勤行前の朝食 | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

一般社会に暮らしているとなかなか難しいかも知れないが、朝食というものは、本当は起床後、十分に時間が経ってお腹が空いてから食べるのが理想的だ。

 

そう思って以前に自分が書いたブログの、お寺の起床に関する記事を読み返し、各お寺の日課を確認してみることにした。

 

他宗のことに関してはいい加減なことが言えないので、とりあえず天台宗の場合について見てみると、比叡山において僧侶が天台密教の灌頂を受ける時の3日間の日程は、2日目が午前6時半に朝事(朝の勤行)を勤めた後、7時半に小食(しょうじき・朝食)となっており、3日目は午前5時半に金剛界を受け、8時から小食となっている。

 

また、寺院の子弟や檀信徒を対象にした「天台青少年比叡山の集い」では朝5時に覚心(起床)、6時に坐禅、7時に勤行と清掃、8時に朝食となっている。

 

テーラワーダ仏教の場合、例えばプラユキ・ナラテボー師の「気づきの瞑想を生きる」によれば、ワット・パー・スカトー寺院の起床は午前3時、その後4時に読経と瞑想、5時半から7時が托鉢、7時半から8時が食事となっている。

 

プラ・タカシ・マハープンニョ(落合隆)師の「テーラワーダ仏教の出家作法」には午前3時半起床、4時瞑想、5時朝課、6時托鉢、8時朝食となっている。

 

上記の2つの寺院は修行寺=瞑想寺院の場合だが、一般の学問寺の場合はと言うと、池田正隆師の「ビルマ仏教」によれば、師が修行なさったミャンマーの寺院では5時に起床・礼拝・瞑想・作務、6時軽食、7時托鉢となっている。

 

以上のように、いずれにしても、すべての寺院において朝食は勤行よりも後に摂るものだということが分かる。

 

 

                   おしまい。

 

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