韓国のお寺に関する新聞記事 | アジアのお坊さん 番外編

アジアのお坊さん 番外編

旅とアジアと仏教の三題噺

夢を見なくなった。10代の頃から面白い夢を見るようになり、お坊さんになってタイやインドで修行してからは、アジアの仏教や宗教が題材の、起承転結を持った、オチやトリックのある物語的な夢を、やたらと見るようになったので、夢ノートも付け、人にも語り、あまつさえ、気に入った夢を、恥ずかしながらクレヨンで絵に描いてみたりしたのだが、どうもこれは大変な執着だと思って、きっぱりと止めにした。

そうすると段々、夢を見ること自体が少なくなり、見ても記憶しておこうという気持ちがなくなったが、それでも時折りはアジアの夢を見る。最近でもテーラワーダの小僧さんたちが、日本の大学で何かの申し込みのために、受付や廊下の地べたに坐って溢れ返っている夢を見たし、つい昨日は、我々日本のお坊さんたちがテーブルに坐っている部屋に、韓国のお坊さんたちが入って来て、テーブルの周りをぐるぐる廻り出すという夢を見た。

それで思い出したのだが、インドのお寺から一旦、日本に帰った時、そう言えば韓国の大きなお寺で坊さんたちが暴れているニュースが新聞に載っていたよと、在家の友人が教えてくれたことがある。当時、インドに居る間は情報から完全に隔離されていたし、日本でもインターネットは普及していなかった頃だったから、図書館に行って縮刷版の新聞を、時間を掛けてずいぶん調べた。

その新聞のコピーが手元にあるので、久々に見直してみた。1998年12月と1999年10月の毎日新聞にソウルの曹渓宗の総本山である曹渓寺(チョゲサ)で内紛があり、暴動すれすれの大混乱だというニュースが載っていて、「仏の心どこへやら」「僧侶がまた大乱闘」といった見出しが見える。

ついでに他の記事の切り抜きも見てみた。2002年6月、海印寺(ヘインサ)の僧侶たちが安居中にワールドカップの試合を見ようとして寺内で大問題になったというニュース、2002年7月、トンネル工事計画に反対したソウルの僧侶たちが、抗議の意味で三歩一拝(三歩進んで、一回礼拝し、行進すること)したニュース、同年8月、釜山の高速鉄道工事計画に反対して、尼僧たちが三歩一拝したニュース、2008年8月、曹渓宗の高僧が警察の検問を受けたことに抗議して、大集会が行われたというニュース、2010年12月、釜山の梵魚寺(ポモサ)の天王門が焼失したというニュース、などなど。

夢よりも、現実の方が、ずっと驚異的だ。
 
 
              
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※写真は海印寺の「八萬大蔵経」を紹介した2008年10月の「THE KOREA TIMES」。
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