興味深い内容が連発され、小説家から始まった彼の歴史は非常に面白かった。先日観たタランティーノのドキュメンタリーが調べたら分かるレベルの話で紡いでいるものに対して、非常に心のこもったものを観たなという印象を持った。パンフレットが1500円と高かったが、内容は濃そうだったので奥歯を食いしばりながら購入。

 

・クエンティン タランティーノ 映画に愛された男 (原題:QT8: The First Eight) - 3.3 (2023.8.22/伏見ミリオン座)
監督 脚本:タラ・ウッド。2019年。日本公開2023年。語られるエピソード自体は楽しく観たが、いかんせん出演者が少ないし、演者ばかりでもう少しスタッフとかも出てきても良いのでは無いかと、その辺りが物足りなく感じた。デスプルーフの顔が見えない〜の話が面白かった。

 

・クライムズ オブ ザ フューチャー (原題:Crimes of the Futur) - 3.4 (2023.8.22/ミッドランドスクエアシネマ2)

監督 脚本:デヴィッド・クローネンバーグ。2022年。日本公開2023年。どこの何から言っていいのか分からない。もしも話がわりと苦手な部類なので話自体はちょっとキツかった。クローネンバーグらしい奇妙なビジュアルの諸々は楽しめた。

 

・骨 / オオカミの家 (原題:La casa lobo) - (2023.8.21/センチュリーシネマ)

監督 脚本:クリストーバル・レオン。ホアキン・コシーニャ。脚本:アレハンドラ・モファット。2018年。日本公開2023年。アリアスターのネームバリューもあってか満員。もっとギョッとする様な映画が観られるかなと期待したがそこまで。冒頭とラストの感じが好きだった。ストーリーがあまり入ってこず、知識不足を痛感。というか、寝た。

 

・エドワード ヤンの恋愛時代 4K レストア版 (原題:獨立時代) - 3.7 (2023.8.21/センチュリーシネマ)

監督 脚本:エドワード・ヤン。オリジナル1994年。エドワードヤン特集上映にて。冗長に感じるかなと思うながら観たが、最後まできっちり密度高く作劇されていた。が、個人的にはあまりピンと来ず、面白みを感じることがあまり出来なかった。ダラダラしているようでしていない不思議な作品だった。

 

・あした - 3.7 (2023.8.20/DVD)
監督:大林宣彦。脚本:桂千穂。原作:川次郎。1995年。いつぶりに大林作品を観たのだろうか、という感じですがまだ見ていなかったこちらを。死んだ人たちが船に乗って帰ってくるというプロットは聞いたことがありましたが、まさかこういう感じとは。久しぶりに大林作品を観たせいか、最初の15分くらいのセットアップの時間帯が非常に速く感じてしまい着いていくのに必死だった。とにかくカットを割る、割る。いつもの事ではあるのですが。途中からは気にならなくなるので単純にそういう風に作られているのか、こちらが慣れたのかその辺りは不明。早々に船で死んだ人達が到着してしまい、ここからどうなるんだろうと思ってすぐに宝生舞のエピソードで「一緒に戻ってくれるよね?」という所で「ああ、そういう話なのか!!」とギョッとしましたが、まあそういう話ではあるけれど、ちょっと思ったのとは違う形で完走。子供が出来て喜ぶシーンとかはやはりグッときてしまいました。なんだかんだ言って結局今回も泣かされた。

 

・猫の恩返し - 3.3 (2023.8.20/DVD)

監督:森田宏幸。脚本:吉田玲子。原作:柊あおい。2002年。「君たちはどう生きるか」より突如ジブリブームが到来し、各種見直しキャンペーン中。宮崎駿でも高畑勲でもない監督シリーズの今作。つじあやのの主題歌が当時まあまあヒットしていたので映画もヒットしているイメージがありましたが調べてみたらそこまでという感じで意外だった。感想はというと、話がどうこうというよりもやはり、アニメーションとして、演出として、ジブリの冠を背負った作品とは思えないレベルのお粗末さだなと。アニメーションの躍動感も宮崎作品と比べてしまうと(比べるな)どうしても全然しょぼい(アニメーションにもととめるのは描写なんだなあと思う)。話は逸れますが、大阪での来日公演中に性被害に遭ったDJSODAへの二次加害になる様なツイートをして炎上しておりましたが、ちょうど作品を観た直後にその騒動を目にして、まあこんなつまんねーアニメ作ってる奴だよなやっぱとなりましたね。。太った猫のムタっていうキャラクターだけはかわいかった。

 

・ミンナのウタ - 3.5 (2023.8.17/イオンシネマワンダー)

