日本が世界に恥じる最も滑稽な映画賞日本アカデミー賞の優秀賞が発表されました。名前はすごく立派に聞こえるけれど、こんな賞をもらって本当に嬉しがっている映画人っているのかはすごく疑問です。 去年最も興行成績がよかった邦画は『永遠の0』でその次が『STAND BY ME ドラえもん』という記事をどこかで目にしました。共に80億円台だったと思います。100億に届かなかったのがせめてもの救い。ちなみに洋画のベスト1は考えるまでもなく『アナと雪の女王』で250億円を超えています。まさに桁違いの大ヒット。
去年見た190本の映画のなかで一番よかったのが『ブエノスアイレス恋愛事情』というアルゼンチン映画でした。 WOWOW放映で見たのですが、その後劇場公開が決まり幸運にも今年の2月18日に劇場で見ることもできました。 本編ラストに「字幕:比嘉セツ」とクレジットされていました。 スペイン語の翻訳なので初めて目にする名前だなと思って帰りにパンフレットを買うと、編集後記に「Action Inc. 比嘉セツ」と記名されていたのです。
平日は朝食時にNHK-BSのワールドニュースを見ています。各国のニュースを同時通訳で放送する番組ですが、スペインTVEのニュースになると同時通訳者に「比嘉世津子」と出てくることがあります。スペイン語やし、同じ人や!と一人心の中で叫んでいました。 ちょうどそんな頃、ETVの「テレビでスペイン語」という番組で比嘉セツさんがゲスト出演するというのを知り、わくわくしながら放送を待ちました。放送日は7月3日の深夜0時からの25分番組。日付では7月4日ということですが、ラスト5分に登場しました。 比嘉さんの活動が紹介されてました。 10年前にある映画に出会い、それを買い付けてから今の映画配給会社Action Inc. を立ち上げてこれまで10本の映画をたったひとりで公開してきたこと、字幕だけでなく広報活動はもちろん、ポスターやパンフレットづくりもすべてひとりで手掛けられていることなど、です。すごい人だったのです。 番組最後に好きなスペイン語を紹介するコーナーがあり、"Más vale tarde que nunca." と自著された色紙を手にされると画面下に「始めるのに遅すぎることはない」とテロップがつきました。 比嘉さんご自身がはじめて映画の仕事を始めたのが44歳だったというエピソードを披露され、ご自身へのエールを込めた言葉なんだなとじんときました。テレビで見る比嘉さんはとても輝いていて素敵な人でした。いつか比嘉さんにお会いできたらいいなと強く感じた夜でした。