『シン・仮面ライダー』 全国公開中
【※ネタバレ】
本作、かなり賛否分かれていて、
しかもその温度差の激しさが顕著なのは
さすが?!庵野秀明監督作品って感じですが(^^ゞ
批判してる人が上から目線というか、
なんか小馬鹿にしたような批判をいくつか目にしたので
このブログでは全力でほぼ全肯定でガッツリ書いてみたいと思います!^^
前回のブログでは、本作の魅力は庵野監督がその独特の作家性を全開させているところと書きましたが、
パンフレットの庵野監督の言葉を読むと、
庵野監督は自分が作りたい仮面ライダーにこだわったわけではなく、
オリジナルをリスペクトしつつ、みんなが楽しめる仮面ライダーを作ろうとしたことがよく分かります。
賛否渦巻いてる状況を見ると、そういう点で成功したとは言い難いところではありますが、
初めて本作で仮面ライダーを観て楽しめてる人も少なからずいるので、
庵野監督が思ったほど万人受けはしてないものの、
庵野監督ファン・仮面ライダーファン以外にも楽しめる作品になり得てると思います。
今回はそういう観点から本作を振り返ってみます✑
まずいきなり激しいカーアクション・バイクアクションから始まったのにビックリしたんですが、ここで
(おっ!庵野監督がエンターテイメントとしての掴みを狙ってる!!)と盛り上がって⤴⤴
一瞬で入り込めましたね!
しかし、その後のスプラッター的描写で正直やや引いてしまって、
(こりゃ子供と見れんぞ)と思いました。
(子供に見せづらい仮面ライダーってどうよ‥)と思ってしまったんですが、
本郷猛の闘う者としての苦悩が描かれるので、その残酷描写に納得。
それに、動画が公開されたから何度か見たんですが、
(期間限定公開)
あらためて見ると、血がブッシャ~!!とド派手に出るぶん漫画的にも見えて、
実はオリジナルのTVシリーズもけっこうグロかったことを知ればさらに納得。
ただし、映画というのは元ネタを知らなくても楽しめるように作るべきやと思うので、そこは微妙かも。
ただ、ド派手だからこそのインパクトで客を引き込む手法であったと思えばこれも納得。
本作は多彩なキャスティングでみんな素晴らしい演技を見せてくれるのも魅力!!
浜辺美波ちゃんが難役を見事にこなして物語を引っ張り、
アイドル出身の可愛い西野七瀬ちゃんが怪人ハチオーグを演じるキャップも最高!!!
もうここは女優さん好きな映画ファンなら絶対見逃せないポイントです!
そしてもちろん主役の本郷猛を演じた池松壮亮さんの抑えた演技の素晴らしさ!!
ボクはウジウジ悩む系のヒーローは苦手ですが、
本作の本郷は悩むよいうより本当の優しさが随所に出ていて、
そこがなんともチャームに感じました。
今どきの若い男性は優しい人が多いイメージがボクはあるので、
感情移入できる若者も多いんじゃないかと思います。
オッサンのボクでも共鳴できました。
そんな本郷に対して あっけらかんとした感じがいい対比になっているのが
仮面ライダー2号になる 柄本佑さん演じる一文字隼人。
二人の対立で盛り上げるよりも
二人の友情を気持ちよく描くことに主眼を置いているのもマル。
柄本さんは平成ライダー以降のイケメンライダーのイメージとは全く違いますが
だからこそ感情移入できる!
池松さんもやけど、柄本さんはもっと昭和男子っぽくて本当にいい。
一匹狼を気取ってた一文字が本郷との出会いで
相棒もいいな、という考えに変わるのが本当に気持ちいいし、
ここは庵野監督らしいメッセージも含んでいると感じました。
孤独な変わり者ばかり描いているようなイメージもありながら、
人として普遍的に大切なものを描き続けてきたのが庵野監督だと思うからです。
音楽使いのセンスもさすがやし♪
ロケーションを活かした素晴らしいキメショットも多数!
否定派の人の意見で「いいシーンは多いけど つなぎ・編集が悪い」というのをいくつか見たんやけど、ボクはそうは思いませんでしたね。
むしろ上手く編集してるし、『シン・ゴジラ』よりボクは見易かったです。
そもそも本作みたいなキメのシーンがまともにない映画だって多いし、
そういうシーンがたくさんあるだけでまず秀逸やし、
おそらく潤沢な予算はなかったであろう中で、
ここまで映像にこだわった作品を簡単にけなすなんていかがなものかと思いますね。
映画館のスクリーンで観てこそのシーンですよ!!
