成道会の寿限無 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

「寿限無」という落語は、よく知られすぎて、却って面白く演じるのが難しいと、wikipedia にも書いてありますが、聞く方だって大変です。よく知っている上に、繰り返しの多いこの話、よほど面白く演じて頂かないと…。

ところでこの落語、「お寺の和尚さんが長い長い名前を付ける」という設定だけあって、五劫の摺り切れとか、或いは架空の名前とは言え、シューリンガンとかグリーンダイとか、いかにも仏典に出て来そうな言葉がたくさん出て来ます。
 
中世以後の日本の説話集などには、日本古来の伝説と、仏典由来の異国調の物語が融合した、奇妙な神話がたくさん描かれていますが、その中に、こうしたインドや中国に、ありそうで、なさそうな、不思議な名称がたくさん出て来る、あの感じに「寿限無」は似ています。だから、不詳とされている「寿限無」の作者は、きっと仏教に造詣の深い誰かだったのでしょう。

こんなことを考えたのは他でもなく、今日はお釈迦さまが悟りを開いた成道会(じょうどうえ)、それに因んでブッダのお弟子である周利槃得さんのことを考えていて、仏典に出て来る名前って、「しゅりはんどく」みたいにひらがなで書くと、日本人には実に発音しにくいな、きっとこうした感覚をネタに、「寿限無」の構想が練られたに違いないと思ったからなんですが…。
 
 
       
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                                おしまい。
 
 
 
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