監督 脚本:清水崇。脚本:角田ルミ。2023年。なんだかTLの評判が良かった気がしたので通常ならスルーですが観てみた。気がしただけだった。しかしホラーはやはり劇場で観るに限るな、と迫り来る高谷さなを観ながら思った。大きな画面目いっぱいに迫られると本当にそこから飛び出してくるのかと思わんばかりに不安にさせられる。これはスマホで観ても得られない体験だろう。しかし、いかにもなCGやギミックにはやはり疑問を持ちながら観てしまった。ジェネレーションズのメンバーの演技や演出のつけ方も興ざめなシーンが多々あった。メンバーの顔を覚えることが出来た。名前は覚わらない。最後のライブシーンでボーカルのメンバーが1人出ていない事に気付いたが何か理由があったのだろうか。(調べたら、「自分は演技の仕事はしないので歌だけで参加させていただきました」という理由でしたとさ)

 

・バービー (原題:Barbi) - 3.9 (2023.8.16/イオンシネマワンダー)

監督 脚本:グレタ・ガーウィグ。脚本:ノア・バームバック。2023年。公開前から本国SNS担当者がやらかしてなかなかな物議をかもしている本作。それよりも前から楽しみにしていたし、そもそも本編と一連の原爆ネタは関係ないので気にする事もなく観た。グレタ・ガーウィグ作品で期待をして観たが、思っていた角度とはまた一味違った内容で面白かった。フェミ映画かと思いきやそうでもなく、男女を逆転させ、双方に気まずい思いをさせながら最終的に伝えてるメッセージが「人間」としての尊厳だったり、「名前を手に入れる」だったり(GotG3や君たちはどう生きるか的でもある)、メインテーマからは若干遠い地点に着地しているので正直、かなり伝わりにくい作品になっているのではないかと思う。原因は"男女逆転"の魅せ方にあると思う。が、鑑賞後にYouTuberの感想なども観てみて、結末の解釈は同じでも逆転劇にはあまり触れていないものも見かけたので、一体どう受け取っていいのかと、自分の解釈に疑問も出てしまったが。。ラストのマテル社の創始者と対峙をし、自分を取り戻すシーンには落涙。

 

・ニンフォマニアック Vol.1 ディレクターズカット完全版 (原題:Nymphomaniac Vol.1) - (2023.8.10/シネマスコーレ)

監督 脚本:ラース・フォン・トリアー。2013年。ラース・フォン・トリアーレトロスペクティブ2023にて。【色情狂ジョーの話を博識セリグマンと共に聞くような形で物語が進んでいく。時折、資料的な映像を挟み込む手法(ハウス ジャック ビルトでも見られる)が斬新かつアート的で面白い。性欲をテーマに狂気的な部分を淡々と語るように描いていくフォントリアー印。最後まで見ても、ん?という終わり方でエンドロールに突入するや否やvol.2の予告らしき映像で続きがあると知り、納得。これだけで終わってたらかなり不完全燃焼で点数をつけたくなるが、とりあえず早く2を見たいという気持ちになった。】というのが、2020年4月13日に観た自分の感想。大方同じではあるが、最後がよく分からなかった的な部分は特に今回は思わず、これはこれでこういう終わり方をしていても何の違和感もないと思う。今回鑑賞したのは「ディレクターズカット版」ということで無修正の男性器や、結合部、口淫行為も映りまくりでこれはやはりこうでなくてはと思った。ユマ・サーマンが大暴れで最終的に旦那がシバかれる所とか笑えた。

 

・セフレの品格(プライド) 決意 - (2023.8.9/ミッドランドシネマ名古屋空港)

監督 脚本:城定秀夫。2023年。早くも後半が公開。前作とは打って変わってメロドラマにシフト。高石あかりは高石あかりにしか見えず。これはちょっと残念だった。「ベイビーわるきゅーれ」シリーズ以外で観たのが初めてだったこともあり、もう少し違った一面が観られるかなと期待したが。しかし、観終わってみたら面白い企画だったな〜と思う。(おそらくほぼママだろうけど)原作からどう脚色したのかが気になった。

 

・マイ エレメント - 3.8 (2023.8.4/シネマワールド中川)

監督:ピーター・ソーン。2023年。安心安定のお話でキチンと押さえる所を押さえ子どもから大人までちゃんと楽しめるものになっているのは言わずもがな。それよりも今作は水や炎の描写が美しく、画面を見るだけでも十分に味わいが深い。特に好きだったのは、水の電車が走り、高架下が滝にようにジャーっと水浸しになる所。美しかった。とくに水の描写が顕著で、ひんやり涼みながらもうっとりするような映像だった。風と土いらんやんとは思うがその辺りはご愛嬌か。

 

・イディオッツ(原題:Idioterne) - 3.6 (2023.8.1/シネマスコーレ)

監督 脚本:ラース・フォン・トリアー。1998年。ラース・フォン・トリアーレトロスペクティブ2023にて。酷い集団を見た、というのが正直な感想。どういった事情でああいった醜悪極まりない事をしているんだと。本編中に理屈は語られていたが、そんな事はてめえらの都合であってどうであれ最悪な連中である事は間違いないよなと。非常に不愉快。ただ、思ったよりは最終的に慈悲のあるお話で、特にラストのシークエンスがあるおかげでこの映画が意味を成すのかなとも思えた。なんだその着地はと言いたい気もするが、まあ。勃起した男性器、無修正の結合部、など久しぶりにスクリーンで見たが、やはりギョッとする。ちんこは観たくない。

