日本人上座部僧の三橋ヴィプラティッサ比丘から、久々のお便りです。
タイの高僧、プッタタート比丘の二つの著作、独特な仏教入門書である「仏教人生読本」と瞑想手引書の「観息正念」の改訂CD版翻訳を終えられた三橋師は、現在、プッタタート比丘の「Emptiness」を、「空の法」というタイトルの下に、翻訳されているところです。
既訳の2つのCDは、三橋師が、プッタタート比丘が創始したタイのワット・スアンモーク寺院を通して、書籍版で以前に出版されたものを改訂されたものですが、「空の法」は、この度、CD版として初めて日本語に訳されるもので、そのため三橋師は自身の仏教人生を総括し、また内容の理解のために長年親しんで来られた大拙の禅思想をも振り返って、時間をかけ、精魂を傾けて、正確な翻訳を心がけておられるとのこと。
私たちは三橋師の、修行者としての経験を踏まえた翻訳を愛するものですが、もちろん他の方が日本語に訳されたプッタタート比丘の著作や、或いはタイ語版や英語版に直接当たられることを、否定するものではありません。
アーチャン・プッタタートの教えが、そしてもちろん、その核にあるブッダの教えが遍く人類に広まり、全ての生きとし生けるものが、苦悩から解き放たれることこそが私たちの願いなのですから、誰も彼もの良い行いが、そのまま仏教興隆の一翼を、担うことだと思えばこそです。