子供のころ仮面ライダーを見ていた時、
同じショッカーが作った怪人なのに根本的なデザインが違う違和感がなくもなかったんですが、
本作ではショッカー側の怪人もマスク&コスチュームで仮面ライダーと同じにしているから違和感が全く無いどころか、
ハチオーグのマスクにいたっては仮面ライダーよりカッコイイんじゃないかと思うほど!!^^
そして肝心の仮面ライダーのルックは最高やし
今のCG技術ならではのサイクロンのシーンが最高過ぎるので
『仮面ライダー』の現代版映画としてこれ以上のことはないでしょ!!?って話。
マスクがカチッとフルフェイスになるCGもいちいちカッコイイ!!
もちろんもっと爽快感や痛快さを求める人もいると思うし、
ボクも観る前はそこに期待したとこもあったんやけど、
クライマックスの2号ライダーの活躍なんか痛快やし、
その2号が次を期待させるようなラストを見せてくれるのも最高!!
どちらかというとダーク寄りな作風でありながら
ラストは爽やか締めたのも鮮やか!!!
つまり、映画館を出る時に気分が上がるようにちゃんと作ってくれているんですよね!
最初のスプラッター描写や、
変な?!コウモリオーグのシークエンスとかで引いた人もいるとは思いますが、
そこで拒絶反応を示さず、作品全体を観たら、
面白い作品であることに気づく人も少なからずいると思います。
多分コウモリオーグのところで楽しめる人はノレるんちゃうかな?^^
コウモリオーグの動きをただチャチいと思うか、
面白いと思うかで本作自体の評価も変わってくる気がします。
その観点で言うならクライマックスの対ニセライダー戦も
チャチいと見るか、マンガチックで面白いと見るかで変わってきそうです。
このシーンが暗いという指摘もごもっともですが、
だからこそマシンガンの発砲による光とかが際立つ面白さもあったし、
暗さでCGの精度を誤魔化すのは常套手段でもあるので、
それを漫画的な面白さにつなげたセンスはさすがやとボクは思いました。
ニセライダーのシーンはライブによるアクションを撮ってたのに
ばっさりカットしてしまったことが話題になっていますが、
最終対決がベタな生身のアクションやったから
全体的なバランスも考えたのかもしれません。
いずれにしても、庵野監督ほどの人が決めたことなら
ファンとしてはたいがいのことは受け入れられます(^^ゞ
ショッカーがやろうとしてることがまるでエヴァにおける人類補完計画だという指摘があって実際そうなんですが、
むしろ庵野作品を知らない人の方が新鮮に楽しめる可能性もあるわけです。
現代においてもはや世界征服などは陳腐でしかないので、
この設定はアリやと思います。
スケール感を追求した作品ではないので、結局緑川一家の話になってるのもアリです。
今思い返すと、悪役の世界征服の陳腐さを四十年以上前に描いていた『スーパーマンⅡ 冒険篇』はさすがやと思いますね^^
ボクが一番好きなスーパヒーローはスーパーマンなので
モロにw『マン・オブ・スティール』みたいな対決シーンにはニンマリでしたww
仮面ライダーを政府公安の犬にしてしまったかのような設定も、
現代において仮面ライダーという存在にある程度のリアリティを与えるためには
それも一つの方法論としてボクは受け入れられました。
まぁそこはさすがにTVシリーズのおやっさんとの関係性の方が好きですけどね(^^ゞ
でも、竹野内豊さんと斎藤工さんの役者力で受け入れられたところあります。
庵野監督は役者の演技を信じてない、みたいな指摘も耳にしましたが
ボクは庵野監督の実写作品を観てきて、それはむしろ逆だと思いますね。
どの作品も役者さんの演技が素晴らしいです。
特に本作はそれが際立っていると思います。
今ではあまりお目にかかれないオールスターキャスト映画としても存分に楽しめる作品だと思いますね!
完全ネタバレとか言いながら、実は核心に触れてないような気もしますがw
それくらい情報量の多い映画なんですよ。
でもだからといって難解なことは全く無くて、
むしろ仮面ライダー初見の人でも、
いや、もしかしたら初見の人のほうが余計なノイズ無しに楽しめるような気もします。
ボクが見た本作についての感想・レビュー動画から
いくつか貼ってみました↓
普段からよく見ているチャンネル↑(否定派)↓(賛否両論)
仮面ライダー初見の女性たちの感想↓(賛)
こちらの↓岩下スティーブンさんの感想にめちゃくちゃ共感です!!
あれこれ書きましたが、
こういうヒーロー映画はヒーローがかっこよかったらいいんですよ!
だから本作は―
最高なんです!!!!!