節分にちなんで鬼の話 | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

節分なので鬼の絵を見かけることが多い。豆まきの豆を買うと、鬼の面が付いて来たりもするお国柄だが、人から聞いた話では、先日はインターネットのクイズか何かで、鬼にちなんだ問題が並んでいたそうだ。

それはそれは、さぞ面白そうな、どんな問題だったか教えて下さいと言うと、誰でも分かる簡単な問題ばかりですよ、鬼に○棒とか、○○の話をすると鬼が笑うとか、鬼の居ぬ間に○○とかの、○○を当てるような、とのこと。

私は以下のようなクイズだったら面白いなと思ったのだけれど。


問1.日本語の「おに」という言葉の語源は何か?

問2.中国語の「鬼」という漢字は、本来、何を表すか?

問3.羅生門で腕を切られた鬼の名は?
①酒呑童子 ②茨木童子 ③善財童子

問4.「鬼の研究」という本の著者としても知られる女流歌人の名は?


さてさて、それはさて置き、「鬼の居ぬ間に洗濯」という言葉、何で洗濯なんですか? と同じ方に聞かれた。

江戸川柳に、「洗濯で 留守かと思う 四天王」という句がある。大江山の酒呑童子を退治に来た源頼光と部下である四天王が、泣きながら血の付いた着物を川で洗濯する囚われの女たちに出会うという有名なエピソードがあるが、「鬼の居ぬ間に洗濯」という諺があるくらいだから、今、鬼たちは留守なのかなと、四天王たちが思ったことだろう、という意味の句だ。こんなクスグリが成立するくらいだから、この諺はだいぶと古くから使われていたのだと思う。

ところで、インターネットで検索すると、「鬼の居ぬ間に洗濯」の「洗濯」は、「命の洗濯」という意味だと、複数のサイトに書いてあるのだが、私には信用できない。

きっと誰かが適当に言い出した推測が、インターネット上に拡散したに違いないと私は思うのだが、じゃあ、なぜ鬼の居ぬ間に洗濯なのか、何か出典があると思うのだが、いまだに根拠が見出せない。

これはまた、いずれ詳しく調べてみることにしよう、慌てずゆっくり、来年の節分までには…。
                            
                             おしまい。





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