モダンリビング主催のイベントで
生活空間クリエイターでインテリアデザイナーの
行正り香さんのスペシャルトークショーに参加して来ました。
↓ゆきまさりかさんのプロフ
会場は38階のボールルーム。
以下は行正り香さんのトーク内容の槙本メモ
「こんな家にしたいなーと思っても、プロセスが分からなかったり
どの職人さんにどう頼めばいいのか分からない。
逆算して理想を実現してくれる人を見つけないといけないハードルがある」
「自分が何に惹かれるのかを見極める」
京都スタジオ作成時のこだわりの数々も…
「壁の穴や窓枠など
室内にアールの曲線を取り入れると柔らかい印象になる」
上記の記事のテクニック4と5
「すだれ天井と壁の境目にブラス(真鍮)の細い縁を回すことで
和に寄り過ぎない」(ブラスは錆止めを塗る事で色がキープ出来るが
行正さんは敢えてさび止めを塗らずに経年変化を楽しむそう)
記事のテクニック9
「窓のサッシ枠を見せたくないから、手前にアールを付けた壁を制作。
サッシの交換はマンションとしては認められないけれど
室内内側に壁を創るのは禁止されていないから」
この壁により、ガラス部分のみが室内から見えるようになり
現実味が薄れて世界観が守られるとのこと。
「天井の配線組みと照明用の穴の位置を明確に決めるために
新聞紙を広げて切り張りして部屋の形状と全く同じにしてから
実際の家具を配置し、丸テーブルの真上中央にペンダントライトが
垂れ下がるようにしました」
すだれ天井という特性上、配線の穴を後からずらせないので
事前の計算が非常に重要だったとのこと。
「光源の配線のために、壁にどんなものを飾るか、も先に決める必要があった。
掛け花(花器)の位置も、テーブルの中央線上にしたり、
掛け軸も壁の中央&テーブルの中央線上に掛けたいので、
その場所の壁に釘穴と、その真上にスポットライトを配置した」
「照明の調光機能は必須だと思う。
来客時には余計な物を見せたくないから薄暗くしたいし、
台所も暗めにすることで生活感が出にくくなる。
また廊下やトイレなども調光機能があれば、夜中に目覚めて行く時も
煌々とさせずに薄暗く点灯出来るので目が冴えるのを抑えられる利点も。」
記事のテクニック12
「最近ブームの竹の突き板をキッチンの棚の扉や冷蔵庫の表面に貼って、
存在感を消し、インテリアと同化させてみた。
そのために冷蔵庫はなるべく表面に凹凸が無く扉がフラットな物をチョイス。
(明確な目的があると選択肢が絞られて行くのでかえって悩まなかったそう)」
突き板貼り付けは、台所の扉を取り外して職人さんに預けて貼って貰ったそう。
「構造計算という物があり、日当たりや空調レベルも調べて
細かくアドバイスしてくれる。
こういった数値化をしてくれる工務店を探すと失敗が無い」
「よくリビングにあるソファは幅を取る。
家族の中で誰かが寝転がると他の人は座れなくなって不公平。
夫が陣取るのでムカついて、『寝るならベッドか床で』と
ソファ無しにしたら空間も気持ちもスッキリしました(笑)」
「テーブルコーディネートは和と洋を取り交ぜるのがトレンド。」
(3枚重ねたプレートの一番上の小皿のみ和の絵皿にしたり)
行正り香さんの職人さんとの付き合い方は
「まず左官屋さんを探しました。風合いや技術など
現地に行って何人もあたりました。
左官屋さんを決定後、左官屋さんおススメの大工さんを選んで貰い
電気工事屋さんを決めて、
『美味しいピザ屋を予約したんで、4人で行きましょう!』と誘って
ワインを飲んで親睦を深めた」んだそう。
その後、あまりに仲良くなったので、スタジオの鍵を渡してあり
空いている時には若い職人さんやお客さんに見せてOKとし、
建築の未来を応援しているそうです。
今回の協賛会社さんの製品「重量木骨」(耐震)を見物。
木材の内部に金物を入れて強度を上げつつ、
木材の良さを活かすというもの。
コンラッドと言えば象徴的なこの階段。
階段下で行正り香さんのフォトシュートが行われていたので
私もホテルスタッフさんに撮って貰いました。
珍しくオールブラックのファッションでした。
イケフェス=生きた建築ミュージアム大阪フェスティバル
以上、オフィスhint linkの槙本千里でした。