『デス・ウィッシュ』はイーライ・ロス監督とブルース・ウィリスらしさが活きたヴィジランテ物の快作! | 【映画とアイドル】

【映画とアイドル】

『007』『スター・ウォーズ』『エヴァンゲリオン』
『魔法にかけられて』

カラフルスクリームゆうか【ミスiD2021CHEERZ賞】
叶星のぞみ(五代目KONAMON)
菅原未結(KRD8)

DEATH WISH (2018)

 

 

 

本作は1974年の作品『狼よさらば』のリメイク作ですが、

ボクはオリジナルを観ていません。

ちなみに『狼よさらば』シリーズの四作目『バトルガン M-16』は

TVで観て面白かった記憶があります。

 

 

 

今回のリメイク版の肝はなんといっても

監督のイーライ・ロスと主演のブルース・ウィリス!!

 

ロス監督は個人的には『グリーン・インフェルノ』と『ノック・ノック』が面白かったから信頼できる監督。

 

ウィリスについては何も言う必要ないでしょう^^

 

残念ながら去年、失語症で俳優を引退したので、

ボクがスクリーンでウィリスを最後に観たのが本作になりました。

 

結果的には最後までカッコいいウィリスの勇姿を見れてよかったです^^

 

 

 

 

 

【※ラストまで具体的に触れます】

 

 

 

 

 

 

 

強盗三人組に妻を殺され、大学合格が決まったばかりの娘は意識不明の重体を負わされ、

失意のドン底から自警に目覚める主人公カージーを演じるのがウィリス。

 

 

ポイントは このカージーを外科医にしたことで(オリジナルは建築家)、

自警・処刑によって自身が怪我を負っても病院に行かず

自分で治療できるから足が付かない展開に説得力が出ます。

 

外科だから 銃で撃たれた者がしょっちゅう運び込まれ、

そこから犯人に辿り着くストーリーも、

ややご都合主義もあるとはいえ、上手い展開になっていたと思います。

 

腕利きの医師なので、それまで使ったことがなかった銃の扱いに比較的スグ慣れていく流れも自然でしたね。

 

 

 

 

銃のスライドの反動で怪我をしてしまうところもリアルに感じました。

 

ここの映像がネット上で一気に広がる展開も

いまどきなら普通にありそうな話です。

 

 

処刑する時のパーカー姿が同じくウィリス主演の『アンブレイカブル』を連想させるのも上手い演出。

 

 

 

銃弾を摘出するシーンと弾を込めるシーンを

スプリットスクリーンで見せるとかさすがロス監督!!

 

 

 

 

 

ここから面白いのは

先日観た『ブレイブ ワン』もそうでしたが、

暴力犯罪が多発している都市では

自警団容認の空気が市民にはあるところ。

そして、日々犯罪捜査に追われている警察の人間にもそれがあったりするところ。

 

被害者にとってはそれまでの人生を悪い方向に一変させる大事件でも、

警察にとっては多数の未解決事件のうちの一つになってしまう現実。

 

ただ、本作における刑事たちはカージーに誠実に対応しているのがいいです。

馴染みのない俳優さんたちでしたが、

ディーン・ノリスとキンバリー・エリス演じるコンビがよかったですね。

 

さりげなくカージーを擁護する対応も粋でした。

 

 

 

オリジナルで主役を演じたチャールズ・ブロンソンは

ボクらの世代にはマンダムの男臭いCMでお馴染みの

いわば強い男のイメージがあった俳優でしたが、

ウィリスもアクション俳優のイメージが強いながらも

代表作は『ダイ・ハード』シリーズ。

あの作品のジョン・マクレーンは元はダメな男のイメージが強くて

およそヒーローっぽくないところが面白かった。

そのイメージのウィリスがカージーを演じることで

おとなしい市民が怒りで変貌していく様がリアルに見えるところがいいです。

 

密かに訓練をしていたとはいえ―

 

 

 

このシーンの銃さばきが異様なほど速くて

ここはさすが多くのアクション映画で鳴らしたウィリス(!!)って感じでした!

 

 

街のダニどもを始末する処刑人から

自身の復讐をキッチリ果たしていく展開も気持ちいい。

 

 

 

カウンセリングよりも

悪党を殺していくことでみるみるイキイキしてくるカージーの姿に

ありがちなカウンセリングへの皮肉も見て取れるようで面白かった。

 

人間どん底に堕ちたら

人に相談したくらいで這い上がれるわきゃない。

結局は自分の行動次第、というのは

殺人による自警という行動は極端としても説得力があります。

悪党どもを成敗するのは、普通に善良な市民からしたら

みんな潜在的に持ってる願望とも思うからです。

 

 

 

悪党を始末するシーンが

ロス監督らしく必要以上にゴアなのもw最高!

クソ野郎の脳ミソが飛び散るとか最高でしかないww

 

 

 

 

この作品はこうやって、

ヴィジランテ・復讐ものでありながら

気分がスッキリする見せ場もちょくちょくあるのがいい。

 

 

ロス監督らしく、

あくまでもエンターテイメント作品としてのヴィジランテものになってる。

 

でも、ロス監督って 拷問シーンが話題になった『ホステル』も

実際に観たら意外なほどきっちりした映画でもあったから、

ゴアシーンでフッと笑わせながらも

自警というものに対するテーマ性は作品に一貫してあるのがいいです。

 

 

カージーがピンチになっても運に助けられる展開は

作り手が明らかに自警・処刑に対して容認の立場であることを明確にしているのがいいです。

そのせいで公開当時は批判も出たようですが、

主題はあくまでも家族を傷つけられ失ったカージーの心の痛み。

そもそも批判する人間は自分の家族が殺されて・傷つけられても

悪党に仕返しすることを認めないのか?と問いたい。

 

戦争のやり合いは 無関係な市民も巻き込むからやってはならないけど、

個人で当事者同士で決着つけるのはアリやと思う。

 

カージーが決して暴力的な人間ではないことは冒頭で示されてるし、

そんな人間を怒らせる暴力的な奴らが悪いのは明白なこと。

 

まだるっこしい捜査や

加害者を擁護するかのような裁判もイライラする。

罪のない他人を殺しといて更生も何もないやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回 映画館で観て以来五年振りに観ましたが、

自分の娘も本作のカージーの娘と同じ年頃になって

より共感できました。

 

娘の友達役の女優さんが可愛かったんですが、

今回調べて

ステファニー・ヤヌサウスカス(Stephanie Janusauskas)という女優さんやと分かりました^^

 

かわいいです♡

まだ目立った活躍はないようですが、

これからのブレイクに期待したいです^^

 

 

 

 

 

 

 

 

先に書いたように、

本作はヴィジランテものといっても

エンタメ作品の方向に程よく振っているので

エンドタイトルにAC/DCのロックチューンを持ってきたのもよかった♪

 

そして何より

こんなにラストシーンが爽快なヴィジランテものは初めてでした!!!

♫BACK IN BLACK!!!

 

 

 

 

 

悪人の死を願う!!!!