 

 

■2023年7月に観た映画

13本(劇場、配信、レンタル、見直した作品を含む)(うち短編0本)

 

・イノセンツ (原題:De uskyldige) - 3.1 (2023.7.28/ミッドランドシネマ名古屋空港)

監督 脚本:エスキル・フォクト。2021年。日本公開2023年。皆が言っている事だとは知りながらも、童夢でクロニクル過ぎる一作。しかしサイキックものが苦手すぎるなと改めて感じた。マジで途中からどうでも良くなってしまう。テンポも悪い。ヨアキムトリアーのバーター売りに騙された。

 

・セフレの品格(プライド) 初恋 - 3.6 (2023.7.25/ミッドランドシネマ名古屋空港)

監督 脚本:城定秀夫。原作:湊よりこ。2023年。お話自体や役者の演技、漫画原作故の荒唐無稽さが満載だったり(苦手なんです)、ノれないんだよなぁと感じる部分は多いものの、演出やカットのテンポ感で全くダレる事なく完走。手練れ過ぎる。普通に続きが楽しみ。伊藤克信の登場に和んだ。

 

・ヴァチカンのエクソシスト (原題:The Pope's Exorcist) - 3.6 (2023.7.21/小牧コロナワールド)
監督 脚本:マイケル・ペトローニ。脚本:エヴァン・スピリオトポウロス。2023年。単純にもっとおどろおどろしいものを期待してしまったので何だかゆるーく見終えてしまった。よく出来てると思う。スクーターで移動するラッセルクロウに萌える映画。

 

・CLOSE/クロース - 3.7 (2023.7.18/ミッドランドシネマ名古屋空港)

監督 脚本:ルーカス・ドン。脚本:アンジェロ・タイセンス。2023年。非常に丁寧に作り込まれた作劇と画面は、充分過ぎるほど。なのですが...どうしても映画としてエンタテインさせたい部分が自分の嗜好とはあまり合わず。ドキュメンタリ風な寄りの画が続けば続くほどこちらの気持ちは冷静になっていった。どうしても画作りが自分の趣味とは合わなかった。映画はもっと登場人物(ないし乗物など)の<運動>をしっかりと魅せるべきだと思う。同じくベルギーのダルデンヌ兄弟と同じような流れを感じるが、彼らとは器量が全然違うでと言いたい。

 

・海よりもまだ深く - 3.6 (2023.7.16/U-NEXT)

監督 脚本 編集:是枝裕和。2016年。勝手に是枝祭開催中という事で鑑賞。面白くはあったが、これまで観てきた是枝作品の中ではちょっと落ちるかなという感じ。もう少し前の作品かと思ったら意外と近作で16年。それを知り、よりちょっと点数が落ちた感はある。何がつまらなかったかと聞かれると、あまりにも何も起き過ぎないし、脚本が型通りにも感じた。そして何よりもクライマックスである台風接近からのタコの滑り台で起こる事の些細さ。これに尽きると思う。これまで是枝作品はエンタメ的なクライマックスは勿論用意されていないのですが、それでも無いなりに他でアガる部分やさすがと思える部分が多かっただけに今作の薄味っぷりはこういう感想になっても仕方ないような気がする。

 

・君たちはどう生きるか - 3.3 (2023.7.14/イオンシネマ名古屋茶屋/7.18/ミッドランドスクエア名古屋空港)

監督 脚本 原作:宮﨑駿。2023年。初日Dolby Atmos。支離滅裂な作劇にクラクラ・ウトウトしながらも最終的にはスーパーメタなジブリと観客に対する真摯なメッセージにたどり着く。はっきり言って面白くないが、ジブリヲタならば泣かずにはいられないだろう。冒頭5分は必見。あまりの支離滅裂っぷりにストーリーを追う事を諦めてしまい、ぶっちゃけ中盤睡魔に身を任せ寝た。1回目の鑑賞後に、考察サイトやYouTubeなどをいろいろ観て、分かった部分や納得できた部分、やっぱり自分は間違っていなかったと実感できた部分、寝てしまった部分も含め確認しようと思い、2回目の鑑賞を決意。2回目観た時はストーリーの支離滅裂さは全く気にならず、むしろ全然わかる話じゃんと思いながら観た。でもたぶん5分くらい寝た。そこを補完するためにもう1回観たい。(観ない)

 

・小説家の映画 (原題:소설가의 영화/洋題:The Novelist's Film) - 4.1 (2023.7.11/伏見ミリオン座)

