最新の「天台ジャーナル」(№144)を見ていたら、ある写真家の方のコラムに、トルコで出会った宿の門番の男性の口癖が「Not at all」で、彼のことをノット・アット・オールおじさんと呼んでいた、ノット・アット・オールは言ってみれば、「問題ないよ」というくらいの意味だ、ということが書いてあった。
「Not at all」は、お礼を言われた時の、「どういたしまして」という意味ではないのだろうか? 「Not at all」に「どういたしまして」以外に、どの程度、「大丈夫」のニュアンスが含まれるのか、英語ネイティブでない私には詳しくは分からないが、とりあえず、お礼を言われた時の返答としての「Not at all」は「You are welcome」とは、ちょっと違うニュアンスだから、日本語で言えば、「とんでもございません」といったところだろうか?
それはさて置き、日本語の「とんでもございません」という言葉は、礼を言われた時と、謝られた時の両方に使える訳だが、先日、「遅れてすみません」と謝る方に対して、自分の口から、思わず「とんでもございません」という言葉が口を付いたので、その時に、ふと思ったことが、今回のお話。
意識の片隅では気になっていたのだが、近頃、この言葉を聞くことが多い。どちらかと言えば、今時の人たちの言い方は、「とんでもございません」ではなくて、「とんでもないです~」であることが多いのだが、それを聞くたびに、ちょっとしたことに対して「とんでもない」などという言い返し方は、ずいぶん大袈裟と言うか、素っ頓狂な感じがするなと思っていたのだ。
とりあえず、「遅れてすみません」に対して、「とんでもないです」ではなく、もうちょっと適切で、相手の心を和らげる言い回しはないものだろうか? 「大丈夫ですよ」「ご心配なく」「お気遣いなく」あたりで良いのかな? などと、自問している今日この頃。
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