「ミャンマーの女性修行者ティーラシン」のこと 先日、紹介した「中国・ミャンマー国境地帯の仏教実践 徳宏タイ族の上座仏教と地域社会」と同じ風響社のブックレット・シリーズ「ミャンマーの女性修行者ティーラシン 出家と在家のはざまを生きる人々」(飯国有佳子著)を読ませて頂いた。 これも大変に面白い。比丘尼の法統が絶えた上座部仏教において、在家戒を守りつつ、白い衣を着て出家生活を送る女性はタイやラオスやスリランカにもいるのだが、なぜミャンマーだけ、衣の色が真っ白でなく、薄いピンク色なのか? 前から疑問だったのだが、そんな話も載っていて、海外仏教を見聞する機会が多い人であっても、なかなか分かりそうで分からないことというのは色々あるものだが、この本は、そんな細部に至るまでを、とても詳しく教えてくれる。 「ミャンマーの女性修行者ティーラシン」は、2010年の発行。ほぼ同じ時期に出た「挑戦する仏教 アジア各国の歴史と今」(法蔵館)には、伊藤友美氏によるスリランカを中心とした比丘尼復興運動についての報告があるから、併せて読むと、現在のアジアの尼僧状況・白衣の女性修行者状況が、よく分かる。 ちなみに、「挑戦する仏教」には、徳宏タイ族を含む雲南地域の上座部仏教についての記事も載っているが、2011年に風響社のブックレット「中国・ミャンマー国境地帯の仏教実践 徳宏タイ族の上座仏教と地域社会」が発行され、2012年になると「挑戦する仏教」の姉妹編「アジアの仏教と神々」が、法蔵館から出版されている。 2000年代になって、海外仏教の研究が日本でも、より盛んになって来たことは、とても喜ばしいことだと思う。 ※「アジアの尼僧さん」もご覧ください! ※ホームページ「アジアのお坊さん」本編も是非ご覧ください!! ※お知らせ※ タイの高僧プッタタート比丘の著作の 三橋ヴィプラティッサ比丘による日本語訳CD、 アーナパーナサティ瞑想の解説書「観息正念」、 並びに仏教の要諦の解説書「仏教人生読本」を入手ご希望の方は タイ プッタタート比丘 「仏教人生読本」「観息正念」改訂CDーR版 頒布のお知らせをご参照下さい!