IT業界の人、そりゃ、やる気なくなるよなぁ | クル・クルリン小話

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自分の生業はソフトウェア開発なのですが。

 

日本のソフトウェア業界がホントにクソだと思っててそんな話を少し。

 

ホントにこの業界、入ってくる人も多いけど出ていく若しくは業界自体を辞めちゃう人が多い。

 

そんな話を。

 

だいたいの人ってソフトウェアはただみたいなもんだと思って使ってませんか?

 

例えばスマホのアプリや普通に使用しているクレカや何とかペイのアプリなど。

 

これらを作るのってめちゃめちゃ勉強して技術を学びそれ相応の人と時間を使って作ってます。

 

個人で作成しているスマホアプリではなく、大手の会社が作成しているシステム等(paypay、何々通販サイト)ではそれこそ20人体制で10ヶ月なんて案件もざらにありまして。

 

そうするとそれらの人を束ね工程の管理をするにはそれ相応の会社になります。

 

例えば某大手ハードウエアメーカーや某通信子会社や大手のソフトウエア会社ですね。

 

よく名のしれた会社。

 

でもそういう大手の会社(元請け)にはそんなに仕事をさばけるだけの人は居ないんですよね。

 

一部の部署は研究や自社システムの開発等していますが。

 

ではどうするかと言うと、他の会社に人の応援を要請するわけです。

 

若しくは自分が請けた仕事を分割してお任せするとか。

 

いわゆる元請け下請け関係ですね。

 

ここで問題なのが元請けが2億円で請けた仕事を下請けに出すときに2千万円位まで落として出す会社が一杯あるわけです。

 

元請けなんて殆ど工程管理と何かあった場合の責任取る為に有るようなもんで。

 

でも何か有った時、例えば大規模なシステム障害等、結局は元請けは指図するだけで実際に手を動かすのは末端の技術者なんですが。

 

此処で何度も言いますが問題は元請けで2億で依頼されてもそれを下請けに2000万円で発注するなんて事。

 

本来、還元されるべき労働単価である発注金額が正しく行きわたってないんですよ。

 

幾ら大きな案件を受けるだけの体力がある会社だとしても取りすぎでしょ。

 

そして実際にはこういう状態になります。

※請け側と請け側の金額推移。

 

元請け      2億(これ位の案件になると国からが多い)

1次下請け 2000万

2次下請け 1000万

3次下請け  500万

4次下請け  300万

5次下請け  150万

 

これ誇張してる部分もありますけどだいたいこんなもんです。

 

実際には3次下請以降は一つの会社でこんな案件さばけないので複数に同じような状態に分配されます。

3次下請け 500万を150、150、200みたいに。

 

そして人を集める為、それぞれの下請けで人を集めてきて人売りを行うわけです。

 

所謂、人材派遣会社や人売り会社です。

 

この人は月150時間働いて50万でどうですか?

この人はスキルがあるから月150時間働いて80万でどうですか?

 

ってな具合で。

 

法律的に今は多重派遣が禁止されているので元請けの作業を5次下請けが直接行うことはできませんが(間に4社入ってるので)実際にはそういうコンプライアンスを守っている処は色々な手段でかいくぐってます。

 

で、大手の人材派遣会社なんてのは元請けと太いパイプがあったりするので1次請けはもちろんあらゆる階層で人を手配するわけですね。

 

例えば先ほどのスキルのある人でも月150時間働いて80万を派遣元が人材派遣会社に払ってもその人材派遣会社をとおしてると手元には30万程だったり。

 

人材派遣会社なんて営業をかけ大変な部分もあるけど、それでも本来は技術者が80万貰ったものを紹介料?として半分以上を取ったりするところもザラです。特に大手は。

 

なので大手の人材派遣会社の代表が「私たちは雇用の流動性に寄与している」なんて言ってるの聞くと人を売りさばいて収益取りまくってどの口が言うてんの?って思ったりします。

 

そりゃ技術者のモチベーション上がらなくなりますね。

 

日本のこういう 人売りと多重構造の発注機構が改善されない限りこれからもドンドンとIT関連に入ってきてもまた辞めちゃう状態は改善されないかと思ってます。

 

先日まで仕事していたところも知ってるだけで2年程で社員さんが5人程辞めちゃいましたから。

 

ホント、自衛の手段を講じないとしんどいだけですね。

 

で、笑える話、かなりの額で受けた仕事を安い単価で下請けに流してたらその仕事をする会社が無くて周り回って自分の会社にこんな案件有るんだけどやりませんか?って他の会社から超安い単価で回ってきたなんて事も。

 

公共機関

↓(2000万でA社に発注)

A社

↓(1000万でB社に発注)

B社

↓(500万で何処かに発注しようと思ってる)

どこかこの仕事しない?

↓そんな会社無い

↓そんな会社無い

↓そんな会社無い

A社にも声がかかる。500万で(笑)

 

バカにしてますね。

 

という愚痴でした。

 

自衛の手段?それはナイショ(笑)でも少しだけ、

 

・アカンと思った処は直ぐに止めて次に行く。

 

・金額交渉はガッツリやって出さないところには行かない。

 

概ねこの2つが基本かと思います。

 

またいつか書いていきます。

 

でわでわ(^^)/