光永覚道大阿闍梨の話 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

先日、横綱に昇進したばかりの力士の後方に、比叡山千日回峰行者・光永覚道大阿闍梨が揮毫した書が飾ってあるなと思っていたら、ニュースサイトの集合写真には光永覚道師ご自身の姿も映っていたので、これをご縁に過去記事を推敲して再録してみようと思う。

 

さて、私は比叡山で得度して天台宗のお坊さんになった後に初めて覚道大阿闍梨の著書を何冊か読ませて頂いたのだが、テレビの特集などで見る限り、華々しく精力的に見えたこの阿闍梨さんが、実に明晰に平静に、仏法や回峰行というものを捉えておられるということに驚いたし、覚道師が早い時期からご自身の隠居について考えておられたということも印象に残ったものだ。

 

さて、それから何年も経ってからの話だが、覚道師のお弟子さんである光永圓道大阿闍梨が、2009年、千日回峰行満行直前に修された京都大廻りの道中で、圓道師の到着を待つ我々の前に、歩きやすい白い衣装にキャップを被った師匠の覚道師が現れて、「昔の阿闍梨さんです~、一行はもうすぐ到着しますからね~」と気さくに話しかけて下さったことがある。

 

お弟子さんの回峰行に同行することを、とても嬉しく思っていらっしゃることがひしひしと伝わる笑顔ではあったが、こうした覚道大阿闍梨のお人柄があればこそ、お弟子さんの圓道大阿闍梨も、あれほど稀有にさわやかな阿闍梨さんでいらっしゃるのだろうと思う。

 

                    合掌

 

 

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