哀しい結末と思うか、愛の成就と喜ぶべきか迷う件 | 笛吹きの備忘録

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おばあさんのモノワスレ対策ブログです。
アマチュア楽団でフルートを吹いています。
お芝居が大好き!

新国立劇場で『白鳥の湖』を観て…いえ!身も心も楽しみました。


元気に歩けるうちに、主要なクラシックバレエを全幕鑑賞するぞ!プロジェクト第2弾です。

第1弾はこれ♪『くるみ割り人形』でした。

今回も、新国立劇場バレエ団の公演です。特に誰のファンというわけではなく、チケットが入手しやすいもので…。
先行発売とか、シルバー割引とか…。

オペラでは諦めざるを得ない席を奮発しました(前から5列目のど真ん中♪)。もう、これが最期!(この漢字です)、一生に一度! 冥土の土産!(まだ早いか…)なのでね♪

さて『白鳥の湖』の結末には2通りあります。
ロットバルト男爵の呪いで白鳥に変えられてしまったオデット姫が、ジークフリード王子の愛を得て人間に戻るハッピーエンドと、王子が黒鳥オディールをオデット姫だと見誤って愛を誓ってしまい(見た目も性格も違うんだから気付けよと思いますが)、呪いは解けず、湖に身を投げるバッドエンドの二つです。

元々、ロシアで初演された『白鳥の湖』はバッドエンドでしたが、旧ソ連の社会主義政策(みんなが幸せになれる国の実現?)でハッピーエンドに変えられたそうです。
でも、ロシア革命のとき、振付家のニコライ・セルゲイエフがヨーロッパに亡命して、元々の振付を伝えました。

私が子どものころ親しんだバレエ漫画での『白鳥の湖』もハッピーエンドでしたね。

…で、今回、鑑賞したのはバッドエンド版です。
間違って黒鳥に愛を誓ってしまった王子は、オデット姫に許しを願います。もちろん姫は許しますよ。でも呪いは永遠に解けないのです…。
もう人間には戻れない、王子と結婚できない、この世で幸せになれないのなら………、なんか、最近、こんなような言葉を聞いたな…。

それは絶望ではなくて、死によって愛の成就を願う希望だと、言っちゃってもいいのだろうか…。

ま、それはともかく美しい舞台でした。
また観たい…、D席でもいいから…。この世での幸せを大切に思うおばあさんなのでした。