監督 脚本 撮影 編集:ホン・サンス。2022年。日本公開2023年。どこをどう感じて面白かったのかうまく言語化する事が出来ない。が、かなり面白かった。今作は今まで観たホンサンス映画の中でも、いつ物語が破綻してしまうか分からない緊張感を終始孕みながら進行された。中盤以降の<登場人物大集合>シーンからグググっと引き込まれ(ぱっと見の画面は何も盛り上がっていませんが)、ラストまで釘付けだった。特に印象的だったのが、新作映画の物語をどんなものにするのかという話から、思いついた一例である軽いプロットを主人公であるイ・ヘヨンが話すと、詩人のおっさんが「そんなんじゃだめだ、物語なんだから物語らしいパワーがいる」と口を挟む。イ・ヘヨンは「そんなものは必要ない」と一蹴。すると向かいに座るキム・ミニが「私、その話体験した事がある」と言った一連の流れ。ハッとした。自分が映画に求める事柄を主人公は分かっている、と。[瞬間的に例えで出した内容の薄いプロットでも目の前にいる人が自分事に感じている]という事実がある以上、映画における<物語>は(そこまで)重要ではない、と私も思うからだ。それを脚本というか、劇映画として登場人物たちに話させ、映像にしたことはすごい事だと思う。ラストカットの試写室から出てきて誰もいないロビーで待つキム・ミニの表情もまた絶品だ。終わりの切れ味も最高。

 

・Pearl パール (原題:Pearl) - 4.0 (2023.7.10/センチュリーシネマ)

監督 脚本:タイ・ウェスト。脚本:ミア・ゴス。2022年。日本公開2023年。前作よりも分かりやすいジャンル感は減り、パールの内面とその出来事の方向へシフトチェンジ。3部作を通したこのサーガこの濃度は一層に増した。ショッキングなシーンはもしっかりと用意されており、印象的な場面が多かった。なによりもミア・ゴスの凄さ。

 

・マルセル 靴をはいた小さな貝 (原題:Marcel the Shell with Shoes On) - 3.5 (2023.7.10/伏見ミリオン座)

監督 脚本:ディーン・フライシャー・キャンプ。脚本:ニック・パーレイ。ジェニー・スレイト。2021年。日本公開2023年。個人的にはこれと言って特に惹かれるところも無いままボヤっと時間が過ぎていってしまった様に感じる。ストップモーションはすごく自然だが、もう少しいなたい方が好み。話も平坦で特に感想がない感じになってしまった。

 

・ウーマン トーキング 私たちの選択 (原題:Women Talking) - 3.7 (2023.7.4/伏見ミリオン座)

原作 脚本:サラ・ポーリー。原作:ミリアム・トウズ。2022年。日本公開2023年。彩度を極端に抑えた締まった画面に緊張感が漂う。戯曲的である会話劇での展開に終始する事により時間経過を強く感じさせ、議論の進行と共にクライマックスに向かっていく気持ち良さがある。去る選択肢の大切さを。

 

・⻘いカフタンの仕立て屋 (原題:Le bleu du caftan) - 3.5 (2023.7.4/伏見ミリオン座)

監督 脚本:マリヤム・トゥザニ。2022年。日本公開2023年。まずもって話自体がきちんとし過ぎていて大方の展開に予想が出来てしまい、正直退屈だった。テンポも合わないなーと感じたまま見終わってしまった。リアリティに欠ける描写や話運びも多く感じた。微妙。

 

・歩いても 歩いても (洋題:STILL WALKING) - 4.0 (2023.7.2/U-NEXT)

原案 監督 脚本 編集:是枝裕和。2007年。勝手に是枝祭開催中という事で鑑賞。いやー、すごい。どれ観てもハズレが無いのがまずすごい。この作品の感想としては、一言、<こわいわ!>といった所でしょうか。めちゃくちゃ嫌ぁ~な話で最高だった。話が良い上に、撮影も編集も演出も良いとなるといよいよファンと言わざるを得ないのが現状。鑑賞後に検索したら予測検索で[兄 生きている][兄 死んでない]とか出てきてビビる。ビビるというか、こええわ。

 

・その手に触れるまで (原題:Le jeune Ahmed/洋題:Young Ahmed) - 3.6 (2023.7.2/U-NEXT)

監督 脚本:ジャン=ピエール・ダルデンヌ。監督:リュック・ダルデンヌ。2019年。最新作である「トリとロキタ」が非常に良かったので過去作もいつか観てみたいな~と思っていたらU-NEXTで配信終了間近だったので鑑賞。87分、エンドロール含めると83分ほどの小作。13歳の少年が宗教に熱心になってしまい...という事ですが、うーん、いかんせんお話が面白く無さ過ぎてどうにもという感じで。相変わらず実在しているかの様なリアルなタッチはすごいなあと感心するのですが、今作に限ってはまああまりという総評でしょうか。役者もイマイチ。

■2023年6月に観た映画

21本(劇場、配信、レンタル、見直した作品を含む)(うち短編3本)

 

・リバー、流れないでよ - (2023.6.30/ミッドランドスクエアシネマ)

監督:山口淳太。脚本:上田誠。2023年。佳作「ドロステのはてで僕ら」の山口監督新作。「ドロステ〜」に続き時間に纏わるお話。ダレそうでダレない見事なバランスで2分を繰り返す。結末の力ずく感も逆に良い。演技がまあ気になるけどこれ位の方がフィクショナルで良いのかも。ただ、画面をぼや〜っと白くさせるな。

