人の声は温かいと感じた件 | 笛吹きの備忘録

笛吹きの備忘録

おばあさんのモノワスレ対策ブログです。
アマチュア楽団でフルートを吹いています。
お芝居が大好き!

新国立劇場でオペラを観てきました。

⤴️最寄りの初台駅の壁には楽譜が描かれていて、これは『眠りの森の美女』のワルツかな…?
電車の発車ベルは『アイーダ』の凱旋行進曲なんですよね。
でも、観たのは、ジュゼッペ・ヴェルディの『リゴレット』です。

新国立劇場のオペラ座席はS席からA、B、C、D、Z席まで6段階あって、料金は27,500円(S席)から1,650円(Z席)と、人生いろいろな感じです。
私はC席のシルバー割引7,480円を選びました。
舞台の正面ですが、4階です。
こんな感じ…。
1列目ですが、私はおチビさんなので、手前の柵?手すり?で、ちょっとだけ舞台が見切れます。子ども用の、座面を高くできるクッションがほしかった。(この写真は腕を伸ばして撮影しました)

でもね、声はよく聴こえましたよ!
歌舞伎座の3階席だと、役者さんによっては声が届かなかったりしますよね。
それが皆無!  耳元で歌ってくださってるみたいに、いやいや、身体を包み込むように、じゃないなー、もうね、ずっと音に浸っているような感覚でした。

ストーリーは単純明快、女たらしのマントヴァ公爵に娘を弄ばれたモンテローネ伯爵をからかったリゴレット(彼はマントヴァ公爵に仕える宮廷道化師)は「呪い」の言葉をかけられます。
ー父親の苦悩を笑う者は同じ目に会うぞ!ー
みたいなことだと思います。
イタリア語上演で、舞台両端に日本語字幕が出るのですが、なんとなく筋が分かる程度なのね。

…で、その「呪い」が伏線になっています。
いろいろあって、リゴレットは最愛の娘を亡くしてしまうのです、「呪い」のとおりに…。

宮廷道化師というのは、中近世のヨーロッパ宮廷で玩具のように扱われていた身体に障がいのある人のことだそうです。(リゴレットは背中にコブがある設定でした)
異形に生まれたことで蔑まれるリゴレットの、唯一の希望は愛娘ジルダなのですが、純粋無垢な彼女はマントヴァ公爵にまんまと騙され、傷つけられたのに、愛を信じて(ここ、大事なポイント)、マントヴァ公爵の身代わりとなって殺されてしまいます。

そんなこととはつゆ知らず、マントヴァ公爵がノー天気に歌うのが『女心のうた』です。
♪か~ぜ~の~なっかの~♪は~ね~の~ように~♪ です。
腹立つけど、素敵なテノールでした。

リゴレットのバリトンも、鬱屈した感じ、暗い怒りが伝わって、心ふるえました。

しかし! 何と言ってもジルダのソプラノが素晴らしかった♪♪♪

人の声って、心に優しく届くんですね。
やわらかく、そして、温かい!  

フルートは息が音に換わる楽器です。
でもね、金属がふるえて音になるのと、声帯がふるえるのとは違うんだわ…。
人の声は、体温を伝えることができる。
生の感情が歌声に昇華されているようでした。

そういうこと、フルートにもできるのかな…?