ネイティブの上方言葉に関西出身者はホッとしてしまう件 | 笛吹きの備忘録

笛吹きの備忘録

おばあさんのモノワスレ対策ブログです。
アマチュア楽団でフルートを吹いています。
お芝居が大好き!
母の着物をリメイクして、着る(ここ大事♪)ことを老後のミッションと決めました。

四月大歌舞伎昼の部を観てきました。


めでたい焼きも食べました。ほぼ…コロナ禍以前の歌舞伎座観劇ルーティンが戻りましたね。

演目は『引窓』と『七福神』と『夏祭浪花鑑』です。
3月の南座は、義理も人情もおまへんのやー的ドロドロ劇でしたが、4月の歌舞伎座はこってりコテコテ義理人情板挟み劇ですね。
しかも花形さんたちは『七福神』に集結!で、あとの2演目を、いぶし銀さんとノリノリ中堅さんで固めてありました。見応え大いにありまする!

『引窓』は良いお話ですよね。登場人物全員が、他のだれかのことを思いやっています。自分勝手な行動はいたしませぬ!
そして、お月見や放生会という、日々の暮らしに自然との共存が根づいていることも、さりげなく表現されて、静かに、静かに、物語が進みます。
扇雀さんの上方ことばと立ち居振舞いがしっとり、心に沁みました。
引窓がバタンと閉じられ、また静かに開けられるとき、やさしく月の光が差し込んできたように感じさせてくれましたよ。

『夏祭浪花鑑』のほうは、ドロドロがあります。殺害現場が井戸端の沼地で、沼にはまって、マジでドロドロ…。
その泥を落とすために、ザッブーンと井戸の水もかぶっちゃいます。
こういうの、派手にやるほどワクワクしちゃいますよね。何度も何度も見栄があるんですよ。愛之助さんカッコいい!
遠くから聞こえていた祭囃子がだんだん大きくなって、提灯行列の灯りも見えてきて、立ち回りはクライマックスへと!
観てただけなのに、一緒に闘ったぐらい疲れましたよ。

愛之助さんのブログで、団七さんの背中の刺青が紹介されてました。
『引窓』も『夏祭浪花鑑』も、上方歌舞伎で、台詞のイントネーションは上方風(?)です。
関西が舞台のテレビドラマでは、ビミョーなイントネーションの違いに引っ掛かってしまって、ドラマが楽しめなくなる私なのですが、歌舞伎は独特の台詞回しですし、こういうものなのだと、そんなに気にしてませんでした。
でもね、お決まりの台詞、お辰の「うちの人が惚れたのはここ(顔)じゃない、こっち(心)でござんす」と、団七の「悪い人でも舅は親、ゆるしてくだんせ」を、ネイティブ上方ィアン愛之助さんで聞けたときは、ホッとするというか、安心感というか、ともかく嬉しかった…。