映画『Winny』 | ☆ Pingtung Archives ☆

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もとは(湾生の母にまつわる)戦前の台湾・屏東(Pingtung)や引揚げ、さらに2016年の屏東訪問の記録。今は思い付きの日記で、映画やドラマ、本、受験、犬、金融・経済、持病のIgGMGUSそして台湾とテーマは支離滅裂です。♬マークは音楽付き。

Amazonプライムで配信中です。(2023年公開)

 

 

概要

 

殺人に使われた包丁をつくった職人は逮捕されるのか——。
技術者の未来と権利を守るため、
権力やメディアと戦った男たちの真実の物語。

2002年、開発者・金子勇(東出昌大)は、簡単にファイルを共有できる革新的なソフト「Winny」を開発、試用版を「2ちゃんねる」に公開をする。彗星のごとく現れた「Winny」は、本人同士が直接データのやりとりができるシステムで、瞬く間にシェアを伸ばしていく。しかし、その裏で大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、ダウンロードする若者も続出、次第に社会問題へ発展していく。
次々に違法コピーした者たちが逮捕されていく中、開発者の金子も著作権法違反幇助の容疑をかけられ、2004年に逮捕されてしまう。サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光(三浦貴大)は、「開発者が逮捕されたら弁護します」と話していた矢先、開発者金子氏逮捕の報道を受けて、急遽弁護を引き受けることになり、弁護団を結成。金子と共に裁判で警察の逮捕の不当性を主張するも、第一審では有罪判決を下されてしまう…。しかし、運命の糸が交差し、世界をも揺るがす事件へと発展する——。

なぜ、一人の天才開発者が日本の国家組織に潰されてしまったのか。
本作は、開発者の未来と権利を守るために、権力やメディアと戦った男たちの真実を基にした物語である。

実話だそうです。

以下ネタバレです。

 

主人公の金子勇は、難しい裁判に翻弄され、紆余曲折の末無罪を勝ち取ります。

が、プログラマーとしての活躍を果たすことなくそのわずか1年半後に急死。

 

 

このことで、

 

日本の天才プログラマーを失った

彼が生きていたら日本のIT業界はここまでガラパゴス化しなかったかもしれない

 

などと巷では伝説となっています。

 

映画では、その伝説の人の才能や純粋さと官僚的な警察・検察組織が対照的に描かれます。

一事が万事、国家権力へのガバナンスを欠いた後進国ニッポンの真の姿です。

 

東出昌大の演技は、なかなかよかったです。

難を言えば、声。

声がかん高くて明るすぎる点がオタクっぽさを打ち消すように感じました。

 

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映画の中で、「普通のプログラマーが3年かかるプログラムを金子氏は2週間で作る」というくだりがあります。

現に、Winny は一晩で仕上がったようにも見えました。

 

そのシーンをみながら、株(あせるあせるスンマセンこんなところでニヤリ)のことを思いました。

 

東証プライムの平均ROEは9%

一方、アメリカS&P500の平均ROEは17%

 

巨大なテック株が巾を利かすアメリカ株の利益率(ひいては成長率)は、金子さんのようなギークな人材を数多く育み、しかもその人たちの高い生産性の芽を摘まない風土のたまものです。

エリートを多数擁する大企業のかたまりである東証プライムではせいぜい9%。ROE 17%にはひとにぎりの天才が必要だということを株価が物語っているように思います。

 

元来、ギーク(オタク)は日本の専売特許だったはず。

それがいつの間にかオタクどころかぺんぺん草も生えない枯野になってしまったのかもしれません。

 

いつの日か、日本株にもROE17%を目指せる日がくるのでしょうか。