オペラの敷居がだんだん低くなってきた件 | 笛吹きの備忘録

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おばあさんのモノワスレ対策ブログです。
アマチュア楽団でフルートを吹いています。
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新国立劇場で、オペラ『カルメン』を観てきました。

いつもの4階バルコニー席です。
着席したら、まずオケピを双眼鏡で確認…。フルーティスト・ウオッチングです。女性が二人、楽しそうにお喋りしてました。演奏は東京交響楽団です。なので、竹山愛さんに違いない🎵 間奏曲のフルートソロが楽しみです。
 
突然ですが、6月に椿峰フルートアンサンブルの定期演奏会があります。
そのプログラムのメインが、フルートオーケストラ用に編曲された「カルメン組曲」で、「前奏曲」、「アラゴネーズ」、「間奏曲」、「闘牛士の歌」、「ハバネラ」などを、目下、練習中なんですよ。
知っている曲が聴こえてくると、やっぱり楽しいですよね。

 さて、オペラ『カルメン』は1820年ごろの物語ですが、アレックス・オリエ演出の『カルメン』は、設定が現代!なのですよ。
カルメンは、タバコ工場で働く女工ではなくて、ライブハウスで人気のロック・シンガーなのね。
⤴️これはポスターに使用されてるステージ写真で、ライブハウスで「ハバネラ」を歌ってるカルメンです。
「ハバネラ」って、あの、有名な、半音階でタッタッタタッタタ~ランと下がってくる曲ね。
オーケストラは、ロック風に編曲されたものではなく、ビゼーの作曲どおりに演奏しています。
そして、カルメン役のサマンサ・ハンキーさんは、マイクオフのソプラノで歌い上げるのですよ、この格好で!  
はい、全然、違和感なかったです…。
カルメンは、ソウルフルなロックシンガーでした。
 
このカルメン像は、歌手のエイミー・ワインハウスをモデルにした、とアレックス・オリエさんが演出ノートで語っているのですが、そのエイミーってどんな人? と、ググってみたら…。
 
さらにロマ(ジプシーは差別用語なのね)の窃盗団は、カルメンが所属するバンドの仲間がドラッグの密輸をしているという設定ですし、ドン・ホセは、それを取締る警察官! なるほど納得の設定でしょ。
 
⤴️公開されてるステージ写真です。楽屋でギターをつま弾くカルメン♪ かなり露出の多いボディコン衣装でした。
 
でね、エスカミーリョの設定は原作どおり闘牛士です。現代のね!
(⤴️これはステージ写真ではありません)
エスカミーリョは、スパンコールを散りばめたド派手な衣装で登場し、闘牛場の入口に続くレッドカーペットを、カメラ・フラッシュを浴びながら、ファンの声援に応えつつ、ときには握手したり、ポージングしたりで歩いていきます。
そう!現代においては、闘牛士もエンタメ界のスターなんですよ。
この設定で、ストーリーは、ほぼ原作どおりなんです。すると、何だか、芸能界のスキャンダル事件のような…。
自立と自由を切望しながらも破滅へと流れてしまう、生きることがとても下手くそだった女性の姿が、くっきり見えてくるのです。
そして、所有欲の固まりみたいな男たちとの対比も分かりやすい!

オペラって、変幻自在なんですね。