 

・同じ下着を着るふたりの女 (原題:같은 속옷을 입는 두 여자/洋題:The Apartment with Two Women) - 4.0 (2023.6.29/シネマスコーレ)

監督 脚本:キム・セイン。2021年。日本公開2023年。観ている間ずっと母親に怒りしか湧かなかった。事情は誰にでもあるが自分が産んだ事実と、そいつから産まれた事実は変わらんだろと。責任をもてよと。終始腹立つなーと思いながら見入ってしまった。間延びしてる箇所もあるが鋭い監督だと思った。

 

・アシスタント (原題:The Assistant) - 3.0 (2023.6.29/センチュリーシネマ)

監督 脚本:キティ・グリーン。2019年。日本公開2023年。やりたい事は分かるが、さすがに何も起きなさすぎというか、、かなり退屈だった。当事者の視点ではない角度から見える世界を主題にした部分は新しいのかも知れないが、ちょっと薄味過ぎた印象。。

 

・アラビアのロレンス/完全版 (原題:LAWRENCE OF ARABIA) - 3.7 (2023.6.28/ミッドランドスクエアシネマ名古屋空港)

監督:デヴィッド・リーン。脚本:ロバート・ボルト。オリジナル:1963年。完全版公開:1988。今回は<午前十時の映画祭>にて鑑賞。

 

・ザ フラッシュ (原題:The Flash) - 4.1 (2023.6.26/イオンシネマワンダー)

監督:アンディ・ムスキエティ。脚本:クリスティーナ・ホドソン。2023年。アメコミ嫌いな自分もいろいろ見れるようになったなぁ〜と思いながら観た。どんなんだよ。いや、でもこれ面白かった。中盤だるかったけど、終盤巻き返した。終わり方も秀逸で良かった。もう一回観たい。

 

・奇跡 - 3.7 (2023.6.24/U-NEXT)

監督 脚本 編集:是枝裕和。2011年。宇多丸「そして父になる」評を聴いて、その中で言及されており気になったので鑑賞。意外と普通だった。

 

・バーバリアン (原題:Barbarian) - 3.8 (2023.6.22/disney+)

監督 脚本:ザック・クレッガー。2022年。バアさん怪力過ぎワロタ。

 

・豆大福ものがたり - (2023.6.22/DVD)

監督 脚本:沖田修一。2013年。すあまって食べた事ない。

 

・氷の微笑 (原題:Basic Instinct) - 3.7 (2023.6.20/U-NEXT)

監督:ポール・ヴァーホーヴェン。脚本:ジョー・エスターハス。1992年。カーチェイスを観るための映画か?

 

・スパイダーマン:アクロス ザ スパイダーバース (原題:Spider-Man: Across the Spider-Verse - Part One) - 3.8 (2023.6.19/イオンシネマワンダー)

監督:ホアキン・ドス・サントス。ケンプ・パワーズ。ジャスティン・トンプソン。脚本:フィル・ロード。クリストファー・ミラー。デヴィッド・キャラハム。2023年。基本的に、一作で話が終わらない映画に抵抗がある派なので今作の評価自体をどうこう言えるものじゃないよなぁとは思う(ただ、終わり方はカッコよかった)画面は相変わらずの情報量の多さでクラクラした。一作目の方が単体都市の面白さと衝撃度は上だった。

 

・ヒルズ ハブ アイズ (原題:THE HILLS HAVE EYES) - 3.6 (2023.6.19/disney+)

監督 脚本:アレクサンドル・アジャ。脚本:グレゴリー・ルヴァスール。2006年。アトロクのリメイク総選挙を聴いて鑑賞。前半がダルすぎる。

 

・スパイダーマン:スパイダーバース (原題:Spider-Man: Into The Spider-Verse) - 4.0 (2023.6.16/Blu-ray)

監督:ボブ・ペルシケッティ。ピーター・ラムジー。ロドニー・ロスマン。脚本:フィル・ロード。2018年。

 

・ザ フライ (原題:The Fly) - 3.8 (2023.6.15/disney+)

監督 脚本:デヴィッド・クローネンバーグ。脚本:チャールズ・エドワード・ポーグ。1986年。
 

・十三人の刺客 - 3.8 (2023.6.14/DVD)

監督:三池崇史。脚本:天願大介。2010年。アトロクのリメイク総選挙を聴いて鑑賞。面白かったけど、13人のキャラがもう少し入ってる状態で決戦に向かった方が良いのではないか。

 

・M3GAN/ミーガン (原題:M3GAN) - 2.3 (2023.6.9/イオンシネマワンダー)

監督:ジェラルド・ジョンストン。脚本:アケラ・クーパー。2023年。コレジャナイ感が凄過ぎ。すげーつまらなかった。全部が中途半端で何をしたいの?という感じ。ホラー映画らしいシーンは公開前に結構バッサリ切ったらしく、それが原因か。今年ワースト、とまでは言わないがまあそれに近い

 

