影が濃くなると、秋を感じますね。
国立劇場です。あぜくら造りが素敵🎵
1966年に開場して57年、改修工事が必要な時期ではあるのでしょう。耐震性やバリアフリーだけでなく、伝統芸能であっても、日々、進化を続けており、旧来の舞台機構では使いにくい、ということなのかしらね…。
さよなら公演は、9月、10月の2カ月連続で『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』を通し上演しています。
9月は、あの「吉野川の場」までが上演されます。
なので、両花道です。
劇場前にフォトスポットと称して、吉野川の場の書き割りがありました。
顔出しできる穴を開けておくとか、写してくれるスタッフを常時配置するとか、もうひとがんばりほしかった。
お芝居はとっても丁寧に作ってあり、舞台装置や衣装は品の良い色彩感で統一され、役者さんたちの佇まいもおっとり静的で、美しい日本画を鑑賞しているようでした。
なので、吉野川の場にたどり着くまで、かなり退屈…。
幕間は、いつもなら十八番ラーメンにするのですが、さよなら公演なので、梅御膳を予約しました。
そして、吉野川の場です。
この演目は、愛し合う二人の、親どうしは仲が悪いという点で、よく『ロミオとジュリエット』になぞらえられます。
でも、あちらの二人は自分の意思で愛に生きる選択をしたのに、行き違いがあって死に至りますよね。
こちらの二人は、お上の意向に振り回されて、それぞれが死を選ぶのですが「私は死にますが、あなたは生きてください」という愛なのです。
しかも、若い二人の愛よりは、それぞれの親の愛(子どもへの思い)のほうが丁寧に描かれていて、そこが泣かせるのです。
母は、飾り雛のお道具の駕籠に、娘の首を納めて川を渡し、久我之助のもとに嫁がせるのですよ。
すんごいお輿入れ!
歌舞伎って面白い!
※舞台写真は国立劇場HPからお借りしました。