PARCO劇場で『桜の園』を観てきました。
渋谷PARCOなので、ランチはクアトロラボです。もう定番になりました。
しかし今日は、知らない曲がかかってました…。
いつもいつも70年代和製ポップスをかけてくれるわけではないのよね。
さてチェーホフの喜劇『桜の園』です。何度も上演されています。
私は、中学生のとき、NHKの舞台中継で東山千栄子さんのラネーフスカヤ夫人を観たのが初めてです。品はあるけど、何だかヒラヒラしたオバサマという印象でした。(中学生の感想です…)
生の舞台で観たのは大学生のときで、東山さんはもう引退されていて(亡くなられてのかな?)、細川ちか子さんがラネーフスカヤ夫人でした。
キリッと気品のある立ち姿に、これぞ貴族(没落しても)と納得しましたね。ロパーヒン役は 米倉斉加年さんで、イライラするほど卑屈な物腰でした。その二人の対比に、頭デッカチの女子大生は「新劇は、こうでなくちゃ!」と思いましたよ。
それから40年くらい経って、2012年に三谷幸喜演出で観たとき、ラネーフスカヤ夫人は浅丘ルリ子さん!でした。
華があるし、浮世離れしてるし、色っぽいし、没落しても楽天的なんですよ。こっちが正解だわ、と元演劇少女は簡単に寝返ったのです…。
ロパーヒン役は市川しんぺーさんでしたが、ルリ子さんの前では影が薄かったです…。(しかし今回は酔どれピーシチク役で存在感を示してました)
そして、今回のラネーフスカヤ夫人は原田美枝子さんです。
う~ん…、何か…、ちょっと違う…。

きれいなんだけど、品もあるんだけど、普通のきれいな品のあるご婦人でした…。
ロパーヒン役の八嶋智人さんが大活躍で、自分の才覚で人生を切り開こうとする若者へのエールみたいな物語になってましたね。
鍵をかけられた屋敷うちで「疲れた…、ちょっと休もう」と横たわる老執事(村井國夫さんです、老いてもカッコイイ)の穏やかさも印象的でした。
時代の変化を読み取れなくても、無邪気なまま生を全うしたのは、このフィールスなのね。