・テリファー 終わらない惨劇 (原題:Terrifier 2) - (2023.6.8/ミッドランドスクエアシネマ名古屋空港)

監督 脚本:ダミアン・レオーネ。2022年。日本公開2023年。1よりも製作費が上がった(であろう)分、素直にスプラッタシーンが増えていて脳筋で好き。詰め込み過ぎ長過ぎは否めないが心意気が最高だしリアルを突き詰めない破壊描写にアガる。次作があるっぽいので次はもうひと仕掛けある事を期待。

 

・パリタクシー (原題:Une belle course) - 3.2 (2023.6.7/伏見ミリオン座)

監督 脚本:クリスチャン・カリオン。2022年。日本公開2023年。序盤から特に面白いことは無さそうだなという予感をプンプンさせたまま最後まで観終わってしまった。お話自体がどうこうとかそういう事では無く、単純に映画として特別面白いところも無く、特別つまらなくも無い、マジで感想特に無しな一作だった。

 

・aftersun/アフターサン (原題:Aftersun) - 3.9 (2023.6.6/伏見ミリオン座)

監督 脚本:シャーロット・ウェルズ。2022年。日本公開2023年。記憶と記録。映画が持つ、思い出すという行為と劇中の親子の思い出が痛いほどシンクロする。ビデオと記憶の境目も毎回拘ったショットで繋げていて感心。というか全体的に画が良い。今を生きる時間は今しかないと改めて感じた。良作。

 

・テリファー (原題:Terrifier) - 3.4 (2023.6.5/U-NEXT)

監督 脚本:ダミアン・レオーネ。2016年。

 

・そして父になる - 4.1 (2023.6.4/WOWOW)

監督 脚本:是枝裕和。2013年。

 

・怪物 - 3.7 (2023.6.2/中川コロナワールド)

監督:是枝裕和。脚本:坂元裕二。2023年。3幕構成。2幕目開幕時のガッカリ感から終盤への盛り返しが凄かった。しかしここがピーク。3幕目のありきたり且つ結局何も解決しないラストには疑問が残る(死後の世界という解釈もあるが)。坂元脚本はやはり2時間では揺らぎを出すのが難しいと感じた。ファンだけに微妙。

■2023年5月に観た映画

13本(劇場、配信、レンタル、見直した作品を含む)(うち短編2本)

 

・TAR / ター (原題:TÁR) - 3.8 (2023.5.25/伏見ミリオン座)

監督 脚本:トッド・フィールド。2022年。日本公開2023年。2回目を2023.6.14に観た。何層にも深まっていくメッセージに感嘆。女性として成り上がるターは男性のようだった。ちょっとショットの面白みに欠けるのが残念で、それ故にさすがに長えなと感じてしまった。が、非常に面白かった。前半部分がもっとタイトになったら最高。

 

・フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 (原題:The Florida Project) - 3.8 (2023.5.24/U-NEXT)

監督 脚本:ショーン・ベイカー。2017年。日本公開2018年。

 

・ノット・オーケー! (原題:Not Okay) - 3.5 (2023.5.25/disney+)

監督 脚本:クイン・シェファード。2022年。

 

・最後まで行く - 3.6 (2023.5.24/109シネマズ名古屋)

監督 脚本:藤井道人。脚本:平田研也。2023年。藤井道人あわなさすぎる。音楽がとにかくダサい。音楽、演出、共に藤井作品はやはり苦手だなぁと思いながら観た。オリジナルを知らなかったらどんな感想になったのだろうか。車が真上から潰れるシーンで真隣のオッサンがめちゃめちゃビクッ!!ってしててそっちに驚いた。ラストの綾野剛の顔面は最高だった。

 

・フレッシュ (原題:Fresh) - 3.6 (2023.5.18/disney+)

監督:ミミ・ケーブ。脚本:ローリン・カーン。2022年。テンポが悪すぎる。85分にしろ。

 

・スターシップ・トゥルーパーズ (原題:Starship Troopers) - 3.7 (2023.5.15/disney+)

監督:ポール・ヴァーホーヴェン。脚本:エドワード・ニューマイヤー。1997年。日本公開1998年。

 

・MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない - 3.6 (2023.5.9/U-NEXT)

監督 脚本:竹林亮。脚本 夏生さえり。2022年。

 

・ハプニング (原題:The HApnneing) - 3.9 (2023.5.9/disney+)
監督 脚本:M・ナイト・シャマラン。2008年。最高!

