プラユキ・ナラテボー師による数冊の著作は概ねKindle版に移行し、書店では師が監訳を務められた、カンポン・トーンブンヌム著の「気づきの瞑想で得た苦しまない生き方」だけが置かれていることが多い。
さて、その昔、私にちょっとした転機があって、そこから一層浮き草稼業を任じて修行するようになったのだけれど、ちょうど偶然その頃にプラユキ・ナラテボー師と旧交を温め、出版されたばかりの「気づきの瞑想で得た苦しまない生き方」を寄贈して頂いたことがある。
その時、師は本の見開きに「プラユキ・ナラテボー 今ここを大切に 心を込めて生きよう」と書いて下さったのだが、先日、ふと思い立って何年かぶりにこの本を読み返してみた。
先年亡くなられたカンポン氏だけれど、大事故の後に氏が「気づき=sati」を得て行く詳細は、むしろ一般の瞑想指導書以上に具体的な修行時の心の持ち方についての参考になる。この本が長く紙媒体として書店に残るのは、意義あることだ。
合掌
※日本人上座部僧・三橋円寒ヴィプラティッサ比丘が日本語訳された、タイの高僧・プッタタート比丘の「仏教人生読本」「観息正念」PDF版を「ホームページ アジアのお坊さん 本編」上に公開しております。