『医者に殺されるな』by 近藤誠 | ☆ Pingtung Archives ☆

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60代おばちゃんの徒然です。映画やドラマ、本、受験(過去)、犬、金融・経済、持病のIgGMGUSそして台湾とテーマは支離滅裂です。ブログのきっかけは戦前の台湾生まれ(湾生)の母の故郷、台湾・屏東(Pingtung)訪問記です。♬マークは音楽付き。

「病」がらみの本が続きます。

新聞の書籍広告欄でよく見かけた近藤誠先生の本の数々。

どれも、がん治療を否定せよ、病院に近づくな、医者を疑え、などセンセーショナルなものばかり。

気になってはいても、今まで一度も手にとったことのなかったわたくしです。

近藤誠がん研究所|公式サイト (kondo-makoto.com)より)

 

はじめて手にとったこの本はしかし、近藤先生が亡くなってから出されたもの。

今さらですが、(賛否両論ありますが)この本に出会えてよかったと思います。
 

 

概要(医者に殺されるな 僕が闘い続けた「医療不信」の正体の通販/近藤誠 - 紙の本:honto本の通販ストアより)

がん、健康診断、ワクチンから新型コロナまで「医療ムラ」のウソを暴き続けた医師・近藤誠の突然の死から1年。幻の取材原稿と畏友たちの深掘り追悼論考で、医学の常識を覆した“近藤理論”の真の意義を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】

●近藤さんの主張が
医学界で通らないほうがおかしい――
養老孟司(『バカの壁』『ものがわかるということ』ほか)
●学問的真実を絶対に譲らず、
妥協をしなかった人――
和田秀樹(『80歳の壁』『70歳が老化の分かれ道』ほか)
●ガンになったとき、
診てほしい人がいなくなった――
上野千鶴子(『おひとりさまの老後』『在宅ひとり死のススメ』ほか)
医療、医学に関心、疑問を持つすべての人必読の
盟友3人による「私の近藤誠論」収録!

突然の死から1年――幻の取材原稿と、
3人の知性が語り尽くした深掘り追悼論考で、
医学の常識を覆した“近藤理論”の
真の意義が明らかに!

がん、健康診断、ワクチンから新型コロナまで
「医療ムラ」のウソを暴き続けた医師の全記録!

 

がんは早期発見が全てだと思っておりました。

そして、みつかったらがんを小さくするために抗がん剤で治療を開始して、そして切る必要のあるものは切る。

そのために、国をあげてせっせと検診。

 

レントゲン、CT、MRI、そしてマンモグラフィ。

これだけ真面目に検診うけてればたいがいのがんは見つかるでしょ。膵癌とかは難しいらしいけど・・・

 

がんじゃなくても、よってたかって生活習慣病に気をつけましょう、と。

80歳以上で血液サラサラの薬を飲んでない日本人はいったい何割いるのでしょう・・・

 

そんな素人のジョーシキが覆る内容です。

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近藤先生の数々のつぶやき

 

    

乳がんは切らずに治る・・・勝手に乳房を切り取るのは外科医の犯罪行為ではないのか

・・・(ワイフと娘たちに向かって)これから外科と一戦交えてくる。うちは貧乏になるかもしれないけど、覚悟してくれ

 

    

ほっといても進行しない、命を奪わないがんがある

 

    

健康診断で使われる基準値を信用してはいけません。クスリを売るために、医療業界が結託して基準値を低めに設定しているのです

 

    

健康診断を受ける人ほど早死する

    

    

抗がん剤はすべて猛毒

抗がん剤で治る可能性があるのは、血液のがん(←個人的に関係あり)など全体のたった一割です

 

    

検診を絶対にやめない日本

 

    

肺がん検診の比較試験の結果、むしろ死亡を増やすことがわかり欧米は肺がん検診を始めなかった。

日本はそれを知りながら老人保健法に肺がん検診を加えた。

マンモグラフィに意味なしとわかったのにマンモグラフィを使った検診事業をスタートした。

胃がんのバリウム検査は一大産業。

先進国では過去の遺物で行われているのは日本だけ。

 

これらを3人の盟友がバックアップします。

 

和田秀樹

養老孟司

上野千鶴子

 

いずれも、日本を覆う忖度でごまかされた根拠のないジョーシキに反論し続けてきた人たち(←和田秀樹さんは闘ってはいない)です。

 

でも、近藤先生の熱量はこの人たちの比ではありませんでした。

先生の場合、すべての主張がエビデンスに基づいています。

そのために何千何万という海外の論文に目を通し、慶応病院に居続けて反論し続けました。

慶應を敵に回しているのですから、辞めてしまえばもっと楽な人生もあったはず。

でも、所属組織としての慶應には説得力があるから、万年講師で定年までい続けました。

 

なぜそんなことができたのか?

わたくしは思います。

近藤先生は真のサラブレッドだったのじゃないかと。

 

大学病院や医学界の力学におもねることなく、日和ることもなく信念を貫き通す。

そうさせたのは、真の意味でノーブルな生い立ちとサイエンスへの畏敬の念だったのかもしれません。

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医学の世界も日進月歩。

近藤先生の主張も新しい発見とともに塗り替えられていくのでしょう。

現時点でも、近藤先生の説にはまっとうな反論があるのもたしかです。

それでも、この日本という国の医療システムは疑ってかかったほうがいいということはわかりました。

 

それにしても、こういうセンセーショナルなタイトルにとびつく60代以上の日本人(←自分も)のなんと多いことか・・・笑笑