 

・ガーディアンズ オブ ギャラクシー:VOLUME3 (原題:Guardians of the Galaxy Vol.3) - 3.9 (2023.5.8/ユナイテッドシネマ岡崎)

監督 脚本:ジェームズ・ガン。2023年。正直言ってアメコミ物はほぼ観ないのですが、ジェームズガンのパワーに引っ張られこのシリーズは完走。前作よりもハッキリと力強く描かれるメッセージに落涙。完結編が1番面白いなんて最高じゃないか。

 

・アンブレイカブル (原題:Unbreakable) - 3.7 (2023.5.7/disney+)

監督 脚本:M・ナイト・シャマラン。2000年。

 

・ガーディアンズ オブ ギャラクシー:リミックス (原題:Guardians of the Galaxy Vol.2) - 3.7 (2023.5.7/disney+)

監督 脚本:ジェームズ・ガン。2007年。

 

・ザ スーパーマリオブラザーズ ムービー (原題:The Super Mario Bros. Movie) - 3.2 (2023.5.2/ミッドランドスクエアシネマ2)

監督:アーロン・ホーバス。マイケル・ジェレニック。脚本:マシュー・フォーゲル。2023年。3D吹替版を劇場鑑賞。評判が意外だったので鑑賞。まじめに観てもしょうがないんだろうけど、特段このジャンルに興味がない自分としてはただつまらなかった。子供ばかりの劇場でも盛り上がってないのはなぜ?

 

・レッド ロケット (原題:Red Rocket) - 4.2 (2023.5.2/ミッドランドスクエアシネマ2)

監督 脚本:ショーン・ベイカー。脚本:クリス・バーゴッチ。2021年。日本公開2023年。徐々に緊張感がドライブしていく作劇にマジで前のめりになって観た。不思議なズームや、パン、カットバックなど、カメラを使った動きで魅せようとするチャレンジが面白かった。結構満足度高く見終えた。ラストの解釈は分かれるか。

 

■2023年4月に観た映画

14本(劇場、配信、レンタル、見直した作品を含む)(うち短編2本)

 

・アキレスと亀 - 3.8 (2023.4.30/DVD)

監督 脚本:北野武。2008年。中盤はいつも通りダレるが、かなり面白かった。

 

・せかいのおきく - 3.6 (2023.4.28/ミッドランドスクエアシネマ2)

監督 脚本:阪本順治。2023年。これ以上ないまでのウンコ映画(原文ママ)

 

・サスペリア PART2 完全版 (原題:Profondo rosso) - 3.7 (2023.4.23/U-NEXT)
監督 脚本:ダリオ・アルジェント。脚本:ベルナルディーノ・ザッポーニ。1975年。たしかに人形のとこ怖え。

 

・エスター (原題:Orphan) - 3.8 (2023.4.23/U-NEXT)

監督:ジャウム・コレット=セラ。脚本:デイビッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック。2009年。

 

・ハロウィン THE END (原題:Halloween Ends) - 3.3 (2023.4.15/イオンシネマ岡崎)

監督 脚本:デヴィッド・ゴードン・グリーン。脚本:ポール・ブラッド・ローガン。クリス・ベルニエ。ダニー・マクブライド。2022年。日本公開2023年。アバンをピークにして、これじゃない感が結局最後まで拭い去れなかった。前作までの気概はどこへやら、契約上無理やり伸ばされている何かを見せられている様でかなりつまらなかった。一部ゴア描写は頑張ったが、完結がこれでいいの?

 

・ノック 終末の訪問者 (原題:Knock at the Cabin) - 3.6 (2023.4.15/ミッドランドスクエアシネマ2)

監督 脚本:M・ナイト・シャマラン。スティーヴ・デスモンド。マイケル・シャーマン。2023年。ゆるーい設定でゆるーい話がゆるーく進行してゆく。結末も緩い。が全然嫌じゃないのはシャマラン信者過ぎるか。まあでも前作オールドよりも楽しめた。あと15分縮められるよねwウェンが可愛かった。
 

・ザ ホエール (原題:The Whale) - 3.8 (2023.4.15/伏見ミリオン座)

監督:ダーレン・アロノフスキー。脚本:サム・D・ハンター。2022年。日本公開2023年。最後の最後まで引っ張ってたどり着いたカタルシスに、画面のブレンダン・フレイザーと共にイキそうになる(映画でイクな)。最後にフィクショナルなものを盛大にぶち上げたくなる作家性には非常に頼もしいものがある。人は皆、自分勝手だなと思う。

 

・トリとロキタ (原題:Tori and Lokita) - 4.0 (2023.4.12/伏見ミリオン座)

監督 脚本:ジャン=ピエール・ダルデン。ヌリュック・ダルデンヌ。とてつもなく悲しく、劇映画なのにドキュメンタリックでもある、それでいてエンタメ性や緊張感も高い。さすがとしか言いようが無いバランス。こんなにも悲しい話があるだろうか。トリの単独行動時のハラハラ感もすごい。

 

・ダークグラス (原題:Occhiali neri) - 3.6 (2023.4.12/伏見ミリオン座)

監督 脚本:ダリオ・アルジェント。脚本:フランコ・フェリーニ。2021年。日本公開2023年。全体的に観たら新鮮味もないし、音楽の使い方もダレる(曲自体は良かったけど)しって感じではあるけれど、アルジェントの新作が観られるってだけで十分ではないでしょうか。それ相応のクオリティはもちろん担保されてるし。普通に面白くて満足。

 

・素晴らしき休日 - (2023.4.10/DVD)
監督 脚本:北野武。2007年。

 

