大阪アジアン映画祭で上映された『食べられる男』
一応 上映が終了したのでネタバレ込みで書きたいと思います。
でも、本作はすごく面白いからロードショー公開もして多くの方に観ていただきたいですねー!
http://www.europe-kikaku.com/taberareruotoko/
宇宙人に侵略されないために、選ばれた人間を食料として宇宙人に提供する
【地球人被食制度】なる条例が出来ている近未来の地球―。
まずはこのとんでもないwwプロットに惹かれますが(^^ゞ
つまりはこれはSF映画。
実際に観ると、様々なジャンルがいい意味で混在しているような印象を受けますが、
‘地球人が宇宙人に食べられる’ことがストーリーの主軸に据えられてる以上、
敢えてジャンル分けするならSF映画と捉えて間違いないでしょう。
大阪十三の昭和な?!街並みの中にある第七藝術劇場。ボウリングのピンのあるビルの6Fです
たまたま前の日に『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を最新設備のMX4Dで観たばっかやったから、
いかにも低予算な作品をレトロな映画館で観たら、その落差(といっては失礼ですが)にガッカリしちゃうんじゃないか?という危惧がなくもなかったんですが、
実際に観たら、むしろその逆でした!
落差どころか『食べられる男』には限られた製作体制だからこそのアイデアや映像が溢れ、
素晴らしい‘SF映画としてのセンス’を感じる作品に仕上がっていたのです!
観る前は、こういうプロットでありながら、(低予算やから UFOや宇宙人のシーンはないやろう)と予想していましたが、ちゃんと出てきますw^^
でも、やっぱりお金はかかってません、多分ww
しかし、監督はそれを逆手にとって わざとチープさを出して‘笑い’に転嫁してるとこがなかなか!!👍
特にUFOのシーンは、UFO好きにはたまらない‘味わい’も醸し出してて イイ雰囲気でした^^
昔のニセ映像にw出てきたような(笑)UFOのデザインもマル
近未来の設定でありながら、どの風景も昭和の雰囲気が充満していたのも良かった!
考えたら、今の若い人たちからすれば、昭和の風景の方が異世界的な面白さがあるのかもしれない。
本多力さん演じる村田は天涯孤独のように見えて、実はバツイチで大きな娘がいるという意外な設定も面白かった!!
https://twitter.com/Obento_mahiro
その娘を演じたのは大阪のアイドルグループObento Idoleオベントイドールの杉山まひろちゃん!
まひろちゃんは地に足のついたしっかりしたシリアスな演技を披露。
一見 冷たいようでも、最後の一言が胸に熱く刺さったあの演技は素晴らしかった!!
https://twitter.com/Obento_haruka
そして、今回のお目当て、オベントのリーダー中野陽日ちゃんは ショーパブのおネエさん役を演じたので
大人っぽく見えますが、同時に可愛らしくて気さくなキャラがかわいらしい(*^.^*)
彼女の人柄がその役柄に合っていて、ストーリーにも大きく絡んでくるので、
陽日ちゃんファンは必見とも言えます!
あっ、実際には来月18歳になるセブンティーンの女の子です^^
(追記:本作の後に、芸能活動を引退しました)
あと、時光陸さんが凄く良かった!!
村田と仲良くなる好青年を、若者らしい軽いw雰囲気を上手く出して好演!
時光さんの演技で、作品にいいリズム感が出たのは間違いない!!
なかなかイケメンで、舞台挨拶で見たら身長も高くてスリムな俳優さんなので、すごくスター性がある
と思いました!!
鍛えているようにも見えたので、ヒーローものの主役もイケそうな感じがしましたね^^
ブレイクする確率かなり高いと思います
こういう個性的なイキイキしたキャラクターたちが主役の村田に絡んでくるので、
予告編の淡々とした印象とは異なり、二転三転する展開を楽しむことができます
“食べられる男”が主役なので、‘食べる’シーンがすごく印象的。
自分が“食べられる”立場になったら、当たり前に食べていた食材が違って見えるのは当然でしょう。
‘食べる=生きる’という行為は他者の‘死’によって成り立っているという事実を
観客は主人公の村田とともに実感し、ある意味恐ろしさすら感じることになるのです。
しかし、‘食べられる’側の気持ちになることで、普段何気なく口にしていた食べ物の有難味に気づくという、
舞台挨拶で誰かが言ってたけど、実は〈食育〉という側面も持った作品でもあるのです^^
それは近ごろ問題になっている廃棄食品の話題までをも連想させ
映画の内容がタイムリーな話題と偶然リンクするという、本作は‘持ってる’作品でもあるのです!!
食料の自給率は低いのに、廃棄食品は莫大な日本という国自体の問題性までもあぶり出しているといったら大袈裟でしょうか?
いや、コメディーのような体裁をとりながら、人間が生きる上で必要不可欠な
‘食の問題’にズバッと切り込んだストーリーは本当によくできていると思いました!!!
ずっと同じ仕事と生活を繰り返し、友達もいない人生を淡々と過ごしてきた主人公村田が
他者とのつながりができたことによって段々イキイキしてくるのが面白くて、
一週間後に‘食われる’ということを受け入れていた村田の心情がどうなっていくのかも見どころ。
終盤に皮肉な展開が待ってるけど、ここは具体的に書くのはまだやめとこうかな^^
宇宙人が食材として好む人間が〈悲しみ成分が多い人間〉というのも面白くて、
だから村田が選ばれたワケやけど、
淡々と生活するっていうスタイルは、楽しさがないぶん 悲しみもそんなに感じないものやと思ってたから、この設定はなかなか胸に痛いものがあったな。
そんな村田が人生に楽しさを見つけたらどうなるのか?
意外な展開でラストが読めなくなってくるのも見もの
100分という上映時間も理想的な長さ 作品のリズム・テンポがちょうどエエんよね
う~ん、やっぱりストーリーの核心はまだ書きたくない。
これから この美味しい^^映画がたくさんの方の目に触れることを期待して、
本当のネタバレは後にとっておこうっとw
本作の一般公開を希望します!!
せっかく たくさんスクリーンあるのに、同じ映画ばっかやってたらww
ホンマに美味しい映画は食べられませんよ~~