映画『火花』は売れない漫才師を描きながら、誰もが感情移入できる人間の希望の物語。 | 【映画とアイドル】

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🎬『火花』2017年作品

 

 

仕事納めが30日でやっと終わって、

休みの前ってなんか寝るのが勿体なくて

深夜にブログを書いてたら

たまたまTVでやってた 映画『火花』。

Netflixでやってたのは知ってたけど

劇場用映画をやってた記憶はありませんでしたが、

序盤でブログを書く手を止めて見入るほど引き込まれました。

 

 

 

 

原作は言わずと知れた又吉直樹さんの芥川賞受賞作。

自身もお笑い芸人である又吉さんが描く漫才師の話となれば

漫才師の姿をリアルに描いてるであろうという予想はできましたが、

正直 漫才師の話には興味はありませんでした。

 

しかし、先日M-1を見たばかりで、

その裏側の番組も見て、

漫才をやる人たちの熱い想いを感じていたばかりやったから

なんとなく観始めたらハマりました。

 

 

 

 

実際に観ても予想を超えるような話の展開はないんですが、

だからこそリアルさを感じるところがあって、

関西人としては 日ごろ見かけるお笑い芸人たちが

ちょくちょく登場するのもリアリティにつながっていましたね。

 

3時のヒロインもチラッと登場してたから

いつ公開の作品かチェックしたら

3時~が売れる前の、デビューした年の作品でした。

 

売れない芸人を描いた映画でちょっと映っただけの芸人がブレイクしたのは

作品の内容と逆の意味でリンクしていて面白いです。

 

 

 

もはやすっかり演技派としてのイメージが定着した菅田将暉くん以上に

菅田演じる徳永が憧れて弟子入りする漫才師 神谷を演じる桐谷健太さんが素晴らしくて、

彼の演技で引き込まれたところあります。

 

 

 

あと、2丁拳銃の川谷修士さんの演技が上手くてビックリしました!

 

 

 

監督もお笑い芸人である板尾創路さんなので、

売れない芸人の心情をリアルに描けていたんやと思います。

 

日本映画にありがちなベタな演技とか描写はなくて、

タイトルを意識してか、照明などの光の映像に明らかにこだわってて、

その何気なく美しい映像もよかったですね。

全てに程よいサジ加減の演出が、

この作品が根底に持つ優しさを伝えてくれていると思いました。

 

 

 

 

 

映画の中のナレーションが嫌いなボクでも

菅田くんの語りは押しつけがましさがなくて自然に聞くことができました。

 

桐谷さんはキャラが強いからオーバーアクトをするイメージがあったんですが、

今回は芸人の役やから彼のそんなキャラがピタリとハマって、

なおかつ 意外に繊細な部分も感じさせる芝居は本当に見事でした!!

 

 

 

 

 

 

主役の漫才師たちが売れていくサクセスストーリーなら映画として盛り上がりますが、

本作はその逆で、生活のために漫才を諦める主人公たちがリアルですが、

そのリアルな姿に感情移入できることで感動できる

派手さはないけど素晴らしいストーリーでした。

 

クライマックスの漫才シーンの菅田くんは本当に見事でした!!

 

 

木村文乃さんが花を添えますが、ラブストーリーにはならず、

あくまでも漫才を愛する男たちが主役なのがよかったです。

 

 

 

 

 

 

 

神谷が自分の体に突飛なことをしたことで

徳永が笑いにとって必要なこと・タブーなことを語るのが

今の時代性を言い表していて上手かったですね!

 

 

 

 

何よりよかったのは

徳永と神谷の二人の日常会話が漫才になっていたところ。

そこには純粋に笑いが好きな二人の姿があって

だからこそ生活のために漫才を諦めざるを得ない切なさ、

売れない現実とその辛さが胸に刺さって、

でもだからこそ最後の神谷の言葉に感動しました。

 

 

(この映画を観てお笑い芸人を目指す若い人が出てくるんちゃうか?)

って思いましたね。

 

 

 

 

 

 

売れない現実をリアルに描きながらも

お笑いへの夢は残してくれたラストに、

この作品の 漫才・映画、

そして 人間への愛を感じることができました♡♡