・監督 ばんざい!- 3.6 (2023.4.10/DVD)
監督 脚本:北野武。2007年。

 

・その土曜日、7時58分 (原題:BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD) - (2023.4.7/U-NEXT)

監督:シドニー・ルメット。脚本:ケリー・マスターソン。2007年。日本公開2008年。

 

・コロの大さんぽ - (2023.4.4/ジブリパーク)

監督:宮崎駿。2002年。

 

・TAKESHI'S - 3.7 (2023.4.2/DVD)
監督 脚本:北野武。2005年。

 

■2023年3月に観た映画

13本(劇場、配信、レンタル、見直した作品を含む)(うち短編2本)

 

・隣の影 (原題:Undir trénu) - 3.9 (2023.3.29/U-NEXT)

監督 脚本:ハーフシュテイン・グンナル・シーグルズソン。2017年。日本公開2019年。

 

・ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー - 3.7 (2023.3.28/ミッドランドスクエアシネマ)

監督 脚本:阪元裕吾。2023年。前作より物語の幅としては狭まった感はあるものの何故か感情を揺すってくる作劇に落涙。漫画的なディテールがどうしても気になるがまたしてもやられた感じ。何だかんだ文句を言いつつやっぱり応援してます阪元監督、これからも頑張って欲しい。どう考えてもまさに"今"の監督だし、世代は自分より少し下だけど、同時代性と言うか、彼に期待してる部分はめちゃくちゃあるなーと思った。監督がベビわるの2人に託す未来が今作では非常に力強く眩しかった。
 

・座頭市 - 3.6 (2023.3.26/DVD)

監督 脚本:北野武。2003年。

 

・アズミ ハルコは行方不明 - 3.5 (2023.3.22/U-NEXT)

監督:松居大悟。脚本:瀬戸山美咲。原作:山内マリコ。2016年。

 

・The Son/息子 - 3.6 (2023.3.21/伏見ミリオン座)

監督 脚本:フローリアン・ゼレール。脚本:クリストファー・ハンプトン。2022年。日本公開2023年。キャラクターへのストーリーの乗せ方なのか何なのか、主要3人がどの人も均等にダメで全く感情移入できなかった。し、画面としても楽しめず、微妙な出来。「ファーザー」の時も思ったが、この監督の感性とは合わないのかも。
 

 

・シン 仮面ライダー - 3.8 (2023.3.21/ミッドランドスクエアシネマ)

監督 脚本:庵野秀明。2023年。全くもってライダーシリーズ通ってないのでその辺りは何とも言えないし、話がただのエヴァだったのでその辺も何とも言えないけど、庵野秀明の熱烈なフアンなのでその辺り別にオールオッケーです。楽しかった。iPhone画質を映画館で観たくないなってだけ。

 

・イノセント ガーデン (原題:STOKER) - 3.7 (2023.3.19/DVD)

監督 脚本:パク・チャヌク。2013年。

 

・Dolls ドールズ - 4.2 (2023.3.18/DVD)

監督 脚本:北野武。2002年。

 

・エブリシング エブリウェア オール アット ワンス (原題:Everything Everywhere All at Once) - 3.7 (2023.3.17/ミッドランドスクエアシネマ2)

監督 脚本:ダニエル・クワンダニエル・シャイナート。2022年。日本公開2023年。中盤以降とそれまでと様相が極端に違うのこそが狙いなのだろうが個人的には前半の方が好きだった。そのままのノリで走り抜けて欲しかった。長い。着地が平板な物になっているのも微妙といえば微妙。

 

・いつかの君にもわかること (原題:Nowhere Special) - 3.5 (2023.3.14/伏見ミリオン座)

監督 脚本:ウベルト・パゾリーニ。2020年。日本公開2023年。お話自体はそりゃ泣くだろと言うしかない内容ですが、そこと映画の良し悪しは別。エピソードの積み方が一辺倒で先も(悪い意味で)読め、特段良いところが見つけられなかった。フィックスで捉える画作りにはエネルギーを感じた。

 

・Winny - 3.6 (2023.3.11/TOHOシネマズ新宿)

監督 脚本:松本優作。脚本:岸建太朗。2023年。現代日本映画の優秀脇役の皆様を集め(一部有名俳優除く)総合力で勝負したような気概を感じた一作。それだけでグッと来てしまったが、話としては余分な部分も多く感じ、若干散漫か。話自体が面白くそれだけで求心力を持って進められるが、そこまで、という感じか。

 

・フェイブルマンズ (原題:The Fabelmans) - 4.4 (2023.3.11/新宿ピカデリー)

監督 脚本:スティーヴン・スピルバーグ。脚本:トニー・クシュナー。2022年。日本公開2023年。思ったよりも映画と関係ない話を原動力に進んでいくが、やはり親との関係性を描いていくと共感性は一気に増すと思う。クラスメイトの関わりから立ち上がってくる思春期の心の機微もうまく、最後の廊下でのシーンが特に印象的だった。

 

・BROTHER - 3.8 (2023.3.4/DVD)
監督 脚本:北野武。2000年。