ばらの町で可憐なミモザに涙した件 | 笛吹きの備忘録

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おばあさんのモノワスレ対策ブログです。
アマチュア楽団でフルートを吹いています。
お芝居が大好き!

与野本町の駅前です。


ばらの町ですね。
でも今日はフルートアンサンブルの練習日ではありません。


ばらの咲く道は、
彩の国さいたま芸術劇場へと続いています。

途中には、劇場ゆかりの役者さんたちの手形レリーフが飾られているのですよ。
⤴️これは柿澤勇人さん♪

はい! 昨日は『ハムレット』の観劇でした。

彩の国シェイクスピア・シリーズ2ndが始まったのです。その一作目が、柿澤勇人さんの『ハムレット』!
※日刊スポーツサイトからお借りしました。

演出家の蜷川幸雄さんが彩の国さいたま芸術劇場の初代芸術監督に就任されて、シェイクスピア・シリーズ第1弾『ロミオとジュリエット』が上演されたのは1998年1月です。
そして、第32弾『尺には尺を』の上演が2016年5月、蜷川さんはその稽古途中の5月12日に亡くなりました。
そのあとを、吉田鋼太郎さんが引き継いで5作品を上演し、2023年1月、番外編『ジョン王』で、シェイクスピア・シリーズは終わったのです。

でもね、継続を希望する声が多くて、2ndシリーズが始まったのですよ🎵

1stシリーズでは、2001年の11弾で市村正親さんが、2015年に番外で藤原竜也さんが『ハムレット』を演じています。
私はどちらも観ていません。観たことがあるのは、文学座、江守徹さんの『ハムレット』ですよ、いつだったのかググったら1981年でした、古っ…。
さて、柿澤勇人さんのハムレットは、死へと向かうエネルギーが凄まじかったです。「死」へと疾走!突入!した感じです。
「あとは沈黙」の最期のセリフを聞いたとき、やっと楽になれたねーと慰めてあげたくなるくらい、激しく生き急ぐハムレットでした。

キリスト教がしっかりと背景にある物語ですから、「死」は神の身元にいくこと、あるいは神に見放されることでもあり、登場人物たちは誰もが神を畏れ、神の教えに背いてしまった己れの罪に苦しみます。
苦しむけれど、欲望は捨てられないのですよ。罪に罪を重ね、破滅に向かって生きていく人間たちがくっきりと描かれていました。

⤴️オフィーリアに「尼寺へ行け!」と声を荒げるハムレットです。(この写真も日刊スポーツさんからお借りしました)
そのハムレットの変容に傷つき、正気を失うオフィーリアが可憐で、舞台に駆け上がって抱きしめたいほどでしたよ。
原作と違って、オフィーリアが配る花はミモザでした。花言葉も言わなかった…。ググったら感謝、秘密の恋等々…。
黄色いドレスと共に心に残り、納得させちゃう鮮やかな演出でしたよ。

最後に、天井からボタッ!ボタッ!とミモザの花束が落ちてきます。Oh!  NINAGAWA!
ここで泣けてしまった…。
蜷川さ~ん! シェイクスピア・シリーズ2ndは、とても良いスタートを切りましたよ♪