鬼の話、もう一口 | アジアのお坊さん 番外編

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旅とアジアと仏教の三題噺

            
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鬼に関する下記のようなクイズがあったらいいのにということを、節分の日に書いたら、答は書かないんですか? と御指摘を受けたので、とりあえず、私の考えた問題を再録してみる。


問1.日本語の「おに」という言葉の語源は何か?

問2.中国語の「鬼」という漢字は、本来、何を表すか?

問3.羅生門で腕を切られた鬼の名は?
①酒呑童子 ②茨木童子 ③善財童子

問4.「鬼の研究」という本の著者としても知られる女流歌人の名は?


世界文化社から出ていた「グラフィック版 日本の古典」というシリーズは、現代語訳に図版がたっぷり添えられていて、子どもにも読みやすい本だったのだが、小学生の時、その中の「伊勢物語」を読んで、第六段、摂津の芥川で鬼に女が食われる話にちなみ、これは「鬼一口」などと呼ばれる説話の型で、などという解説を読んで、興味深く思った。

高校生くらいの時、図書館で歌人の馬場あき子氏の名著「鬼の研究」を目にして、民俗学だとか人類学に関する知識がなかった私は、「鬼」などというものが「研究」の対象になるんだと知って、本当に驚いた。そして、今後、自分の興味のあることを調べ尽くすまでに、遥か長い時間が掛かりそうだと、気が遠くなったのを覚えている。

念のために本屋さんで調べてみたら、ちくま文庫の「鬼の研究」は、まだ版を重ねていて、パラパラめくってみたら、「おに」という言葉が「隠」に通じ、姿を見せないという意味があることや、中国語の「鬼」という漢字が死者の霊を表すことも載っていたし、酒呑童子の大江山伝説や、その部下である茨木童子の羅生門伝説なども、詳しく載っていた。

歌人や作家が仏教や伝説について書いた本はたくさんあるが、感性に頼った随筆風の読み物ではなく、ここまで過不足なく詳しい内容の物はなかなか無いから、それが今もこの本が読み継がれている理由なのだろうと思った次第だ。


※写真は「グラフィック版 日本の古典 竹取物語 伊勢物語」(世界文化社)からの引用です。



  是非ご覧ください!!

 

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