『没後100年 中村彝展ーアトリエから世界へ』茨城県近代美術館 | ☆ Pingtung Archives ☆

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60代おばちゃんの徒然です。映画やドラマ、本、受験(過去)、犬、金融・経済、持病のIgGMGUSそして台湾とテーマは支離滅裂です。ブログのきっかけは戦前の台湾生まれ(湾生)の母の故郷、台湾・屏東(Pingtung)訪問記です。♬マークは音楽付き。

ブロ友さんの記事をみて行きたい気持ちが募り、行ってきました。

展示は約120点。見ごたえのある展覧会でした。

 

画家としての活動は、17歳で結核を発症し37歳で亡くなるまでの20年間。

その間、ほとんど病と闘いながら、時には失恋もしながらの創作活動。

 

独学で、画集(しかも白黒)でレンブラント、セザンヌ、ゴッホなどの作品を勉強し、自分のものとして行く過程が一枚一枚の絵に投影されています。

 

ほとんど模倣の絵もあるのですが、構図や描かれているものが同じでもオリジナルを超える何かが訴えてきます。

 

中村彝が最も影響を受けたとされる、ルノワールの〈泉による女〉を見てからの画風にはフォッサマグナと言ってもいいほどの変化を感じました。

 

たしかに完成度が上がったように思います。

 

一方でそれまでの作品にあった「行間」のようなものがなくなったような気が・・。

個人的には、それまでの画風の、写真で言えば「ソウル・ライター」風の隙だらけの仕上がりも好きです。

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美術館の敷地内に 中村彝 が亡くなるまで過ごしたアトリエが復元されています。

北側にトップライトを取り込んだアトリエ

実際にモデルが座ったソファ(本物)

創作に励む中村彝(モデルは上出のソファに)

本人の写真

ジーザス・クライストか・・・

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美術館の1階に 中村彝 にインスパイアされて描いたという地元の高校生の作品が展示されていました。

上手いなあ・・・

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最後にもうひとつ。

美術館の建物が素敵でした。

モダニズム建築の吉村順三による設計で1987年に竣工。

 

数寄屋を感じさせる外観に加えて、美術館をとりまく庭には水がはられ、モミジの落ち葉が浮かんでいました。

午後の日差しが反射して妙な立体感。一期一会の瞬間だと思いました。

 

驚いたのは鎖樋の大きさ!巨大なの。

遠景

寄ります・・・うーん 大きさが伝わらないな

これでどうかしら

こういう鎖樋が見えただけで4本。(全部でたぶん6本以上)

銅製です。屋根も銅。

 

使われてる石やら木材やら全部上等・・・

いったいどんだけコストかかったんだろ。

お金持ちだったなー。