タイのバスのベンツのエンブレムは偽物か? | アジアのお坊さん 番外編

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タイで走っているバスの中に、ベンツのエンブレムを付けた車体があるが、あれは確かただの遊び心で、本物のベンツではないということを、バンコクのワット・パクナム寺院で修行中に聞いたはずなのだが、先日、このことについて人から質問されたので、この機会に調べ直してみた。

まず安直ながら、インターネットで検索すると、このエンブレムが偽物だと書いている人が、一人もいない。この車体について書いている方は何人かおられるが、詳細は不明、といった記述がほとんどだ。

前川健一氏の名著「バンコクの好奇心」(めこん・1990年発行)の71頁にこのバスのことが載っていて、その脚注にも、「おそらく、ネジ1本に至るまでベンツの部品は使っていないはずだ。もちろんベンツのマークすらタイ製だろう。こうしたことは当然乗客も承知していて、誰も本物のベンツだとは思っていないはずだ」と書いてある。

2008年にやはりめこんから出た「バンコクバス物語」という本はとても詳しいのだが、一通り、今回、ざっと見直した限りでは、この車体に関する記述を見つけられなかった(どこかに小さくでも書いておられるのを見つけたら、追って報告致します)。

インターネットでは、一時、ある路線の遠距離バスに限り、近年、本物のベンツ車が使われたとか、それがまた廃止になったとかいう記事もあるにはあるので、全てが偽物とは言えないが、概ね「バンコクの好奇心」の時代から状況は余り変わっていなくて、タイのバスのベンツのエンブレムは、ほとんどが本物ではないと思うのだが、さて、タイ事情に詳しい皆様の新しい情報を、ご教示頂ければ幸甚です。

※当時のバスの写真がなかったので、こちらを代わりに。
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                          おしまい。

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